第31回 社楽の会報告    第30回へ   第32回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 7月14日(金)7:00〜9:15,布袋中学校にて第31回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,木本,川井,熊木,岩井,大島(敬称略)和田先生の7名です。

○ 昨年度の実践『社会科指導資料集 個に応じ,個を生かす授業実践第2集』と共に,「社楽報告集巻之三」・社楽提案リスト・戦争資料集をお配りしました。特に,提案リスト・戦争資料集はデータベースとして活用していきたいと考えています。提案リストは三四郎,戦争資料集は一太郎で作成してありますので,ご希望の方にはフロッピーでお渡しします。土井までご連絡ください。
 今回の戦争資料集のように,個人が持っている資料・教材・教具のテーマ別リストを,毎年1つ作っていくことができたらと思います。

☆ 初めに,岩井先生から,木曽川町の「戦後50年平和記念事業」について紹介がありました。木曽川町では,総合福祉体育館で,8月19日 PM1:00〜「ひめゆりの塔」「火垂の墓」の映画会,20日 AM10:00〜平和祈念式典歌物語「ぞうれっしゃがやってきた」の記念講演が行われるそうです。特に,「ぞうれっしゃ…」は町長が自ら演出を手がけ,小中学生・町民コーラスグループなどが出演する,町ぐるみの大イベントです。この他にも,庁舎で7日〜18日の間,反核・平和ポスターのパネル展を行います。
・ 次に,「3週間の自主学習をふり返って」アンケートの結果を報告していただきました。34名中28名が毎日,またはだいたい毎日取り組み,時間は1日20から40分ぐらい,内容はいろいろな学習に取り組んだ人と同じような学習にかたよった人が半々でした。25名がこれからも自主学習を続けた方がいいといっており,成果はあったのではと思います。

・ このほか,7月の自由勉強メニュー,夏休み自主学習メニューを紹介していただきました。自学メニューについては,今月号の『授業研究』(明治図書)で特集しています。学習方法の習得の観点からいろいろ述べられていますので,ぜひお読みいただきたいと思います。自主学習メニューでは,戦争についての学習が紹介されています。多くの児童が取り組んでくれることを期待しています。
・ 最後に,木曽川西小学校の韓国訪問の紹介です。8月27日〜30日までの4日間,5・6年生34名がソウルの姉妹校を訪問するそうです。実体験に勝る社会勉強はありません。有意義な4日間を過ごしてきてくれることと思います。
 話の中では,韓国の方は,交流の中で過去の暗い部分には触れず遠慮してみえること,韓国のお年よりは,日本語は使えるが意図的に使おうとしないことなどが出ました。十分に理解できます。

☆ 続いて,土井より論述用紙の紹介です。1枚がB5の半分で,200字のマスのある用紙です。100字にも対応できるよう線が引いてあります。
 毎回,授業の初めに,テーマ(前回の授業について)を出して5分間で書かせています。資料は見てもいい時とそうでない時があり,その都度指示します。これまでのテーマの例は「徴兵令が自由民権運動につながったと言われているのはなぜか(約100字)」「板垣退助と大隈重信の論点の違いは何か(約100字)」などです。
 「徴兵令が〜」の問題では,ある生徒は次のようにまとめました。

 「徴兵令により特権を失った士族の不満が高まり,西郷隆盛を中心とした西南戦争が起きた。しかし,徴兵制度で作られた政府の軍におさえられ,武力では抵抗できないと考えた板垣退助らが言論の力によるしかないと考え,自由民権運動を起こした。(110字)」
学習のまとめ,思考力の養成にはとても有効だと思います。

☆ 今日のメインは,川井先生課題設定についてです。児童に課題例を示した後,7月11日にテーマを設定したそうです。
 男子は「戦艦について」「戦闘機について」など…8名,「沖縄戦について」「空襲について」「原爆について」…6名,「お墓調べ」「戦時中の服装について」というのがありました(一部重複)。「戦艦について」などについては今後の支援が必要です。 
 一方女子は,身近な戦争体験者が多く,戦争体験や戦時中の人々のくらしの聞き取りが11名,戦争関係の新聞記事集め…4名,「敵性語追放について」「空襲について」などがありました。
 川井先生によれば,深まりを期待したいのは,出席番号1・2・6・13・31・34・43の児童で,2番の児童には多角的な視点を,47番の児童には発表できるように支援していきたいということでした。 

 この提案を受けて,休み中の支援の難しさ,区の墓地には戦没者がまとまっているところがあるということ,扶桑中の校舎のレールはかつて竹であったことなどの話題が出ました。また,熊木先生からは下位の生徒にはテーマを与えてやっても良いのでは,大島先生からは調査計画を立てさせた方がよいという意見が出ました。
 今後は,個をどう支援していくか,授業をどう構成していくかが課題です。
・ このほかに川井先生からは,前回紹介していただいた戦争資料12点のリストをいただきました。これらは,すでにお配りしたリストに入っています。
・ 最後に,「我が国における日本軍の話」を紹介していただきました。シンガポールで日本軍が行った残虐行為について英語で書かれている本の和訳です。
P.27の“日本の降伏”には次のように書かれています。 

  原爆は多数の罪のない市民や子どもを殺しました。原爆投下は全く残虐な行為でしたが,他に日本陸軍を降伏させる方法は全くなかったのです。日本の兵隊は死語の一兵になっても戦おうと誓っていたのです。もし日本の広島にあの原爆が投下されていなければより多数の罪のない人々がいろいろな意味で苦しんだであろう事はほとんど疑いがありません。
 
◎ 8月6日まで名古屋市市政資料館で「終戦五十周年資料展ー戦争と市民生活」が開かれています。無料です。
◎ 8月10日〜15日には,松坂屋本店本館7階で“戦後50年記念展”が開かれます。入場無料です。
◎ 岐阜公園の岐阜市歴史博物館( 058ー265ー0010)では,夏休みの日曜日に戦争当時の食べ物を食べさせてもらえるそうです。先着順です。詳しくは多和田先生まで…
◎ 名古屋市博物館( 052ー853ー2655)では,9月24日まで,「戦時下のこどもたち」展
が開かれています。
◎ 江南市では8月にすいとぴあ江南や江南市文で平和・原爆パネル展を開催します。そこでは,戦争体験談を綴った平和作文集がもらえるそうです。 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp