第26回 社楽の会報告 第25回へ 第27回へ
報告者 布袋中 土
井
5月11日(木)7:00〜9:20,布袋北学供にて第26回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,栗林,勝村,奥村,川井,高橋,野呂,日比野,多和田(敬称略),和田先生の10名です。
☆ 今回は,雑談からスタートしました。「日本の教育は欧米の許容主義を真似して質的に低下していくのではないか」「欧米は,日本の教育スタイルを取り入れようとしている」という話から,それぞれの不登校児童・生徒の事例報告へと話題は移りました。子供のタイプの違い,登校刺激の是非,母親の共通点などが話し合われました。
次に,やはりオームの話題です。人間の心と「洗脳」の話題です。
「オームの洗脳から逃げ出した人が正常なら,学校から逃げ出した登校拒否児はひょっとして正常なのではないか」という恐ろしい仮説も出されました。
このほか,@校内の生活基準を細かく示すべきか,自分で判断させるべきか,A中学校で教えるべき内容が多すぎないか,B生活に必要な実学的知識や社会的常識をあまり教えていないことに問題はないか,Cオームの事件は偏差値教育のシステム敗北…などの話題が出ました。雑談と言うには,あまりにも深い問題でした。
☆ 土井から,これまで8名の先生からいただいた戦争関係資料のリスト(190点)を紹介しました。これらが頭にあるか,ないかで,発想に大きな影響を与えると思います。さらに資料を収集するとともに,今後は,人的資料の発掘や個々の資料の内容にも踏み込んでいきたいと思います。
・ 次に,「レンタルできる戦争を知る映画リスト(洋画編)」の紹介です。私が見た34本の戦争映画(ビデオ)の内容・感想のリストです。「西部戦線異常なし」「独裁者」などの往年の名画もビデオで見ることができ,ビデオレンタルのありがたさを実感しています。先生方もぜひご覧下さい。また,いい映画がありましたら紹介して下さい
・ 次に,これらのリストを活用した実践例です。布袋中では,1年生が校外学習で「人道の丘」(八百津町)を訪れる関係で,杉原千畝を道徳で扱いました。その資料集めで,さっそくこのリストが役に立ちました。
奥村先生から,同じような授業を昨年藤里小の先生が実践されたという話を伺いました。また,「このメンバーで,戦争についての模擬ディベートをやりましょう」という提案がありました。授業実践の形が見え始めたらぜひやりましょう。
・ 最後に本の紹介です。@昭和3年発行の『毎日年鑑』,A昭和16年名古屋市教育部発行の『名古屋中心 郷土史要』,B『日本歴史書3500』です。@は戦争の道へ向かおうとしている日本が,Aは戦前の歴史教育の方向が見えてきます。Bは邪馬台国から太平洋戦争までのジャンル別の読書案内です。
☆ 勝村先生からは,「意欲的に学習する自学の方法」を紹介していただきました。「自学ワールド」はセンスのよさを感じさせます。「勝村先生の実践より」では,メニュー制の導入,意欲化を図る支援の方法が具体的に示されています。特に,自学努力率や自主学習計画表はおもしろいと思いました。
・ 次に,前回お願いした明治天皇・福沢諭吉の資料を『社会科教育』(1989年7月号)より紹介していただきました。多くの実践記録にふれると,それだけ自分の発想が広がります。参考にしたいと思います。
☆ 野呂先生からは,「4年自学メニュー」の紹介です。ノートで行う8つの方法(テーマを書く,点数をつける等)が示されています。このような具体的なメニューの提示は,学習方法の習得という観点からも,とても有効ではないかと思います。
・ 続いて『下村式 唱えて覚える漢字の本』より,「唱えておぼえるかきじゅん」
を紹介していただきました。「@ノ一によこぼう,Aイをかいて,Bてん一,Cたてよこ3本,D右に漢字の見るを書く」は何の字かわかりますか?「観」です。クイズにも使えますね。
☆ 奥村先生からは,前回のお願いより@社会科教育史関係の本の紹介,A明治天皇の教材化のヒント,B「日本と世界の国のNOW」をとらえるヒト・モノ・コトの奥村案,C中日サンデー版の追補版,D授業で戦争をとらえる実践例(新聞記事)を教えていただきました。
@は学習指導要領(昭和52年版・平成元年版)でした。
Aは,明治天皇の業績を調べる→明治天皇が神格化されていくことを理解する→天皇が戦争には消極的だったことを知るという流れで例が示されています。おおいに参考になりました。
Bは,円高とマルク高・WTO・関空・パソコン通信と阪神大震災・衛星放送とオウム心理教報道が挙げられその根拠を説明していただきました。十分納得できます。
Cでは,岩井先生のと合わせるとほとんどすべてそろいます。(栗林先生から少しいただきました。)今後は,利用方法を考えましょう
D朝日新聞(H7・5・8)には,選択社会科での討論を始め,在日朝鮮人の男性との交流, 空襲体験の劇化,戦争体験を聞く会などが紹介されています。
☆ 日比野先生からは,選択社会の調査テーマを紹介していただきました。20名がそれぞれのテーマで調査した機関と結果が示されています。テーマは北海道の廃線鉄道・関西の大企業・沖縄の歴史・駅弁についてなどで,手紙を出しても返事が来ない所が多いことが気になります。
私は,依頼の手紙に生徒のスナップ写真を同封させています。返事が来る確率が大きくアップします。
・ 次に,戦争資料28点の紹介です。中には,手塚治虫の「紙の砦」など3編,土門拳の「生きているヒロシマ」,黒沢明の映画「いちばん美しく」などの名作もありました。さすがですね。
☆ 資料のみの参加,大薮先生からは「人道の丘公園」のパンフの紹介です。管理事務所は,〒505ー03 岐阜県加茂郡八百津町八百津1088ー2 0574ー43ー2460です。
・ 次に,戦争資料を16点紹介していただきました。テレビを録画したビデオが多く,日頃から資料収集に心がけてみえることがよくわかります。
☆ 今日のメインは,川井先生の学校訪問・指定授業(5月25日)についてです。意見をかみ合わせるには?という質問に対して,あらかじめ予想される質問に対する答えを考える討論表の作成が出ました。
また,チームを機械的に分けるかどうかを話し合いました。機械的に分けると@多面的な思考ができるようになる,Aチーム内で事前の討論が可能であるというメリットがある反面,小学生では調べる意欲を損なう可能性がある,やや高度であるという意見が出ました。
栗林先生からは,ディベートのテーマとして適当か?という疑問が出されました。立場の違いで論点が変わり,互いの意見がかみ合わなくなるかもしれないということです。そのため,もしかみ合わなくなった時のために「聖武天皇の立場なら…」「民衆の立場なら…」と視点を設定したらというアドバイスをいただきました。
・ 6年4月・5月自学メニューの紹介です。月ごと・教科ごとに出されるので,子どもたちが新鮮な気持ちで取り組めるのではないかと思います。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp