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報告者  土 井
 2008年5月22日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
 土井(岩南中)、早川先生(江南北中)、大島先生(草井小)、坪内先生(岩倉中)、高木先生(犬山中)、小沢先生(扶桑東小)、大島先生(古中)、天野先生(大口町教委)、野沢先生(宮田中)、大野先生、奥村先生(岩南小)、高橋先生(曽野小)、勝村先生(羽黒小)、佐々先生(柏森小)、池邑さんの計15名です。

 今日も、今年度の授業実践について話し合いました。高木先生の提案に対していろいろな議論が飛び交いました。

土井より、今回紹介したのの目次です。番号をクリックしてください。

  今年度の研究の方向性
  「資料から歴史的事象を捉える授業の工夫」
  『学校マネジメント7月号』(明治図書)原稿より
  第1回教師力アップセミナー;野中 信行氏
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介
  第16回「授業実践フォーラム」のご案内

 今年度の研究の方向性
高木先生の提案を聞きましょう。
 
 
 「資料から歴史的事象を捉える授業の工夫」
 昨年の全中社・千葉大会の資料の中にあった、東京都中学校社会科教育研究会 歴史専門委員長 竹原 眞 先生のレポートです。

 『学校マネジメント7月号』(明治図書)原稿より
 拙稿を別紙で説明しました。 
 

 第1回教師力アップセミナー;野中 信行氏
後日、以下にアップされます。
 http://school55.net/kyoushi/ 

 役立ちWeb特集 
(1)食材から作れる料理を検索
 選択した食材からそれらを使用する料理名を検索できる献立決定支援ソフト(フリーソフト)が登場。冷蔵庫などに今あるものを食材アイコンの一覧から選んでいくと、作れそうな定番の料理名を食材が足りている順にリストアップ。足りない食材も一覧表示。
 
(2)天体観測アプリケーションを無料公開
 デスクトップから天体観測できるアプリケーションを無料公開。オリオン大星雲をはじめとする著名な星雲を観測できるほか、天文学者が提供するガイド付きツアーで天体観測を体験することが可能。マウス操作によってシームレスなズームやパンを行なえる。
 
(3)子供のネット利用状況をメール通知する家庭向けフィルタリングソフト
 子供のネット利用状況をメール通知する家庭向けフィルタリングソフトが登場。Webサイトをポルノやギャンブルなどのカテゴリ別に「ブロック」「警告」「許可」の3段階で制限。フィルタリング管理はブラウザ経由で行なえる上、利用状況をメールで通知する機能もある。
 
(5)台風進路予報の予報円が小さくなる
 気象庁は、台風の進路を予報する際には、予報の誤差を考慮して、台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲を円で示している。近年、数値予報技術の改善等により予報の成績が向上し、予報円の半径をこれまでと比べて約15%〜20%小さくすることが可能に。
 
(6)文科省より
・「コミュニティ・スクール事例集」を作成−すべての公立学校・教育委員会に配付−
・コミュニティ・スクールの指定状況について−全国29都府県343校に広がる−
 
(7)最大化したウィンドウが立ち入れない区域を設けるフリーソフト
 最大化したウィンドウのサイズをあらかじめ指定できるタスクトレイ常駐型ソフト(フリーソフト)が登場。最大化したウィンドウが立ち入れない領域をデスクトップ外周に設ける仕組みで、ウィンドウを最大化しても、左右にデスクトップアイコンを確保するなどが可能。
 
(8)方言の分布状況などがわかる特集
 各地の情報を交換できる特集「ご当地万歳!」が期間限定で公開。コンテンツの種類は、各地の言葉や食べ物、イベントなどを投稿できる「ご当地情報マップ」と、方言の分布を地図に反映した「方言分布マップ」、地域の暮らしやすさを採点する「地域力診断チェック」等。
 http://local.yahoo.co.jp/gotouchi/ これもおもしろい!
 
(9)THE MAKING
以前にも紹介しましたが、超おすすめサイト!
 
(10)学習指導要領の変遷 ゆとり教育と学力低下  http://www.kyo-sin.net/shidoyoryo.htm
 学習指導要領の変遷を図にまとめたもの
 戦後の学習指導要領がどのように改訂されたかをまとめたものです。「ゆとり教育」は実は20年以上前から始まっていた。学習指導要領が、社会問題や教育観とどのような関連を持っているか一目瞭然です。
(※著作権について:画像及びファイル「学習指導要領の変遷」については、社楽の会管理人作成のもの、ならびに文部科学省学習指導要領を参考にし、教心ネットが作成し直したものです。よって、本画像及び本ファイルの著作権は教心ネットにあります。ご利用される場合は必ず「教心ネット」の使用許諾を得てください。)
 
 
 
6  教育関連情報
(1)部員が「先生」書道講座(福岡)
 豊前市の県立青豊高校書道部の生徒らが講師役を務める書道講座が17日、同高で開講した。来年1月24日まで計15回開かれ、受講する市民は生徒と交流を深めながら、手ほどきを受ける。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 これはおもしろい。こんなことができればと思っていたことが現実になった。
 高校生ぐらいになると、芸術面で十分専門的な技量を持つ生徒がいる。地域住民にちょっとした手ほどきができれば、高校や高校生に対するイメージは随分よくなるに違いない。
 生涯学習には、いろんな形があってよい。学校教育と結びついたという点で新しい。
 
(2)教職員人事権のあり方を検討=市町村への移譲も課題に−文科省
 市町村職員なのに人事権は原則、都道府県・政令市にある公立小中学校の教職員に関し、文部科学省は12日、教育委員会関係者らから成る協議会を設け、人事権のあり方について検討を始めた。政府の地方分権改革推進委員会が市町村への人事権移譲を求めていることも踏まえ、年内にも一定の結論を出したい考え。
 公立小中学校の人事権をめぐっては、2005年に中央教育審議会(文科相の諮問機関)が、現場の自由度を高めるためとして、中核市など一定規模の自治体への移譲を提言した。しかし、人材確保の面で自治体間の不均衡が生じる可能性があるとの理由から、都道府県を中心に慎重意見が多く、引き続き検討課題となっていた。 (出典)時事通信「内外教育」メールマガジン 2008/5/15 第196号
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会(第1回)議事要旨・配付資料
 資料はまだ準備中だが、これまでのいきさつや現状がよく分かる資料が期待できる。教員人事は、ある程度広域でないと効果が期待できない。市町村単位で採用から異動、懲戒等をやっていては、事務量の増加と人事の停滞を招きかねない。財政が乏しい市町村は、教員の確保すら難しくなるのではないか。
 
(3)「夜スペ」、希望者全員に=塾講師の有料授業−東京・和田中
 東京都杉並区立和田中学校(代田昭久校長)は12日までに、大手進学塾と連携して実施している成績上位者向け有料授業「夜スペシャル」の対象を今月下旬から、学力レベルを問わずに3年生の希望者全員に広げる。受講していない生徒やその保護者から、受講を希望する声が多く上がったことなどを受けた。
 夜スペは、1月にスタート。夜間と土曜日の週4日、大手進学塾の講師が学校の教室で教えている。現在は3年生18人が受講している。全授業合わせた受講料は、通常の半額程度に当たる月2万4000円。(以下略) 
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 一見安いようだが、塾にとっては家賃、光熱費、広告宣伝費が不要なため、十分な金額だ。他の塾との公平さはどうか?何度もいうが、地域が行うのなら学校以外を使うべきであろう。公教育の在り方としては疑問である。
 
(4)免許ない社会人も教員に(秋田)
 来年度の県内の教員採用予定者は、20年前の10分の1ほどの69人にとどまり、教育の道を目指す学生にとっては“超氷河期”を迎えている。少ない採用枠の中で県教育庁は、教員免許がなくても受験できる社会人特別選考を初めて実施し、小学校で英語を教える人材として、英語を母国語とするか同等の能力を持ち、日本語で指導できる教諭を採用する。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 免許のない人の採用は慎重に考えたい。非常勤講師ならよいが、教諭となると別で、歯止めは必要だ。「免許のない医師」「資格のないパイロット」「免許のない運転手」がいるか?
 

 
 MM紹介
(1)常識ぽてち
■チベット自治区
 中国には本来の中国と呼べる地域とそうでない自治区があります。自治区を中国ではないというと中国からクレームがきそうですが、漢族による地域を中国とするならば、自治区は漢族とは別の民族で形成されている地域です。もともとは別民族の国だったものを中華人民共和国が吸収し、平和のためその民族に自治を任せようとするものです。
 現在中国の自治区は5つあります。
1.内モンゴル自治区(首府:フフホト)
2.広西チワン族自治区(首府:ナンニン)
3.新疆(しんきょう)ウイグル自治区(首府:ウルムチ)
4.チベット自治区(首府:ラサ)
5.寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区(首府:インチュワン)
 この中で今話題となっているチベット自治区は中華人民共和国の西部にある自治区です。チベット自治区の北には新疆ウイグル自治区があります。東部は青海省と四川省に接しており、南側はインドとブータン、ネパールとの国境に接しています。
 チベットは1950年以前は独立した国でした。しかしその後中国の軍事侵攻により中国の配下となりました。その後も多くのチベット人が中国軍によって殺害されたため1959年にチベット人が集まって蜂起、中国政府に抗議する行動に出ましたが、中国人民解放軍はこれを鎮圧。難を逃れたダライラマ14世と8万人のチベット人が北インドに亡命。ここにチベット亡命政府を置きました。
 現在中国内のチベット自治区には自治政府はあるものの、国際的にはダライラマ14世率いる北インドの亡命政府がチベット政府と見る動きが優勢です。
 ちなみにダライラマ14世はチベット仏教であるラマ教の宗主。ラマとは「師」を意味し、仏・法・僧の三宝に法を伝える「師」を加えて四宝とし、ラマ教はこれを伝える仏教系の宗教です。ダライラマは16世紀からチベットに君臨する宗主で、現在のダライラマは14代目となります。チベット教ではダライラマは生き仏として、また観音菩薩の化身として崇められています。
 
■新疆ウイグル自治区
 前回、チベット自治区について取り上げましたが、チベットと同じく中国の自治区で問題とされるのが新疆ウイグル自治区でしょう。
 新疆(しんきょう)ウイグル自治区はチベット自治区の北にあり、東に甘粛省、北東にモンゴル国、そのほかカザフスタン、キルギス、タジキスタン、インド・パキスタンなど多くの国と接している自治区です。多くの国と接しているということはそれだけで侵略と攻防・波乱の人生?を予感させる国であります。
 新疆ウイグル自治区は東トルキスタンともいいます。つまり中国というより中央アジアの国トルキスタン。その東部分が現在中国領なので中国領トルキスタンともいいます。新疆とは「新しい地」という意味。もちろん中国にとって新しい領土という意味で使われています。
 新疆ウイグル自治区は中国内の省・自治区の中では最大ですが、ほとんど砂漠であるためそれほど重要視されていませんでした。その証に中国では核実験のほとんどを人の少ないこの地域で行ない、地域住民への健康被害が懸念されています。しかしエネルギー資源である石油と天然ガスの埋蔵量が豊富であることが最近になってわかり、中国としては重要な地域になりつつあります。もちろん手放したくないところです。
 新疆ウイグル自治区の人口は1900万人ほど。大部分がウイグル族(約45%)、漢族(40%)で占められ、続いてカザフ族が6%、回族が4%と続きます。土着民族保護のための自治区政策なのに、意外と漢族が多いのは、政策的な意図があることを物語っています。
 政府中国共産党は自治区に移民を奨励していますが、これは漢族と土着民族の混血を多くし、民族の血を薄めるとともに漢族の血を拡大することで民族間の紛争を抑えようとするのが目的。
 同時にウイグル族をはじめとする東トルキスタン民族を追いやり、東トルキスタンで培われてきた文化や言語、宗教も同時に薄めてしまおうとする政策。これは【民族浄化】と呼ばれています。
 現在この自治区では、地球温暖化の影響とされる砂漠化の進行や漢族の大量流入、地下資源の開発と中国東部での一方的利用、そして中国共産党主導政府によるウイグル族弾圧が問題となっています。チベット問題が世間を騒がせていますが、いずれこの新疆ウイグル地域問題にも話題になることでしょう。
【関連記事】
[951]国際結婚(日本人男性x中国人女性)http://www.tamagoya.ne.jp/potechi/b/archives/2006/04/951.php 
(2)社会人の雑学  
Q 江戸時代の人は、「何年前」というのをどうやって計算したの?   
A 僕なりの推測です。恐らく干支(えと)を用いたのではないでしょうか。子、丑、寅、……の十
二支の方だけではなくて、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、……の十干とセットのほうです。ちなみに、甲子園は「甲子(きのえね)」という干支の年にできたからそう名づけられました。
 今は、年賀状でおなじみの十二支はともかく、十干の方は影が薄いですが、西暦が採用される前は便利だったと思います。
 たとえば、今年(2008年)の干支は「戊子(つちのえね)」ですが、10年前の1998年……戊寅(つちのえとら)20年前の1988年……戊辰(つちのえたつ)と、いずれも最初に十干の「戊」がつきます。だから、「戊」のつく年なら、10×n年前(nは整数)とすぐ分かります。
 あとは、「甲子」のように「甲」がつく年なら、「戊」の4つ前ですから、(10×n+4)年前、「壬申(みずのえさる)」のように「壬」のつく年なら、「戊」の4つ後ですから、(10×n−4)年前といった具合です。
 nの部分はどうするか? それは、十干の相棒の十二支で考えるのです。
 例)キャンディーズが解散したのは何年前?
 西暦なら、今年の2008年から、3人が普通の女の子に戻ると宣言したのが1978年だから「2008−1978」で30年前とするところですが、干支なら、さしずめ次のように。
――あれは確か、怪物と呼ばれた耳のでっかいピッチャーがタイガースにドラフトされユニフォームに袖を通すことなくトレードされた空白の1日事件があったのと同じ年じゃったなぁ。そうじゃ、戊午(つちのえうま)じゃ。
 藤原道長が威子を後一条の皇后とし皇后・皇太后・太皇太后を全て自分の娘で占めた得意で「この世をば」の歌を詠んだ年や。
 不平等条約を押し付けられた年、第一次世界大戦で景気がよくなったと思っとったのに米騒動でわやになった年なんかと同じ干支じゃ。
 おっと脱線してしもうたわい。戊午ということは「午(うま)」じゃな。今の「子(ね)」から六つあとじゃから干支の相手としては三つ分前じゃな。ということは三十年も前のことか……。
 面倒な感じがしますが、それは我々が西暦や算用数字に慣れているからでしょう。昭和でさえ、敗戦後しばらくまでは通知表が「甲、乙、丙、丁」と表示されていたことからすると、甲が1番目、乙が2番目、丙が3番目、丁が4番目、……というのは、江戸時代の人には生活のごく当たり前の知識として、考えなくてもパッと使えるものだったはずです。我々が、3の二つ後は5とすぐ分かるように……。
 また、江戸時代は縦書きの漢数字で多変数の方程式や行列式に相当するものを扱った関孝和を輩出した時代です。一般の人の計算能力もバカにできないものがあったに違いありません。
 ちなみに……、十干は日本史、中国史、朝鮮史を学ぶときに、ちょっと便利なことがあります。十個だから、次のように常に西暦の下一桁と一致するのです。
   十干    甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
   西暦下一桁 4、5、6、7、8、9、0、1、2、3
 たとえば、甲子園は、1924年(大正13年)にできました。「甲」だから4です。672年の「壬申の乱」は、「壬」で2。
「戊辰戦争は、大政奉還の1867年か明治元年の1868年かどっちだったっけ?」と迷っても、戊が8であることを思い出せば、すぐに1868年が正解と分かります。
 朝鮮出兵とまとめられる1592年〜の文禄の役と1597年〜の慶長の役、朝鮮・中国で「壬辰倭乱」と呼ばれるのはどっち? となれば、壬は2ですから文禄の役と断定できるわけです(慶長の役の方は、丁酉倭乱で「丁」の7)。
 さらに、ちなみに、明治時代に一世一元の制が定められる前の元号は、天皇践祚(せんそ:新しい天皇の即位)以外にも、甲子改元(こうしかいげん:干支が最初に戻ったときに元号を変えること)、辛酉革命(しんゆうかくめい:辛酉という干支の際に天命が改まるとされていた)などの際に改められるのがほぼ定例となっていました。
 

8 研究会紹介
第50回 指導と評価大学講座   
■ 7月28日(月):プログラム
  9:45〜11:00 ―新教育課程と教育の課題―     財)応用教育研究所所長 辰野 千壽
  11:15〜12:30 ―学習指導要領改訂のポイント―       早稲田大学教授 安彦 忠彦
  13:30〜14:45 ―教育評価の基礎基本の徹底―        文教大学学園長 石田 恒好
  15:00〜16:15 ―学校経営と保護者とのかかわり方―     大阪教育大学監事 野口 克海
■ 7月29日(火):プログラム
  9:45〜11:00 ―価値と自己の生き方を育てる道徳教育―     明治大学教授 諸富 祥彦
  11:15〜12:30 ―これからの授業をどうつくるか―      東北福祉大学教授 有田 和正
  13:30〜14:45 ―PISA型学力と評価のあり方―    大阪教育大学名誉教授 北尾 倫彦
  15:00〜16:15 ―日本語は大丈夫か―            筑波大学名誉教授 北原 保雄
■ 7月30日(水):プログラム
  9:45〜11:00 ―学習意欲の発達と向上―            筑波大学教授 櫻井 茂男
  11:15〜12:30 ―「教えて考えさせる指導」のあり方―   東京大学大学院教授 市川 伸一
  13:30〜14:45 ―これからの教師のリーダーシップ―    東京成徳大学副学長 國分 康孝



  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp