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報告者  土 井
 2009年5月7日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は、
 奥村先生(岩南小),早川先生(藤里小),大島先生(草井小),柴田先生(草井小),森本先生(古中),高橋先生(曽野小),野口先生(城中),寺谷先生(付属小),大野先生(犬中),木先生(犬南中),以上10名でした。

 以下は、土井が提案したものです。番号をクリックしてください。

  金融教育研究委員会 −ブログ「ようこそ社楽人」より−
 新型インフルエンザ騒動  −ブログ「ようこそ社楽人」5月3日より
  新型インフルエンザ関連情報リンク集
  行き過ぎ
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介
 研究会情報

 金融教育研究委員会 −ブログ「ようこそ社楽人」より−
  今日(4月25日)は、名古屋証券取引所で開催された、金融経済教育研究会へ行ってきました。これは全国に先駆けて名古屋で最初に開かれるもので、今年度は6回にわたって、さらに来年以降も継続されるものです。
 第1回の今日は、椙山女学園大学文化情報学部教授 武長脩行氏による「金融経済教育の重要性について」、そして、中日新聞 編集局経済部長 真能秀久氏でによる「今話題の経済ニュースから学ぶ」でした。
 なかでも真能氏の話は興味深く、これまでの疑問の多くが解消できました。北方領土に関する話題も出ました。これからしばらく、そこで学んだことを、自分流に噛み砕いて紹介したいと思います。

 始めは、この1年で起きたこと。
1 原油、原材料の急騰、急落
2 金融危機から実体経済の不況へ
3 グローバル経済がすべての前提になった

 この1 原油価格の上昇は
1990年代 10ドル台   
2001年  22ドル   
2003年  28ドル
2004年  34ドル    
2005年  50ドル   
2006年  60ドル
2007年  67ドル    
2008年 147ドル   
現在     50ドル
 これをみて、どう思いますか? 続きは明日。
 ☆★☆ コメント ☆★☆
このあと 26日「原油価格高騰の要因は?」、27日「なぜ食料品価格が高騰したの?」、28日「金融危機」と「実体経済」、29日「サブプライムローン問題」、30日「中部経済を展望するには」、5月1日名古屋人は「キリンラガー大瓶」、2日「モノづくりの地域」と続いています。
 詳細はブログをご覧ください。 http://blog.goo.ne.jp/syaraku0812 
 
 新型インフルエンザ騒動  −ブログ「ようこそ社楽人」5月3日より−
 予定を変更して、新型インフルエンザについて。
 毎日新聞によれば、1日現在、海外への修学旅行を中止か延期した学校が15校あるそうです。その一方で、今日の中日新聞のように「日本は過剰反応」という見出しも出てきました。
 どうとらえればよいのでしょうか?
 私は、現時点では過剰反応だと考えます。新型インフルエンザ=鳥インフルエンザA型(H5N1)のイメージでシミュレーションした通りの行動をとっているからです。
 確かに、H5N1は驚異です。2003年からアジアで再び流行したA型(H5N1)鳥インフルエンザでは、患者421人に対して死者が257人。致死率61%に達しました。
 しかし、今回のA型(H1N1)は、2日午前10時現在で2.63%。
 過去のデータと比較してみましょう。
 1918年スペイン風邪 A型(H1N1)は死者 4,000万人;致死率 2.0%
 1957年アジア風邪  A型(H2N2)は死者 200万人;致死率  0.5%
 1968年香港風邪   A型(H3N2)は死者 100万人;致死率  0.5%
 通常の季節性インフルエンザは日本で1万人前後(致死率0.05%)
                           毎日新聞 2009年4月30日より
 メキシコでは多くの人が亡くなっていますが、良好な衛生状態とタミフルやリレンザの備蓄があれば、対処できる毒性と考えるのがよいのではないでしょうか。
 今回のA型(H1N1)は、スペイン風邪、この冬に流行したソ連型と同じ型の亜種といわれています。うがい、手洗いの励行は当然としても、修学旅行中止などといった生徒の学ぶ権利を奪うような対処は、慎重に考えなければと思います。
☆★☆ コメント ☆★☆
 5日の中日新聞朝刊では「スペイン風邪より弱い」と出ています。岐阜県では弱毒性を想定した新アクションプランを策定しました。A型(H5N1)の訓練ができたことなので、ここはそろそろ沈静化に向かうべきだと思います。もちろん、やるべき最低限ことをやった上ですが…

 新型インフルエンザ関連情報リンク集 
 厚生労働省をはじめ、国立感染研究所や外務省の海外安全ホームページなど、随時情報が更新されている。新型インフルエンザに関する正しい知識を得るには、まずはこうした公式情報をチェックしよう。また、各都道府県などでも情報を提供しているところが多いので地元のサイトをチェックしておこう。
(1) 厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/ 
 新型インフルエンザに関して、総合的に状況をチェックするならまずこのページを見ておきたい。政府インターネットテレビや、厚生労働省動画チャンネル(MHLW Channel)で、動画によるわかりやすい解説も提供する。

(2) 国立感染症研究所  http://www.nih.go.jp/niid/ 
 インフルエンザ流行レベルマップのほか、疾患別情報で「ブタインフルエンザ」の情報を提供。インフルエンザ・パンデミックに関するQ&Aも公開する。正しい知識を得るためにチェックしておきたいサイト。

(3) 外務省:海外安全ホームページ  http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html 
 海外へ渡航する際には必ずチェックしておきたい、外務省が提供する渡航先安全情報のページ。新型インフルエンザの発生状況についても随時情報提供している。

(4) 外務省:新型インフルエンザ 
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kansen/influenza/influenza02.html 
外務省の新型インフルエンザに関する対応や、公開した情報など発表をまとめたページ。

(5) 東京都福祉保険局:メキシコ・米国から帰国された都民の皆様へ
 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/butainfuruenza/index.html 
 保健所の問い合わせ先一覧を掲載。新型インフルエンザについてのやさしいQ&AもPDFファイルで公開。また、米CDCの豚インフルエンザに関するQ&Aの翻訳もPDFで提供している。

(6) 首相官邸:政府対応まとめ
 http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html 
 海外における新型インフルエンザの発生に関する政府の対応状況をまとめたページ。政府の公式発表をチェックするのに便利だ。

(7)農林水産省:新型インフルエンザ関連情報 http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html 
 内閣府食品安全委員会事務局の見解など、食肉の視点からまとめた豚インフルエンザ関連情報を提供する。
 

 行き過ぎ
次の記事に注目してみましょう。
−−−−−−以下引用−−−−−
 飲酒運転で免職は「過酷」 大阪高裁、相次ぎ取り消し
 兵庫県加西市の元課長と神戸市消防局の元消防士長を、酒気帯び運転を理由に懲戒免職とした処分の適否が争われた2件の訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は24日、いずれも「過酷だ」として1審神戸地裁に続いて、処分を取り消すとの判断を示し、両市の控訴を退けた。
 判決理由で島田清次郎裁判長は「免職による損害は甚大で、公務員の半生を棒に振らせるに等しい」と指摘。「原則免職」とする指針や運用そのものは「過酷ではない」としたが、個別事情を総合的に考慮してバランスを欠くことがないよう、行政側には慎重な対応を求めた。
 飲酒運転の厳罰化や社会的制裁が強まる中、この日の判決は論議に一石を投じそうだ。
 判決によると、加西市の元課長は2007年5月の休日、昼食時に知人に勧められ飲酒。その後、呼気1リットル当たり0・15ミリグラムのアルコールを検出する酒気帯び運転で摘発された。                 2009/04/24 18:45  【共同通信
−−−−−−−引用終わり−−−−−−−
 元消防士の場合は、前夜のアルコールが10時間近くたっても分解されずに残っていたものです。それで免職は、確かに厳しすぎます。
 それでは、自治体の処分はなぜこれほど厳しくなったのでしょうか?
 世論の魔女狩り現象だと思うのです。そのきっかけは福岡市で3児が死亡した飲酒運転事故です。もちろんあってはならないことですが、それ以後、法律とともに、各自治体が厳罰化に進みました。
 自治体は世論に敏感です。そして、厳しい規準に横並びにする傾向があります。酒酔いと酒気帯びの区別をすることもなく、マスコミ報道と世論に押された結果だと思うのです。
 今回の司法は冷静な判断だと思います。あくまでも、全体のバランスから考えるべきです。
 マスコミ報道も、ぜひ冷静に、公平にあってほしいと思います。草g報道はあまりにもバランスを欠き、インフルエンザ報道は不安をあおっています。
 
 役立ちWeb特集 
(1)名古屋をとりまく歴史街道   http://nagoya400history.com/kaido/   おすすめ!

(2)世の中の全ての計算が行えるサイト  超おすすめ!
 計算に関する、関数、公式、雑学などを集めたサイト。生活編/教育編/専門編などに分類されていて、計算式を選んで数値を入力すると答えを表示する。
 数学公式集では、複素数の四則演算からつるかめ算まで200近い計算式があり、計算にまつわる雑学では、インド式計算を動画で解説してくれる。 http://keisan.casio.jp/ 

(3)「高齢者の安否見守り」や「いるふり防犯」を行うホームサーバーシステム
 「高齢者の安否見守り」や「いるふり防犯」を行うホームサーバーシステムが登場。テレビ、炊飯ジャーなどの使用電力を検知し、家族の携帯電話へ自動的にメール
送信。インターネット経由で、遠隔操作で電源をOFFにすることも。

(4)錯覚の情報を集めたウェブサイト   超おすすめ!
 インタラクティブに錯視や錯聴を楽しめるサイト。体験と同時に原理や仕組みなどの解説や、おすすめ書籍・リンクがまとめられている。

(5)時代とともに移り変わる地形の変化を地図で確認    社楽の会推薦!←かってに
 同じ場所を描いた年代別の地形図を切り替えて表示することで、地形の移り変わりを確認できる地形図閲覧ソフト(フリーソフト)が登場。首都圏、中京圏、京阪神圏という3つの地域の地形図を閲覧可能。首都圏の場合、明治時代から現代まで9通りの年代を用意。

(6)新聞広告の検索ポータルサイト
 新聞広告を検索して読め、全文読める、新聞広告の検索ポータルサイトがオープン。練りこまれた広告表現が一堂に見られ、新聞広告を通して、知ることのなかった企業や企業の表情と出会える、全文まで読める新聞広告サイト。  http://www.sinbunkoukoku.com/

(7)地球の歩き方「世界の地図」
 地図を利用して海外旅行の情報収集を視覚的に行うことができるサービスが登場。海外都市や世界遺産など有名観光スポットの持つ緯度経度情報を活用し、ユーザー口コミや、現地在住特派員によるブログ記事など、複合的に海外情報を利用できる。少し重いけど…

(8)子供達がインターネットで社会勉強・お仕事体験    おもしろそう!
 小・中学生を中心とした子供達が楽しみながらさまざまな社会勉強やお仕事体験ができるサイトがオープン。インターネット上にある仮想都市「お仕事タウン」内のお仕事体験型アトラクション(お仕事体験ゲーム)で、社会勉強やさまざまなお仕事を体験。  http://link.channel.or.jp/ 

(9)国際宇宙ステーションを見よう        
 宇宙空間で建設中の国際宇宙ステーション(ISS)。完成するとサッカー場くらいの大きさに。条件がそろえば、日の出前と日没後の2時間ほどの間に地上から肉眼で見ることができます。国際宇宙ステーションを探してみましょう。   http://kibo.tksc.jaxa.jp/ 

(10)「足して2で割ったようなミュージシャン」を検索    なぜ??
「足して2で割ったようなミュージシャン」を検索するシステムが登場。 2つの入力ボックスに好きなモノ、ミュージシャン名,、「風鈴」や「富士山」などの音楽とは全く関係のないようなモノの名前を入れて検索可能。 http://rhythmixearch.net/

(11)数学・科学の学習や教育を支援するソフトウェア
 数学・科学の学習や教育を支援するソフトウェアが登場。豊富なグラフ機能を備えた科学計算用の電卓のように使えるだけではなく、計算結果や途中式、グラフを他のアプリケーション上にコピーできる。テスト問題作成や、論文を作成する際に効率的な文書作成が可能。

(12)平成20年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について

6  教育関連情報
(1)ブログ 退職教員の実践記録
☆★☆ コメント ☆★☆
   中学校国語・学級経営・行事について、これまでの実践の集大成の記録である。一人ひとりの  教員がこのような記録を残していけば、日本の教育文化の向上は間違いない。
(2)男性の生涯未婚率急上昇、30年間で2.12%→15.9%
生涯結婚しない独身者が急増している。国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集によると、2005年の生涯未婚率(「45〜49歳」と「50〜54歳」の未婚率の平均値から50歳時の未婚率を算出したもの)は、男性15.96%、女性7.25%。男性は6人に1人が生涯独身のまま過ごす。
 結婚するのが当たり前だった1975年当時、男性の未婚率は2.12%、女性は4.32%。男性の未婚率は女性を下回っていた。ところが80年代に入ると未婚男性が急速に増え始める。90年には男性の未婚率が女性を上回った。この間、86年には男女雇用機会均等法が施行され、女性の社会進出が加速的に進むようになる。それとともに初婚年齢も急上昇。07年の平均初婚年齢は男性が30.1歳、女性が28.3歳。30年前の77年と比べると、男性は2.7歳、女性は3.3歳も上昇した。また30〜34歳男性の未婚率は75年の14.3%→05年47.7%、女性も7.7%→32.6%、男女とも3倍以上に跳ね上がった。
 晩婚化が少子化の一要因との指摘もあるが、生涯未婚率の急上昇ぶりは尋常ではない。明らかに社会存続の危機だ。本当の少子化対策とは、生涯未婚率の増加にいかに歯止めを掛けるか、結婚対策にあると言えよう。   出典   http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/data/dt090427.html 

 
 MM紹介
(1)MM小学1903 正義と勇気を育てる学級&学年集団づくりNO88(2009年4月)
                        道徳教育改革集団鹿児島  内山 義朗
 5月連休までに到達すべき子ども像・学級像と不可欠な指導群
 2008年度が終了した。前号で4月の学級づくりについて、述べた。
 このところ10年間程、私が意識して取り組んできた点である。
「最初の一週間で到達すべき子ども像をまずは描く。」「理想とする学級像とそのための不可欠な指導群を意識して実践する。」の必要性と観点5点を示した。
 本号では、その続きを示す。このところ約10年間、私が意識して進めている5点。
 
1 自習ができる。
 教育とは、学習する側の自立を目的とする働きかけである。だから、その子なりに自ら習い学ぶ力を育てていくのは重要である。いわゆる学校における自習ができる力を育てていくことも、大切である。
 授業中であれば、教職員が教室に常時居るのが、当たり前。その中で自習ではつけられない力をこそ育てる必要がある。
 ではあるが、そうもいかない場合も現実にはある。
 例えば、朝自習等が学校の日課表に設定されている場合である。職員連絡会の時間帯に設定されている場合が多い。
 職員連絡会を終えて教室が騒然としていれば、後の授業や活動にも差し支えがあるだろう。
 殆どの学校では研究授業が行われているはず。その間、学級は自習にして研究授業学級で参観することになる。
 自習ができず、担任不在の状態では事故すら起きかねない学級ならば、授業参観どころではない。参観時間も短くせざるを得ない。
 ほかにも、「怪我をした子への対応」「体調不良の子への対応及び家庭連絡」「不登校の子への対応」「教室に入れない子・教室を脱出した子への対応」等、学級全員の子どもたちを相手にしていられない場合がある。子ども個への対応が必要な場合がある。
 それらは、緊急な対応を要する場合がある。そんな時、「自習しておきなさい。」のように一言で済ませられるような状態にしておく。
 自習の条件は一つ。「だれにも迷惑をかけずに学習する。」が条件。
 だから、まずは「一人でできる内容」「声・音を出さずにできる内容」をできるようにさせている。
 自習の目標は一つ。「自分にとって、ためになる学習をする。」が目標。
 年度初め、最初は読書でも良い。教科書を眺めるのも良い。だれ一人座席を離れず話しかけず、しいんとした状態にする。
 まずは、教職員がいる場でできるようにさせる。話しかける・音を立てる子を注意する。呼名して返事をさせるだけである。
 教職員不在の自習時間帯の後には、「できたか否か」を確認する。自習内容を指示してあった場合も含めてである。
 次に、よりためになる内容をできるようにさせる。例えば、計算の苦手な子は計算練習・漢字書き取りが苦手な子は漢字練習。人間、楽な方に流れがちである。
「○○さん、いい自習をしているなあ。」
「○○さん、君はほかにやるべきことがあるでしょう。」
 教職員がいる場で、このような自習時間を短く設定してやらせるのが一方法。言葉かけは、教室内のみんなに聞こえる大きさの声。
 すると、直接、言葉をかけられなくとも気づいた該当者は、内容を変更する。
 テストが早く終わって提出した後も、自習として位置づけている。早く提出した子は、その時間の教科について自習するルールにしている。
 例えば、国語科テストの後は、「テストで正解を書けたか自信がない所を確認する」「正しく書けなかった漢字を書く練習をする。」「辞書で言葉の意味調べをする。」「教科書を読む。」など。
 
2 周囲のごみを拾える。
 身の回りに紙くずがたくさん。教室内に使用済みティッシュペーパーや紙切れなどのごみが毎日のように落ちている。
 ちり箱の周囲にも、鉛筆の削りかすがたくさん。ちり箱の蓋も開けっ放し。
 廊下・階段にも、ごみがしょっちゅう落ちている。全校集会後、たくさんの子どもが先に通っているのに、だれも拾おうとしない。
 清掃時間直後であるにも関わらず、ごみが落ちている。
 まずは「気づかせる」必要がある。
「教室を見渡してごらん。気づいたことを発表してもらいます。」
 すると気づく子が増える。「異常な事実」が出される。
 つまり「異常に気づいているのに、異常を変えるための行動が全くない」状態の子が多いのがわかる。そこで、次は行為化が必要。
「1分間あげます。やりたい行為をやってごらん。」
 まずは、「気づかせる場」「行動する場」を短く設定し、このような方法を繰り返していけば変わる。
 例えば、靴の並べ方が乱雑な時。傘だてに忘れ去られた傘が多い時。トイレのスリッパがぐちゃぐちゃな時。図工室など特別教室の後始末が不十分な時。
 学校は公共の場である。公共の場をきれいに使うのは、「正義」行為である。公共の場を汚す・乱雑にするのは「悪」行為である。「面倒だから」の個人の欲望だけで後始末を放って汚いままでしておくのは「悪」行為である。
 しかも「使った場所を元通りにする」「ちらしたごみを拾う」のは難しいことではない。1枚の紙くずを拾いちり箱に捨てるのは数秒でできる。
 だから、「周囲のごみを拾う」のは正義行為の第1歩でもあるのだ。そんな簡単なことすらできなくて、「世のため人のため」になるような大した行為はできない。
 さて、先のように「気づく場の設定」「行為化する場の設定」をしていけば、変わる。その時、子どもの様子を観察しるのが大事だ。
 多くの子が気づかない「善」行為をする子がいたら、みんなの前で事実を褒めればよい。例えば「○○さんは、みんなが気づいていない○○をきれいにしていました。」「○○さんは、○○の所と○○の所をきれいにしていました。1番頑張っていました。」と。
 すると、褒めた方向に多くの子どもが変わっていく。まずは「ごみを拾える子」を増やしていくのが早道。
 ただし、これだけだと「放っておいても日常生活の中で気づく子と気づかない子」「よく動く子と全く動かない子」がいる。「身の回りのごみ・足下にあるごみにすら気づかない子」「ごみを拾う行為をしない子」をそのままにしておいていいはずがない。
 そこで、次の段階は「気づかない子」「なかなか動かない子」を変えていく指導が必要になる。
 例えば、その子を指名し「気づいたこと」を発言させる。「何も気づかない」ということなら気づかせるようにすればよい。あるいは「気づいている子」に教えさせる。
 次に、その子に行動させる。そして「ごみ発見係」にする方法もある。方法は、様々でよい。
 めざす具体的な子ども像が定まっていれば、方法は実態に合わせながら工夫していく必要がある。結果として、将来、子ども本人にとって、ためになるようにしていくのが重要だ。 
 
3 落とし物を拾い、みんなに尋ねられる。
 (略 2と同じような考え方です)
 
4 必要性のない形式行為をやめる。
 形式主義実践で、子どもは育たない。例えば、子どもたちが「皆さん、どうですか。」「同じです。」「いいと思います。」と毎回発言する授業。毎回、発言の度にパチパチパチパチパチパチパチパチと拍手の音がある授業。
 授業における子どもの発言場面で次のように指導されている学級がある。
「皆さん、どうですか。」「同じです。」「いいと思います。」
 パチパチパチパチパチパチパチパチの拍手。   
 そんな学級には、幾つかの共通点がある。
・思いつき発言が多い。  ・なかなか理由や根拠が示されない。 ・子どもの発言の声が小さい。
・子どもの発言が少ない。 ・「違います。」などの反対意見が出されない。
・論争場面がない。    ・子どもの発言が短い。 ・子どもの発言内容が、だらだらしている。
・拍手の仕方がいいかげん。 ・拍手が長い子がいる。 ・授業時間が延びる。 
・授業者による新たな知識の伝授が少ない。
 いわゆる活動主義授業となっている。
 表面上は、子ども同士の意見がつながっているように見える。しかし、深まりがない。
 授業者の発言が少なく子どもたちが活動している時間が長いように見える。しかし、良い授業というわけではない。
「子どもたちに、どれだけ学力形成ができるか。」こそが大事である。授業の本質を外してはならない。
 意見が分かれるような問いを出し、全員参加を促す目的ならば、○(賛成)か×(反対)かを問い、書かせた後に論争を仕組めばよい。それでこそ個々も集団も思考は深まる。
 だから、貴重な授業や活動の時間を浪費する行為は、潰していく必要がある。無駄遣い形式的行為は禁じていく。
 最初の一週間・二週間くらいは、様子見もあってよい。当然ながら、子どもたちは、前年度までに身に付けた力をいくらかは発揮する。前年度までのルール通りに行動する子も多いはずである。
 その中には効果的な行為もある。それは、学級のルールとして残していけばいい。良い行為は褒めて、他の子にも広げていけばいい。
 見定めた上で、形式的な時間の浪費でしかない先のような行為を禁じていく必要がある。
 
5 質問と連絡・お願いを使い分けできる。
 毎年度、同じような経験をしてきた。年度初めに、必ず次の質問をする子が現れる。
「トイレに行ってもいいですか。」
 一発目は、「漏れると困りますね。どうぞ。」と答え、トイレに行かせる。このままにしておくと、授業中、トイレに行く子が増える。当然である。「授業中トイレに行ってもいいですか。」と尋ねたら「自由に、トイレに行っても良い」の解釈のルールで進む。
 それでいいはずがない。間違いなく前年度まで、それで通ってきたのである。であれば、当然ながら、中学年段階で正す必要がある。
「〜ですか。」は質問である。相手に尋ねる言い方である。当然ながら、「だめ。」と返事する可能性はありうる。
 よって、そのような事実を確認した直後、授業で扱ってきた。
 「○○さんが、授業中こう言ってきました。」
『トイレに行っても良いですか。』
「この発言はおかしいでしょう。なぜですか。」
「『だめ』と言われたら本人が困る。漏らしたら、周りの人も困る。」
「授業中、トイレに行かなければ困る時、どう言えばいいのですか。」
「トイレに行かせてください。」
「すみません。トイレに行って来ます。」
 子どもたちから、このような発言が出なければ教える必要がある。その上で、次のように語る。
「授業中、トイレに行くと、その分授業を受けられないで困るのは本人です。だから、休み時間のうちに済ませておくべきです。その上で、お腹の調子が悪くなる場合もありえます。どうしてもトイレに行かなければまずい時は、『トイレに行かせてください』と、お願いこそすべきです。それだと『だめ』というわけにはいかないでしょう。」
☆★☆ コメント ☆★☆
 土井が昔やっていたことと同じようなことが行われている。変わらないものです。 
 
 研究会情報
(1)第17回授業実践フォーラム
 平成21年6月6日(土)、7日(日) 羽島市文化センター
  新学習指導要領とこれからの教育U 〜「習得・活用・探究」を具現する授業づくり〜
   6月6日 受付:12:00 開始:13:00 ・講演:神山 弘 ・基調講演:梶田 叡一
   6月7日 受付:9:00 開始:9:30  ・課題講演:加藤 明 ・授業実践講座/学校経営講座


  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp