(1)常識ぽてち【やや日刊】 ♪2007-05-12(第1066号)〜たまごや〜
■日経平均とTOPIX
日経平均やTOPIXは株価の動向を示す指標で、いずれも東証一部に上場されている約1500銘柄(2007年5月現在)全体の動向を示す株価指数です。しかし何気なく使っているこの指数ですが、どう違うのかおさらいをしてみましょう。
日経平均は日本経済新聞社が算出、公表している指標です。東証一部上場企業約1500社のうち流動性や業種等のバランスを考慮して選んだ225銘柄の株価を単純に平均したもの。
採用された銘柄は決まっているわけではなく、毎年見直されます。また経済の変動などにより、臨時に入れ替えがされることもあります。全部で1500ほどある企業の株価動向をわずか225社で判断するというのは指標として少ないのではないかという意見があります。
一方でTOPIXは、東証一部上場企業の全銘柄を対象としています。したがって全体の動きを捉えるのに向いています。しかし、動向としては平均され過ぎて動きが鈍く、指標として日経平均より鋭利ではないという意見があります。その点日経平均は、市場に影響を与えやすい流動性の高い注目されている銘柄ですので、TOPIXより敏感な指標といいえます。
また、日経平均は、企業によって株価の重み(ウエイト)を考慮していませんが、TOPIXは重み(ウエイト)を考慮することによってさらに公平さを目指しています。
たとえば市況を左右するような大きな会社と、上場したての小さな会社とでは、株価の上下が1円変動しても、その影響は差異があるだろう、という発想から生まれています。そういう理由から、TOPIXは上場株式数を考慮してウエイトを考慮しています。
また、表示単位も違います。日経平均は○○円△銭という通貨表記になっていますが、TOPIXはポイント表記です。この通貨表記については誤解を招きやすいという批判が多くあります。
というのも、日経平均は元々「株価の単純平均」ですから分母は225であるはずです。しかし、不連続調整のためにその「除数」は現在約20に調整されているため、日経平均株価は1万7千円前後になっていますが、実際の平均株価はその10分の一が正しい数値となります。
つまり日経平均は市場価格を10倍程度拡大表示していることになります。またこれは変動にもあてはまり、たとえば日経平均300円下げた、というのは実質は約30円の下げということになります。このあたりが誤解の大きな原因となっているようです。(以下略)
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社会科教師は一度は株をやった方がよいと思っています。株式の仕組みが分かると同時に、経済の動きが分かるからです。ただわかりにくい用語などで抵抗を感じる人が多いかもしれませんが、このMMはうまく説明しています。
(2)重箱の隅 vol.1938(2007/05/23号)
今回のテーマ「科料と過料」
法律違反や義務違反に対して金銭を支払わせる金銭罰に「科料」と「過料」というのがある。どちらも"かりょう"と読むため混同されがちだが、法律上は別のもの。また「罰金」というのも区別される。
まず「科料」というのは刑法に基づく財産刑の一種で、強制的に財産を徴収する刑罰のこと。比較的軽微な犯罪に対して科される1000円以上1万円未満のものを「科料」と呼び、1万円以上のものは「罰金」と呼ばれる。過料と区別するために"とがりょう"という読み方もされる。
一方「過料」というのは刑法や刑事訴訟法が適用されない金銭罰の一種。秩序罰・執行罰・懲戒罰の3つに分けられたりもするが、一般的には民事訴訟や行政手続き上の義務違反、地方自治体の条例違反に対して徴収されるもの、軽微な道交法違反で徴収される反則金などがある。こちらは科料と区別するために
"あやまちりょう"という読み方もされる。
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常識ぽてちを紹介したら、こちらも紹介しなければならない。社会科ネタが多いので授業に役立つ。
(3)メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」
第81号(リニューアル 第6号) 2007年5月23日発行 (毎週水曜日発行)
第30回教師力UPセミナーのご案内「これが7つの習慣の授業だ!〜まずは教師自らが変わろう〜」
(前略)今回は千葉県教育委員会の渡邉尚久氏をお迎えします。渡邉氏はビジネス界でベストセラーになった「7つの習慣」の原則を、小学校の教室で実践したことで知られています。「7つの習慣」とは、次のようなものです。
第一の習慣 主体的に行動する
自分のやることに責任を持つという習慣
第二の習慣 目的を持って始める
自分の使命と目標をはっきりさせるという習慣
第三の習慣 一番大切なことを大切にする
最も大切なことを最も大切にする習慣
第四の習慣 Win-Winを考える
相手も勝ち、自分も勝つという考え方を持つ習慣
第五の習慣 理解してから理解される
人の話を誠実に聞くコミュニケーションの習慣
第六の習慣 相乗効果を発揮する
創造的な協力を発揮する習慣
第七の習慣 自分を磨く
第一の習慣は「自分をコントロールする習慣」です。誰かに悪口を言われたとき、ついつい「あの野郎! あいつのせいで俺は怒っているんだ、プンプン!」と反応してしまいます。このような反応をコントロールするために「一時停止ボタン」という手法があります。つまり、ビデオの一時停止のように、人間は反応をコントロールしながら、主体的に行動できるはずなのです。
「一時停止ボタン」の他にも、渡邉氏は「農場の法則の授業〜こつこつ努力する原則〜」「自己信頼残高の授業〜自信貯金の貯め方〜」など、子どもたちの心に訴えるユニークなたとえ話を使った授業を実践しています。(後略)
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このところ、毎回このMMを紹介している気がする。それだけ、よい情報を提供してくれている。
今回は、あまりにも有名になってしまった「7つの習慣」を、これまで取り上げたことがなかったので取り上げた。