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報告者  土 井

 2007年10月4日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
 土井、早川先生(江南北中)、川井先生(犬南小)、浅井先生(岩倉中)、高橋先生(門弟山小)、大野先生、奥村先生(岩南小)、織田先生(扶桑中)、野沢先生(宮田小)、大島先生(草井小)、小澤先生(扶桑東小)の11名でした。

土井より、今回紹介したものの目次です。番号をクリックしてください。

  福田首相所信表明演説(教育関係)
 文部科学大臣はこんな人
  初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第65号   2007.9.27
  河村茂雄講演会
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報    
 MM紹介

 福田首相所信表明演説(教育関係) 
■子育てを支える社会の実現
 教育は、家庭にとって極めて関心の高い問題です。学校のみならず、家庭、地域、行政が一体となって、教育の再生に取り組んでまいります。
 信頼できる公教育を確立することが、まず必要です。授業時間の増加や教科書の充実などにより、子どもたちの学力を高めるとともに、体験活動や徳育にも力を入れ、自立と思いやりの精神を養います。先生が子どもたちと十分に向き合える時間を増やすとともに、メリハリのある教員給与体系の実現に取り組みます。
 女性も男性もすべての個人が、喜びや責任を分かち合い、個性や能力を発揮できる「男女共同参画社会」の実現に向け、取り組みます。十分な育児休業を取り、その後も仕事を継続できるようにするなど、安心して子どもを産み育てることのできる環境を整備します。長時間労働の是正に取り組むなど、社会全体で働き方の改革を進め、仕事と家庭生活の調和を推進します。
 
《参考》安部元首相の所信表明演説(教育再生を具体化する)
 良質で負担の少ない公教育があってこそ、子どもたちみんなが、明日へのチャンスをつかむことができます。改正教育基本法、教育再生三法の成立を受けて、いよいよ具体的に、高い学力と規範意識を身につけるための改革にのり出します。
 授業時間を増やし、教科書を充実し、全国学力テストを有効に活用して、きめ細かに学力の底上げを行います。体験活動や徳育にも力を入れます。良き教師を確保するため、メリハリのある教員給与体系を実現するとともに、教員免許更新制の円滑な実施に取り組みます。事務負担を減らすことなどにより、先生が子どもたちと十分に向き合える時間を増やします。保護者のご心配やご意見に対し、専門家も参加して対応する仕組みを整えます。


 文部科学大臣はこんな人
 渡海 紀三朗
1948年2月11日生まれの59歳。自民党山崎派所属で当選6回。
1966(S41)年4月〜1970(S45)年3月 早稲田大学理工学部建築学科
1970(S45)年4月〜1985(S60)年12月 鞄建設計
1985(S60)年12月〜1986(S61)年6月 外務大臣 安倍晋太郎秘書
 神戸陸上競技場の実施設計及び設計管理とグリーンスタジアムの基本構想を担当している。
 当選後は、科学技術政務次官などを歴任し、1993年には新党さきがけに参加。1999年に自民党に復党後は、2002年に遠山敦子元文部科学大臣の下で副大臣を勤めるなど、政府の科学技術関係職に数多く関わってきた。実父は建設大臣等を歴任した故渡海元三郎氏。
 科学技術振興をライフワークとしている。
 「競争原理は持ち込むべきではない」「先生の数を増やしたい」と発言している。
 渡海紀三朗 HP http://www.kisaburo.net/ あまり更新されていないので、今後に期待したい。

 
 初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第65号   2007.9.27
□ 【シリーズ】若手職員の学校現場派遣について(第2回)
 文部科学省では、若手職員の現場の理解を深めるための取組として、本年度から1年間学校現場に派遣する研修を創設し、静岡県と香川県の公立中学校にそれぞれ1名ずつ職員を派遣しています。シリーズ2回目の今回は、実際に、静岡県の中学校に派遣されている職員からの、生の声をお届けします!
                                     〔大臣官房人事課〕
「おはよう!」校舎2階の廊下で、まだ眠そうな顔をした生徒たちに、元気いっぱいの挨拶をすることから、私の一日の仕事が始まります。生徒の日記にコメントを入れる、授業が始まっても教室に入らない生徒をなだめて移動させる、保健室登校の生徒に声をかける、授業の準備をする、おいしいが量の多い給食
を生徒と一緒に食べる、部活の指導に行く−そうやって、毎日の時間はあっという間に過ぎていきます。4月に学校に来たときは、文科省の仕事とのギャップに驚き、生徒と話をすることに戸惑い、自分がどのように行動すべきかについても悩むことが多かったですが、5ヶ月が過ぎ、教職員のひとりとして落ち
着いて対応できるようになってきました。
【研修の概要】
袋井中学校での研修の主な内容は以下のとおりです。
(イ) 3年3組の副担任(3年学年付きとしての業務)
(ロ) 社会科(公民・選択教科)の授業
(ハ) 女子ソフトテニス部の副顧問として指導・引率補助  
 このほかにも、袋井市教育委員会のご厚意により、地方の教育の現状及び地方教育行政の状況の把握のため、幼・小・中学校の視察、各種会議の傍聴などにも参加させてもらっています。
【研修で感じたこと・学校現場からの声】
 4月に学校に来て、一番驚いたこと−それは、印刷機が古い!ということです。学校は印刷をすることが多くありますが、機械の性能が低いため、印刷に多くの時間がかかってしまいます。情報関連機器が未整備な部分も多く、業務の効率化のためにも、有効活用の余地があるのではないかと感じました。
 また、近年の教育改革の取組により、学校現場では、例えば、総合的な学習の時間のための準備や、学力調査の実施や効果的な活用の仕方の検討など、これまでよりも業務量が増えたことに加え、いわゆる「家庭の教育力の低下」により、これまで家庭が担っていた部分−身だしなみを整えること、時間や期限を守ること、他人の迷惑になることはしないなど、基本的な生活習慣や社会のルールを身に付けさせること−を学校で対応することが求められており、教員にかかる負担は大きくなっているように感じます。「教師は授業で勝負」とよく言われることですが、実際には生徒指導やその他の仕事に追われ、授業にかける時間の割合は、それほど多くなっていない状況にあり、ジレンマを抱えています。特に問題行動を起こす生徒が登校している時は、担任や学年主任はその指導のために多くの時間を費やし、その他の先生方も、授業の空き時間を廊下や教室の巡回のために使うこともあります。給食や片づけの指導も常に教師が付き添う必要があるので、昼休みも授業の準備などをする時間もない状況です。
 その他にも、多くのことを学び、考えさせられることが多くありますが、今回は、その他学校現場から出された意見を少し紹介しておきます。
・学校現場では、文科省が出した方針に基づいて真剣に取り組んでいるので、文科省が一度決めた方針は、簡単に変更して欲しくない。
・問題行動のある生徒への対応が難しく、学校での指導が困難な場合も多い。
・学校を「変える」ためには業務を精選する必要があるが、学校がやるべき業務が増えている中で、学校を変えていくことは難しい。
・文科省に一番要望したいのは、「定数改善」。新たなことをするためには、教員数の増加が必要。など
残りの期間では、さらに多くの先生方・教育委員会関係の皆様から様々な意見を聞く機会を持っていきたいと思います。
 教育の現場では、社会の変化に伴うひずみや矛盾を抱え、それでも子どもたちのためによりよい教育をと、先生方は情熱を傾けて必死で取り組んでいます。一方で、学校に対する世間の目はこれまで以上に厳しくなっている状況で、学校が抱える問題も増加する傾向にあるのではないでしょうか。時代や地域のニーズにあった教育を、学校現場の創意工夫で行えるように、学校から地方行政・文科省まで、“オール教育界”としてこれからの教育を考え、取り組みを進めていけるような関係を構築していきたいと、改めて感じているところです。
 今回の学校現場での研修により、現場と文科省を「つなぐ」役割を少しでも担うことができればと考えています。最後になりましたが、本研修を快く受け入れて頂き、多大なるご支援・ご指導を頂いている静岡県教育委員会、袋井市教育委員会、袋井中学校の皆様には、改めて心より感謝申し上げます。
                               〔袋井市立袋井中学校 須原愛記〕
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 文科省の教育改革で、タイムリーヒットと言えるものはこれだと思う。若手職員、特に上級職員の学校現場派遣は、とても有意義である。しかも、この制度は20年、30年と継続してこそ本当の価値が出てくる。その時に、この制度の考案者を讃えられるように、有効に運用していただきたい。

 河村茂雄講演会
 丹葉校長会学校公開・教育講演会記録
演題「いじめ・不登校を生まない学級集団づくり
     −管理型・なれあい型学級理解と対応−」
講師         都留文科大学大学院教授 河村茂雄先生
   実施日 平成19年10月2日 会場  岩倉市立南部中学校体育館
  

 役立ちWeb特集 
(1)紅葉の見ごろ予想
 紅葉は気温が低いと早まり、気温が高いと遅くなる。関東地方における9月の月平均気温は、平年をかなり上回っている。このため、今年の関東地方における紅葉の見ごろの時期は、例年よりやや遅いかまたは遅くなる見込み。 http://www.jma.go.jp/jma/press/0709/27a/koyo2007.html 
 
(2)携帯電話で相手のおおよその位置を確認
 「友人が待ち合わせ場所に来ないので、今どこにいるのか知りたい」といった場合、携帯電話端末を使って、探したい相手の電話番号を入力するだけで、位置を地図と住所で確認できるサービスが登場。なお、探される側の許可が毎回必要とのこと。
 
(3)つるちゃんのプラネタリウム http://homepage2.nifty.com/turupura/ 
 
(4)JAXA
かぐや 月へ向け順調に航行中
 H-IIAロケット13号機により9月14日、種子島宇宙センターから打ち上げられた月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、太陽電池パドルの展開、ハイゲインアンテナの展開を正常に実施し、現在月周回軌道へ向け、順調に航行。地球を2周回って月に向かい、月を回る軌道に入る。
「かぐや」のハイビジョンカメラ撮影成功!
 9月14日に種子島宇宙センターから打ち上げた月周回衛星「かぐや(SELENE)」からの初めてのハイビジョン動画撮影に成功。地球から約11万kmという遠い宇宙からのハイビジョン撮影は世界で初めて。地球の昼間の部分には、南アメリカ大陸の西海岸線が映っている。
 
(5)日本精工
 階段を自己認識し、自律的に昇降可能な四脚車輪型ロボット
 画像センサと距離センサを複合した新開発の認識技術を搭載し、自律的に姿勢を修正しながら階段を昇降するという、他に例を見ない特長を有する四脚車輪型ロボットが登場。画像センサと距離センサにより、階段などの段差を認識し、自律的に階段を昇降。

6  教育関連情報
(1)気象庁 10月1日、緊急地震速報の一般提供を開始
 気象庁では、10月1日9時から緊急地震速報の一般への提供を開始。 緊急地震速報が地震被害の軽減に有効に活用されるよう、今後とも引き続き、利用の心得等の周知・広報に努めていくとのこと。
 ●緊急地震速報とは(気象庁) http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/kaisetsu/Whats_EEW.html 
 ●緊急地震速報を見聞きしたときは(気象庁)
 ●お子様向けリーフレット(気象庁)
   http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/sokuho3/index.html                 
  ☆★☆ コメント ☆★☆  
 学校での対処については避難訓練をしているが、それ以前にどうやって速報を受信するのか、課題は多い。

 MM紹介
(1)生徒に伝える力を育てたい「せんせい」のスキル メールマガジン:第39号
                       http://www.t-skill.com   2007.09.22
■生徒指導の土台■
 原因と結果の法則
 私はこの考え方を大切にします。
 生徒が仮に何か問題行動を起こしたとする。その際は行為者ではなく、行為を叱るこれは基本です。
 けれど、行動を改善させたいのなら行為だけを叱って強制してもダメなのです。必要なことはその行為を起こしてしまった背景(原因)をしっかり解決すること。だからこそ、生徒指導する際にはしっかり話し合うのが基本だと考えています。
 高圧的な態度で質問責めにしても心は開きません。共感し受容する心で接してこそ、生徒は原因を語り始めます。叱られたり、拒絶されたり、否定されたくて本心を語る生徒はいません。
 大切なことは過ぎてしまった事象に拘ることではなく、原因を解決し、これから先をどの様に過ごしていくのか、という視点。
 よく考えれば当たり前のこと、なのかも知れません。だからこそ、生徒指導の土台として是非、考えてみて頂きたい習慣です。
☆★☆ コメント ☆★☆
 ここには生徒指導の基本でありながら、現象に目を奪われるあまりに忘れがちなことが書かれている。教師として、理論として理解することと、カッとならずにカウンセリングマインドで対処することを確認したい。
 
(2)ワールド・ニューズ・メール The World News Mail@2007.9.28 No.818 
[3]世界の論調
◆ミャンマーの僧侶(豪紙「オーストラリアン」)
 もしミャンマーに報道の自由があるとすれば、世界中の人々は、極めて異様な音を耳にしたことであろう。最近は日曜日ごとに、午後8時になると、勇気あるミャンマーの国民は自宅の外に立って、鍋やフライパンをたたいているのである。
 人口5300万のミャンマーは、そのほとんどが困窮状態にあり、過酷で奇妙な軍事政権下で生活している。政権が正常な精神状態にあるとは思わないでほしい。ある将軍はかつて、9という数字が縁起が良いと考えたという理由だけで、9で割り切れる額面の紙幣を発行したことがある。その手続きの際に、多くの国民の預金が無効になってしまった。
 2005年に別の将軍は、首都をヤンゴンからネピドーに移転した。ネピドーは「王座」と意味するが、ヤンゴンから車で9時間かかり、2年前までは蒸気機関車が牽引する列車しか交通手段がなかった。
 英BBC放送は最近、旅行者を装った記者をネピドーに送り込んだ。この記者はネピドーで、独裁政権を象徴するありとあらゆるものを見いだした。軍は、中国とインドへのガス・パイプラインから、自分たちのためにガスを確保していた。新首都には広い道路が建設され、立派な政府ビルが建設され、将軍たちのための大きな家屋も用意されていた。
 一方軍事政権は、ヤンゴンを維持するための予算を廃止した。ヤンゴンの住民1人当たりの年間平均収入は225ドルにすぎない。
 ミャンマーの人々は20年ぶりに街頭に出て、「狂気」に抗議している。これは信じられないほど勇気ある行動である。1988年には軍は立ち上がった人々を鎮圧し、3000人が死亡した。軍事政権は国家予算の40%を軍事費に使っている。
 しかし、軍事政権は僧侶を扱いかねている。人口の90%以上は仏教徒である。最近のデモでは3000人以上の僧侶が、ノーベル平和賞受賞者で自宅軟禁中の野党指導者、アウン・サン・スー・チーさんの自宅までデモ行進した。スー・チーさんは自宅から外に出てきて、雨の中で泣いていた。
 いま僧侶たちは、一般の人々に対して、いつの日か誰かの耳に届くことを祈って、鍋をたたくよう呼び掛けている。
 ブッシュ米大統領は先週、軍事政権を非難した。オーストラリアのダウナー外相は、ミャンマー国民へのいかなる支援表明でもオーストラリア国民が支持することを踏まえて国連総会に出席すべきだ。(9月24日)●その他… http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/main.html                
☆★☆ コメント ☆★☆
 このサイトは、外国の新聞の社説を読むことができる。日本では報道されないことが多く、視野を広げるのに役立っている。大手新聞社の社説なので、信頼性はかなり高いと考えてよい。こうしたサイトの存在を知っていると、社会科教師としての幅が広がる。
              
(3)ごまめの歯ぎしり メールマガジン版  衆議院議員河野太郎の国会日記
 朝七時から外資系の金融機関のアナリストやポートフォリオマネジャの会議で、日本の政治についてスピーチと質疑応答。外から見るとどうも大きなクエスチョンマークがたくさんあるようだ。
 午後一時。
 本会議で首班指名選挙。首班指名は議長も投票する。事務局員が議長の投票用紙を代わって投票箱に入れる。法案の採決だと議長は同数の時の最後の一票の時に可否を決めるのだが、首班指名は議長が最初から投票してしまうので、同数になったときはくじ引き。ワァーオ。民主党の一回生が遅刻してきたのか、議長の投票漏れはありませんかという声にあわてて投票用紙を持って登壇。しかし、投票用紙にまだ何も書いておらず、あわてて席に戻って書いてから再び登壇。法案などの記名投票と違って、首班指名選挙では本会議場に鍵がかからないということを初めて知った。
 開票してみると、投票用紙は477枚に対し、名前の木札が478枚と一枚多い。誰かが投票用紙を忘れて登壇し、木札だけ事務局に渡して投票用紙を取りに戻り、投票用紙と一緒にもう一回木札も出してしまったらしい。福田康夫代議士が指名され、暫時休憩。所要三十分。
 午後三時半。
 本会議第二ラウンド。参議院で小沢一郎代議士が首班指名され、両院協議会の設置と委員の選任が行われる。小沢一郎代議士は本会議場に姿を見せず。所要五分。
 午後五時半。
 本会議第三ラウンド。議長から、国会議員はもっと真摯に職務を果たせというような異例の一言が冒頭にある。両院協議会は不調に終わり、衆議院の指名通り確定。所要五分。
☆★☆ コメント ☆★☆
 歴史的な首班指名選挙の様子がよくわかる。社会科の教材になりうる。 

  
  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp