第33回 社楽の会報告    第32回へ   第34回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

8月3日(木)6:00〜9:00,布袋北学供にて第33回の社楽の会を開催しました。参加者は,土井木本川井,勝村,高橋,日比野尾関(敬称略)の7名です。

☆ 初めに土井より布袋北小学校の昭和20年の学校日誌の紹介をしました。江南市の中学校の社会科の先生方が,現在,郷土資料集『江南』を執筆するために取材をしています。布北小の日誌は歴史部会の斉木先生(布中)が取材し,土井がまとめました。
  驚いたことに,4月より連日警報が出ていました。また,同じように学校で農作業が行われていたことがわかります。7月13日には,実際に今市場で戦災を受け,焼失した家,亡くなった児童の名が書かれていました。これ以降は,正常に授業も行えなかった様子がうかがえます。8月は,1日「敵前武技錬成」,15日「和平の大詔正午発表サル」とあり,15日には3時より全校児童の前で校長訓話が行われています。9月以降,防空壕撤去,教科書削除,御真影奉還などがありました。内容はここをクリック

・ 次に,小学校実践の展開案です。岩倉神社の祭神がいつ,どこで,なぜ亡くなったかを年表や地図に表しながら,戦争の歴史をつかんでいくというものです。さらに,戦後50年間に戦争をしなかった国を調べて行くことにより,これからの平和な国際社会を作るための方策を考えていき,最後に実際にアジアの子供たちへ友好の絵を贈るというものです。湾岸戦争までは,戦後紛争のなかった国は8カ国(フィンランド・スウェーデン・ノルウェー ・ アイスランド・デンマーク・スイス・ブータン・日本)でしたが,デンマーク・ノルウェーは湾岸戦争に派兵,日本とスウェーデンが非軍事援助を行いました。これをどう考えるかもおもしろいと思います。佐久間勝彦先生の追試です。アジアの子供たちとは,日本ユネスコ協会にルートがあります。

☆ 川井先生からは,「15年戦争の授業構想」(8時間完了)について提案していただきました。1・2時で,土井案と同様岩倉の戦没者の場所・年月日をまとめ,「なぜ,日本軍は東南アジアの国々へ行ったのか」という課題を導き出します。3時(満州事変から日中戦争へ)では,資料により貧しさの実態をつかませた後,不景気から立ち直る方法を話し合い,日本が中国へ進出していったことを資料からつかませるというものです。4時(太平洋戦争)では,南方への進攻の様子をつかませた後,アジア諸国の教科書の記述により,アジアの人々が太平洋戦争をどう見ているのかを考えます。5時(原爆)では,1万人分の顔写真を見て原爆の犠牲者の数を具体的にとらえるとともに,岩倉市に原爆が落ちたらどうなるかを調べます。6時では,ディベートのテーマを提示します。内容はまだ未定です。7時でディベートのための調査をし,8時でディベートをします。
 その後,「社会のあり方を考える」で50年間戦争をしなかった国を調べ,世界の紛争の様子を知り,「社会にはたらきかける」で何らかの国際交流をするというものです。
  この提案に対して,いろいろな話し合いが行われました。
  ・総花的すぎないか?1つに絞って深めていった方がいいのではないか。
  ・最終的に第8時で討論させるために,実態・悲惨さを一つ一つ扱いたい。子供は,知識より感じたことがエネルギーになる。 
   ・これからの社会を考えることの方がより大切。
  ・戦争の流れは教える(教師主導)→国民生活の様子は調べる(児童主体)
  ・子供が全面に出る単元構成にしたい。
  ・戦時中の人々のくらしは扱わなくても良いのか。聞き取りを生かすためにも…
  ・ディベートの課題は子供に作らせることはできないか
  ・戦争の悲しい部分(心情)を扱いたい

☆ 日比野先生からは,夏休みの調べ学習が身近な人の戦争体験を中心に進行中であること,広島派遣に関して8月9日にパネルディスカション・2学期に報告会があること,などの報告がありました。
 授業実践は,特設で,原爆に関するディベート(日本・アメリカ・アジアの立場),または太平洋戦争に関するディベート(日本軍部・日本民衆・アメリカ・アジア民衆の立場)をしてはどうかという提案がありました。
 また,問題点として,戦争の加害の面をどう扱うか,侵略行為の背景をどうとらえるかという2点が出されました。
 これらについて,授業は広島派遣に合わせて特設で行うものなので,原爆だけに絞った方が良いという意見が出ました。もちろん日比野先生の出された2点の問題点から逃げるわけではありませんが,それらは通史の授業の中で,そこに至る歴史の流れをふまえた上で扱うべきだという意見です。
・ 次に,『絵で見る広島の原爆』(福音館書店 \2,500)を紹介していただきました。数ある原爆関係の本の中でも,わかりやすさの点ではずば抜けています。
 AERA36は戦後50年記念増刊「原爆と日本人」でした。当時の写真の他,原爆を作った科学者たち,もし「小倉」に落ちていたら,日本にもあった原爆計画,など16の論文が載っています。討論のための強い味方になりそうです。

☆ 尾関先生からは,「フラワーコート江南訪問について」の紹介です。手順は,江南市社会福祉協議会(0587ー55ー5262)の清水さんを通してフラワーコート江南(58ー7701)の担当・小出さんに申し込みます。フラワーコート江南は,ボランティアを積極的に受け入れており,布袋中でも毎月の休業土曜日を始め,いろいろな機会で交流を行っています。古中では,8月9日に生徒会の代表が訪問し,老人といっしょにうちわに絵を描き1年生が作ったプチトマトをプレゼントするそうです。また,午後には琴部が演奏をするということです。
‘うちわ’は,長谷川八郎商店(052ー901ー1093)で注文,両面白が85円,片面模様が90円,印刷は版代が\3,000だそうです。

・ 次に,大きいシャボン玉の作り方を紹介していただきました。石鹸の溶かし方,それに添加物(粉末ゼラチン・ガムシロップ・グリセリン・ラム酒・炭酸飲料)とそのまぜ方,問い合わせ先(太陽油脂045ー441ー4953,エスケー石鹸048ー222ー4141)など細かい資料です。ぜひ挑戦してみてください。
・ 3点目は,映画『耳をすませば』の構想のきっかけとなったカントリーの名曲「カントリー・ロード」の日本語訳の紹介です。映画は,都会に生まれ育った主人公が,この曲をきっかけに,「故郷に帰りたい」という気持ちを理解しようとしますが,結局都会で生きて行くしかないんだという思いに達する話です。とてもいい訳になっており,学級でも歌えそうな歌詞になっています。

☆ 木本先生からは,中部電力西春営業所が行った研修会の報告です。初めに,碧南火力発電所( 0566ー48ー5581)の見学をしたそうです。ここは,数少ない石炭による火力発電所です。石炭のメリットは,@価格が安い,A埋蔵量が豊富,B生産国が先進国(オーストラリア,カナダ,アメリカ,中国)に多く安定供給が可能だということです。
  次に,名古屋・知多・豊明に電気を供給している名古屋給電制御所・松ケ枝変電所を見学したそうです。ここだけで1,000人が働き,10mおきに防犯カメラが監視していたそうです。ちなみに尾北地区へは,蟹江給電制御所から岩倉変電所を経て電気が供給されているそうです。見学の申し込みは,中部電力名古屋支店( 052ー243ー9100)広報係宛 です。 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp