第32回 社楽の会報告    第31回へ   第33回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

7月27日(木)6:00〜9:15,三勝にて第32回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井,木本川井熊木,滝口,奥村,勝村野呂高橋栗林日比野(敬称略)山田信夫先生の12名です。

☆ はじめに木本先生より研究の構想の提案がありました。今年の研究の視点は次の4点 です。
 @ 調査活動,調べ学習における個に応じた評価と支援のあり方
 A 調査活動や調べ学習を生かした討論の場の設定と個を生かす評価のあり方
 B 学んだことを生活に生かす場,社会に働きかける場の設定と,問題意識の継続化をはかる評価のあり方
 C 個々の評価の蓄積と,それを生かした授業構成や支援方法の改善のあり方
  高橋先生からは,授業中に実際に評価できるのか,自己実現とは何かという疑問が出されました。個人カルテについては,勝村先生からどのような形にするのか?山田先生から長続きするか?という質問が出ました。順次,解決していかなければなりません。
奥村先生からは,評価したものをまとめ,分析する時間が必要であるという意見が出 ました。また,現実的には,単元・時間で特に位置づける子がやはり重要になるという意見に落ち着きました。
 水野先生からいただいた資料の紹介です。『内外教育7月18日号』より,中学校で「近現代史」の実践研究“2教師が同一テーマで異なる授業”という論文です。これは,藤岡信勝先生の「『近現代史』の授業改革」(明治図書)創刊記念の実践研究の報告です。同一学級の生徒を対象に立場の異なる教師が同じテーマで連続して授業を行うものです。詳しくは,創刊号を読んで報告したいと思います。
・ 次に,「戦争体験を取材しよう!」という呼びかけです。我々みんなで身近な人の戦争体験を取材し,一太郎・横80文字で入力して冊子にまとめようというものです。冬期研修会で配布できたらと思います。私も現在取材中です。ぜひともご協力ください。


☆ 日比野先生より選択社会科の中間発表会の紹介です。円高と貿易摩擦関係が11名,地震関係が7名,国際問題が6名,国内問題が7名です。内容のレベルが高そうです。
・ 次に,校務分掌の大掃除「犬中すすはらい計画」の紹介です。仕事分担と目標,内容を表にまとめるものです。ネーミングがいいですね。
・ 犬中の恒例課題・地図模型の作り方のプリントの紹介です。犬中出身の人は作ったことがあるのではないでしょうか?
・ 次に,戦争に関する調べ学習プリントの紹介です。何を調べ,どうまとめるかが書かれています。また,夏休みの調べ学習を始める前のアンケートもあります。
・ 犬山市主催「平和シンポジウム」についての紹介です。8月9日(水)PM2:30〜4:00犬山観光センター(フロイデ)で開催されます。「中学生が考える戦争と平和」というテーマで,広島へ派遣された生徒によるパネルディスカションがメインです。その中の提案を受け,教室で討論することも可能で,貴重な資料が得られそうです。
 木本先生からは,中学校では原爆の学習を受けて,次の4つの立場でディベートができないかという提案です。@ 日本軍部の立場,A 民衆の立場,B アメリカ人の立場,C アジアの人の立場に分かれてのディベートで,多角的な思考力の育成が図れそうです。そして最後に,インターネットなどでメッセージを送るというものです。ぜひやってみたいですね。そのためには,資料集めが必要です。

☆ 川井先生は『社会科教育8月号』テーマ「いま社会科で平和教育をどう見直すか」をまとめてくださいました。川井先生が注目する14本の論文の要旨が紹介されています。授業には,当然授業者の立場が表れます。戦争をどうとらえ,どう教えるか,私たちの戦争観・平和教育観を明確にすべき時期が来ています。今後,論議していきましょう。
・ 次に,『岩倉市史』より,‘軍事援護教育と疎開’の項を紹介していただきました。年次別の世帯数・人口数・児童数の表も載っており,昭和20年に急に増えていることがわかります。また,‘神社’の項では,岩倉神社祭神として486名の戦没年月日・戦没の場所・当時の官等級が載っています。実にその内の約400名は,日本以外で亡くなっています。また,戦艦大和,愛知時計電機というのもあり,加害や空襲被害の場所についても見えてきます。
・ 前回お知らせした,岐阜市歴史博物館の“戦時下のくらしを語る”についての詳細がわかりました。あと,8月6日にすいとん・煮干し煮付け・代用コーヒー,8月20日には大豆めし・いもつる煮付け・代用コーヒーの試食会があります。申し込みは不要です。

☆ 勝村先生からは,ザ尾張シリーズの第3次原稿「信長の室 吉乃」「新しい生き方を求めた女医 説田テル」の紹介です。内容は,出版された本を購入のうえご覧ください。山田先生より,@よく知っている人に目を通していただく,A出典を明確にする B現在の様子も書く,というアドバイスをいただきました。
・ 次に愛知県教育振興会発行『ふるさと あいちの散歩道PartV』の原稿についてです。
勝村先生の担当は,瀬戸市定光寺付近,犬山市尾張富士付近,大口町です。ぜひ勝村先生におもしろい情報をお願いします。
・ 3点目は,学級の児童の自由研究テーマ一覧の紹介です。環境問題についての研究テーマで,すでに具体的なものも多く,指導の跡がわかります。
・ 環境問題に関連して,初等教育資料(平成6年11月号)より論文を紹介していただきました。@ 「環境教育の在り方を考える」橋本 都氏,A 「環境と主体的にかかわる子どもを育てる教育課程の創造」金子美智雄氏の2点です。
・ 次に,大阪で行われた「アジアの子どもたちの戦争展」の紹介です。主催は『敗戦50年』企画実行委員会という変な?名前で,資料冊子も手作りに近いものでした。
・ 最後に,犬北小の高林先生を中心に行われる木曽川筏下りの紹介です。8月5日の予定が7月30日になったそうで,新聞に載らなかったところを見ると成功したのでしょうか?奥村先生が参加されたので,レポートを楽しみにしています。

☆ 高橋先生からは,ザ尾張シリーズの第3次原稿「俳聖の見染めた美女 松本わく」の紹介です。この本には,おそらく有名な女性が数多く紹介されると思いますが,その中で最も異色の一人ではないでしょうか。よくここまで調べたと感心します。

☆ 熊木先生は,評価・評定,授業評価について『社会科教育指導用語辞典』をまとめていただきました。教師は評価によって子供達の全面的な成長変化をとらえ,教育という働きが成立したか否かという意識を持つため,子供達の生活全体を対象として,特に内面を評価していかなくてはならないという内容です。その手がかりとして5つの視点,指導計画と評価の関連の骨組みが紹介されています。参考にしたいと思います。

☆ 栗林先生からは,愛知県埋蔵文化財センター10周年記念行事の案内を紹介していただきました。展示「朝日遺跡への招待」,講座「対談 朝日遺跡を考える」,発掘体験教室「親子の考古学教室」,シンポジウム「朝日遺跡を科学する」の4つの行事で,私も特に体験教室に出てみたいと思いました。詳細は栗林先生までお問い合わせください。

☆ 最後に野呂先生から授業の実践報告です。第1時に木曽川町は消防の面で安全かを問い,第2時に火事をなくすことはできるかと問うもので,どんなに消防が発達しても,防火のためには一人一人の自覚が必要であることを認識させようとする展開でした。何人の児童がそう認識できたのか,評価の結果報告を期待します。

◎ 知多市中央図書館( 0562ー772ー1882)では,毎月「戦後50年特別企画ブック展」を開いています。8月のテーマは“庶民 語り継ぐ8月15日”,9月は“戦争と人間”
◎ 劇団うりんこ( 052ー772ー1882)では,8/18〜23までうりんこ劇場で,“親子で見つめよう〈戦争と教科書展〉”を開きます。\500です。
◎ 米国政府公報機関の名古屋アメリカン・センター(国際センタービル内)ではインターネットによる情報提供サービスを始めました。申し込みは052ー581ー8631,アメリカンセンター広報・文化交流局です。NASAや政府刊行物,ホワイトハウスのデータベースにもアクセスできます。

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp