第310回 社楽の会報告    第309回へ     第311回へ   TOPへ
                                                             
報告者  土 井
 2009年7月2日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は、土井、天野先生(大口町委),早川先生,小山先生(藤里小),勝村先生(羽黒小),大野先生(犬山中),小澤先生(犬山東小),谷先生(柏森小),野沢先生(宮田中),柴田先生(草井小),森本先生(古中),高木先生(犬南中)、奥村先生(岩南小),高橋先生(曽野小),池邑さんの15名でした。

 今回は、小山先生のエネルギー学習計画や学級通信、高橋先生の学校公開学習指導案、谷先生の授業骨子等の提案がありました。
 
 以下は、土井が提案したものです。番号をクリックしてください。

  加納小学校中間発表会 −ブログ「ようこそ社楽人」より−
 第17回授業実践フォーラム参加報告2
  書籍紹介
 都道府県の面積・可住地面積・宅地面積
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

加納小学校中間発表会 −ブログ「ようこそ社楽人」より−
 21日(土)には、岐阜市立加納小学校の中間発表会へ行ってきました。昨秋に続いての訪問です。
 加納小学校と言えば、昭和39年から始まった伝統のオペラ。音楽教育の一環として始め、昭和の後半には舞台セットや衣装も大がかりになりました。最近では、学校教育本来の簡素なものに戻っています。
 初代の6年生は、今や50歳代の後半。親子2代どころか、3代で演じる家族もいるかもしれません。6年生全員で、7月7日のサマランカホールでの本番を前に、練習の成果を披露してくれました。
 午前中に2時間の授業を見ました。その印象を思いつくまま並べてみます。
○ 友達の意見を実によく聞いている。学級内の良好な人間関係を基礎に、みんなの意見を聞いて、自分の考えを組み立てている。
○ 先生が出過ぎない。先生の目線が低く、子どもに対する敬意を大切にしている。教えるところは教え、子どもが活躍する場面では、じっと聞きながら見守っている。
○ どのクラスでも、どの子でも、主語と述語が入った文脈の中で意見を述べている。
 全体に、学び合う姿を見る事ができました。
 写真は4年生の音楽の場面です。3チームに分かれ、その半分がまず「とんび」の最後の4小節を歌い、その後聴いていた半数の子がアドバイスをしている場面です。「認め合い」だけでなく「教え合い」「高め合い」になっています。高いレベルの指摘がなされていました。
 加納小学校11月21日(土)には特別活動の発表をします。ぜひお出かけください。
 
 第17回授業実践フォーラム参加報告2
  平成21年6月6日(土)・7日(日)羽島市文化センターで開催されたフォーラムの参加報告を続けます。
 新学習指導要領の学力観と評価のあり方   中央教育審議会専門員 加藤 明
当日のレジメから紹介しました。

 
書籍紹介
(1)『名古屋時代MAP−江戸尾張編−』
 江戸時代の古地図と現代の地図(トレーシングペーパー)を重ね合わせて見られるよう工夫した、新しい発想の地図です。三都と呼ばれた江戸や大阪、京都にも劣らない繁栄を見せた名古屋。宗春のもとで独特な産業や文化を醸成した絢爛豪華な時代を伺い知る事ができます。
(2)『ビジュアル版 逆説の日本史2』
 「聖徳太子は実在しなかった」を徹底検証、という見出しがトップに来ています。以下、第2章:十七条憲法と「わ」の精神の源流、第3章:法隆寺「秘仏の謎」を解読、第4章:東大寺大仏殿に秘された平城京の深層…と続きます。
(3)『生きるために知っておくべき一覧表』アントレックス
 都道府県の面積・可住地面積・宅地面積
 これも、地理の授業に使えます。ブログより紹介します。
 
最も人が住める面積の割合が高い都道府県は?
 昨日は、「可住地面積」についてふれました。原野や河川、湖沼など、人が住めない地域を除いた面積のことです。日本では、国土37万平方キロメートルのうちの約3分の1、12万平方キロメートルです。
 それでは、問題です。可住地面積、すなわち人が住めるように開発されている面積の割合が最も高い都道府県はどこでしょうか?
 それでは面積および可住地面積のベスト10を紹介しましょう。
【面積ベスト10】
1 北海道、2 岩手県、3 福島県、4 長野県、5 新潟県、6 秋田県、7 岐阜県、8 青森県、9 山形県、10 鹿児島県 です。ちなみに愛知県は27位。最小は香川県です。
 
【可住地面積ベスト10】
1 北海道、2 新潟県、3 福島県、4 茨城県、5 岩手県、6 千葉県、7 長野県、8 鹿児島県、9 青森県、10 秋田県 です。愛知県は12位。最小は奈良県です。
 やはり、関東平野の県の躍進が目立ちます。愛知県も順位を相当上げています。
 それでは、可住地面積の割合が高い都道府県を発表します。
 
1 大阪府 69.4%、2 埼玉県・千葉県 67.6%、以下、4 茨城県、5 東京都、6 神奈川県、7 愛知県、8 福岡県、9 佐賀県、10 香川県 と続きます。
 それでは最低は?
 北海道?、山が多い山梨県?奈良県? いいえ、意外にも高知県で16.4%なのです。
 地理の授業に使えますね。
 
宅地の面積が北海道の次に広い県は?
 昨日は、可住地面積の割合が高い都道府県について考えました。
 今日は、宅地面積について考えてみましょう。
 都道府県別に見ると、北海道がダントツに広いことは予想できます。それでは第2位は?正解は最後に出てきますので、みなさん、それまでにまず自分で予想してみてください。
 ところで、宅地面積とは、国有地面積・宅地+都道府県有地面積・宅地+市町村有地面積・宅地+民有地面積・宅地 の合計、要するに、住宅用地です。可住地面積が広くて、なおかつ世帯数が多く、一軒家が多いところが広くなります。
 宅地面積の少ない10県から見てみましょう。
43 位(面積44位)沖縄県  44 位(面積30位)和歌山県   45位(面積 41位)鳥取県
46 位(面積36位)徳島県   7 位(面積18位) 高知県
 やはり、面積が平均以上の高知県が最低というのは意外な気がしませんか?
 可住地面積39位の沖縄が43位なのは、米軍基地にとられているからでしょう。
 それでは、宅地面積が広い方の3位以下を見てみましょう。
3位(面積28位)千葉県   4位(面積39位)埼玉県  5 位(面積29位)福岡県
6 位(面積24位)茨城県  7位(面積 45位)東京都  8位(面積 43位)神奈川県
9 位(面積12位)兵庫県  10位(面積13位)静岡県
 やはり、人口が多い首都圏は宅地も広いようです。面積45位の東京都が7位なのもうなずけます。
 それでは、宅地面積2位の県は予想できましたか?
 正解は…                       愛知県でした。





 役立ちWeb特集 
(1)コミュニティ・スクールの指定状況について ―全国30都府県478校に広がる―
 ・ 平成21年度コミュニティ・スクール推進協議会の開催について
(2)管理職のための学校ホームページ戦略〜学校のお荷物を切り札に〜
 8月8日東京・新宿にて学校広報研究会セミナーを開催。「学校のお荷物を切り札に」をキーワードに、特に学校広報における学校ホームページの役割について取り上げ、管理職の視点からその必要性と潜在的可能性の認識を深める企画。
(3)学校非公式サイト等の監視を開始
 東京都教育委員会では、学校非公式サイト(いわゆる学校裏サイト)等の監視を実施し、不適切な書き込みがあった場合には、緊急性・危険性のレベルに応じた対応を行う。都内公立学校全校を対象に継続的に監視。
(4)教育課程部会 児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ(第2回)配付資料
(5)児童委員・主任児童委員の積極的な活用による児童健全育成及び家庭教育支援施策の推進について http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1262950.htm 

6  教育関連情報
(1)マスコミ報道 −ブログ「ようこそ社楽人」より−
 学校の耐震化 安全確保は待ったなし
 今朝のある新聞社説の見出しです。冒頭の文章は次のものです。
 「全国の公立小中学校のうち、震度6強の地震で倒壊の危険性が高い校舎や体育館は七千三百棟にのぼる。子供たちの学びやは地域の防災拠点でもある。自治体は待ったなしで耐震化の工事を進めよ。」
 これはわかります。正論でしょう。
 私が気になるのは次の部分です。
 「財政難で速やかに工事に入れないのであれば、危険性が高い校舎や体育館は使用禁止として、一時的に近隣の学校施設を共用させるといった対策はとれるはずだ。」
 全国の非耐震化率は、今年四月の時点で33%です。この33%の施設を使っている小中学生には近隣の学校施設を共用させる?
 単純計算で、33%の教師と児童・生徒が、67%の学校施設へ移動するのです。
 一般人の投書ならまだしも、新聞の社説とはとても思えません。
 きわめて非現実的だからです。(以下略) 
☆★☆ コメント ☆★☆
 ブログでは、この後、日本の1中学校当たりの平均面積を計算し、半径1.9qの円の面積に相当していると書いた。隣の中学校と平均3.8q離れていると言う計算である。「だから近隣の施設を使うなどと簡単に言うな!」と言うのは、論理的に飛躍がある事は分かっている。
 ただ、「近隣の学校施設を共用させるといった対策はとれるはずだ」という論調はいかがなものか。本当に可能か、シミュレーションした事があるのだろうか。マスコミは、発言には責任を持つべきだ。アメリカの新聞記事は署名が当たり前である。日本の新聞も、これまで以上に署名記事を増やしていただきたい。
 
(2)唾液で口の中の傷を回復 松本歯科大が仕組み解明(長野)
 口の中に傷ができると、唾液(だえき)に含まれるたんぱく質の一種「ヒスタチン」が別のたんぱく質と結合して、歯肉細胞を増殖させて傷をふさぐことが、松本歯科大(塩尻市)の王宝禮教授(歯科薬理学)と今村泰弘講師(同)のグループの研究でわかった。
☆★☆ コメント ☆★☆
 少々のケガは「そんなもん唾つければ治る!」と言われて育った世代には、「良かった…」と思わせる研究結果が出た。
 同じ頃、「練習中は水を飲むな!」「水を飲むとスタミナがなくなる!」と言われた世代でもある。
 「科学」と「迷信」の関係、由来について調べてみるのもおもしろい。
(3)「やらない市町村長落とす」 反復学習で−橋下大阪府知事
 大阪府の橋下徹知事は23日、府教育委員が提唱する「反復学習」に言及する中で、「やらないところの市町村長は次回の選挙でどんどん落としていく。これが地方分権」と述べた。府庁内で記者団に語った。  http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/news/090624.html 
☆★☆ コメント ☆★☆
 見えていない。焦っている。これ以上コメントしたくない。
 
(4)実学重視の新学校制度を 中教審部会
 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別部会は22日、学校における今後の職業・キャリア教育についての中間報告案を審議した。報告案は、若い世代の離職率増加や人材に対するニーズの多様化などを踏まえ、より実践的な職業教育の枠組みを設ける必要があると指摘。現行の大学や専門学校などとは別に、実学重視の新たな学校制度を整えるのが適当との方向性を打ち出した。
☆★☆ コメント ☆★☆
 実学重視の歴史は、学問の歴史である。経験主義の根拠でもある。
 明治以降の日本の教育史は、経験主義と系統主義のせめぎ合いである事は、これまで何度も言ってきた。今回の指導要領は、系統主義グループの挽回である。そこで出たのがこの記事。もちろん、経験主義の主張である。
 まだ揺れている。
 

 
 MM紹介
(1)メールマガジン「授業成立プロジェクト(JSP)」第191号  2009年7月1日発行
  1 連載・こだわりの教育技術(その3)
        「1秒先の姿をほめる(2)」  宮城・仙台市立上杉山通小学校  中嶋 卓朗
 連載「こだわりの教育技術」、今回は中嶋卓朗さんの登板です。
 中嶋さんは「1秒先の姿をほめる」言葉かけの効用について、次の2つを挙げます。「やらされ感がなく、自分から動くこと」「微笑がみられること」。中嶋さんの指導に気持ちよく従う子どもたちの姿が目に浮かびました。教室に「安心感」を生む、教育技術の1つですね。
 私も意識して教室で使ってみようと思います。  (中村 健一)
------------------------------------------------------------------
 前回、ADHD児Aへの先輩教師の対応から学んだ【1秒先の姿をほめる】言葉がけについて書きました。今回は、A以外の子どもたちへの対応について書きます。
 Aへの対応を重ねているうちに、【1秒先の姿をほめる】くせがついてきました。
 頭の中に、子どもの1秒先にすてきな姿を見る回路が開発されたという感覚です。
 当初、A以外の子どもたちには何の気なしに「もう少し丁寧に書くといいね」とか「背中を伸ばして」とか「もっと大きな声で」などと声をかけていました。
 【今の姿を直す】声がけです。
 子どもたちもそれに従って行動を修正していました。
 Aへの対応と他の子どもたちへの対応を平行して行っているうちにだんだんと垣根がなくなってきたというのでしょうか。
 子どもたちの間を歩きながらA以外の子に【1秒先の姿をほめる】声がけをする機会が増えていきました。
 【1秒先の姿をほめる】ことで、Aは笑みを浮かべて自分から行動する。そんなAの姿を見ることは私にとって喜びでした。
 【今の姿を直す】声がけと【1秒先の姿をほめる】声がけ。喜びを得られる方を自然と選択するようになったのだと思います。
 A以外の子どもに声がけした例を挙げます。
・場面
○私の声がけ
●子どもの反応
・帰りのあいさつの時、「起立」と声を出した係の子に向かって
○「お、今日は元気なあいさつが聞けそうな予感がする」
●にかっと笑い、張りのある声で「明日も元気に来て下さい。さようなら!」
・算数の時間。なかなか定規を使わない子がフリーハンドで書いた線を消した瞬間
○「お、定規を使って引こうとしているね」
●定規を持って線を引く
・おしりをいすから落として座っている子が、足を動かした瞬間
○「お、いい姿勢で座ろうとしているね。」
●座り直す
・漢字練習中、弱い筆圧でさらさら書いている子。2行目に移った瞬間
○「おお、いい字を書こうとしているね。・・・うん、黒々としたカチッとした字だ」
●強い筆圧で、線一本一本をしっかり書き始める。
・野菜が苦手な女の子。おかずに箸を付けようとしたとき
○「お、今日は、いつもより多く食べようとしているでしょ。」
●「先生、今日はけっこう食べたよ」と見せに来る。
【今の姿を直す】声がけの時と違うのは
・やらされ感がなく、自分から動くこと
・微笑がみられること
 A以外の子どもたちの反応も【1秒先の姿をほめる】方に軍配を上げました。Aが気づかせてくれた【1秒先の姿をほめる】は一般化できる教育技術なのだと感じています。では、どのように【1秒先の姿をほめる】のか。
 どんなタイミングで、どんなスタンスで、どんな感覚で
 子どもたちの反応を確かめながらの試行錯誤から3つのポイントがあることに気付きました。
1 流れの変化点をとらえる(タイミング)
2 指示せず気付く(スタンス)
3 まずほめて、そのあと「導く」(感覚)
 次回、くわしくふれたいと思います。
☆★☆ コメント ☆★☆
 おもしろい!実は、普段よく使っている技だが、「1秒先の姿をほめる」というとらえ方でまとめたのが新しい。書かれている通り、「やらされ感がなく、自分から動くこと」が大きい。特に、小学校高学年から中学生にかけては、自尊心を適度にくすぐる。ほめる材料ができ、注意する材料が減らせる。教室が明るくなる。
 
