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報告者  土 井

2006年3月9日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、高橋先生(門弟山小)、早川先生(江南北中)、奥村先生(岩南小)、尾関先生(曽野小)、勝村先生(楽田小)、野沢先生(柏森小) 、木原先生(大南小)、そしてゲストの堀 江南市長の9名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  堀 江南市長のお話
 わくわく授業
 犬山市民大学 森田実講演会
  スタインウエイジュニアピアノコンサート
  「男女共同参画基本計画」(第2次)が閣議決定
 教師の質向上がカギに=他の公務員より給与高く−中国
 便利Web特集
 教育関連情報
 MM紹介

11 他の報告より

堀 江南市長のお話
 「議員と首長」のテーマで、社会科教師に役立つ事柄を教えていただきました。
 また、職員の意識改革や市の構造改革などについても、熱い思いを語っていただきました。
 
 わくわく授業     http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/jugyo/060305.html   
 NHK教育テレビ 3月5日 佐々恵先生
 電磁石で魚を釣り上げる釣り竿「布袋っ子キャッチャー」で遊びから入る。しかし、大きな魚がなかなか釣れない。そこで、電磁石を強くするアイデアが出る。
 電池を増やす、巻く回数を増やす、エナメル線を短くする・太くする、など9のアイデアがでた。
それぞれについて、個々が課題と予想、実験方法と理由を書き「先生チェック」を受ける。ここで先生を納得させる。言葉にすることで考えていることが整理されていく。課題ごとにもうけられた実験コーナーで実験。実験は必ず3回行い、平均を出すのがルール。
 子どもたちは、電池の数やエナメル線の太さ、鉄芯の太さなど、自分の課題に応じて実験を繰り返す。見ている限り、先生のアドバイスが的確だ。
 先生は言う。「全員が同じ実験をすると見ているだけの子が出てくる。自分で考えた実験をし、自分の言葉で説明する。」
 実験結果をもとに釣り竿を改良する。そして最後もゲーム。自ら考え、一人ひとりがじっくりと考える授業だった。
☆★☆ コメント ☆★☆
 ここにも広く使える多くの技が使われている。
@ ゲームから入り子どもたちの関心を引きつけ、自然と課題意識が生まれる工夫がされている。
A 個々の疑問を予測し、それぞれの疑問を検証するための器具が準備されている。個別化が図られている。
B 他の児童の疑問と解決方法がわかるようにシェアリングが図られている。
C 実験結果を自分の言葉で説明させることにより、思考を整理し、意識化させている。
 準備に多くの労力が必要だが、こうした授業で子どもの力はついていく。
 犬山市民大学 森田実講演会
 会に先立ち、挨拶の中で石田犬山市長が犬山市の教育について語られた。なかでも、学力テストについての説明に時間を割いた。おおよそ次の内容である。
 学力には二つある。九九のような詰め込めができる学力、そして本人が内発性を持って腑に落ちるもの:生涯学習のような学力。後者が真の学力である。テストではこれらをバランスよく測ることが大事だ。
知識を図るだけのテストは必要ない。「どういうテストをやるのですか」と文科省に投げかけているところだ。
 有馬先生(国立科学博物館館長)が「小学校の子どもには家事を手伝わせてください。」と述べた。親の手伝いをする子は必ず勉強する。教育の最終的な目標は人格の形成である。「国家の品格」がベストセラーになったが、「品格」は取り戻したい言葉である。文科省こそが、品格を取り戻すために活躍しなければならない機関だ。
 文科省がテストをやると言っているのにやらないとやっていいのか。犬山市は道路拡張計画があったが、
市長になったとき計画道路を撤退したいと言った。きちがいざたと言われたが、時代が変わり、今や公共事業縮小。小さな町の現場が国の方針を変えた。 
 教育委員会は、何者にも犯されない機関。そこで決めたことは応援したい。現場の教師たちが決めたことは全力で擁護する。
 城下町再生を大切にしたい。世界遺産を視野に入れた町づくりをしていきたい。
 星は手に届かないけど、道を示してくれる。これらはハードウエア。ソフトウエアは生涯学習に励む市民のみなさん。これからも輝き続けてほしい。
 
「時代を斬る」森田 実 氏
 続いて、5年連続となる森田氏の講演があった。前半は、ご自分の歩んできた道についての話が多かった。ここでは、後半の要旨を紹介したい。
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 今のテレビ番組は、子どもたちに対してまじめな情報が伝達されていない。朝のワイド番組はどこも同じ人が出ている。一つぐらいちがう見識を示すべきだ。「独自性、創造性を発揮しろ」とプロデューサーに言ったら、そのようにやったらくびになると言われた。
 竹中さんが、小泉さんの国内担当副総理格。かれはNHK民営派。しかしそうなったらほとんどの民放がつぶれるので民法は反対している。小泉さんは、テレビをうまく使って成り上がってきた。小泉さんはNHK民営化まではいかないようにしている。
 今の民法の底に流れているのは、日本はたいした国ではないと言う思想。日本の古い要素をなくして、アメリカのような合理的な国にした方がいいと考えている。
 日本の歴史教育は指導要領では3月まであるが、授業は11月頃で打ち切り。縄文式から桜田門外の変まではしっかりやるが、日本の現代史を知らない生徒を何十年間に渡ってつくってきた。少なくとも、この150年間の歴史を教えなくてはいけないといったら、支持が集まった。
 竹中さんは、日本というものも相対化、無国籍化した。アメリカ崇拝がどんどん強くなった。NHKだけが従っていない。アジアを、現代史を重視している。戦争批判放送もしている。
 ある英語の雑誌に文化紹介してきたが、その時の勉強で、日本が優れた伝統を数多く持っている国ということを知った。海外の国の人には、戦争に負け、反省することはあるが、文明伝統はアメリカに踏みにじられたら困ると主張している。しかし、各官庁の多くはアメリカ東北部の大学出身者が高い地位についている。
 経済学には3つの流れがあるが、すべてヨーロッパが起源。アングロサクソンのアダムスミス。国富論。徹底的な自由がいいと書いている。見えざる手が働いて均衡になると言っている。しかし、1人の勝者と他の敗者を生み出した。イギリス人のケインズは、政府が一定の抑制をする必要があると説いた。しかし、現在は徹底した自由競争で動いている。
 ある官庁のリーダーが、「本当に能力のあるものが報われない社会が日本」と言ったがそうか?みんなが報われる社会がいいのではないのか?小泉政権も同じ。大国を納めるには、小魚を煮るがごとく。上善は水のごとし。グローバリズムはアメリカの論理が世界に波及することと言われた。小泉改革の根っこにあるものは、日本に対する低い評価が前提となっている。
 地方の富が東京に移っている。これを再配分するのが政府の役割。交付金が地方が受けるが罪悪のように書かれている。ふるさと意識をなくしている。
 アメリカの政府の要人とも話したが、アメリカは二つの敵を想定していた。政治的なソビエトと経済的な日本。アメリカは日本は密接に抱きかかえて、日本の富がアメリカに流れるようにと考えた。中曽根内閣のプラザ合意で円の価値が倍になったときに、円を印刷して大量のドルを買った。そのドルで、アメリカ国債を買った。アメリカは軍事力を増強して減税した。日本は公定歩合を下げ、ドルを買って、それで国債を買った。日本の膨大な金がアメリカに流れた。
 クリントンは頭がよく、宮沢政権と年次改革要望書の交換をした。クリントンは、弱点の財政を大金持ち国家日本でまかなおうとした。日本は巨額な貯蓄国なので、郵便局、銀行を改革しようとした。アメリカの保険会社のねらいは簡易保険。民営化が善、官が悪と思わせた。アメリカは、「官には手を出せない。民なら手を出せる。」と考えた。
 官から民へじゃない。官と民の調和。変えてよいものといけないものがある。
 今の流れは、竹中さんを次の政権の中枢にするために、安部さんがなって、竹中さんに国内政治の中枢にするか、福田さんが政権をとり竹中さんをはずすかが秋の最大の政局。バランスのとれた政治をする。
 ブッシュの時代は終わった。安部でいくか、そうでないかが大きな岐路である。  
☆★☆ コメント ☆★☆
 後半はとても聞き応えがあった。経済の話ではどこまでが氏の意見で、どこまでが定説となっているのか自分なりに調べてみたい。竹中氏の言動をじっくり調べてみたくなる講演だった。
 
 スタインウエイジュニアピアノコンサート 
 3月5日に大口町健康文化センターで実施しました。岐阜から名古屋、保育園から高校生まで、25名のジュニアピアニストが参加しました。
 よくあるピアノ教室の発表会とは異なり、将来専門家を目指すような子どもたちによるハイレベルの演奏を聴くことができました。客席は常にほぼ満員。このコンサートも含めて、こうしたイベントの継続が、地域の音楽文化を育て、高めていくと感じました。
 
 「男女共同参画基本計画」(第2次)が閣議決定
http://www.gender.go.jp/main_contents/category/index2.html    
 一方、以下のような論調も増えてきました。
〇男女混合身体測定、同色トイレ 「目標」とした組合、一部行政も/ジェンダーフリー思想の帰結
 ジェンダー研究家やフェミニストは最近しきりに「男女一緒の身体測定、男女同色のトイレなどはジェンダーフリーとも男女平等とも違う、根拠のないデマ」と弁明に躍起だ。これは昨年、自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」に寄せられた約3500件に上る国民の苦情や、保守派の厳しい批判をかわすためのウソでしかない。本紙は、こうした混乱が男らしさ女らしさを否定するジェンダーフリー思想推進派の必然的な帰結であることを示す資料を入手した。
http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/060301/01.html 
☆★☆ コメント ☆★☆
 これは「差別」と「区別」の違いが区別できていないことによる。男と女は同じ部分もあるが、異なるところもある。差別とは何か、性差別については概念規定されているはずなので、確認してから議論したい。かつて行き過ぎた言動で国民の反発を買った「ウーマン・リブ」。その二の舞にならないように十分
説明してほしい。そしていきすぎた平等にならないようにしてほしいものだ。
6  教師の質向上がカギに=他の公務員より給与高く−中国 
 中国の周済教育相が2月28日、第11次5カ年計画(2006−10年)の教育目標などについて記者会見し、「最もカギとなる要素は教師の質を向上させることだ」と述べ、農村に勤務する教師を中心に、給与水準を他の公務員と同じか、より高額にするなど、待遇改善の必要性を強調した。(中略)
 教育省は10年までに農村部で小中学校(9年間)の義務教育を無償化する。周教育相はこれを補うため、今後5年間で義務教育経費として中央・地方で計2182億元(約3兆1000億円)を負担すると表明した。また、国内総生産(GDP)に占める教育への財政投入額を04年の2.79%から4%に引き上げる計画だ。        時事通信「内外教育」メールマガジン 2006/3/3 第75号より抜粋
☆★☆ コメント ☆★☆
 中国の教員の給与水準は、他の公務員より低い。田中角栄総理時代に教員給与を上げ質を高めたことに習って、中国も同じようにするようだ。だとしたら、中国は本当に日本の脅威になる。        
 中国は急成長で繁栄しているように見えるが、それはごく一部の都市の繁栄であり、大半の中国人民は貧しい。富が都市に集中し、地方に還元されないシステムでは、教育全体のレベルアップは難しい。
 しかし、中央政府が無償の義務教育に乗り出し、教員給与を上げ、都会の教師を農村部に派遣することは、それだけでも富の分配になる。中国の教育水準が上がると、その国力は日本を越える日が必ず訪れるだろう。
 一方日本では、教員給与を下げ、交付税を減らし、富が都市に集まるようにしている。まさに中国の逆をやっており、長い目で見れば衰退の道をたどっているのかもしれない。
 
 便利Web特集 
(1) まわたり龍治 http://blog.mawatari.info/ 
     「認定子ども園」について調べていたら、まわたり議員の2月20日のブログが役に立った。
面白いのは、投稿に対して応えてくれること。これは授業でも使える!
 
(2)メールを利用して、相手の現在位置をピンポイントで確認
 相手の場所を知りたい側が、知りたい相手にメールを送り、受け取った相手がメールを返信することで、
簡単に受け手側の今いる場所を地図で確認することができるサービスが登場。受け手側がGPS搭載端末であれば利用でき、専用アプリケーションのダウンロードなどの作業は不要の無料サービス。
 
(3)収納特集
☆収納アラカルト  http://www.hyfong.co.jp/  
 シンプルな暮らし、スリムな収納を目指す、身の周りの整理のポイントが出ています。自分の収納タイプのチェック診断や、質問コーナー、掲示板などを通し、ちょっとずつ整理整頓上手な私に近づいていけます。
☆収納・インテリアドットコム 収納術やインテリアのアイデア満載!! http://www.iris-interior.com/ 
 収納アドバイザーによる収納の基本テクニックや収納グッズの紹介、インテリア上級者の素敵なお部屋の紹介など、収納のみならず、その延長にある部屋作りのヒントがわかります。掃除や料理、節約術など暮らしに関する情報も広く載っていて充実。
☆暮らしが変わる整理・収納術 http://www.rcg.co.jp/hotline/h_otoku/h_smilenet/vol11/11_1.html 
 暮らしを変える整理・収納術を収納カウンセラーが、わかりやすく説明してくれています。
☆生活収納倶楽部 http://www.cbex-interior.com/html/kakugen.html 
 収納・リフォームのコーディネートをしている会社のサイト。自宅の収納テクニックのみならず、書類・情報の整理などに問題を抱えるオフィス収納の事例集も出ています。収納セミナーの紹介も。
☆片付け名人ドットコム http://www.universe-horizon.net/ 
 ちょっとした工夫で片付けの名人。片付けの基本は片付けた後をイメージすることだそうです。ジャングルみたいな部屋から脱出した管理人が制作。挫折した人もこれでもう一度・・・。
 
(4)民話・童話特集
☆民話・むかし話  http://www33.ocn.ne.jp/~maty/  
 日本や世界各地の民話のほか、作者居住地の近辺(千葉県松戸市)を走る「新京成電鉄」「総武流山電鉄」の沿線に伝わる民話をGIFアニメーションで紹介。どうも家族で制作しているらしい。絵コンテからパソコンによるアニメーション制作、取材まで家族総出で行ない、とっても楽しそう。
☆フジパン-民話の部屋 http://www.fujipan.co.jp/minwa/ 
 日本全国の民話を音声で聞ける。ジャンル別ナビもついているので、面白い話から怖い話まで色々と選べる。文字も出ているので音声無しで読むこともできます。
☆神話・民話・雑学のサイト 円環伝承 http://enkan.fc2web.com/  
 まったく離れた国によく似た部分を持つ物語があることに気付いた作者が、世界中の民話の中から、類似モチーフのものを集め分類した。簡単な感想・考察付きの民話想が出ている。世界の神話の簡単な紹介や、神話や民話、伝承に関する雑学考も出ています。
☆みちのく怪道風まかせ〜東北民話・伝説探訪サイト http://www.bakebake.com/kaido/ 
 北海道・東北地方の怪しの伝承を巡る、民話・伝説探訪サイト。北海道・東北地方各地の伝説を写真入りで紹介しています。
☆幻想世界神話辞典-世界の神話・民話・伝説(旧:幻想世界神話辞典)http://www.jiten.info/ 
 世界の神話・民話・伝説について、辞典形式で閲覧できるデータベースサイト。簡単なあらすじや「エルフ」や「ヌラリヒョン」など関連項目の解説なども閲覧できる。
☆福娘童話集  http://hukumusume.com/douwa/ 
 「こどもの病気相談所」の姉妹サイト。昔話・童話・おとぎ話など、子どものためのお話を、読みやすくイラスト付きで配信。 大人も楽しめる内容なので親子での共通の話題作りに。
8 教育関連情報
(1)学校評価の実施率は97%、結果の公表率は43%
 日本でも学校の教育活動を教員や保護者が評価するようになってきました。学校評価は4年前から努力義務とされていますが、文部科学省の調査によれば、2004年度に行った公立学校の学校評価の実施率は、幼稚園から高校までで平均97%でした。ただ、その結果の公表率は43%にとどまっており、保護者や地域などの積極的な参画も含め、いっそうの広がりが求められています。
                 http://cgi.mag2.com/cgi-bin/w/mag?id=ikuji_kj060302 
☆★☆ コメント ☆★☆
 いよいよ教員評価制度も始まる。そもそも、税金でやっているサービスは、納税者の評価を受けて当たり前である。教育は経済活動のように数値で評価されにくいのは事実だが、子どもや保護者の満足度のような印象評価も取り入れながら進めてほしい。
 
(2)『ドラゴン桜』の誕生秘話とは?原作者がインタビュー登場!
 ビジネスシーンで活躍中の人物のインタビューをお届けしている『就職・転職のまぐまぐ!』の人気コーナー「ビジネスキーパーソンWebインタビュー」に、昨年ドラマ化され、460万部を超える大ベストセラーになったマンガ『ドラゴン桜』の原作者・三田紀房先生が登場!
☆★☆ コメント ☆★☆
 昨年講演を聴いて以来、ファンになってしまった。「受験勉強なんて本当の勉強じゃない。だったら効率よくさっさと済まして、早く大学に入ってしまえ。そこから、本当の勉強を始めてほしい。」という考え方は明解だ。そのノウハウを漫画で示したことは教授論としても価値がある。
 
(3)「早寝早起き朝ごはん」全国協議会
 今日の子どもの学習意欲や体力の低下は、基本的生活習慣の乱れとの相関関係が指摘されている。早寝早起きや朝食をとるなど、子どもの望ましい基本的生活習慣を育成し、生活リズムを向上させるための全国的な普及啓発活動を行うため、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が発足予定。
☆★☆ コメント ☆★☆
 文科省が進めようとしている早寝早起き朝ごはん運動。たったそれだけ?と思われるかもしれないが、最もシンプルで、もっとも即効性が高い運動かもしれない。逆に言えば、朝ご飯すら満足に食べていない子どもたちがいかに多いか、家庭の基本を見つめ直さないと、日本が壊れてしまう。
 
 MM紹介
(1)ごまめの歯ぎしり メールマガジン版   河野太郎の副大臣日記
 昨夜、法政大学大学院の教え子たち(いや、僕より年が上の人もいる)と食事をしていると、死刑の時って最後の晩餐に何を食べるのですかと訊かれる。
Q 日本では死刑囚の最後の晩餐には何が出るのか。
A 死刑の執行は当日、これを本人に告知する。朝、告知して午前中に執行されるようだ。だから、死刑前日の最後の晩餐というものはない。
Q 死刑台には十三階段があるのか。
A 死刑を執行される者が立っている床が開き、身体が落ちる。階段を上ることはない。
Q 死刑判決が確定してからどのような過程を経て死刑が執行されるのか。
A 死刑判決確定後、検察庁からの死刑執行に関する上申を待って大臣が確定記録を取り寄せ、判決及び確定記録を精査した上で刑の執行停止、再審、非常上告あるいは恩赦にあたる情状を検討し、これらに該当しない場合に死刑執行命令が出される。
Q 死刑判決が確定してから執行されるまでどのくらいの時間がかかるのか。
A 刑事訴訟法第475条第二項により、判決確定から六ヶ月以内に執行されなければならない。ただし、同項の但し書きにより、上訴権回復や再審の請求、非常上告、恩赦の出願がなされた場合は、その手続き終了までの期間は六ヶ月に算入しない。死刑執行命令が出されてからは刑事訴訟法第476条により、5日以内に刑の執行が行われる。平成7年1月から平成16年2月の十年間に死刑を執行された者について死刑判決確定後、執行までの平均期間は7年6ヶ月。
Q 死刑の執行は家族及び被害者の家族に通告するのか。
A 執行された者の家族に対しては執行後速やかに電話などで連絡をする。被害者の家族には通知していない。
Q 死刑の執行には誰が立ち会うのか。
A 死刑の執行は、その裁判を行った裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。検察官、検察事務官及び監獄の長又はその代理が立ち会う。
Q 死刑執行の事実はどのように公表するのか。
A 死刑執行後に、その当日、執行の事実と執行を受けた者の人数を公表する。
☆★☆ コメント ☆★☆
 死刑についてはともかく、こうした情報が国会議員から得られるだけでも世の中は変わってきた。
 社会科が始まって60年たったが、インターネットの普及は、最高最大の革命的な環境変化だ。これを便利な道具として活用出来るかそうできないかは大きい。
 さらに、文字情報が簡単に手に入る今だからこそ、自分の五感で、経験的に手に入れる情報の価値がますます高まっていく。
 
(2)ワールド・ニューズ・メール The World News Mail@2006.2.24 No.385
[3]世界の論調
◆21世紀はインドの時代か(豪紙「オーストラリアン」)
 19世紀は英国、20世紀は米国の時代だった。21世紀はインドあるいは中国が支配する100年と後世の歴史は記すことになりそうだ。「世界の工場」の役割を担う中国が今、重工業分野の需要からわが国のブームを掘り起こしていることを指摘するまでもなく、死活的重要性を持っているのは確かだが、経済成長を続けるインドを無視してはならない。
 中国は現段階ではより重要な大国かもしれないが、その経済は潜在的に弱さを抱えており、中国と並び唯一10億を超える人口を持つインドの方がむしろ抜きん出ているとみる専門家は少なくない。
 中国は世界の石油の8%、精錬銅の22%を消費する一大工業国家だが、一皮むけば巨大な不安定要素を抱えている。政府は不都合なニュースを隠蔽することに躍起になっている。環境破壊と農民の反乱は日常化しているが世界に報じられることはない。銀行部門は不良債権に悩んでいる。そして最大の皮肉は、世界で数少ない共産主義体制でありながら、一方では世界最悪の不平等社会であるということだ。
 インドは、今は規模が下回るかもしれないが、2032年までに米中両国に次ぐ世界第3位の経済大国となることが予想されている。国民を監視下に置くための巨大な国家治安機関も必要としない。世界最大の民主主義国として英慣習法の遺産と自由経済を享受し、民間部門経済の規模は中国のそれを上回る。これらはすべてわが国との関係緊密化にふさわしい。
 インドはかつての停滞した社会主義経済から規制緩和、民営化などの目覚しい実績を挙げた。だが、やるべきことも多い。それは規律ある通貨政策であり、競争政策であり、税制改革、そして農業部門の合理化、軽工業振興のための労働市場自由化などだ。中国が、何らかの政治的あるいは経済的破たんが起きなければ、製造業部門のいくつかをインドに移転することすらあり得るとみる専門家もいる。わが国とインドとの関係強化は、両国に益するのみだ。(2月21日)
☆★☆ コメント ☆★☆
 そうか、インドか・・・。これが正直な感想である。
 中国は一見うまくいっているように見えるが、共産党の一党独裁でやっと統一が保たれている状態だ。この先民主化が進むと、例えば国家が分裂するような可能性も出てくるかもしれない。
 もちろん、インドの国内がすべてうまくいってるとは言えないが、中国と並ぶ、またはそれ以上の可能性がある国であることは認識すべきだ。
 
