第30回 社楽の会報告    第29回へ   第31回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 7月6日(木)7:00〜9:05,布袋北学供にて第30回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井木本,勝村,奥村川井日比野,滝口,岩井(敬称略)の8名でした。

☆ 初めに,土井より「日本地理 これだけはプリント」の紹介です。地方別の白地図に,重要なキーワードをまとめたものです。学習のまとめや自習,自学にも使えます。
 私は,概念を整理するためには,“地理は地図,歴史は年表”だと思っています。今後は,生徒が楽しく学習できるよう,プリントの使い方を工夫していきたいと考えています。 

☆ 続いて,奥村先生より,『はばたく大愛知』の原稿紹介です。丹葉は歴史の担当で,奥村先生は宝暦治水の係です。これまでの4ページを3ページに減らすことになり,苦労されたそうです。
 このほかに,これまでの細井平州・渡辺華山に代えて,愛知用水が復活するということです。

☆ 木本先生から,岩南小情報センター研究部での資料収集の様子を報告していただきました。6年生が各国の大使館へ,5年生が各都道府県庁へ資料請求の手紙を出したそうです。このうち6年生は94通投函し,すでにマレーシア・ポルトガル・チェニジアなどから資料が送られてきたそうです。大使館の多くは,送料を請求されるので注意を要します。
 実際に資料を手にすると,豊富な写真,現地語による解説・地図により,確かにその国がより身近に感じられるような気がします。図書館教育の先進校としての今後の進展が楽しみです。
・ 7月1日に附属小学校で行われた第1回研究専門委員会の報告がありました。以下がその要旨です。

  テーマ「個に応じ,個を生かす評価のあり方」
  本年度は3年計画のまとめとして,次のように研究を進める。
 @ 個に応じ,個を生かすという視点に基づいた,よりよい単元の指導計画や指導過程を工夫する。
 A 個に応じ,個を生かすという視点に基づいた,評価のあり方を探る。
 B 個に応じ,個を生かす評価のあり方を組み込んだ,授業実践を行う。  
 
 特に,Aの評価については,よりよい授業を目指すために「指導と評価の一体化」をめざし,次のように考える。
    ・ 子ども一人一人の学習活動の様子を見取り,授業構成に生かすための評価
    ・ 子ども一人一人の学習活動の様子を見取り,子どもたち個々への支援に生かすための評価

  続いて,今後の予定です。
 ・ 第2回研究専門委員会 9月16日(土)14:30〜
    研究の構想について,研究の計画について 8/18原稿提出
 ・ 冬季研修事前打ち合わせ 12月2日(土)14:30〜
    助言者による研究内容への事前指導,進行の打ち合わせ
 ・ 冬季研修会 平成8年2月3日(土)名古屋市教育館 14:00〜
 ・ 研究集録原稿提出 40字×35行 22ページ程度
 
☆ 次に具体的実践について,川井先生から提案がありました。
まず,川井学級(6年生31名)の戦争に関する事前調査についてです。敗戦の日・年,相手国,原爆を落とされた都市など,10項目について個別に調査したものです。日本が戦争に負けた日(1945・8・15)の正解率は12.9%,戦争が終わったのは今から何年前?(50年前)が54.8%,原爆を落とされた都市?(広島・長崎)が61.3%という結果でした。このほか,戦争のイメージ,戦争に対する考え,知っていること,身近な戦争体験者などが調査されています。個への支援の方法やこの先の変容を探るための資料になり得るものです。 
 なお,川井学級では,これまでに映画「蛍の墓」を学級で鑑賞し,また,多くの児童が映画「うしろの正面だあれ」を家庭で見ているそうです。

・ 次に,去る7月2日まで,岐阜県文化ホールで開催された「戦後50年展ぎふ」を見られた報告がありました。岐阜県教育委員会の後援が開幕間際に取り消されたことで有名になった展覧会で,パンフには岐阜県教育委員会の文字が横線で抹消されていました。
 今回は,特に毒ガスを製造した島として知られる大久野島についての説明を聞き,資料も見せていただきました。サリンで注目をあびている毒ガスが,戦時中に実際に作られていたという事実は,子どもたちにはどう映るのでしょうか。
・ 最後に,昭和2年に贈られた「青い目の人形」の答礼人形「ミス岐阜」の資料を紹介していただきました。 
 このように,戦後50年にちなんだ催し物は各地で行われることが予想されます。できるだけ足を運び,資料を発掘すると共に,私たち自身の糧にしたいものです。

☆ 中学校の実践について,日比野先生からは次のように報告がありました。
 これまでに,犬山中学校では,7月1日に平和集会として小川校長先生による空襲の体験談,5日にはパネル見学(広島・長崎原爆の被害,沖縄の戦い),折り鶴製作,6日には動画「東京大空襲」鑑賞,感想文作成を行ったそうです。
 学校ぐるみですでにこれだけの実践がなされており,学習の動機付けは十分と思われます。これまでにない型の研究体制といえます。
・ 次に,戦争に関する調べ学習の提案です。@身近な人の戦争体験調査,A新聞記事収集,B文献調査をあげてみえました。今後,課題が決まり次第,具体的に支援の方法を考えていきたいと思います。
 木本先生からは,中学校の社会にはたらきかける段階で,インターネットを使って世界にメッセージを発信したいという提案がありました。一つの試みとして,ぜひやってみたいと思います。
・ 最後に,3年選択社会科の1学期中間発表テーマ一覧を紹介していただきました。
 日米自動車問題,YSX計画,差別,JTと自衛隊,ハリファクスサミットについて,EUの今後など,レベルが高いと思われる47人のテーマが並んでいます。今後が楽しみです。

◎ 昨年度の実践『社会科指導資料集 個に応じ,個を生かす授業実践第2集』ができあがりました。また,「社楽報告集巻之三」・社楽提案リスト・戦争資料集をお配りします。ご活用下さい。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp