第4回 社楽の会報告     第3回へ    第5回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

6月30日(木)7:00〜9:15,布袋北学供にて第4回の学習会を開催しました。
参加者は,土井,木本,高木,野呂,川井尾関奥村,滝口,勝村,日比野,木全,多和田(敬称略)そして和田先生の13名で行いました。
 
☆ まず始めは,高木先生の学校訪問の指定授業「伝統的な技術を生かした工業」の報告でした。五条川小は,岩倉市から地域交流の指定を受けており,主に社会科で地域の人々との交流を研究してみえるそうです。
 教室に,伝統的な染め物の技術を生かした『のぼり作り』の職人・松浦さんを招いて,直接「糊伏せ」の実演を見せたこと。その後,児童に体験させ,その難しさを味わわせ,伝統技術の重みを体感させたことなどが報告されました。
 本物に勝るものはありません。準備は大変だったと思いますが,教師がいくらがんばっても教えられないものを,本物がいとも簡単に教えてくれるものがいくつもあります。今回は,その好例といえましょう。

☆ 尾関先生より,ザ・尾張シリーズ『尾張の技』の構想の発表がありました。今井努倹校,故晴嵐先生,竹細工の渡邊功山氏,化石発見の大倉正敏氏,和船大工の三品茂氏など,市内在住の「わざ士」の名が次々に出されました。また,それ以外にも新しい名前が何人か登場しました。さすがに,人が集まれば知恵が出るものです。学習会の本領発揮です
 
☆ 次は、勝村先生の「社会科・歴史 課題一覧」です。自主学習のための予習的課題の一覧で,児童にとって勉強しやすくするための援助の例です。この経験を生かして,次の機会に児童が自分で課題を作られるようになれば,より価値のある実践といえるでしょう。

☆ 奥村先生からは,「教育論文骨子」についての提案がありました。特殊学級担任としての自らの実践を,大きくとらえ体系的にまとめてみえました。こうした作業はとても価値あることだと思います。
 ただ,論文というからには特別の書き方があり,それを知らないと評価されません。私は,『教育研究のすすめ方・論文のまとめ方』(福岡県教育委員研究所連明編 第一法規 \1,900)が最もわかりやすいと思います。

☆ 土井からは,「今年度の研究テーマとその根拠,望ましい児童・生徒の姿」についての提案がありました。
平成6年度の愛社研統一テーマ 「個に応じ,個を生かす授業実践− 個に応じ,個を生かす指導計画・指導過程の工夫」を受け,今年度の丹葉地方のテーマが「個の追究意欲を高め,個の追究力を育てる授業実践」に決まりました。
 丹葉としては,児童・生徒の実態に合わせ,『追究意欲と追究力』を高めるための手だてを整理し直す必要があること,そして新たに「人間としての生き方」にせまることを確認しました。(ちょうど『現代教育科学 452』のテーマと同じでした。中野重人氏は新学力観ではプラス思考のできる子の育成を求めていると述べています。) 

 望ましい児童・生徒の姿は,次のように提案されました。
○ 一人一人が知的好奇心に満ち,見近な事象に対して常に問題意識を持つ(きづく)生き方
○  〃   意欲的に課題に立ち向かう (がんばる)追究意欲
○ 新しい問題に対して,これまでに身につけたいろいろな方法を駆使して,工夫して解決できる (考え,行動する)追究力
○ 一人一人が学習した達成感,課題を解決したことによる知的な成就感が得られる (わかる,感じる)
 その後の話し合いでは,「授業の中でこの子をどうする」と「授業をこの子でどうする」という2つの視点は忘れないでおこうということになりました。

☆ 川井先生からは,「個別学習指導方法の類型」の紹介がありました。これは,H4年の愛知社会科教育学会での論文「社会科における基本的内容に関する個別学習の授業とその実践」(竹林康司 兵庫教育大学院生)の引用です。付録の「5年 個性化・個別化を図った実践事例リスト」は労作です。
 ここで紹介された6つの類型のどれでいくかが話題になる中で,話は小学校5年生・滝口先生の実践について話題になりました。
 いろいろ意見が出た中で,木本先生の提案の環境問題でいこうということになりました。これは,問題の対象が広く,課題設定,課題解決の方法が個の選択の自由が大きいことがメリットです。 
 たとえば,父親が昔ザリガニを捕った場所で,親子でもう一度ザリガニ捕りをすると……それだけで環境の変化,産業の進展,時代の移り変わりなどいろいろなものが見えてくるはずです。もちろん,親子で捕ることにはそれ以上の意味があるはずです。
 最後に,和田先生より「社会科は,おもしろい切り口ができる教科です。若いうちにたたかれて伸びてください。」というお話がありました。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp