第28回 社楽の会報告 第27回へ 第29回へ
報告者 布袋中 土
井
6月8日(木)7:00〜9:20,布袋北学供にて第28回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,栗林,勝村,奥村,川井,高橋,木本,日比野,滝口,熊木,岩井,大島(敬称略)の12名です。
☆ 初めに,木本先生から附属小の発表についての報告がありました。飛鳥〜奈良のまとめとして,「文化財から何がわかるか」というテーマで文化財をいくつか出させた後,「最も時代を表しているのは何か?」を考えさせるという流れだそうです。発問は意味が曖昧で,話し合いにならなかったということです。
一方,野木森広先生の総合学習「ボランティア活動をしよう」では,教室から携帯電話(6台?)で,直接「何か僕たちにできる活動はありませんか」と問い合わせるという授業です。多い班で3つのOKをもらえたそうで,実践力を身につけるためには効果的であると思われます。それと共に,携帯電話が児童の個人持ちであることに驚きました。なお,野木森先生は尾教研の特活部会の講師でもあるということです。
☆ 次に,奥村先生から6/12の学校訪問,公開授業−訓練−の指導案(言語障害学級)を紹介していただきました。動きを表す絵カードを選び,カードを2枚組み合わせて2語文を作るというものです。楽しそうな光景が目に浮かぶ内容です。ただ,言葉が出ない原因によって個の支援の方法が違うので,どう対応されたのか結果を聞きたいと思いました。
☆ 高橋先生からは,尾教研社会科のテーマの「自ら問い,社会の変化に対応する力」とは何かという提案です。高橋先生は,「〜対応する力」を持った姿を,「思考活動が連続し,発展する状態」ととらえ,その概念図を表しました。私には十分納得できる内容でしたが,では,この言葉を使った文部省はいったいどう考えているのでしょうか。中野重人氏に手紙で問い合わせをしておきます。(6月12日発送)
・ 向山洋一氏の「雪国のくらし」の授業のビデオを貸し出しますということです。希望される方は,高橋先生に直接申し込んでください。
私も,以前小学校にいた頃は,向山学級の授業風景を児童によく見せました。その結果,児童にも“知的な授業”のイメージができ,するどい意見が活発に出るようになりした。ビデオで見せた方が,口で何度も言うよりはるかに簡単で効果的でした。
☆ 大島先生からは,学校訪問公開授業の指導案の紹介です。センターの評価研究の協力校だったということで,研究の視点が指導案に明確に表れています。
特徴は,@本時で身につけたい基礎・基本を観点別に明示,A意欲化を図る手だてを段階別に明示,B学習活動の欄に指導形態を明示することです。評価基準は,@に対応しています。さっそく,参考にさせていただきます。
☆ 川井先生からは,戦争資料を18点紹介していただきました。新刊が5冊ありました。また,明治図書の季刊雑誌『平和教育34』はおもしろいと思いました。さっそく,明治図書に問い合わせたところ,「2年ほど前に43号で廃刊になった。その後は,横川嘉範氏が自費出版の形で年2回発行している。バックナンバーなし」との返事でした。横川氏の連絡先は,
03ー3482ー4493です。
☆ 今回は,事実上最初の資料集部会を兼ねるということで,木本先生からメンバー紹介と今年の方針が示されました。これまでにも何度も報告集に出てきていますが,“戦争”を素材として‘評価’の研究をしていくというもので,個をつかんだ上での夏休み前の課題設定→夏休み中の調査→2学期の授業実践という流れです。
☆ 関連して,土井から‘戦争に関する調査ネタ’の紹介です。現在,布袋中・選択社会科で実践中のパソ通ディベート,聞き取りによる国民生活・空襲被害の調査などのほか,(6/10にも,老人ホームでボランティア活動をした後で,聞き取り調査を行いました)先行実践として墓地・忠魂碑調査,戦没者名簿調査,青い目の人形物語などを紹介しました。
栗林先生からは,名古屋社会科研究会の『人間の生き方を問い続ける社会科』より2点の実践紹介があり,戦争の悲惨さを伝えるよりも,今後どんな社会を作っていくべきかに重点を置いてはという意見をいただきました。
また,一宮で焼夷弾を3つほど掘り出したということです。浅井?の公民館にあるそうです。
熊木先生からは,時期・テーマを絞った方が,授業とうまくからむのではという話がありました。次回以降で煮詰めていきたいと思います。
☆ 勝村先生からは,校外学習実施計画案の紹介です。1時間の授業の中で犬山緑地公園で清掃活動を行い,奉仕活動と環境問題に関心を持たせるというものです。今後の展開が楽しみです。
・ 続いて前回の手紙作戦の結果報告がありました。官庁はまだ1通も来ていないということです。それに対して,個人の事業所へ出したものはすぐ返事が来たということです。また,ビニルハウスで米の三期作をやっている人がいるという話を聞きました。
・ 関連して,土井より三輪先生(大西小)がパソ通で東北の農家の人と交信している話を紹介しました。詳細は,次回に報告します。
☆ パソ通に関連して,土井からは,愛知県教育情報システム(AIES)のデータベースの紹介です。教育センターにある研究論文や教育図書,視聴覚資料,指導事例の検索ができることは知られていましたが,新たに,指導資料・教育関係新聞記事の画像データをFAXで呼び出すことが可能になりました。利用価値がありそうです。また,視聴覚指導事例・パソコンソフト・学活指導案はダウンロードが可能です。
☆ 大薮先生からは,学校訪問・指定授業の指導案の紹介です。単元の学習計画と評価基準,単元の構造図が綿密に書かれています。学習過程の特徴は,「日本は外国とどのようにつきあうべきだったのか?」をディベートした後,現在の貿易問題から外国との関係を考える場面があることです。‘開国’と‘自由貿易’,‘攘夷’と‘制限貿易’を同列で論じていいのか,2年生で経済問題が理解できるかは疑問ですが,新しい試みであり,結果のレポートが楽しみです。
☆ 日比野先生からは,戦争資料拾遺として12点紹介していただきました。水木しげるの『幽霊艦長』の他はすべて音楽で,ショスタコービッチの4曲の交響曲をはじめ,メシアンやブリテン,三善晃,林光などの名曲です。音楽の戦争資料という視点は自分にはなかったため,とても新鮮に感じました。日比野先生ならではの資料紹介でした。
☆ 川井先生からは,学校訪問の授業の結果報告です。立論はうまくいったが,討論は
盛り上がりに欠けたそうです。その原因としては,‘大仏必要派’は心情論で攻めたのに対し,‘不要派’は資料に基づいた攻めたので討論がかみ合わなかったためということでした。
水野先生からは,「これからの授業の流れは,導入・展開・整理にこだわらなくてもいいのでは?ユニークな流れを開発してほしい」という助言をいただいたそうです。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp