(1)ごまめの歯ぎしり メールマガジン版 河野太郎の副大臣日記
昨夜、法政大学大学院の教え子たち(いや、僕より年が上の人もいる)と食事をしていると、死刑の時って最後の晩餐に何を食べるのですかと訊かれる。
Q 日本では死刑囚の最後の晩餐には何が出るのか。
A 死刑の執行は当日、これを本人に告知する。朝、告知して午前中に執行されるようだ。だから、死刑前日の最後の晩餐というものはない。
Q 死刑台には十三階段があるのか。
A 死刑を執行される者が立っている床が開き、身体が落ちる。階段を上ることはない。
Q 死刑判決が確定してからどのような過程を経て死刑が執行されるのか。
A 死刑判決確定後、検察庁からの死刑執行に関する上申を待って大臣が確定記録を取り寄せ、判決及び確定記録を精査した上で刑の執行停止、再審、非常上告あるいは恩赦にあたる情状を検討し、これらに該当しない場合に死刑執行命令が出される。
Q 死刑判決が確定してから執行されるまでどのくらいの時間がかかるのか。
A 刑事訴訟法第475条第二項により、判決確定から六ヶ月以内に執行されなければならない。ただし、同項の但し書きにより、上訴権回復や再審の請求、非常上告、恩赦の出願がなされた場合は、その手続き終了までの期間は六ヶ月に算入しない。死刑執行命令が出されてからは刑事訴訟法第476条により、5日以内に刑の執行が行われる。平成7年1月から平成16年2月の十年間に死刑を執行された者について死刑判決確定後、執行までの平均期間は7年6ヶ月。
Q 死刑の執行は家族及び被害者の家族に通告するのか。
A 執行された者の家族に対しては執行後速やかに電話などで連絡をする。被害者の家族には通知していない。
Q 死刑の執行には誰が立ち会うのか。
A 死刑の執行は、その裁判を行った裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。検察官、検察事務官及び監獄の長又はその代理が立ち会う。
Q 死刑執行の事実はどのように公表するのか。
A 死刑執行後に、その当日、執行の事実と執行を受けた者の人数を公表する。
☆★☆ コメント ☆★☆
死刑についてはともかく、こうした情報が国会議員から得られるだけでも世の中は変わってきた。
社会科が始まって60年たったが、インターネットの普及は、最高最大の革命的な環境変化だ。これを便利な道具として活用出来るかそうできないかは大きい。
さらに、文字情報が簡単に手に入る今だからこそ、自分の五感で、経験的に手に入れる情報の価値がますます高まっていく。
(2)ワールド・ニューズ・メール The World News Mail@2006.2.24 No.385
[3]世界の論調
◆21世紀はインドの時代か(豪紙「オーストラリアン」)
19世紀は英国、20世紀は米国の時代だった。21世紀はインドあるいは中国が支配する100年と後世の歴史は記すことになりそうだ。「世界の工場」の役割を担う中国が今、重工業分野の需要からわが国のブームを掘り起こしていることを指摘するまでもなく、死活的重要性を持っているのは確かだが、経済成長を続けるインドを無視してはならない。
中国は現段階ではより重要な大国かもしれないが、その経済は潜在的に弱さを抱えており、中国と並び唯一10億を超える人口を持つインドの方がむしろ抜きん出ているとみる専門家は少なくない。
中国は世界の石油の8%、精錬銅の22%を消費する一大工業国家だが、一皮むけば巨大な不安定要素を抱えている。政府は不都合なニュースを隠蔽することに躍起になっている。環境破壊と農民の反乱は日常化しているが世界に報じられることはない。銀行部門は不良債権に悩んでいる。そして最大の皮肉は、世界で数少ない共産主義体制でありながら、一方では世界最悪の不平等社会であるということだ。
インドは、今は規模が下回るかもしれないが、2032年までに米中両国に次ぐ世界第3位の経済大国となることが予想されている。国民を監視下に置くための巨大な国家治安機関も必要としない。世界最大の民主主義国として英慣習法の遺産と自由経済を享受し、民間部門経済の規模は中国のそれを上回る。これらはすべてわが国との関係緊密化にふさわしい。
インドはかつての停滞した社会主義経済から規制緩和、民営化などの目覚しい実績を挙げた。だが、やるべきことも多い。それは規律ある通貨政策であり、競争政策であり、税制改革、そして農業部門の合理化、軽工業振興のための労働市場自由化などだ。中国が、何らかの政治的あるいは経済的破たんが起きなければ、製造業部門のいくつかをインドに移転することすらあり得るとみる専門家もいる。わが国とインドとの関係強化は、両国に益するのみだ。(2月21日)
☆★☆ コメント ☆★☆
そうか、インドか・・・。これが正直な感想である。
中国は一見うまくいっているように見えるが、共産党の一党独裁でやっと統一が保たれている状態だ。この先民主化が進むと、例えば国家が分裂するような可能性も出てくるかもしれない。
もちろん、インドの国内がすべてうまくいってるとは言えないが、中国と並ぶ、またはそれ以上の可能性がある国であることは認識すべきだ。
(3)■MM小学1708 内山義朗□お土産を使う授業(1)より
道徳教育改革集団鹿児島 内山 義朗
土堂小学校教育研究会参加報告(抜粋)
45分間で四つの授業が公開された。教室を移動しながら、すべての授業を参観した。授業参観をして気づいたことを一部、以下に示す。
1 子どもたちに、かなりの力がついている。
2 子どもたちの表情が生き生きしている。実に明るい。
3 子どもたちが、きちんと肘を伸ばして挙手している。
4 子どもたちの発言の声が大きい。どの子も声がよく出ている。うつむいている子がいない。
5 子どもたちが最後まではっきりと意見を言いきっている。
6 子どもたちが授業者の話の際、授業者をしっかり見て、よく聞いている。
7 足がぴたっと床に着いていて、書くときの左手の位置が右手より下方に置かれていた。つまり、姿勢が良いし、余計な雑音を起こす子がいない。
8 詩の斉読でテンポ良くリズムに乗って音読している。
9 モジュール学習で、短時間ずつ内容を区切り、テンポ良く授業を進めているため、変化のある中で飽きずに繰り返し学習に取り組んでいた。
10 IT機器活用が今回のテーマだった。教材提示装置やパソコン用学習ソフトが多数揃えられ条件整備が、よくなされている。どの授業でも効果的に活用がなされていた。
11 パソコン・プロジェクター・教材提示装置を気楽に簡単にできることに使っている。公開とはいえ、手間暇をかけすぎていない。
12 当たり前の教育が当たり前になされている。だから、子どもに力がついている。
13 授業者の視線が子どもにきちんと向いている。
14 小学校2年生が百人一首をすらすらと言えるまでに暗唱学習が進んでいる。
15 小学校2年生が、すらすらと算盤を弾いて足し算・引き算の計算ができている。
16 百ます計算は、パソコンソフトを活用することで、子どもたちが課題意識をもって、自主的に時間を効率的に使って取り組んでいた。
17 授業中の姿勢を授業の中できちんと指導している。指導案にも関連事項が記されている点からも重視していることがわかる。
18 テンポとリズムとスピード(時間の効率活用)を意識して授業を進めている。
19 公開授業学級以外も、特別に帰すことなく自習をさせていた。自習にも、それなりに 熱心に取り組む様子が伺えた。あるクラスでは、辞書も資料も使いこなしながら調べ学習に取り組んでいた。
20 自習学級も、しいんと学習に取り組んでいた。
21 算数科授業では、きちんとノートを机上に開き、活用していた。ノートの文字は、丁寧だった。
まだまだあるのだが、ここまでとする。最も印象的だったのは、「教職員も子どもたちも明るく伸び伸びとしている。」「子どもたちに高い学力がついている。」「早寝早起き朝ご飯やテレビ視聴時間の縮小など家庭教育の効果も大きいだろうが、学校でも読み・書き・算および姿勢や声の出し方・聞く力の育成など、誰でもできることを重視し確実に実行している。」点だった。
授業・講演以外にも、次の点で「いいなあ。」と感じた。
1 学校周辺の教育環境が、とてもよい。学校所在地の教育環境が良い。駅・商店街・海・港・郷土文化(建造物・城などの史跡)・遊園地・森・墓地など郷土学習・社会科学習を進めるうえでも、かなり恵まれている。
2 配布資料がシンプル。その場でさっと目を通せる。これだと、公開する側の準備もたいへんではない。
3 学校要覧がシンプル。A3用紙表裏1枚に所在地・学校経営構想図(学校教育目標・研究テーマ・重点と努力展)・沿革・週時程表・職員構成・児童数・学校運営組織・年間 主要行事が一目でわかるようにまとめられている。
4「教育研究会要項」として配布された研究公開資料がシンプル。内容は、目次・学校長 挨拶・日程・校舎案内図・公開授業指導案のみ。23ページ中9ページは研究発表と講演などをメモできるほどの余白ページ。
5 学校経営方針の中に「教職員の自主的な発想や感性を大切にし、人間性豊かな学校経営を行う」の文言がある。各学級独自の工夫が見られ、教職員が生き生きしていた。
6 300人程の大人数参加者の集まる公開とはいえ、設営等、準備の大変さを感じるような特別に変わった取り組みは見られない。体育館も教室・廊下・階段も。しかし、掲示されている絵や毛筆などの作品は力作揃い。
力がついているのが見て取れた。
7 授業研究は、なし。公開授業の後は、学校長挨拶と研究発表と講演のみ。
シンプルな研究公開だった。準備も特別大変ではないし、このやり方なら気楽に公開し合って学び合える。 −以下略−
☆★☆ コメント ☆★☆
簡単に見に行くことができない者にとって、こうした情報は大変ありがたい。
百マス計算にばかり目が行きがちな?山氏だが、それ以上にしっかりとした教育理論を持っており、たいへん参考になる。今回の内山氏の報告中にも、おおくの?山理論が見え隠れしている。
(4)教育家庭新聞 Mail News Vol.320 2006/03/08 毎週水曜発行
●【レポート】学校組織のマネジメント基礎〜学校経営 校長・教頭等支援サイトから
■学校組織をマネジメントするとはどういうことか?
神奈川県立総合教育センターのサイトの中に「学校経営 校長・教頭等支援サイト」というページがある。その名の通り、校長・教頭などが使えそうな内容のコンテンツを集めているページだ。
この中に「学校組織マネジメント」を記している部分がある。
今回は、この記述を基にして、学校組織のマネジメントの基礎を勉強してみよう。
■学校組織をマネジメントするとはどういうことか?
学校組織をマネジメントするとはどういうことか? これは、冒頭でシンプルに答えられている。
『学校における組織マネジメントは、「学校内外の能力や資源を開発・活用し、学校に関与する人たちのニーズと適応させながら、学校教育目標を達成していく過程」』資源や関わる人のニーズは、それぞれの学校によって異なる。したがって『常に「一般解」ではなく「特殊解」を探索する必要がある』となる。
■校長・教頭は具体的には何をするべきなのか?
船がそれぞれの港にたどり着くために灯台があったように、いくらそれぞれの学校で異なる「特殊解」とはいえ、目指すべき目印は必要となる。
その目印代わりに、学校組織マネジメントの考え方の指針として、同資料に挙げられているのが、
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」
○「ビジョン実現に向けたマネジメントのしくみづくりと活動の計画化」
○「年度の活動計画を、うまく回す運用の努力」
である。この3つを考え、実践していくことが、校長・教頭が行なう学校組織マネジメントだとのこと。
それぞれを細かく見て行こう。
○「的確な環境状況の解釈とビジョンづくり」まず、周りの状況がどういう状況なのか、学校の関係者で見解をよくすり合わせる。その上で、
1.わが校のミッション(使命・存在意義) 2.重点事項 3.教職員の行動規範 4.組織構造
5.運営のしくみ 6.管理職の行動宣言 7.教職員の人材育成
☆★☆ コメント ☆★☆
変化が激しい時代だからこそ、勉強しない管理職はやっていけない。これは、企業でも官庁でも同じ。当然、学校も言うまでもない。そのために、管理職のためのこうしたサイトが生まれ始めてきたことは喜ばしいことである。