第254回 社楽の会報告    第253回へ     第255回へ   TOPへ
                                           
報告者  土 井

2006年10月5日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
土井、高橋先生(門弟山小)、大島先生(玉川大)、早川先生(江南北中)、寺谷先生(高雄小)、坪内先生(大北小)、奥村先生(岩南小)、織田先生(扶桑中)、斉木先生(犬南中)、大野先生(岩南小)、小沢先生(扶桑東小)、勝村先生(楽田小)、栗本先生(木東小)池邑さんの14名でした。

 土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  アソシアおもしろ学校
 安倍晋三首相所信表明
  文部大臣はこんな人   
  名字から日本が見える
  役立ちWeb特集
  教育関連情
 MM紹介
 
研究会紹介 
 県名カード

参加者の提案
  アソシアおもしろ学校
 「アソシアおもしろ学校」運営委員会主催、第1回の授業を、地理「エッ!都道府県には顔がある?」というテーマで行いました。生徒はホテルアソシア関係者60数名で、約60分の授業でした。参加者の情報がわからないままのぶっつけ本番でしたが、様子を探りながらも、楽しく過ごすことができました。
 今回の主なネタです。
○ 日本地図から間違いを探すもの(富山県の広告より)○ 都道府県別面積の3位はどこか? 
○ 愛知、千葉、山口を大きい順に並べなさい。  ○ JAS法について説明
○ グラフから何の生産量か読みとるもの; 米、みかん、リンゴ、桃、桜桃、茶
○ 清酒生産第4位を当てるもの   ○ 焼酎第1位を当てるもの
○ ビール1位は? ○ 民営宿泊所(ホテル、旅館、簡易宿所)1位、2位、3位はどこか? 
○ ガソリンスタンド1位、2位は? ○ 関空の所在地は?  
○ スリーヒントゲーム
 缶コーヒー、キュウリ、繭 ;群馬、 なす、板垣退助、坂本龍馬 ;高知
 京都議定書、応仁の乱、西陣織 ;京都
○ 沖縄での話  人との出会いが旅の思い出 
 
 安倍晋三首相所信表明
 恒例の首相所信表明、教育部分「教育再生」を抜き出してみました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 私が目指す「美しい国、日本」を実現するためには、次代を背負って立つ子どもや若者の育成が不可欠です。ところが、近年、子どものモラルや学ぶ意欲が低下しており、子どもを取り巻く家庭や地域の教育力の低下も指摘されています。
 教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくることです。吉田松陰は、わずか3年ほどの間に、若い長州藩士に志を持たせる教育を行い、有為な人材を多数輩出しました。小さな松下村塾が「明治維新胎動の地」となったのです。家族、地域、国、そして命を大切にする、豊かな人間性と創造性を備えた規律ある人間の育成に向け、教育再生に直ちに取り組みます。
 まず、教育基本法案の早期成立を期します。
 すべての子どもに高い学力と規範意識を身につける機会を保障するため、公教育を再生します。学力の向上については、必要な授業時間数を十分に確保するとともに、基礎学力強化プログラムを推進します。教員の質の向上に向けて、教員免許の更新制度の導入を図るとともに、学校同士が切磋琢磨して、質の高い教育を提供できるよう、外部評価を導入します。
 こうした施策を推進するため、我が国の叡智を結集して、内閣に「教育再生会議」を早急に発足させます。
☆★☆ コメント ☆★☆
 小泉政権時代の流れから考えると、おおよそ予想通りの内容と言える。
 「公教育の再生」というキーワードのもと、
 学力向上→「必要な授業時間数を十分に確保」「基礎学力強化プログラム」
 教員の質の向上→「教員免許の更新制度の導入」「外部評価」
 質の高い教育の提供→「外部評価」
 それらの推進のための「教育再生会議」という、これまでになくシンプルな内容である。
 小泉首相が教育の課題を網羅したのに比べ、内容を限定したことで、やりたいことはよくわかる。今後の教育再生会議の議論に大いに注目したい。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/21313
  
 文部大臣はこんな人
 文部科学大臣 伊吹 文明
  京大時代に国家公務員上級試験に合格。卒業後大蔵省へ。在英大使館書記官、主計局主査、国庫課長などの要職を歴任。大蔵大臣秘書官を最後に退官。昭和40年から約4年間、ロンドンの日本大使館に勤務。国際通貨外交に活躍。英会話には不自由せず、他国の文化、生きざまへの理解が国際人としての評価を高め、各国要人に知己が多い。昭和58年総選挙で京都一区より初出馬、トップ当選。福祉・財政・税制の分野では第一人者としての評価を得ている。(本人のHPより)
 
 インタビューに次のようにある。
(記者)学力低下が指摘されていますが、学力の向上に向けて具体的にどのような取組をお考えになっていますでしょうか。
(大臣)バウチャー制度であるとか、あるいは教員免許の更新制だとか、そういうことが言われているわけですが同時に、ゆとり教育というものが現場でどのように運用されているのかが重要です。ゆとり教育というのはあまり評判が良くないと言われていますが、本来の趣旨は、必要なことはきちっと教えて、そしてその中で、教わったことを現実に適用していくために、少し皆でゆとりを持って考えていこうという発想から出ていたのではないかと思います。ところが基本的なことを教えずに、何か考えてみろとかいうことになってくると、やっぱり基礎学力が落ちてくる。
 もちろん法律の整備も大切なんだけれども、最後はやはり人間なんです。安倍総理が言っているのはまさにそういうことです。だから教師の在り方や、色々な局面で一度社会に出てももう一度教育が受けられるような仕組みなど、色々なものを総合的に考えていく、ということでしょう。
(記者)先日のインタビューで、小学校の英語教育について、大臣は、まずしっかりした日本語が話せて書けることが前提で、それができなければ、英語教育はまだ必要ないのではないかとおっしゃったということです。もう一度その点について、お話を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。(中略)
(大臣)日本人として生きていく最低限の素養が十分身についているならば、そして色々な文化、違う民族の人の文化を理解する態度を養うとか、そういう趣旨であれば、小学校の中でやっても良いし、アルファベットから会話を教えるということまでやるということであれば、それは日本人として生きていく最低限の素養をマスターした上でやった方が良いのではないかということです。
☆★☆ コメント ☆★☆
 本人自ら「福祉・財政・税制」が専門と言うとおり、教育は専門ではないらしい。報道で、「英語教育は不要と語る」と流れたが、そのニュアンスは感じられる。
 経歴からわかるように、英語はペラペラで国際的に活躍した経歴を持ちながら、「英語よりもまず日本人としての素養を」というところは共感できる。まずは、現場を数多く見ていただき、「教」と「育」のバランスを大切にした教育観をもっていただくことを望みたい。
 
内閣総理大臣補佐官(教育再生担当) 山谷 えり子
 出版社勤務を経て、ラジオ・雑誌・新聞の特派記者として渡米、家族・教育・生活・老人問題などを取材する。サンケイリビング新聞記者、産経新聞生活面記者、テレビキャスター、エッセイスト、昭和60年3月サンケイリビング新聞(発行部数約900万部、世界最大の主婦向けの情報紙)編集長に。平成12年衆議院議員初当選。文部科学委員会理事、厚生労働委員会委員。平成16年参議院議員初当選○現在予算委員会委員、外交防衛委員会委員、拉致問題特別委員会委員、少子高齢社会調査会理事○
☆★☆ コメント ☆★☆
 教育再生会議には、大臣以上の影響力を与えそうなのが山谷氏である。サンケイリビングによる主婦のネットワークは全国に張り巡らされている。地域に根ざした、双方向のネットワークは、教育論議に主婦の発言力が大幅に伸びそうな予感がする。

 名字から日本が見える
 「鈴木姓」が群馬県以外の関東6都県ではbPなのに対して群馬県では6位であることに着目したい。
鈴木姓は、熊野信仰の広まりにより全国に広がった。熊野神社の数は、1位福島県(275社)、2位千葉県(236社)で、関東東北地方に多く、鈴木姓も関東・東北に広く広まった。その広がりから、人の流れ
がわかるような気がする。群馬県は東北・関東では熊野神社の数が最も少ない(30社)。なんと言っても三国山脈で人の流れがとぎれてしまったような気がしてならない。
 新潟県は熊野社の数が多い(3位 147社)が、山形県(4位 125社)経由ではないかと推察される。
ちなみに、5位は愛知県(103社)である。 
 鈴木姓の順位を日本地図に表すと、明らかに関ヶ原で大きく下がる。関東圏、関西圏というのが実感できる。
 このほか、名字を見ていると人の動きが感じられるからおもしろい。
 沖縄は別格として、同様のことが、山梨県、高知県、島根県などで感じられる。
 名字の分布は人の動き。人の動きは文化の動き。北陸は関西圏だと言うことは名字を見ればすぐわかる。
《参考》
苗字資料館                http://miyozi.hp.infoseek.co.jp/index.html 
全国と都道府県の苗字ランキングと分布 苗字館 http://park14.wakwak.com/~myj/ 
日本の苗字七千傑              http://www.myj7000.jp-biz.net/index.htm 
  名字の由来は必見  http://www.myj7000.jp-biz.net/1000/0100f.htm 
全国の苗字(名字)        http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html 
名字探検隊        http://www.geocities.jp/nyarce1/ 
名前探偵団     http://www.geocities.jp/nametantei/ 
 
各都道府県名字20位、名字20位までの各都道府県ランキングはここ


 役立ちWeb特集 
(1)複数枚の集合写真からベストな1枚を合成加工
 複数枚の集合写真をもとにベストな1枚を合成できるソフトを公開。非商用利用に限り無償で利用可能。同じ条件で撮影された複数のデジカメ写真から、うまく撮影されている部分だけを合成した1枚の画像を手軽に作成できる。目をつむっている人や横を向いている人が集合写真に。
 
(2) 勝谷誠彦の××な日々 http://www.diary.ne.jp/user/31174/  おもしろい!
 
(3)文化庁メディア芸術プラザ−日本のメディア芸術100選−
 文化庁メディア芸術祭10周年を記念して、日本を代表するメディア芸術100作品を選ぶアンケートを実施。アート部門で1位に選ばれたのは、大阪万国博覧会のシンボル『太陽の塔』。アニメーション部門では『新世紀エヴァンゲリオン』、マンガ部門では『スラムダンク』が第1位に。
http://plaza.bunka.go.jp/hundred/index.html  なぜ?と聞くのはやめておこう。
 
(4)レポート作成などを支援する教育機関向けソフト
 マイクロソフトは「MS Office」によるレポートやプレゼンテーションの資料作成を支援する教育機関向けのソフトを公開。無償でダウンロード可。生徒用には理科の研究レポート、クラス討論用のプレゼンなどのテンプレート、教師用には授業計画、評価といったテンプレートを用意。
 これにより、プレゼンの手順が学べることも大きい。
 
(5)小中学生の調べ学習機能を強化したマルチメディア百科事典
 マルチメディア百科事典が小・中学校の総合学習やPCなどを使った調べ学習において、子どもたちが
より効果的に活用することができるように機能およびコンテンツを強化。小学生向けの「キッズ百科」では、項目数を約3倍に拡大し、索引機能を追加。本文上にワンタッチでふりがなを表示する機能も。
 
(6)カレーに関するサイト
☆日比谷松本楼 http://www.matsumotoro.co.jp/ 
 明治36年6月、日比谷公園と一緒にスタートした日比谷松本楼。なんと9月25日は「10円カレーの日」。先着1500名に10円(以上)で明治、大正をしのぶハイカラカレーを提供してくれる。10円より多く払った分は、ユニセフや交通遺児育英会などに寄付される。
☆ハウス食品 http://housefoods.jp/index.html 
 おうちで作るカレーといえば、真っ先にお世話になるのがカレールー。おなじみの定番商品に加え、ホワイトカレーなどの新製品の紹介、プレゼントやイベント情報、商品を使ったレシピなども充実。
☆ヱスビー食品 http://www.sbfoods.co.jp/ 
 スパイシーで本格的な大人のカレーから、小さな子どもが大好きな「カレーの王子さま」まで、幅広い商品を開発しているヱスビー食品。サイト内の「カレー.コム」では、食材から検索できる便利なレシピのほか、カレー事典、コラムなども掲載されている。
☆カレー特集 http://www.i-curry.net/index.html 
 キーマカレー、グリーンカレー、ドライカレー、スープカレー、それぞれの紹介と詳細なレシピ、分かりやすく掲載している。ナンの作り方や香辛料の紹介も丁寧で、シンプルながら楽しめるサイト。
☆レトルトカレーの王道 http://www.h6.dion.ne.jp/~curry-bs/index.html 
 レトルトカレーは、今や、日本全国のご当地カレー、有名百貨店やレストランが開発したものまで、多種多様な展開をみせている。このサイトは、300種類ものレトルトカレーを食べた管理人によって運営されている。全国ご当地カレーマップ、レトルトカレー占いもあり。
☆全国レストランガイド・食べログ.com http://r.tabelog.com/ 
 日本全国のレストランを、地域別、タイプ別に検索できるサイト。カレーは勿論のこと、和食でも中華でも、食べたいときに行きたいレストランにたどり着ける。実際に食べた人のレビューも掲載されている。
 

6  教育関連情報
(1)国歌斉唱、強制は違憲=「思想、良心の自由」侵害−東京地裁
 都立高校などの入学式や卒業式で、国旗に向かった起立と国歌斉唱を教職員に義務付けた東京都教育長の通達と校長の職務命令は違法として、都立学校の教職員401人が都教育委員会などを相手に義務不存在の確認と1人3万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(難波孝一裁判長)は21日、「懲戒処分をしてまで起立、斉唱させることは、思想、良心の自由を侵害し、行き過ぎた措置」として義務がないと認定し、職務命令による強制は違憲との判断を示した。
☆★☆ コメント ☆★☆
 コメントしにくいテーマだが、重要な問題であることには違いない。高裁での議論を望みたい。
 
(2)中高生と乳幼児、学校で交流へ/少子化対策で07年度から−文科省
 文部科学省は14日、少子化対策の一環として、次世代の親になる中高生が乳幼児と触れ合うのを後押しし、子育てに対する理解を深めてもらうモデル事業に2007年度から乗り出す方針を決めた。少子化の影響で若い世代が乳幼児と接したり、面倒を見たりする機会が減っているのを踏まえた。各都道府県につき平均おおむね50校の中学・高校で、乳幼児とじかに接する交流活動や講座を展開し、中高生らに子育ての楽しさや家族の大切さなどを伝える。http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/news/060915.html 
☆★☆ コメント ☆★☆
 児童虐待防止、少子化対策として導入されるようだ。もちろんそれらもあるだろうが、それ以上に、中高生に親の疑似体験を通して、親心とは何かを考え、その上で自分、そして自分の家族をふり返ってくれることをより望みたい。
 
(3)中央教育審議会「青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促す方策について(中間まとめ)」
 中央教育審議会は、9月28日(木)に「青少年の意欲を高め、心と体の相伴った成長を促す方策について(中間まとめ)」を取りまとめ、伊吹大臣に手交した。
 この中間まとめでは、青少年が社会的自立への意欲を高めるため、家庭・学校・地域社会・企業等のすべての大人が、これを自らの課題として受け止め、それぞれの立場で積極的に行動することが必要であると提言している。具体的には、以下5点が必要であるとしている。
 @ 家庭における生活習慣の定着や体力向上が重要であること、
 A すべての青少年に対して、その生活圏内で多様な体験ができる環境が整えられること、
 B 保護者や親以外の地域の大人が、青少年と積極的に関わること、
 C 青少年一人ひとりの状況に適切に対応し、その成長をガイダンスの発想に立って支援すること、
 D 情報メディアをめぐる問題について、大人の責任として対応すること
【参考】第56回中央教育審議会総会配布資料等
 
(4)新内閣への要望(社)日本経済団体連合会
 日本経済は、先行き明るさを見通すことができる局面を迎えている。しかし、行く手には、グローバルな競争の激化や人口減少下での少子高齢化の進展など難問も多く、楽観は許されない。新内閣におかれては、日本経済の持つ潜在力を最大限引き出し、国際競争力を強化するため、長期にわたる改革を、責任をもって進めていただきたい。同時に、日米の同盟関係を基軸としつつ、アジア大洋州諸国との関係強化に正面から取り組んでいただきたい。
 ・イノベーションによる新しい日本型成長モデルの実現
 ・日米関係を基軸とし、アジア大洋州地域を重視した外交・通商戦略の展開
 ・歳出入一体改革の着実な実施、持続可能な社会保障制度の確立、雇用・少子化対策の強化
 ・地域活性化に向けた道州制の導入
 ・教育再生、憲法改正に向けた取り組み

 
 MM紹介
(1) 河野太郎の副大臣日記
 法務省が先日発表した外国人労働者の受け入れに関するプロジェクトチームの最終とりまとめ
http://www.moj.go.jp/NYUKAN/nyukan51-3.pdf )に関して、あるマスコミは「外国人の受け入れに上限」と報道し、他のマスコミは「単純労働者の受け入れを認める」と見出しを付けた!?
 現在の日本の外国人労働者の受け入れ政策は、上品に言えば本音と建前が乖離している。普通の日本語で言えば、ほとんどイカサマである。
 我が国は、大卒以上または実務経験十年以上の外国人労働者を技術的、専門的分野の外国人と位置付け、ここにあてはまる者は受け入れている。(この分野のなかには高度人材というカテゴリーがあって、そこにあてはまる人は積極的に日本に来ていただきましょうということになっているのだが、高度人材の明確な定義はない)で、この大卒以上または実務経験十年以上の者以外は、今の入管の定義では、全て「いわゆる単純労働者」なのだ。(単純労働者の定義は何かはっきりしないため、「いわゆる単純労働者」とよぶ)そんでもってこの「いわゆる単純労働者」外国からは受け入れないというのが基本政策だ。
 ところが現実にはこの「いわゆる単純労働者」(面倒くさいので以後、単純労働者と書く)のカテゴリーの外国人がたくさんいる。まず、日系人。平成元年に、日本人の血を引く日系人は、三世およびその扶養者までは無条件で定住ビザをもらえるという入管法の改正があった。日本人の血などといっているが、当時、バブルで労働者不足を解消しようとして、しかも大方針の外国からの単純労働者は入れないという方針を変えないまま、外国からの労働者(しかも日本人より低賃金)を入れるための裏口として、こんな政策が打ち出されたのだ。
 この結果、今日、特定の地域に南米から来た日系人が集住(特定の団地などに集中して日経の南米人が住んでいる)し、その大半は日本語がわからず、日本社会に溶け込むことなどまったくできず、ポルトガル語あるいはスペイン語のコミュニティを作って固まっている。
 しかも、親についてきた子供に関しては、文部科学省が外国人の子供は義務教育の対象ではないなどというものだから、国として、ぜんぜん責任を持って教育を受けさせる体制にない。浜松市などは年間にポルトガル語しかできない子供を市立小学校に入れるために一億数千万円の費用を市が負担している。
 教育を受けられない子供には明るい将来はないだろうし、集住コミュニティの近くの町内会ではゴミ出しのルールから伝えられないで問題になるし、せっかく来日した日系人だって日々不安である。この現実を直視した政策が必要だ。
 さらに、技能研修なるインチキがまかりとおっている。発展途上国からきた研修生に技能訓練をして、本国でその技能を活用した職についてもらうという建前だが、これは完全に低賃金労働者を外国から入れるための(しかも単純労働者は入れないという方針を変えずに)隠れみのである。研修生は研修をしていて、労働をしていないという建前なので、労働基準法が適用されず、賃金ではなく手当を支払うことになる。
 中国から来る研修生の場合、多くは三年間きちっとおつとめをしますという誓約書を書かされ、保証金を積んでくる。三年間きちんとおつとめしなければ巨額の保証金は没収される。しかも、来日するととんでもない条件で研修(!)するのだ。
 日系人や技能研修生という裏口から入った単純労働者が国内に多数いるという現実を、単純労働者は受け入れていませんという建前で覆い隠してみないふりをする。
 しかし、現実には自治体は大きな問題を抱え、低賃金労働を強いられる外国人は社会保障の対象にもならずに、日本社会に入ることもできずに、子供は学校にも行かずに、...。
 今回の法務省のプロジェクトチームは、こうした現実を直視し、建て前と本音の乖離を許さずに、問題解決をしていこうという主張を出した。
 まず、日系人という血のつながりだけで定住ビザを出すのはやめようと提案している。すでに国内にいる日系人に対しては、国の責任できちんと日本語教育が受けられるようなシステムを作り、その上で一定の日本語能力と生活を維持するための定職を持つことをビザ更新の条件にしていこうと提案している。
 技能研修に関しては、新しく労働ビザを出す仕組みを作り上げ、それと同時に技能研修制度は廃止するとしている。労働ビザを出すためには、「いわゆる単純労働者」といわれている部分を二つに分け、専門的、技術的分野ではないが一定の技能が必要な分野(特定技能)を認定し、その分野で必要な技能を検定する資格制度を創設する。そうした整備ができた分野から外国人労働者を特定技能労働者として入れることを認めるが、労働ビザの対象となるためには一定の日本語能力をあらかじめ身につけていることが要求される。
 来日後、三年以内に一定のさらに高いレベルの日本語能力を身につけると同時に、その職種での高いレベルの資格を取ることができれば、労働ビザの更新を認め、家族を呼び寄せることができるようにする。配偶者にも日本語能力を身につけていることを要求し、子供は義務教育の対象となる。
外国から来る労働者に対しては、日本人と同等の賃金を払い、社会保障の適用とする。雇用する企業には賃金の支払いと共に外国から労働者を受け入れることにより発生する社会的コストの一部を負担してもらうこととする。こうした新しい仕組みを作ることにより外国人労働者をルールにそって受け入れることにするというのが提案だ。
 今の日本には、外国人労働者を受け入れるという選択と受け入れないという選択がある。私は、外国人労働者を受け入れないという選択では、人口減少時代の日本を繁栄させていくのは難しいと思う。外国人を仮に受け入れるとするならば、現在の技能研修のように一定の期間で本国に帰ることを前提とする制度で受け入れるという選択と来日した外国人が一定の条件を満たせば永住し、帰化することも選択することができるという制度で受け入れるかを議論しなければならない。
 我々の提案は、来日した外国人が一定の条件を満たせば、ビザを更新し、家族を呼び寄せ、永住資格を取り、帰化することへの道を順番に開いていこうというものである。
 無制限に外国人を入れようというわけではない。現在、日本国内に住む来日外国人の割合は約1.2%だ。日系人の受け入れをやめ、技能研修をやめ、特定技能労働者に日本語能力を求めることにすると、最初、この割合は下がる。その後、制度が定着すると割合は再び上がり始める。来日外国人の割合が約3%(つまり現在の2倍以上の割合だが、ヨーロッパ各国の割合よりは低い)ぐらいになったところで、もう一度政策を議論し直すことにする。特定技能労働者の人数は、雇用する企業が負担する社会的コストの割合を上下することでコントロールする。
 他方、一定期間働いた外国人を本国に必ず帰すという選択は、日本社会に外国人を入れたくないという感情があり、また、三年ないし五年という期間で必ず帰国させ、次の人間を入れれば昇給させなくてすむ、つまり安い外国人を安い給料で使い続けることができるという本音が見え隠れする。
 外国人を安い労働者として入れることは、日本人の賃金に下向きの圧力をかけることになる。外国人労働者にはあくまで日本人と同等の給与を保障する必要がある。
 もちろんいまよりはきっちりした外国人の在留管理システムが必要になるし、不法滞在、不法雇用には今よりも数段厳しい姿勢で臨まなければならない。
まだまだたくさんの論点があるが、外国人労働者をどう受け入れるかという問題をきちんとテーブルに載せ、本音でこれからの政策議論を始める必要がある。
☆★☆ コメント ☆★☆
 いつも紹介しているMMだ。以前、高橋実践で少子化対策についての提言をアップしたところ、将来の労働人口の減少について「外国人労働者を受け入れればいいじゃないか」という意見を数多くいただいた。
当時、「外国人を全く受け入れないというわけではないが、無条件で受け入れるというのには反対だ」と回答したが、その考えは今も変わっていない。
 しかし、国際結婚、人権問題など、いろいろな要素があり、難しい問題である。一歩間違えると、日本が日本でなくなるかもしれないと思うと、慎重にならざるを得ない。100年、200年後の日本をどうイメージするか。人口問題と関連させて考えなくてはいけない重要なテーマである。
  
8 研究会紹介 
長良東小学校校内拡大研究会
平成18年10月28日(土)受付 9:45〜10:00
http://www.gifu-gif.ed.jp/school/nagarahigashi-e/
 
 県名カード
 アソシアバージョンをつくりました。『県勢2006年版』が情報源です。
参加者の提案
       
高橋先生;NHKへの問い合わせ
       NHK放送体験クラブ http://www.nhk.or.jp/taiken/
       「そして人口は爆発した」 http://blog.mag2.com/m/log/0000180555   

斉木先生;JSLカリキュラム
   参考 「学校教育におけるJSLカリキュラムの開発について(最終報告)」−小学校編−の公表につい
       JSLカリキュラム

池邑さん;教室の窓 中学校社会 小学校社会

小澤先生;「スーパーマーケットではたらく人」指導案

寺谷先生;「徳川家光と江戸幕府」指導案

奥村先生;ことばの教室だより16〜17号
      「教師が元気になるカウンセリング」by諸富先生

 、





問い合わせは 土井謙次  
syaraku@tcp-ip.or.jp