(2) ODAメールマガジン □●□  2009年6月24日発行  第162号
 ○羽ばたけイラク (原稿執筆:在イラク日本国大使館 高元次郎 一等書記官)
 誰かが言った、「イラクは80s(エイティーズ)の国だ」。僕にとって80sと言えば篠塚、中畑、クロマティを擁する読売ジャイアンツやつくば万博を何故か思い出す。しかし、ここイラクでいう80sとは、そんな華やかなイメージとは無縁の、80年代以降全く整備されていない国を意味する。
 1990年のイラク軍のクウェート侵攻により経済制裁が加えられ、その後2003年まで繰り返された戦争により、イラクの経済活動は衰退し、国内のあらゆるインフラ施設は放置された。下水施設、発電所、港湾、通信網など生活に必要な施設の老朽化は激しい。
 イラク人にとって日本は憧れの国である。同じように敗戦を経験したものの、華々しく戦後復興を遂げ、一躍国際社会のスタープレーヤーにまで成長した。イラクは日本をモデルとしている、そう誰もが口を揃える
 そんな期待に応えるかのように、日本も積極的に支援している。2003年には総額50億ドルのODAを約束し、2009年6月までに約40億ドルを超える支援を実施してきた。米国に次ぐ2番の支援国だ。確かに大金であるが、イラク復興のため、そして、なにより長期的・戦略的に日本イラク経済関係を構築していくためには必要な先行投資だ。
例えば、イラク南部のバスラにあるウンム・カスル港湾を日本の円借款で整備している。地図で確認して頂きたいのだが、この湾が商業港湾として機能すれば、ペルシャ湾からイラクを経由してトルコ、
更にはヨーロッパへ抜ける一大物流ルートが完成される。
「日本の支援が完成すれば、バスラはドバイになれる。ドバイにあってバスラに真似できないのはビーチだけだ」。バスラの人間は鼻息荒く本気で語る。ドバイとまではいかなくてもウンム・カスル港湾が整備され、バスラがイラクの物流の拠点として機能すればその経済的効果は計り知れない。もちろん、資源輸入国である日本にとっても、
 石油埋蔵量が世界3位とも言われるイラクと強力なタッグを組んでおくことは後々役に立つ。いずれこのバスラが日本とイラクの貿易の拠点となる日が来るであろう。
 真夏の最高気温が59度とちょっと観光は不向きだが。
☆★☆ コメント ☆★☆
 イラクのこうした情報はなかなか手に入らない。イラクの人が日本に憧れているのなら、日本としても何とかしてあげなくてはいけない。
 
8 研究会情報
(1)第46回教育者研究会
平成21年7月30日(木)13:00〜16:30
  江南市民文化会館 2階大会議室
講師 野口 芳宏 先生(植草学園大学 発達教育学部教授)
テーマ「道徳教育の今昔@,A」   模擬授業形式でとお願いしました。

  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp