(1) MM小学1855 荒木茂□江戸時代の藩校の暗誦教育
連載(90)暗誦の教育史素描(その2)
江戸時代の藩校の暗誦教育
今回は、「江戸時代の藩校の暗誦教育はどうであったか」について書くことにする。
使用資料、藩校の概略、藩校とは、藩校の普及度、藩校の入学年齢、藩校の教科書(略)
藩校の学習形態
一般的な漢学(四書五経)の指導形態は、素読・講義・会読・輪講・質問などであった。
【素読】
漢学を学ぶにあたっていちばん初めにとりかかる学習段階で、声ををあげて文字を読み、文章をたどる学習段階である。けれども素読を、意味にも内容にもかまわず、ただ棒読み・棒暗記だけの作業と解してはならない。同じ「悪」という字でも「お」と読むのと「あ」と読むのとでは意味がまるでちがうし、「殺」という字も「さい」と「さつ」との読みかたの相違で、意味がまったく別になる。
とりわけ近世で行われた素読というのは、漢文(という外国文)を国文化して読む作業、意味を読みとる作業だったから、句読の切りかた、訓点につけかた(読みがな、送りがな)次第で、文章の意味がどのようにでもかわるのである。それゆえに素読は講義、会読、輪講、質問にまでつながりをもって、学習体系の一環をなすだいじな基礎工作であった。
この素読には三つの段階があって、
〈第一段階〉一字一字、一句一句を正しく読みあげる学習
〈第二段階〉早く読み、長く読みつづける学習
〈第三段階〉ふつう「復読」と呼ばれた(復習の読み)で、とり読み、輪読のような競争意識にうったえる集団学習も行われた。素読の力がすすんだところで、まだ教えたことのない書物(多くは歴史の書)を自分の力で読ませたり、「広く読む」ことの読書を拡充する学習も行われた。ここまでくると、素読のうちにはちがいないが、しばしば「読書」と呼ばれた。【A】
【講義】
素読を終えた子どもは、教師から「講義」をうける。素読で用いたテキスト(主として経書)について、教師からの講義のもとに内容を理解して身につける学習である。【A】
【会読・輪講】
こうして一定の読書力と理解力とができあがったところで、生徒が一室にあつまって、所定の経典の所定の章句を中心として、お互いに問題をもちだしたり、討論をしあったり、解決しきれないところは仲間とともに教師の意見をきき指導をあおぐ共同学習である。【A】
この後、小田原藩校「集成館」と昌平坂学問所(昌平黌)の素読吟味の例が載っていた。
(2)【教育記事から教育を考える】 2008年2月8日(金)作者:中土井鉄信 VOL.269
「道徳」という名称をかえてはどうだろうか!
【記事】「道徳」の時間に責任教員を配置
読売新聞(2008年2/3)より以下抜粋
○文部科学省は、現在改定作業を進めている次期学習指導要領で、道徳教育の全体計画と「道徳」の時間の年間指導計画作成の中心となる教員を各小中学校に1人ずつ配置することを明記する方針を決めた。 (以下略)
*中土井さんからのコメント
◇私たちの近々の教育課題は、「道徳」教育だろうか。人の道を説くことで、子どもたちの何に寄与しようとするのだろうか。人の道を何回説いて聞かせたところで、子どもたちが、成人君主には、なかなかなれないものだから、多分、今回の記事にある「道徳」の時間に、そういう人徳的な要素を求めているのではないだろう。
◇今私たちが、本当に子どもたちに知ってもらいたいことは、社会のルールや公共的な意識ではないだろうか。そういうルールをまず教えることが、重要なことだ。多分、文科省も教育再生会議のメンバーもそういう意図で、「道徳」という教科らしいものを学校で教えようと提案しているのではないだろうか。だとすれば、ここで「道徳」という言葉を捨ててしまって、違う名称で社会的なもの、公共的なものを教えてみてはどうだろうか。
◇たとえば、「道徳」に変わって、「社会性教育」とか「命のルール」とか、「公共性教育」とか、教える内容に即した名称を使ってみてはどうだろうか。「道徳」と言う教科らしきものには、「修身」とか「教育勅語」という負のイメージが付きまとっているし、もしかしたら、「教育勅語」の復権を本当に考えている人もいるかもしれないから、そういう誤解をもたれる名称を学校の教科らしきものから取ってしまうことだ。
◇私は、「教育勅語」の徳目が、意味がないと思ってそういうことを言っているのではない。「教育勅語」の形式が、天皇から与えられた徳目というものになっていることが、問題だと思っているのだ。
◇「道徳」という名称を変えて新たな名称にしてしまえば、その教科の担当教員も少しは、重荷をおろせるのではないだろうか。学習内容に即した名称を考えてもらいたい。
(3)明治図書ONLINE メールマガジン ★ 2008年2月前期号
1.著者インタビュー
今回は有元秀文先生に、新刊『必ず「PISA型読解力」が育つ七つの授業改革』について伺いました。
Q PISA型読解力をつけるために、日本の教育に欠けているのは、どのようなものでしょうか?
A 一番欠けているのは、読んだことについて自分の意見を表現することです。現在でも、日本の国語教育は読解と表現を区別することが多いです。これではPISA読解テストに対応出来ません。
次に欠けていることは、教材文について意見を言うときに、必ず文章に書いていることに基づくことです。自分の憶測や主観や体験だけを根拠にしてはいけません。
三つ目に欠けがちなことは、欧米の国語教育は常に読解教材を伴いますが、日本では読解教材を伴わない聞く話すだけの授業が行われることです。これでは国際社会に通用する読解力は育ちません。
Q まえがきの中で、PISAで求められているものとして「読解表現力」があげられていますが、従来の「読解力」とこの「読解表現力」との違いは何でしょう?
A 従来、国語教育でよく行われた読解は、読解教材をできるだけ正確に理解したり鑑賞して味わおうとしたりすることです。PISAでも正確な読解は求められますが、その上に、「読んだことについて、正確に理解した上で、個性的で創造的な自分の意見を述べる」ことが求められます。
これは「オープンエンド」の問いといって、日本の国語教育ではなかなか行われなかったことです。
また、読解と表現が融合したものですから「読解表現力」と呼ぶこともできます。
Q 発言や表現が苦手な子どももクラスにいます。そんな子どもたちが効果的に本書で紹介されているクリティカル・リーディングを行うためには、どのようにアプローチすればよいでしょうか?
クリティカル・リーディングは、日本の国語教育の伝統になかったことですから、いきなり子どもに押しつけてはいけません。
最初のステップは、まずごく簡単な課題について、理由をあげて意見を書く練習をさせることです。
例えば、「この物語のなかで、一番好きな場面はどこですか?どうしてですか?」のように尋ねます。
発言のできない子どもは、いきなり聞かれても答えられませんから、まずノートやワークシートに書かせてから、発言させればだんだんにできるようになります。
また、この活動は、毎時間のように行うことが大切です。毎時間、意見と理由を書かせ、発表させるという学習を繰り返せば、ほとんどの子どもは意見が言えるようになります...
この続きは教育コミュニティでお楽しみください
http://www.meijitosho.co.jp/cafe/kiji.html?title=%92%98%8E%D2%83C%83%93%83%5E%83r%83%85%81%5B&number=200802A1&code=8cdf89281fb39e6a79d001991294bcec
(4) 教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言
[1]〈参加記録〉教育ソリューションフェア2007 主催:日本教育新聞社
■日 時 平成20年2月2日(土) 午前9時30分〜午後4時45分
■会 場 大阪府商工会館(大阪市中央区)
◇講義1 PISA型学力を習得させる授業
角屋重樹(広島大学大学院教授)
1 改正「学校教育法」……学習指導要領の根拠となる法律
┌──────────────────────────────────────┐
│ 基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するた│
│めに必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的な学習に取り組│
│む態度を養うことにとくに意を用いなければならない。 │
│ 〈第30条2項,49条,62条等〉│
└──────────────────────────────────────┘
新学習指導要領の目標は,次の3点
1)基礎基本の学力 2) 1)を活用する能力 3)学習意欲の向上
・2)は1)を使って,どう解釈するか,どう表現(伝える)か
・3)は目標を決めて,方法を考え,見通しをもって実行,そしてふり返り,高めてい
く。
2 基礎的・基本的な知識や技能の習得
・繰り返し学習の効果 低学年:ほめることで意欲が続く。
・中高学年:続ければ続けるほど「何でこんなことをするの?」という意識を持つよ
うになる。
・単なる操作になっている。子どもは興味・関心を示さない。
・目標を持たせる→方法を考案→実践→ふり返る→自信(自分の知識や技能が広が
り,深まることを実感)
・どんな目標を設定するか?教師とともに個に応じた工夫を。
■学習指導の改善点1
基礎的・基本的な知識や技能を習得させるためには,子どもが自分で目標を設定し,
計画,実行し,活動をふり返るという力をつけるようにする。
3 PISA型読解力の育成
・全国学力調査やPISA調査における「白紙回答」の多さ
・「思考力」「表現力」など,従来から言われ続けてきたこと。
→なぜ効果が上げられていないか?
それは,そのためのメソッドが開発されてこなかったから。
基礎基本習得のためのメソッドは多く開発されてきた。
・PISA型読解力……1.情報取り出し→2.解釈→3.熟考・評価
・教師集団は,新しいことばや概念が示されると,すぐそれに飛びつき,過去の財産
(積み重ねてきた実績)をすぐに捨ててしまう。
・過去の財産を生かす方法で。例:今までの問題解決学習にPISA型読解力を付加する
試み。
(1)PISA型読解力と問題解決過程
ア 「情報の取り出し場面」での教師の働きかけ〈事例―5年理科「植物の生長」〉
○枯れたヘチマと生長していくヘチマを提示
・視点をもってくらべる。違いに気づかせる。
・両極端を示すと効果的。社会であれば「新潟と高知の気温・降水量のグラフ」
・算数であれば「昨日の解き方とちがうぞ」国語「題から想像してあらすじをつく
ってみる」
・子ども自らが問題を取り出す。
1)「ちがいは?」
・見つけられない子には視点をしめす。「○○に目をつけてごらん」
2)「何がどのように?」
・主語と述語を明確にさせて答える。
・「右側のヘチマが生長している」「左側のヘチマは枯れている」
3)「何がどのようにちがうのか?」
・「右側のヘチマは生長しているが,左側のヘチマは枯れている。なぜだろ
う?」
*考える授業→「よく考えてごらん」をよく耳にする。「考える」時間をとるだけで
は何も指導していないのと同じ。考える方法の指導を。
*以上のサイクルを7月まで徹底的に指導する。
*言語活動の充実→「なに」が「どうなった」。それは「なぜだろう」
*主語と述語がなくても会話が成立する昨今→学校でも同じ(教師も子どもも)
「主語」「述語」をはっきりさせて会話したり,書いたりする訓練を。
■学習指導の改善点2
情報の取り出しという力をつけるためには,子どもが事象の中から違いを見いだす力
をつけるようにする
イ 「解釈の場面」での教師の働きかけ
○仮説(予想)を立てる
1)「何がそのようにさせているのかな?」
→単に「なぜ?」ではなく,考えるポイントを与える。
2)「今まで習ったことでそれに関係あることはないかな?」
「2年生の時,アサガオをどうやって育てた?」
→考える足場を与える。
→「アサガオを育てたとき,水や肥料,日光が大切だということを習った」
「水がヘチマの生長に関係するのではないか」「肥料がヘチマの生長に関係す
るのではないか」「日光がヘチマの生長に関係するのではないか」
3)「ヘチマが枯れるか生長するかの違いは,水や肥料,日光に関係があるのではな
いかというように整理できるよね」
*新学習指導要領は「縦の系列(発達段階ごとの)」が整理されている。したがっ
て,過去に身につけた学力が使いやすくなっている。
*学年を意識した縦の系列を意識した指導計画を立てる必要がある。
*これが「考える力」「活用する力」のデータベースとなる。
○仮説の検証方法の立案
1)「仮説(予想)が正しいかどうかどうやって調べるの?」
「今までに習った方法で調べられないかな?」
2)「予想した結果をどのように表すのか考えよう」
→図表を多用する。的確に短くまとめる。
■学習指導の改善点3
子どもに「解釈」としての仮説などの見通しやその解決方法を発想させるには,既有
の知識を類推などを適用して発想する手がかりを提供する。
ウ 「熟考の場面」での教師の働きかけ
○結果の考察
1)「どんな結果が得られた?」
2)「この結果と仮説(予想)をくらべてみるとどんなことが言えるかな?」
■学習指導の改善点4
子どもに熟考させる場合には,見通しや予想と実行結果との関係から,一致または不
一致という視点で判断する手がかりを提供する。
エ 「評価の場面」での教師の働きかけ
1)「今日学んだことはどのように整理するのかな?」
2)「何が解決できて,何がまだ解決できていないのかな?」
■学習指導の改善点5
子どもに評価させる場合には,知識や技能,それらを得る手続きとともに,これから
追究する課題を明確にする。
◇講義2 小学校における外国語活動の行方
菅 正隆(文科省初等中等教育局教育課程課 教科調査官)
○外国語活動……小学校で土壌を耕して種をまき,中学校でそれを育てる。
○まず,「導入ありき→失敗のリスク(子どもがすべてかぶってしまう)
まず5・6年生から,しかも教科とはしない,かつ多くの時間はとれない。
今は,今度どうするか?という段階→初年度の取り組みが今後を左右する。
1 小学校における英語活動の目標と内容
(1)中学校英語の前倒し(スキル向上)ではない。
(2)国語力の育成を含め,広い意味での言語能力を高める。
(3)目標 ・コミュニケーション能力の向上
・言語や文化についての理解を深める。
・英語や音声の基本的な表現に慣れ親しむ。
→言語力の観点から「ことばとしての英語」,コミュニケーション能力
「英語って楽しいな」……funではなく interesting
→英語オンリーではない。例:あいさつ(各国のことばであいさつをしてみる)
*コミュニケーション能力の大切さ
しゃべらなくても生活できる(買い物,交通機関など)今の世の中。そして,情報過多による間違っ た日常会話(言葉遣い)。人と人のふれあい欠如などの問題。
2 教育課程上の位置づけ
小学校高学年において実施
(1)総合的な学習の時間とは別に位置づける。
・総合的な学習の時間の例示「国際理解」から「英会話」ということばが消えた。
・総合的な学習の時間との合科学習は可能→内容によっては週2時間実施も可能
(2)教科としては位置づけない。
・教科ではないので,教科書はない。また,数値による評価はなじまない。
(3)週1回(年間35時間)程度
(4)ローマ字は3年生から履修
3 指導者,教材・教具等の条件整備
(1)指導者
・学級担任を中心(授業をつくる)として,ALT等とのTTを基本とする。これをふまえ,教員研 修や指導者の確保に関していっそうの充実が求められる。
・各校でリーダーを決め,リーダーを中心に研修を。
・実際的には担任が中心……ALTの確保困難(予算面)
・小学校教員のうち英語免許所有者は3.7%
・教材及び教具 導入段階では,国において教材及び教師用指導資料を作成する。
・ICTを積極的に活用する。
4 今後の予定
(1)「英語ノート(仮称)」……3月末に完成,文科省HP上で公表
5・6年各80ページ 絵カード付属
(2)「指導者用のてびき」……3月末に完成,文科省HP上で公表
5・6年各180ページ 授業展開やカリキュラムを例示 CD付属
(3)解説編は半年後
(4)ICT関係
・指導用資料のデータ作成,ソフトを配付
・電子黒板を使って授業可能……担任一人でも授業ができそう。
・国としては電子黒板など視聴覚機器の予算を支出済み。
一般財源化されているので,自治体によって差が出そう。(橋や道路に化けているかも)
(5)DVD作成,配付
(6)研修ガイドブック
・4月配付 120ページ
・CD付属……発音クリニック,クラスルームイングリッシュ事例
◇講義3 新しい学習指導要領と〈確かな学力〉
梶田叡一(兵庫教育大学長,中央教育審議会副会長・教育課程部会長)
1 今こそ〈確かな学力〉を
(1)新学習指導要領実施までの流れ
・1/17最終答申→学習指導要領の作成(2/4最終チェック)→2/15記者発表
→2/15発表(HP公開)→2008年3月末告示
・小は2011年度から,中は2012年度から,高は2013年度から,学年進行でスタート
(2)〈確かな学力〉……これが新学習指導要領の看板
・いろんなことを知って,そして考えて,他人のいうことに耳を傾けて,自分で判断する。
→「知性」と「理性」
・「自ら考え,自ら・・・」は自己中心的追究法。暴走する恐れあり。全人格的な学力,総合的な人 間としての学力という側面に欠ける。
・「確かな学力」を基盤とした「生きる力」の育成をめざす。
・「基礎基本の力→習得」「使える力→活用」「学ぼうとする意欲→探究」
2 新学習指導要領のめざすもの〈180度の転換〉
・第1次(昭和22年刊行) ……米占領下 デューイ
・第2次(昭和26年公表) ……学力低下した。
・第3次(昭和33〜35年告示)……系統性を立て直した。
・第4次(昭和43〜45年告示)…… 科学重視をめざす。米英ではすぐにつぶれた
・第5次(昭和52〜53年告示)
・第6次(平成元年告示)……「個性重視」「新しい学力観」により「支援」が流行
指導しない教師の増加
・第7次(平成10〜11年告示)……第6次をさらに推進
自ら学び自ら考える「生きる力」を強調
2つの流れが起き,混乱,矛盾に満ちた教育
「目がきらきら輝いている」子……しかし何もわかっていない
・第8次(平成20年告示)……第6次,第7次の反省に立って。
「確かな学力」を基盤とした「生きる力」の育成を強調
「習得」「活用」「探究」の3者をともに重視
(5)学習指導要領の改訂 島原先生より
私にとって,今回の学習指導要領の改訂は4回目になります。第5次以降がそれです。戦後の歴史を見ると次のようになります。
・第1次(昭和22年刊行)
・第2次(昭和26年公表)
以上は,米占領下 米国で流行していたデューイ学力が基盤 学力は低下した。
・第3次(小:昭和36,中:37年実施)・・・・・・ 系統性を立て直した。
・第4次(小:昭和46,中:47実施)・・・・・・ 科学重視をめざした。
・第5次(小:昭和55,中:56実施)・・・・・・ 高校受験が急上昇したことをふまえて
・第6次(小:平成 4,中: 5実施)
・・・・・・ 「個性重視」「新しい学力観」により「支援」が流行
・第7次(小:平成14,中:15実施)
・・・・・・ 第6次をさらに推進
自ら学び自ら考える「生きる力」を強調
「ゆとり」を強調し,学校5日制導入
授業時数と内容大幅削減
2つの流れが起き,混乱,矛盾に満ちた教育
・第8次(平成20年告示) ・・・・・・ 第6次,第7次の反省に立って。
PISA型学力を指向、「確かな学力」を基盤とした「生きる力」の育成を強調
習得」「活用」「探究」の3者をともに重視
ここからは私の勝手な分析です。世代別にどの指導要領に時代に義務教育を受けたのか考えてみました。
実施の際に小学校入学を基本線として,次のように考えました。
40〜50代:第3次
30〜40代:第4次
20〜30代:第5次
10〜20代:第6次
〜10代:第7次
現代の小学校保護者は第4次と5次です。
保護者を呼んで子どもの問題行動を注意したとき,「どうもすみません。ほら,あなたもあやまりなさい」というのは第3次の親。「なんでうちの子だけ・・・」というのは第4次の親。「学校が悪い・・・」というのは第5次の親。第7次の教育を受けた10代の若者,そして今の子どもたちはどうでしょう?
第7次の子たちが今後どんな大人になっていくのか? とても気になります。
(6)kyositu.comニュース【小学校教育総合情報誌】2008-01-22<TUE> [vol.880]
作法 第2回 卒業証書をいただくとき,右手が先か 横山験也@験也堂学習ゲーム研究所
■知ると知らないで大きく差が出るのが古来より伝わる作法です■
卒業証書を頂くときには,礼をした後,3歩進み出て姿勢を正します。
それから,校長先生が卒業証書を持ち,手渡してくれます。
卒業生は校長先生から差し出された証書を受け取るのですが,この時,右手を先に出すのか,左手を先に出すかの,両手一緒なのか,ちょっと迷うところです。
作法では,証書を受け取る手の順番が決められています。
左手を先に出します。
それから右手を出し,証書を受けます。
左手を先にするのは,古来より日本では左が右より上とされているからです。左大臣と右大臣では左大臣の方が格上なのです。この流れを汲んでいます。
子ども達は校長先生から証書を頂きますが,この時,ただ単に受け取るのは失礼となります。
単に頂くのではなく,証書授与では押し戴きます。押し戴くというのは,うやうやしくいただくことです。
行動としては証書を顔の上に捧げるようになります。
目上の方から貴重な品を頂いたときなどは,手に取った品を自然と少し上に持ち上げるようにしていますね。感謝の気持ちを動作で表しているからです。これが押し戴く姿です。
時代劇などでも家臣が殿から褒美の品を拝領する場面が映し出されますね。あれも押し戴いている姿です。
大切な証書を頂くのですから,押し戴く動作は自然とゆっくりとなります。
第3回 卒業証書を頂いて向きを変えるとき
卒業証書を頂いたら,自席に戻ります。頂いた時は,校長先生の方を向いているので,途中で向きを変えなければなりません。向きを変えるとき,右に回って半回転するのか,左に回って半回転するのか,これも考えると悩ましくなります。
体育なら,「回れ右」と号令があるほどですので,右向きに半回転すればいいのですが,式典では体育の通りとはいきません。古来の「左が上」の流れからすると,左側に回る事になります。これも良いのですが,実情が,左が上を拒む場合があります。
卒業式では校長先生がお話になる演台が中央となり,その左右に来賓席,職員席が設けられます。来賓席と職員席は,位置的には同格に見えるのですが,ここに上下を設けるのが日本の作法です。来賓席が上となります。家庭でお迎えするお客様と同様です。お客様が上で,家族は下となります。これが迎える側の作法なのです。
作法は,このような上下を明確にします。違いを明確にし,その違いを活かして相手への敬意を見事に表してきたのが,日本の文化なのです。その最適な形として作られたのが作法です。来賓席が上,職員席が下となるので,卒業生は来賓席の方を向く方向に半回転します。これにより,来賓に背中やお尻を向けるような無礼な行為をしなくてすみます。
来賓席の位置ですが,基本は演台から向かって左(フロアから見たら右)となります。しかし,卒業式を挙行する会場のつくり,卒業生の入退場のドアの位置,3月末の寒さなど,実情を考えて来賓席が右になることもあります。その方に向いて回るのが作法です。
(7) ワールド・ニューズ・メール ★ 火曜グローバル版 ■
〓The World News Mail@2008.2.19 No.858 週2回無料、金曜はスペシャル〓
●アボリジニに謝罪−豪政府(オーストラリア)
オーストラリアで1970年ごろまでの約1世紀、先住民であるアボリジニやトレス海峡島嶼(とうしょ)民の子供を親から引き離し、施設などへ収容した同化政策に対しラッド首相が13日、初めて謝罪した。オーストラリア政府はこれまで謝罪を拒んできたが、謝罪を公約に掲げた労働党政権が昨年末に誕生。先住民の代表を議会に招き、公式に謝罪を表明した。