1 拙稿紹介
「外国館をプロデュースしよう!−見えない所を見る力を育てる−」 『総合的な学習を創る 6月号』(明治図書)
「発想」や「しくみ」などは目で見ることができません。こうした見えない所を見る力を育てるための実践を紹介しました。ぜひ本屋さんでご覧ください。
2 社楽の会が「日本教育新聞」に紹介されました
「日本教育新聞」5月16日号P.4に社楽の会が紹介されました。
シリーズ“学ぶ・つながる・教師たち”F として、自由参加の「楽しい社会科授業づくり」というタイトルが付いていました。
3 「円空の語るもの」−梅原 猛講演会 リポート−
5月21日(土)江南市民文化会館で行われた講演会をリポートします。後日、本が出版されますので、さわりの部分だけ紹介します。
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円空が私の中に入った。それ以後2年間、朝から晩まで円空に夢中になった。
内海町で育ったが、たいていの家には神と仏があった。それを始めたのが秦澄大師。白山信仰で、越前加賀、美濃の真ん中にそびえる白山により神仏集合が始まり、弘法大師によって完成、日本に広く広まる。
神により清い心を、仏により慈悲の心を日本人は学んだ。
その秦澄が木彫仏をはじめ、行基がそれを受け継いだ。中国は当時から木が少なく、鑑真和上も木彫仏を持ってこなかった。しかし、日本には木が豊富にある。木で仏を彫り、仏教を広めようと思っていた。
円空がまわっている所は、白山信仰に関係がある。
荒子観音は円空仏の宝庫であるが、聖観世音菩薩像は泰澄和尚が彫った。高田寺は行基の彫った薬師如来像がある。
円空は、修験道。泰澄、行基を広めた。
円空は、生まれは羽島。洪水地帯で、名字は加藤。父は不明で祖父は分かってきた。まつばり子(私生児)。母は幼少時になくなり、坊さんになった。浄土真宗になったが、合わず、真言密教に興味を持つ。師勝の高田寺で真言密教の修行をしたと、荒子にある坊さんの手記に語られている。
(以下略)
☆★☆ コメント ☆★☆
円空の生涯を、スライドで作品を見ながら説明していった。確かに、晩年のデフォルメはピカソ並で、彫刻家としての才能と成長を見ることができる。その根が、私生児としての母への思いへと結びつけた梅原説は、人間としての円空の強さと弱さを感じ取ることができて興味深い。
−−円空についての関連ページ−−
4 第1回教師力アップセミナー−有田和正氏−
内容は、後日教師力アップセミナーのHPにアップされましたので、そちらを見てください。
☆★☆ コメント ☆★☆
野口先生といい、有田先生といい、普通の講演よりも模擬授業の方が数倍おもしろい。さすが授業のプロであり、水を得た魚のように思えてくる。
今回は、名古屋の街作りをネタとした模擬授業が中心で、2時間があっという間に過ぎていった。
毎朝、名古屋の街を歩いて通っているが、南北の銀杏並木、東西のトウカエデ、名古屋城周辺のケヤキ並木などの話題も出て親しめる内容であった。もちろん、その中に、授業の技が盛り込まれており、その技を最後にまとめていく手法は説得力がある。
また来年も期待したい。
5 学校経営CS研レポート
啓林館が発行しています。著者は売れっ子ばかりで、中身が濃い割にわかりやすい表現で、大変読みやすくできています。全編ダウンロード可能です。
バックナンバーを紹介します。
CS研レポート Vol.54 (特集:確かな学力向上に向けて II )
CS研レポート Vol.53 (特集:確かな学力向上に向けて I )
CS研レポート Vol.52 (教育改革:点検 新しい評価「絶対評価」 II )
CS研レポート Vol.51 (教育改革:点検 新しい評価「絶対評価」 I )
CS研レポート Vol.50 (教育改革:学校の自己点検・自己評価 II )
CS研レポート Vol.49 (教育改革:学校の自己点検・自己評価 I )
CS研レポート Vol.48 (特集:諸外国の教育改革は今 ヨーロッパ編)
CS研レポート Vol.47 (特集:諸外国の教育改革は今 アジア編)
CS研レポート Vol.46 (特集:諸外国の教育改革は今 アメリカ編)
6 便利Web特集
(1)WolsPen ver.2.0
答案用紙はそのままで、センサーをパソコン本体に接続し、専用ボールペンを使用していつと同じように採点するだけで、採点結果をパソコンに取り込めます。WolsPen対応の成績処理ソフトで面倒な集計・成績分析もカンタンに行い、生徒一人一人の習熟度を素早く把握できる。さらにv2.0では、観点別評価に対応した集計機能、部分採点機能を搭載し、教師の採点から評価業務を強力にバックアップする。
(2)疲労回復特集
目の疲れや肩こりなどに。かわいらしいハムスターの動きに合わせてやってみよう!
ストレスをコントロールするためのヒント。各チェックやリラクセーション法など。
☆疲労回復ストレッチ体操〜新暮らしの達人
NHK松江局「情報満開!しまねっと」で放送。さまざまな職場・疲れに対応している。
☆生活ほっとモーニング〜とことんリクエスト正月特集
NHK「生活ほっとモーニング」で放送。正月疲れについてだが十分役に立つ。動画も。
「パソコンの疲れはパソコンで取ろう!」首・目・肩・腰・足の体操5種類を用意。
たまには親子で体操を。基礎体力の増強と共に、スキンシップも図れる。種類も多。
(3)東京大学 大学がシラバス、講義ノートや教材などを無償で公開
オープンコースウェアは、大学で開講されている授業科目のカレンダー、シラバス、講義ノートや教材などを無償で公開するもの。「知の開放と共有」の理念に基づいて2001年に米国MITで開始され、本年6月より東京大、京都大、大阪大、早稲田大、慶應大、東工大がOCW事業に参加。
(4)地域気候モデルを用いた気候予測、100年後の気温は2〜3℃上昇
気象庁は、高解像度の「地域気候モデル」を用いて地球温暖化に伴う日本付近の詳細な通年の気候変化予測を行い公表。気温は全国的に上昇し、約100年後の年平均気温は2〜3℃(北海道の一部で4℃)程度上昇。年降水量は、ほとんどの地域では増加し、最大20%程度の増加見込み。
(5)インターネットにおけるルール&マナー検定
「インターネットにおけるルール&マナー検定」 の2005年春夏版を、5月16日から7月15日まで実施。子どものインターネット利用によるトラブルの可能性が高まっているため、大人向けの検定と共に、子ども向けの検定もあり。「個人情報保護検定」を同時に実施する。
(6)「ローマ字」に関するサイト
5月20日は「ローマ字の日」。1955年同日に「ローマ字まつり」が開かれたことから、以後「ローマ字の日」と決められ、1987年以降は(財)日本のローマ字社が中心となって進めている。ローマ字は小学校で学びますが、大人になってからも、氏名や地名などでつづりに迷うことがありますよね。使う機会も意外に多いもの。ぜひ、参考にしてください。
日本ローマ字運動団体の老舗として活動。トップページなど、多くがローマ字書き。
人物を中心とした日本のローマ字の歴史、日本語についての解説など盛りだくさん。
ローマ字についての基礎知識、氏名の書き方、年表など。メールでの相談も受付中。
日本物理学会の祖。日本式ローマ字の普及にも務め「ローマ字の父」とも呼ばれる。
WEB教材の1つ。楽しい学習問題(ローマ字編・ひらがな編)やローマ字の歴史など。
世界80カ国以上に読者をもつ「ひらがなタイムス」のサイト。すべてローマ字書き。
7 教育関連情報
(1)「子どもの学力が総合的であるとともに、学校と家庭の教育力も総合的でなければならない」−−ベネッセ教育研究開発センターは調査報告書「総合教育力の向上が子どもの学力を伸ばす」をまとめた。国際学力調査で学力低下が明白となると、日本の学力観は右に左にと揺れるが、教科学力・生きる力・学びの基礎力の3つの学力を総合的に育てることこそ重要と提言。その3つの学力(以下、「総合学力」)は、教師の指導力、家庭の教育力、学校経営力に強く相関することを明らかにした。また、授業に積極的にITを活用している教師が担当する子どもほど教科学力が高く、ただしIT活用はプログラム的指導やプロジェクト的指導の要素を押さえた授業を前提に成果が発揮されることが示された。さらに、「指導」と「支援」もどちらか一方ではなく、両方ともよくなされている場合に教科学力が高かった。
☆★☆ コメント ☆★☆
記事の後半には次のようにあった。
「教師の指導力」を「学習の土台づくり」「プロジェクト的指導」「プログラム的指導」「形成的評価と指導」等6つのカテゴリー・24項目で分類し調べた結果、「教師の指導力」が高い教師が担当した子どもほど、教科学力・学びの基礎力・生きる力(「総合学力」)が高かった。
田中博之氏らの調査なので、データは確かである。当然の結果といわれればそれまでだが、こうしてデータで示されると、今後の教員研修、教員養成の方向付けになるだろう。
確かな学力を論議するときには、こうしたデータをもとにしたい。
(2)宮崎で全教職員を能力評価
宮崎県教委は6月から、全教職員約1万人を対象に「職務行動(能力)評価」制度を試行する。授業力▽地域社会への貢献▽使命感、倫理観−−など項目別に採点。校長・教頭の管理職が評価を下すものの、現場職員も意見を提出し、公平・客観性を高める。11月に評価結果をまとめ、2006年度から本格導入する方針。
同制度は、教職員に求められる行動・能力の実践度を把握し、各人のレベルアップを図り、子供の学力向上や学校生活の満足度を高めるのが狙い。結果は人事や給与に反映させる。昨年度に管理職を対象に試行し、今年度から管理職を含む全教職員に拡大する。
☆★☆ コメント ☆★☆
有田和正先生は、セミナー後の昼食を取りながら、「東京の教員は評価制度でダメになるかもしれない。」
と言ってみえた。互いがライバル関係になり、教えなくなったり、協力しなくなってきたりしているそうである。
こと学校に限っていうと、教師の1+1は2以上の効果がある。集団で集団を教える以上、教師間の協力は欠かせない。しかし、教員評価制度でその伝統が崩れつつあるというのだ。そうだとしたら、何のための評価制度か?一部のできる教師だけを伸ばすよりも、教師全体を伸ばす仕組みの方が、子ども達にはよほど幸せであると思うが・・・・。要はやり方だ。見守りたい。