7 メルマガ報介
(1)ごまめの歯ぎしり メールマガジン版 河野太郎の国会日記
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厚生年金と共済年金の統合へ。で、自民党の年金議連で作成した資料を見ていると...。
厚生年金はかついでいる人が3200万人、それに対してかつがれている人が1100万人。約三人で一人をサポートしている。
国家公務員共済は、かつぐ人が110万人、かつがれている人が60万人。1.76人で一人をかつぐ。地方公務員共済は、320万人で150万人をかつぐ。その割合は2.09人で一人。だから共済年金のほうが苦しく見える。
が、地方公務員共済の保険料は13.738%。厚生年金の保険料は14.288%。で、標準報酬は地方公務員共済は60.2万円、厚生年金は37.5万円。
厚生年金の年間の支出総額は31兆円、積立金が137兆円。積立金だけで4.7年分の支出をまかなえる。
地方公務員共済は年間支出5兆円、積立金が38兆円、約7.6年分の積立金がある。
苦しいはずの共済年金のほうが保険料に対する報酬がよく、積立金額も豊富なのだ。なぜこんなことになるのか?
平成十五年度で見た厚生年金の収入31兆円から代行返上分の4兆円と基礎年金交付金1兆4千億円を差し引いた25兆6千億円のうち、本人負担の保険料は、9兆6千億円。事業主と国庫負担は16兆200億円。事業主と国庫の負担割合は62%。
これが共済年金になるとどうなるか。(基礎年金交付金を除く)地方公務員共済年金(平成15年度)を例にとると
保険料(本人負担) 1兆4900億円
保険料(事業主負担) 1兆4900億円
国庫負担 3300億円
運用収入 7000億円
ということならば事業主(地方自治体)と国庫の負担割合は63%になる。
ところが、話はここで終わらない。地方公務員共済年金には公金による追加負担が1兆3400億円もあるのだ。つまり地方公務員共済年金の自治体及び国の負担割合は72%にものぼる。
国家公務員共済年金にも国庫の追加負担があるので、最終的な国庫負担率73%。
国家公務員共済年金の場合、本人負担保険料が5100億円、事業主としての国の負担がそれと同額の5100億円。それに表の国庫負担が1400億円。が、国庫の裏負担が5200億円。事業主として国が負担する分よりも多くの金額が、裏負担で計上されているのだ。
恩給から共済年金に移行するときにこうなったらしい。
この共済年金への裏負担を継続して、厚生年金と統合するのか、裏負担をやめて厚生年金と統合するのか。裏負担のない共済年金を厚生年金と統合すると、厚生年金に悪影響は出ないのか、裏負担付きの共済年金を厚生年金と統合すると厚生年金の国庫負担分が増えることになるのだろうが、財政はそれでよいのか。
(2)メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」 -教育リソース号-
第20号 2005年10月28日発行 (毎週金曜日発行)
★目次★
1 「おもちゃのマイクで子ども達の立場を変える」 阿部 隆幸
たかがおもちゃのマイク、されどおもちゃのマイク。このツールを阿部隆幸氏が子どもたちのインタビュー指導の場に活用します。今回は一つのツールが授業成立に役立つお話です。(佐藤 正寿)
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1 おもちゃのマイクで子ども達の立場を変える 阿部 隆幸
ツ ー ル おもちゃのマイク
方 法 授業中、子どもにマイクをわたして発表してもらう。
効果効能 マイクを通して別の人物を演じることができて多面的な意見の交換ができる
教室におもしろ教具を置いていますか。
「先生の棚の中はドラえもんのポケットみたいだ」
かつて子どもに言われたことがあります。わたしにとっては最大級のほめ言葉をもらったような気分でした。その中から今日は「おもちゃのマイク」を紹介します。
3年生、社会科の時間。村内のどこにショッピングセンターを設置するかどうか討論している時でした。膠着状態に入ったと見たわたしは教卓の引き出しからマイクを取り出してある子に向けて話しました。
「一郎君のグループは、役場の近くにショッピングセンターを作るべきだと言っていますが、かずえさんはそれに反対していますね。」
「はいそうです。」
「それはどうしてですか。」
「役場の近くにはたくさん家があります。そこに建てることはそこにある家をこわしてショッピングセンターを作ることになります。そんなことできるはずありません。」
「なるほど。役場の回りをよく見てくださいということですね。かずえさんの意見に何か言いたい人はいますか。」
その後、マイクを通して次々と自分の意見を発表する子ども達が続出しました。かずえさんは、自分の意見をしっかり持っていることはノートその他で知っていました。しかし、全員の前ではっきりはなすことにためらいを感じていたようです。この時、マイクを通してはっきり意見を言うことができました。マイクがフィルターの役割を果たしてくれたわけです。安心して全員に話すという「場」をもたらせてくれたのでした。かずえさんは頬を赤く染めて、うれしそうにまっすぐわたしを見つめてくれました。マイクを見た子ども達は次に自分が発表したいと身を乗り出しました。再び話し合いが活発になりました。
家本芳郎(著)「教師のための『聞く技術』入門」(高文研,2005年)の中で「聞く力を育てるインタビューごっこ」という部分があります(p153-157)。そこでやはりマイクを使った例が紹介されています。家本氏は言います。
「インタビューごっこという疑似的空間をつくり出すと、これまで発言しなかった真美子さんも、よくしゃべりだすから不思議である。それは『ごっこ』になり、子どもは自分に虚構の役をふりあてるからである」生の自分をさらけ出しているわけではないという安心感がそこに生じるからだと理解します。
他にもマイクは日常的に使えます。例えば以下のような時です。
・インタビューゲームやインタビュー形式で授業を進める時
・国語の「番組を作ろう」などの単元で
・学級会での話し合いの時
・子ども主催のイベントの時(クイズ大会その他で)
100円ショップで売られているようなものでかまいません。さらに、例えば「パーティマイク(1,980円)」のような「ピンポン」とか「ブー」のような効果音が出せるマイクを用意しておくと使用の幅も広がります。
おもちゃのマイクを教室に置いて、学級に楽しさと安心感を演出しませんか?