(3)■MM小学1708 内山義朗□お土産を使う授業(1)より
                道徳教育改革集団鹿児島  内山 義朗
 土堂小学校教育研究会参加報告(抜粋)
 45分間で四つの授業が公開された。教室を移動しながら、すべての授業を参観した。授業参観をして気づいたことを一部、以下に示す。
1 子どもたちに、かなりの力がついている。
2 子どもたちの表情が生き生きしている。実に明るい。
3 子どもたちが、きちんと肘を伸ばして挙手している。
4 子どもたちの発言の声が大きい。どの子も声がよく出ている。うつむいている子がいない。
5 子どもたちが最後まではっきりと意見を言いきっている。
6 子どもたちが授業者の話の際、授業者をしっかり見て、よく聞いている。
7 足がぴたっと床に着いていて、書くときの左手の位置が右手より下方に置かれていた。つまり、姿勢が良いし、余計な雑音を起こす子がいない。
8 詩の斉読でテンポ良くリズムに乗って音読している。
9 モジュール学習で、短時間ずつ内容を区切り、テンポ良く授業を進めているため、変化のある中で飽きずに繰り返し学習に取り組んでいた。
10 IT機器活用が今回のテーマだった。教材提示装置やパソコン用学習ソフトが多数揃えられ条件整備が、よくなされている。どの授業でも効果的に活用がなされていた。
11 パソコン・プロジェクター・教材提示装置を気楽に簡単にできることに使っている。公開とはいえ、手間暇をかけすぎていない。
12 当たり前の教育が当たり前になされている。だから、子どもに力がついている。
13 授業者の視線が子どもにきちんと向いている。
14 小学校2年生が百人一首をすらすらと言えるまでに暗唱学習が進んでいる。
15 小学校2年生が、すらすらと算盤を弾いて足し算・引き算の計算ができている。
16 百ます計算は、パソコンソフトを活用することで、子どもたちが課題意識をもって、自主的に時間を効率的に使って取り組んでいた。
17 授業中の姿勢を授業の中できちんと指導している。指導案にも関連事項が記されている点からも重視していることがわかる。
18 テンポとリズムとスピード(時間の効率活用)を意識して授業を進めている。
19 公開授業学級以外も、特別に帰すことなく自習をさせていた。自習にも、それなりに 熱心に取り組む様子が伺えた。あるクラスでは、辞書も資料も使いこなしながら調べ学習に取り組んでいた。
20 自習学級も、しいんと学習に取り組んでいた。
21 算数科授業では、きちんとノートを机上に開き、活用していた。ノートの文字は、丁寧だった。
 まだまだあるのだが、ここまでとする。最も印象的だったのは、「教職員も子どもたちも明るく伸び伸びとしている。」「子どもたちに高い学力がついている。」「早寝早起き朝ご飯やテレビ視聴時間の縮小など家庭教育の効果も大きいだろうが、学校でも読み・書き・算および姿勢や声の出し方・聞く力の育成など、誰でもできることを重視し確実に実行している。」点だった。
 授業・講演以外にも、次の点で「いいなあ。」と感じた。
1 学校周辺の教育環境が、とてもよい。学校所在地の教育環境が良い。駅・商店街・海・港・郷土文化(建造物・城などの史跡)・遊園地・森・墓地など郷土学習・社会科学習を進めるうえでも、かなり恵まれている。
2 配布資料がシンプル。その場でさっと目を通せる。これだと、公開する側の準備もたいへんではない。
3 学校要覧がシンプル。A3用紙表裏1枚に所在地・学校経営構想図(学校教育目標・研究テーマ・重点と努力展)・沿革・週時程表・職員構成・児童数・学校運営組織・年間 主要行事が一目でわかるようにまとめられている。
4「教育研究会要項」として配布された研究公開資料がシンプル。内容は、目次・学校長 挨拶・日程・校舎案内図・公開授業指導案のみ。23ページ中9ページは研究発表と講演などをメモできるほどの余白ページ。
5 学校経営方針の中に「教職員の自主的な発想や感性を大切にし、人間性豊かな学校経営を行う」の文言がある。各学級独自の工夫が見られ、教職員が生き生きしていた。
6 300人程の大人数参加者の集まる公開とはいえ、設営等、準備の大変さを感じるような特別に変わった取り組みは見られない。体育館も教室・廊下・階段も。しかし、掲示されている絵や毛筆などの作品は力作揃い。
 力がついているのが見て取れた。
7 授業研究は、なし。公開授業の後は、学校長挨拶と研究発表と講演のみ。
 シンプルな研究公開だった。準備も特別大変ではないし、このやり方なら気楽に公開し合って学び合える。   −以下略−
☆★☆ コメント ☆★☆
 簡単に見に行くことができない者にとって、こうした情報は大変ありがたい。
 百マス計算にばかり目が行きがちな?山氏だが、それ以上にしっかりとした教育理論を持っており、たいへん参考になる。今回の内山氏の報告中にも、おおくの?山理論が見え隠れしている。
 
(4)教育家庭新聞 Mail News Vol.320 2006/03/08 毎週水曜発行
●【レポート】学校組織のマネジメント基礎〜学校経営 校長・教頭等支援サイトから
■学校組織をマネジメントするとはどういうことか?
 神奈川県立総合教育センターのサイトの中に「学校経営 校長・教頭等支援サイト」というページがある。その名の通り、校長・教頭などが使えそうな内容のコンテンツを集めているページだ。
 この中に「学校組織マネジメント」を記している部分がある。
 今回は、この記述を基にして、学校組織のマネジメントの基礎を勉強してみよう。
■学校組織をマネジメントするとはどういうことか?
 学校組織をマネジメントするとはどういうことか? これは、冒頭でシンプルに答えられている。
『学校における組織マネジメントは、「学校内外の能力や資源を開発・活用し、学校に関与する人たちのニーズと適応させながら、学校教育目標を達成していく過程」』資源や関わる人のニーズは、それぞれの学校によって異なる。したがって『常に「一般解」ではなく「特殊解」を探索する必要がある』となる。
■校長・教頭は具体的には何をするべきなのか?
 船がそれぞれの港にたどり着くために灯台があったように、いくらそれぞれの学校で異なる「特殊解」とはいえ、目指すべき目印は必要となる。
 その目印代わりに、学校組織マネジメントの考え方の指針として、同資料に挙げられているのが、
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」
○「ビジョン実現に向けたマネジメントのしくみづくりと活動の計画化」
○「年度の活動計画を、うまく回す運用の努力」
である。この3つを考え、実践していくことが、校長・教頭が行なう学校組織マネジメントだとのこと。
 
 それぞれを細かく見て行こう。
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」まず、周りの状況がどういう状況なのか、学校の関係者で見解をよくすり合わせる。その上で、
1.わが校のミッション(使命・存在意義) 2.重点事項  3.教職員の行動規範  4.組織構造
5.運営のしくみ  6.管理職の行動宣言  7.教職員の人材育成
☆★☆ コメント ☆★☆
 変化が激しい時代だからこそ、勉強しない管理職はやっていけない。これは、企業でも官庁でも同じ。当然、学校も言うまでもない。そのために、管理職のためのこうしたサイトが生まれ始めてきたことは喜ばしいことである。
 http://www.cec.or.jp/gyoumu/links/center/index.html ここには、こうした宝が集まっている。こまめに探しておきたい。

 耳寄り情報
 フリーソフト オール賞状 Ver1.34 作者HP: http://www13.plala.or.jp/SALOON/ 
「オール賞状」は、さまざまな賞状を簡単に作成するソフト。エクセルで作成されているので、面倒なインストールも不要。校内の各種大会やコンクール、記録会などの賞状のほか学級におけるさまざまな賞状が選択方式で簡単に作成でき、作成した名簿にしたがって順番に連続印刷することができる。
 賞状のパターンは、校内用として皆勤賞型、校内記録会型、校内コンクール型、校内ロードレース型のほか、学級用、児童会用があり、それぞれについて賞状のタイトルや、文章のサンプルが10種類ほど用意されている。また、どの賞状作成でも、枠飾りは60種以上の中から好きなものを選択すると、一発配置される。つまり、パターン、タイトル、文章、枠飾りを選択していくだけで簡単にきれいな賞状が作れるしくみになっている。
 このほかにも、EXCELで動くいろいろなお役立ちソフトがある。
10 他の報告より
○ 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会

○ SDC(セルフディフェンス&コミュニケーション開発)
    本部 名古屋市中区栄4-16-8 栄M.Oビル40
          TEL 052-263-3230
            http://www.sdck.jp/
○ 校内支援委員会 石川先生講話

  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp