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報告者  土 井
 2008年2月7日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
 土井(岩南中)、早川先生(江南北中)、大野先生、奥村先生(岩南小)、小澤先生(扶東小)、高木先生(犬山中)、大島先生(草井小)、大藪先生(犬南小)、高橋先生(門弟山小)、尾関先生(曽野小)、宇野先生(十四山西小)の計11名です。

 今日は、宇野先生に平成19年度自作視聴覚教材「弥富市たんけん−わたしたちの市の様子−」を紹介していただきました。何度も取材を重ねた圧倒的な情報量を、小学生に使いやすく、スタンドアローンで学習できる学習ソフトです。ずいぶん、弥富市のことに詳しくなれました。

土井より、今回紹介したのの目次です。番号をクリックしてください。

  第46回東海社会科研究合宿集会 参加報告
 犬山市民総合大学参加報告 
  「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)
  第169回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説福田首相
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報    
 MM紹介

 愛知県学校教育経営研究会冬季研修会報告
 2月6日に中京大学文化市民会館で開かれました。
 はじめに、平成19年度文部科学省中央研修について、犬山西小学校 岩田泰幸先生に報告していただきました。スクールコンプライアンス、ワークショップ、PISA読解力の3つのキーワードを軸に、わかりやすく教えていただきました。社楽の会でも、一度お話しを伺いたいと思います。
 次に、愛知江南短期大学教授 河合勝先生より「マジックでコミュニケーション」と題して講演をしていただきました。その内容を、ブログから紹介します。
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 私は授業を見る時、まず児童や生徒の目を見ます。それで集中できているかどうかがわかるからです。
 昨日は、学校教育経営研究会の研修会がありました。講師は、愛知江南短期大学の河合勝先生でした。マジックで有名な先生で、全国では唯一の?大学でマジックを教えている先生です。
 河合先生は、幼稚園や保育園、小学校、老人ホームなど、色々な所で学生といっしょにマジックをしてまわっています。その時の子どもの様子を撮影した写真を見せてもらいました。
 小さい子は、話をしてもすぐに飽きてしまいます。視線も定まりません。しかし、マジックが始まると、眉が上がり、目が大きく開き、口も少し開くのです。時には、後ろに倒れて笑い転げていました。それは見事な集中力でした。そのような子どもたちの姿から、マジックの魅力を強く感じさせられました。
 河合先生は「手品は側面的なもの。確かに技術は大事だが、言葉と体の表現力が重要だ。」と言われました。実際に先生にマジックを披露してもらいましたが、言葉といい、ちょっとしたしぐさといい、集中のさせ方は見事でした。マジックはコミュニケーションであることが実感できました。
 実は、私は1度だけ、小学校1年生の担任をしたことがあります。1年生の集中力は、よくもって15分。すぐに気が散ってしまいます。その時に、子どもたちを集中させるためにしたことが、ちょっとした手品でした。見事に全員の瞳が輝いて、私の手元に集中し、その後の授業もスムーズに進んだことを覚えています。 
 授業もマジックに似た所があります。「あれっ?」という知的好奇心をくすぐる教材と、教師の表現力が授業の良し悪しを左右するからです。
 「マジックを見る時の子どもたちの表情を、ぜひ授業でも引き出したい。」そう思った研修会でした。ちなみに、新しい手品を2つ教えてもらいました。どこかでやってみようと思っています。

 犬山市民総合大学参加報告
歴史文化学部・中近世史学科〜いま蘇る犬山城〜第2回、第3回を受講しました。講師は、財団法人犬山城白帝文庫学芸員 白水 正先生。第3回についてブログから紹介します。
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 引き続き、歴史文化学部・中近世史学科〜いま蘇る犬山城〜の第3回へ行ってきました。講師は、財団法人犬山城白帝文庫学芸員 白水 正先生です。今回のテーマは、「犬山城と城下町」。当時の絵図を参考に、犬山城の城下町の特徴をさぐっていきました。他の城下町と違い、武士屋敷と寺社が、町屋を囲むように配置されている点が大きな特徴です。
 講座の最後に、「今わかっていること」として、3回の講座のまとめがありました。資料から引用して紹介します。 
(1)犬山城の築城年と天守創建年は違う
築城は天文初期。天守創建は安土城天守築城(天正4年〜天正7年)以後から慶長年間まで。天正12年(1584)の小牧・長久手合戦前後、慶長5年の関ヶ原合戦前後に大規模な普請・作事が行われた可能性あり。地政学的には境目の城で、木曽川を押さえる。  
(2)天守と城郭
望楼型天守、望楼部分は下層2階(入母屋造り)より新しいと推測される。これは成瀬正成(初代)創建の可能性が指摘されている。成瀬氏入城期に城郭(曲輪・櫓・門・道)は、完成していた。二代以後は、正虎(二代)の千貫櫓創設、正親(三代)の松の丸石垣設置、松樹植え。天守等の金山城移築説はなお検証が必要
(3)犬山城防衛は総構えと曲輪の構成で行う。城下町方面は総構え。瑞泉寺まで視野に入れる。城郭部分は階段状の独立式曲輪と大手道で防ぐ。
(4)城下町は慶長の頃から整備。竪町型城下町。武士が町屋周囲に配置される。
 教育再生会議最終報告
 「社会総がかりで教育再生を・最終報告〜教育再生の実効性の担保のために〜」(平成20年1月31日)
   http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/houkoku/honbun0131.pdf 
 
 

 「生きる力」パンフレット
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/pamphlet/20080117/001-008.pdf  
今回の答申の内容についてわかりやすくまとめられています。

 役立ちWeb特集 
(1)養護教諭のための児童虐待対応の手引
 
(2)国立天文台 2009年は、ゴールデンウィークが2回
 国立天文台が暦要項により2009年の国民の祝日を発表。敬老の日が9月21日、秋分の日が9月23日となったため、9月19日(土)と20日(日)と合わせて5連休に。9月22日は、前日および翌日が「国民の祝日」であるため休日となる。 http://www.nao.ac.jp/koyomi/yoko/ 
 ☆★☆ コメント ☆★☆ 
 国民の祝日は、前年の2月に官報で発表されるって知っていました?それまでは、正式には未定なのです。
 
(3)国民生活白書 内閣府
  平成19年度のテーマは「つながりが築く豊かな国民生活」
 
(4)こども語辞書
 10〜36カ月のこどもがいつ、どんなことばを覚えていくのかを、意味や発声、月齢の観点から簡単に検索・閲覧できるこども語辞書Webサービスが登場。”幼児語”の意味や発声を調べたり、各月齢で覚える可能性の高い単語の傾向を調べたりするのに便利。
 
(5)ARM 9内蔵のペン型コンピュータ
 「世界初のスマートペン」を謳うペン型コンピュータが登場。専用ノートにペンを動かして文字などを書くと、その軌跡がカメラから読み込まれ、メモリに記録される。また、RISC CPUと16MBのメモリを内蔵し、アプリケーションを追加でインストールし、機能を拡張可能。
 
(6)新sあらたにす(新聞読み比べサイト)
 様々な事件・問題・出来事について、日経、朝日、読売の3社が報道するニュースをそれぞれ掲載することにより、より分かりやすく、より興味深く伝えていくニュースサイトが登場。各新聞社が発信する報道や社説、評論の価値を統合または対比しつつ広く提供していく。
 
(7)平成19年度学校基本調査(確定値)
 
(8)Sony Style
 約1,100都市にも及ぶ詳細地図を収録した携帯ゲーム機専用地図ソフトウェア
 GPS+PlaceEngine(ワイヤレスLANの電波情報により現在地を特定する技術)による現在地測位機能を搭載した携帯ゲーム機専用地図ソフトウェアが機能アップ。約1,100都市にも及ぶ詳細地図を収録し、歩道橋や横断歩道を加味した歩行者ルート探索が可能に。ゲームとはいえ恐るべし!
 
(9)社会実情データ図録(おすすめ!)
主催: 本川 裕(ホンカワユタカ)氏
 アルファ社会科学(株)主席研究員・(株)社会構想研究所研究顧問である本川裕氏が主催するHP「社会実情データ図録」。世界・日本の社会情勢や経済を色々な視点から読み解くさまざまなデータが、グラフや分布図で表されている。内容は、小・中学校の教科書にも載っているようなオーソドックスなものから、「世界のトウガラシ消費」「親の帰宅時間の国際比較」などちょっと変わったものまで、多岐にわたる。
 
(10)春の花粉総飛散量等の予測
 春の花粉総飛散量は、昨年春に比較すると、東日本で1.5倍から3倍と予測され、西日本はほぼ昨年並みになると予測。また、スギの飛散開始日は例年に比較して5〜10日程度早くなるものと予測。
 
(11)英単語や暗算の難問を解いて敵を倒すRPG風脳トレソフト
 制限時間内に英単語や暗算の難問を解いて敵を倒すRPG風脳トレソフト(フリーソフト)が登場。制限時間内に英単語などの4択や暗算の問題を解いて敵を倒し、ひたすら前に進む。英単語を歴史の年号問題に変更したり、用意した自作の問題を利用することも可能。
 
(12)ネットエージェント ファイル交換ソフトの国別利用状況
 Winny(ウィニー)・Share(シェア)は、日本を含む東アジアにおける利用割合が非常に高く、日本以外の東アジアでは、WinnyよりもShareの人気が高い。南北アメリカ・ヨーロッパ等の各地域でも、少数ではあるが、WinnyやShareの利用ノードが確実に存在する。
 
 
6  教育関連情報
(1)「学校評価ガイドライン」の改訂について
 昨年10月に、学校教育法施行規則において、自己評価の実施・公表、保護者など学校関係者による評価の実施・公表、自己評価結果・学校関係者評価結果の設置者への報告、に関する規定が新たに設けられました。これを踏まえ、初等中等教育局に置かれた「学校評価の推進に関する調査研究協力者会議会議」における有識者の議論を経て、平成20年度からの学校評価の取組に活用できるよう、文部科学省において「学校評価ガイドライン」の改訂を行いました。
分割版(前半)(PDF:1,217KB)http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/01/08012913/001.pdf 
分割版(後半)(PDF:393KB) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/01/08012913/002.pdf 
☆★☆ コメント ☆★☆
 学校評価は、次のように定義されている。
(1)各学校の教職員が行う評価【自己評価】
(2)保護者、地域住民等の学校関係者などにより構成された評価委員会等が、自己評価の結果について評価することを基本として行う評価【学校関係者評価】
(3)学校と直接関係を有しない専門家等による客観的な評価【第三者評価】
 これを見てわかるように、よく行われている保護者へのアンケートは、学校評価とはいわない。それはあくまでも自己評価のための資料である。学校評価の体制を整えることが急務となる。

 
 MM紹介
(1)MMではないが、いつもの島原先生から次のメールをいただきました。
 2月2日に,菅正隆氏(文科省初等中等教育局教育課程課教科調査官)の講義を受けてきました。情報を提供します。小学校の英語に関する情報です。
■教育課程上の位置づけ
 小学校5・6年生において実施
(1)総合的な学習の時間とは別に位置づける。
  ・総合的な学習の時間の例示「国際理解」から「英会話」ということばが消えた。
  ・総合的な学習の時間との合科学習は可能→内容によっては週2時間実施も可能
(2)教科としては位置づけない。
  ・教科ではないので,教科書はない。また,数値による評価はなじまない。
(3)週1回(年間35時間)程度
(4)ローマ字は3年生から履修
■指導者,教材・教具等の条件整備
(1)指導者 
  ・学級担任を中心(授業をつくる)として,ALT等とのTTを基本とする。これをふまえ,教員研修や指導者の確保に関していっそうの充実が求められる。
  ・各校でリーダーを決め,リーダーを中心に研修を。
  ・実際的には担任が中心・・・・ALTの確保困難(予算面)
  ・小学校教員のうち英語免許所有者は3.7% 
  ・教材及び教具  導入段階では,国において教材及び教師用指導資料を作成する。
  ・ICTを積極的に活用する。
■今後の予定
(1)「英語ノート(仮称)」・・・・3月末に完成,文科省HP上で公表
  ・5・6年各80ページ 絵カード付属
(2)「指導者用のてびき」・・・・3月末に完成,文科省HP上で公表
  ・5・6年各180ページ
  ・授業展開やカリキュラムを例示 CD付属
(3)解説編は半年後
(4)ICT関係
  ・指導用資料のデータ作成,ソフトを配付
  ・電子黒板を使って授業可能・・・・担任一人でも授業ができそう。
  ・国としては電子黒板など視聴覚機器の予算を支出済み。
     一般財源化されているので,自治体によって差が出そう。(橋や道路に化けているかも)
(5)DVD作成,配付
(6)研修ガイドブック
  ・4月配付 120ページ
  ・CD付属・・・・発音クリニック,クラスルームイングリッシュ事例
 
(2) 裁判員制度メールマガジン      第9号 2008年1月25日発行
       裁判員制度ウェブサイト http://www.saibanin.courts.go.jp/   
 「トピックス」 辞退政令について
 平成20年1月17日に,裁判員を辞退できる理由(辞退事由)について定めた政令が公布されました。
 裁判員法は,70歳以上,学生,重い病気や怪我の場合など,裁判員を辞退することができる理由について定めています。
 今回公布された政令は,法律ですでに定められている理由に,さらにプラスして,裁判員を辞退することができる理由を明らかにしたものです。
  具体的には,
  1 妊娠中や出産8週間以内
  2 介護や養育なくしては日常生活に支障がある別居の親族や同居人を,自ら継続的に介護や養育する必要がある
  3 重い病気の配偶者や親族等の入通院に自ら付き添う必要がある
  4 妻や娘の出産に伴う入退院の付添いや出産立会いの必要がある
  5 遠隔地(裁判所の管轄区域外)に住んでおり,裁判所に行くことが難しい
  6 その他自分や第三者に身体上,精神上又は経済上の重大な不利益が生ずる場合に,辞退の申立をすることができるとされています。
  政令の詳細については,法務省のホームページ( http://www.moj.go.jp/ )で公開されていますので,ご覧ください。
☆★☆ コメント ☆★☆
 いろんなメールマガジンがあるものだ。
 
(3)【教育記事から教育を考える】 2008年1月25日(金) 作者:中土井鉄信  VOL.267
『今日のテーマ』
学校が学習塾の営業活動を支えてしまう!
【記事】都教委一転 和田中「夜間授業」容認へ
 読売新聞(2008年1/23)より以下抜粋
東京・杉並の区立和田中学校(藤原和博校長)が大手進学塾と連携して計画している有料の夜間授業「夜スペシャル(夜スペ)」について、再考を促していた都教育委員会が、24日の定例会で容認に転じる見通しになった。(記事は以下略)
*私からのコメント
◇12月にもこの件については取り上げたが、今回も取り上げる。1月に入って、都教委が、待ったをかけたので、ちょっと安心していたが、石原都知事や昨今の風潮に押されて、とうとうOKが出てしまった。
◇学校で学校以上の教科内容を教えるために、課外授業をするというのは、別にかまわないが、進学塾が、月謝を取って学校で授業をするというのは、大きな問題だと思う。記事の中で「杉並区教委が『地元住民らによる実行委員会が主体となる学校教育外活動』と明記して回答する方針を決めたため。これを受けて、夜間授業は26日に始まる 」とあるが、こんな回答で認めることは元来出来ないだろうと思う。
◇地元住民が、何でもかんでも要求すれば、それが通るというものではないはずだ。前回も書いたが、学校を借りて、進学塾が、営業活動をするということ。それも若干値引きをして。うがった見方をすれば、進学塾側は、学校の家賃が安いから、値引きしてもOKだということだ。
◇今回の事件が、正当に認められるとすれば、こういう企画になっている場合ではないかと思う。それは、地元住民側が、進学塾に講師派遣の依頼をし、地元住民が講師派遣料を進学塾に払って、課外授業として学校で授業を行う。当然、授業運営の主体者は、地元住民で、授業を担当するのは、進学塾の講師という図式だ。この課外授業に参加する生徒からは、参加料として、1時間数百円を主体者である地元住民が徴収する、という言うのもいいだろう。そういう企画になっていれば、何も問題ない。
◇今回の事件は、義務教育の良心に関わる問題だと思う。住民に開かれた学校づくりは大賛成だが、住民の奴隷になるような学校作りは、教育を荒廃させるだけだ。このバランスを私たちは、しっかりとっていく必要がある。
☆★☆ コメント ☆★☆
 同感である。そもそも、住民が主体となるなら、公民館等を借りるべきで、学校を使うべきではない。これは目的外使用に当たるであろう。しかも、今回の事例は、住民主導でなく校長主導だった。実行委員会は、あくまでも形だけだろう。
 たとえば、大手進学塾から民間校長として赴任し、その塾が夜間に学校で営業活動ができるか?感覚的に、許されるはずがない。東京では同じことをやっているのだ。
 「進学塾側は、学校の家賃が安いから、値引きしてもOK」というのもその通りだ。鋭い指摘である。
  



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