第3回 社楽の会報告 第2回へ 第4回へ
報告者 布袋中 土
井
6月23日(木)7:00〜9:15,布袋中にて第3回の学習会を開催しました。参加者は,土井,木本,大薮,高木,野呂,高橋,川井,尾関,奥村,熊木,(敬称略)そして特別講師の三輪先生の11名でした。
☆ まず始めに,特別講師の三輪先生(布袋中)により,「情報化社会に対応する統計教育」ということで,パソコン通信についての講義をしていただきました。 パソコン通信についての概略を聞いた後,実際にPC−VANを使って,高知のボードに野菜作りについての問い合わせをした実例を聞きました。この会始まって以来の活発な質問に,参加者の関心の高さが感じられました。
話からは 問い合わせ → 高知の酔太さんからの返事 → 再質問 → さらなる解答… と続くやりとりに,久々に社会科魂が揺さぶられた気がしました。
その理由は次の通りです。
@ 相手が生きていることが実感できること。解答の内容のレベルの高さもさることながら,すぐに高知から答をくれた酔太さんの誠意,それに答える三輪先生の気持ちなどがよく伝わり,文献では味わえない人間味を感じました。
コンピュータから人間味を感じたのは,初めての経験です。
A リアルタイムに,当事者の生の情報が簡単に得られること。
もちろん,手紙や電話にも利点がありますが,このパソコン通信からは,これまでにない可能性を感じさせられました。フロッピーに保存できる,プリントアウトできる,不特定多数の人とコミュニケートできるなどです。
その後の実演では,PC−VAN,藤ネットにアクセスしてみました。目の前に繰り広げられているパソコン通信の世界を見た時の参加者の目の輝きは忘れられません。自分でも,実践してみたいと思います。
☆ 奥村先生による教育センターにある心理検査の紹介を聞きました。私もWISC-Rやグッドイナフ人物画知能検査などいくつか体験しましたが,心理学が科学的理論の上に存在していることを身にしみて感じさせられた記憶があります。
☆ 尾関先生の「生きた情報が得られる大使館活用法」です。大使館などとつきあうことは私の得意分野ですが,これらから情報が得られることはもちろん,社会との距離を縮めることの功績が計り知れないほど大きいと思っています。相手には多少迷惑がかかりますが,社会勉強として有効な手段だと思います。
☆ 続いて,熊木先生の,「課題学習」:「適切な課題を設けて行う学習」の概要を聞きました。理論的な背景の他,予想通?りの課題(学習形態・一般化・評価)が出されました。結局,これは自分達で何とかしなければならないのでしょう。
☆ 木本先生の「岩倉方が敗れたわけは」という,岩倉市の広報のための原稿の紹介がありました。クイズ形式にしたのが読み手の意欲をそそるように思われます。あと,効果的な写真やカットがあれば申し分ありません。社会科教師は,こうした外部の仕事もこなさなくてはならないのです。
☆ 川井先生の「自学帳メニュー」には,参考意見が多く出されました。自学はみんながいろいろ工夫しているところなのです。私も,以前明治図書に書いた「自由勉強コンクール」を紹介しました。ぜひお試しください。
☆ そして大薮先生からは,授業で使う,基礎的知識定着のための歴史年表の他,授業「身近な地域を調べよう」について提案がありました。そして,生徒の意欲を引き出す課題作りに話題がしぼられました。
・既成概念をひっくり返すためのクイズ「なるほど・ザ・犬山」。いかに犬山を知らないかを自覚させるためのものものです。動機づけには有効でしょう。
・「犬山に首都を持ってきたら?」そのためにはどうすればいいかを考えて,いろいろな角度から迫る方法。
・「犬山に生まれて損か得か」を,他の市町村といろいろと比較しながら考えていく方法
・学習のまとめに,模擬市議会を開く方法。たとえば,調べた専門分野に応じて,収入役とか教育長,観光課長,課税課長などの役職につかせ,他の生徒が議員になって市政にいろいろな質問をするのです。これもおもしろい!
・犬山を独立国に!「お札の肖像には桃太郎か猿」など,突飛な意見が続出して大いに盛り上がりました。実際,空港をどこに造るかだけでも地形図をじっくり見ないとできません。学習の幅は際限なく広がり,その対象は個の興味・関心にゆだねられるわけです。
☆ 最後に土井より,研究の全体計画の提案がありました。
テーマの確認のあと,目指す児童像・生徒像の確立,実態調査と理想像の比較,
特に変容を迫る児童・生徒について……など,やることはたくさんあることがわかり,かえって気が重くなったかも知れません
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp