第312回 社楽の会報告    第311回へ     第313回へ   TOPへ
                                                             
報告者  土 井
 2009年9月3日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は、土井(江南市教委)、阿部先生(大中)、大島先生(草井小)、大野先生(犬山中)、吉田先生、上田先生(古西小)、奥村先生(岩南小)、小澤先生(犬東小)、木先生(犬南中)、天野先生(大口町教委)の計10名でした。
 
 以下は、土井が文書提案したものです。番号をクリックしてください。

  ブログ「あなたも社楽人」
 関ヶ原−ブログより−
  その日の社説
  「指導と評価大学講座」聴講報告
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

ブログ「あなたも社楽人」
 これまでの「勉強にはやり方がある」シリーズ、「社会科こぼれ話」シリーズを加え、より強力にしていきます。
 その後、「教師のための指導法」をシリーズでまとめる予定です。
  http://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/

 
 関ヶ原の資料
   いくつか仕入れてきました。実物を紹介しました。
 

 その日の社説
 記念すべき、8・31の社説を残しておきたいと思います。全て引用です。
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民主圧勝 政権交代―民意の雪崩受け止めよ
 小選挙区制のすさまじいまでの破壊力である。民意の劇的なうねりのなかで、日本の政治に政権交代という新しいページが開かれた。
 それにしても衝撃的な結果だ。小選挙区で自民党の閣僚ら有力者が次々と敗北。麻生首相は総裁辞任の意向を示した。公明党は代表と幹事長が落選した。代わりに続々と勝ち名乗りを上げたのは、政治の舞台ではほとんど無名の民主党の若手や女性候補たちだ。
 
 ■100日で足場固めを
 うねりの原因ははっきりしている。少子高齢化が象徴する日本社会の構造変化、グローバル化の中での地域経済の疲弊。そうした激しい変化に対応できなかった自民党への不信だ。そして、世界同時不況の中で、社会全体に漂う閉塞(へいそく)感と将来への不安である。
 民意は民主党へ雪崩をうった。その激しさは「このままではだめだ」「とにかく政治を変えてみよう」という人々の思いがいかに深いかを物語る。
 では、それが民主党政権への信頼となっているかと言えば、答えはノーだろう。朝日新聞の世論調査で、民主党の政策への評価は驚くほど低い。期待半分、不安半分というのが正直なところではあるまいか。
 長く野党にあった政党が、いきなり政権の座につく。民主党は政治の意思決定の方法や官僚との関係を大改革するという。だが、すべてを一気に変えるのは難しいし、成果をあせって猛進するのはつまずきのもとだ。
 そこで民主党に提案したい。
 最初の正念場は、来年度予算編成を終える12月末までだ。9月半ばの政権発足からほぼ100日間。これを政権の足場を固めるための時間と位置づけ、優先順位を明確にして全力で取り組むことだ。
 やるべきことは三つある。
 第一は、政治と行政を透明化することである。与党になれば、官僚が握る政府の情報が容易に入手できるようになる。それを洗いざらい総点検し、国民に情報を公開してもらいたい。
 
 ■賢く豹変する勇気も
 天下り、随意契約、官製談合、薬害、そして歴代の自民党政権がひた隠しにしてきた核兵器持ち込みに絡む日米密約……。かつて「消えた年金」を暴いたように、隠されてきたさまざまな闇を徹底的に検証してもらいたい。
 
 第二に、政策を具体化するにあたって、間違った点や足りない点が見つかったら豹変(ひょうへん)の勇気をもつことだ。
 マニフェストを誠実に実行するのは大事なことだ。だが民主党が重く受け止めるべきは、その財源について、本紙の世論調査で83%もの人が「不安を感じる」と答えていることだ。高速道路の無料化など、柔軟に見直すべき政策はある。むろん、政策を変えるならその理由を国民にきちんと説明することが絶対条件だ。
 急ぐべきは一般会計と特別会計の内容を精査し、ムダな事業や優先度の低い政策を洗い出して、国民に示すことである。その作業なしに説得力のある予算編成は難しい。
 鳩山新首相は、9月下旬には国連総会やG20の金融サミットに出席する。これまでの外交政策の何を継続し、何を変えるのか。基本的な方針を速やかに明らかにし、国民と国際社会を安心させる必要がある。
 
 第三に、国家戦略局、行政刷新会議をはじめとする政権の新しい意思決定システムを、人事態勢を含め着実に機能させることだ。
 自民党政権の特徴だった政府と党の二元体制に代えて、政策決定を首相官邸主導に一元化する。官僚が政策を積み上げ、政治が追認するというやり方を改め、政治が優先順位を決める。まず来年度の予算編成にそれがどう生かされるかを国民は注視している。
 
 ■「二重権力」を排せ
 民主党のあまりの圧勝ぶりには、新たな不安を覚える有権者も少なくなかろう。巨大与党に対してチェック機能をだれが果たせるのか。他方、選挙対策を一手に担った小沢一郎前代表の影響力が強まることで、民主党内にあつれきが生じないかも気がかりだ。
 93年の政権交代で生まれた細川内閣が、与党を仕切る小沢氏との「二重権力」のなかで短命に終わった歴史を思い出す。それを繰り返してはならない。国民の危惧(きぐ)をぬぐうには、鳩山首相のリーダーシップをはっきりと確立すべきだ。
 そのためにも、鳩山氏は来年度予算案に政権担当者としての明確な意思と4年間の行程表を練り込むことだ。
 今回の総選挙を、政権交代の可能性が常に開かれた「2009年体制」への第一歩にできるかどうか。それは、2大政党のこれからにかかっている。
 自民党の党勢立て直しは容易ではあるまい。それでも、民主党がしくじれば交代できる「政権準備党」の態勢を早く整えることだ。そのためには今回の敗因を正面から見据え、「新しい自民党」へ脱皮する作業が欠かせない。
 「とにかく政権交代」の掛け声で巨大政党に膨れあがった民主党は、交代を果たした後の自画像をどう描くかが今日から問われる。広がった支持基盤とどういう距離感をもつのか、外交・安全保障での理念やスタンスは……。「民主党とは何か」をもっと明確に出していかねばならない。
 新しくめくられた政治のページを埋めていく作業はこれからだ。
         http://www.asahi.com/paper/editorial20090831.html 朝日新聞
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民主党政権実現 変化への期待と重責に応えよ(8月31日付・読売社説)
 自民党政治に対する不満と、民主党政権誕生による「変化」への期待が歴史的な政権交代をもたらした。
 30日投開票の衆院選で民主党が大勝し、自民党は結党以来の惨敗を喫した。
 野党が衆院選で単独過半数を獲得し、政権交代を果たしたのは戦後初めてのことである。
 近く召集される予定の特別国会で、首相に指名される民主党の鳩山代表が、国家経営の重責を担うことになる。
 
 ◆自民党への失望と飽き◆
 このような民意の大変動の要因は、自民党にある。
 小泉内閣の市場原理主義的な政策は、「格差社会」を助長し、医療・介護現場の荒廃や地方の疲弊を招いた。
 小泉後継の安倍、福田両首相は相次いで政権を投げ出した。
 麻生首相は、小泉路線の修正も中途半端なまま、首相としての資質を問われる言動を続けて、失点を重ねた。
 この間、自民党は、参院選敗北によって参院第1党の座を失い、従来の支持・業界団体も、自民離れを加速させた。
 構造改革路線の行き過ぎ、指導者の責任放棄と力量不足、支持団体の離反、長期政権への失望と飽きが、自民党の歴史的敗北につながったと言えよう。
 民主党は、こうした自民党の行き詰まりを批判し、子ども手当や高速道路無料化など家計支援策、多様な候補者を立てる選挙戦術で有権者の不満を吸い上げた。
 小泉政権下の前回衆院選では、「郵政民営化」と刺客騒動で、自民党に強い追い風が吹いた。
 今回、風向きは一転、「政権交代」を唱えた民主党側に変わり、圧勝への勢いを与えた。この結果、自民党だけでなく、連立与党の公明党も大きな打撃を受けた。
 民主党政権に「不安」は感じつつも、一度は政権交代を、との有権者の意識が、それだけ根強かったと見るべきだろう。
 しかし、300議席を超す勝利は、必ずしも、民主党への白紙委任を意味するものではない。
 
 ◆政権公約の見直しを◆
 鳩山新内閣は、政権公約(マニフェスト)で示した工程表に従って、政策を進めることになる。だが、“選挙用”政権公約にこだわるあまり、国民生活を不安定にさせてはならない。
 最大の課題は、大不況から立ち直りかけている日本経済を着実な回復軌道に乗せることだ。雇用情勢の悪化を考えれば、切れ目のない景気対策が欠かせない。
 来年度予算編成でも、景気浮揚に最大限の配慮が必要だ。
 外交・安全保障では、政権交代によって、国際公約を反故(ほご)にすることは許されない。外交の継続性に留意し、日米同盟を堅持しなければならない。
 民主党は、参院では単独過半数を持たないことから、社民、国民新両党と連立政権協議に入る。
 懸念されるのは、自衛隊の国際平和協力活動など、外交・安保の基本にかかわる政策をめぐって、民主、社民両党間に大きな隔たりがあることだ。
 少数党が多数党を振り回すキャスチングボート政治は、弊害が大きい。民主党は、基本政策で合意できなければ、連立を白紙に戻すこともあり得るとの強い決意で、協議に臨むべきだろう。
 民主党は、「官僚政治からの脱却」も目標に掲げている。だが、首相直属の「国家戦略局」を設けたり、多数の国会議員を各府省に配置しさえすれば、官僚を動かせるというものではない。
 官僚と敵対するのではなく、使いこなす力量が問われる。官僚の信頼を得て初めて、政策の遂行が可能になることを知るべきだ。
 自民党は1955年、左右の社会党の統一に対抗する保守合同によって誕生した。
 当時のイデオロギー対決はすでになく、かつての社会党も存在しない。今回の自民党の壊滅的な敗北は、自社主軸の「55年体制」の完全な終幕を告げるものだ。
 
 ◆自民党は立ち直れるか◆
 自民党は、これから野党時代が長くなることを覚悟しなければなるまい。民主党とともに2大政党制の一角を占め続けるには、解党的出直しが必要だ。
 93年、自民党は金権腐敗から一時期政権を退いた。その後、社会党や公明党などとの連立で政権を維持してきた。
 しかし、自己改革を怠り、結局、有権者の手によって、再出発を余儀なくされた。
 今後は、麻生首相に代わる新総裁の下、来年夏の参院選に向け、党の組織や政策、選挙体制など、すべての面にわたり徹底的な改革が迫られる。
 説得力のある政策を示し、民主党政権に対する批判勢力として、闘争力を高めねばならない。
   http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090831-OYT1T00195.htm 
(2009年8月31日05時28分 読売新聞)
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衆院選、民主圧勝 国民が日本を変えた 政権交代、維新の気概で
 まさに、怒濤(どとう)だ。自民党の派閥重鎮やベテランが、無名だった新人候補にバタバタと倒されていった。国民は断固として変化を選んだ。歴史に刻まれるべき政権の交代である。
 衆院選は民主党が300議席を超す圧勝を収め、同党を中心とする政権の樹立が決まった。自民党は初めて衆院の第1党から転落するだけでなく議席が3分の1近くに激減する壊滅的大敗を喫し、自公政権は瓦解した。
 選挙を通じ政権を担う第1党が交代する民主主義の常道が、日本の政治では長く行われずにいた。政権選択が2大勢力で正面から問われての政権交代は、戦後初めてである。
 
 ◇歴史的な体制の転換
 民主党に不安を抱きながらも政治を刷新しなければ閉塞(へいそく)状況は打破できない、との国民の切迫感が、すさまじい地殻変動を生んだ。鳩山由紀夫代表を首相として発足する新政権の前途は多難だ。だが数をおごらず、政治を一新する維新の気概と覚悟で変化を国民に示さねばならない。
 「風」などという段階をはるかに超え、革命的とすら言える自公政権への決別だ。約7割という投票率が国民の関心と、政治のあり方を変える強い意志を物語る。その象徴が、金城湯池とされた自民常勝区の崩壊だ。変化を求める民意は、世代交代による人材の入れ替えに発展した。
 政権交代と言えば、93年衆院選で成立した細川内閣も確かに非自民政権だ。だが、第1党はあくまで自民党で、争点は政治改革だった。保守合同による自民党誕生で成立した「55年体制」は同党が唯一、政権担当能力を持つ意味では続いていた。
 政権選択を目指し小選挙区が導入されて5回目の衆院選で、その体制についに終止符が打たれた。投票による政権交代という民主主義本来の機能回復を、私たちは政治の進歩として率直に評価したい。
 それにしても、いかになだれ現象が小選挙区で起きやすいとはいえ、政治、社会の構造変化を抜きにこの激変は説明できまい。
 自民党支配の源泉は業界・団体への利益配分、官僚による行政運営という強固な統治構造にあった。経済成長が行き詰まり、財政赤字などのひずみが深刻化する中で登場したのが小泉改革路線だ。郵政民営化など「小さな政府」を掲げ05年衆院選に圧勝、党は再生したかに見えた。
 しかし、医療、年金、格差や地方の疲弊を通じ国民の生活不安が急速に強まり、党は路線見直しをめぐり迷走した。参院選惨敗に伴う「ねじれ国会」のなか、現職首相が2度も政権を投げ出し、政権担当能力の欠如を露呈した。小泉政治を総括できぬまま解散を引き延ばす麻生政権に、国民の不満は頂点に達した。
 しかも、小泉路線の下、業界、農村、地方議員など党を支えた集票マシンは急速に衰え、離反した。2世、3世が幅を利かせ人材も不足した。麻生太郎首相が難局にあたるリーダーの資質を備えていたとは言い難い。制度疲労をきたし、自民党はまさに「壊れて」いたのだ。
 一方、政権交代をスローガンとする民主党は「生活重視」「脱官僚」をマニフェストに掲げ、自民党が業界重視、官僚主導から脱せぬ中、争点の提示に成功した。衆院解散から約40日の論戦の結果、有権者が民主党を選択した意味は重い。
 だが、多数の議席を得た船出は、逆の意味で危うさをはらむ。期待がふくらむほど、裏切られた時の失望も大きい。数を頼みとする政権運営を戒めるべきことは当然だ。来年夏に参院選が控える。政治の変化の証明を待ったなしに迫られよう。
 
 ◇自民は解党的出直しを
 政治主導が可能な体制の速やかな構築が必要だ。縦割り省庁が行政を主導し続けた「官僚内閣制」を脱却しないと、官僚操縦に失敗した細川内閣の二の舞いを演じかねない。
 あいまいな外交・安保政策も他党との連立協議の過程で明らかにすべきだ。国民は財源対策の説明のほころびなど、リスク承知で1票を投じた。政権担当能力を十分に信用しての圧勝と過信してはならない。
 野党となる自民党の役割も重い。そもそも東西冷戦終結やバブル経済が崩壊した時点で存在意義が問い直される中、政権に安住し続けたことが転落を招いた。真剣な総括なくしては、党存続もおぼつかない。
 今選挙を民主、自民両党による2大政党政治の実現とみるのは早計だ。だが、選挙の審判で政権の枠組みを決するというルールは定着させねばならない。
 経済危機、財政、年金、医療の立て直しなど喫緊の課題は多い。新政権は、国民との約束である公約を実行してみせるしかない。
 そして、かじ取りを委ねた有権者にも責任がある。日本政治は、これまで以上に国民が当事者として参加、監視する新時代を迎えたのだ。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090831ddm005070121000c.html 毎日新聞
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変化求め民意は鳩山民主政権に賭けた(8/31)
 政権交代の是非が最大の焦点となった第45回衆院選は、民主党が圧勝した。来月中旬にも召集される次期特別国会で鳩山由紀夫民主党代表が新首相に選ばれる。有権者は「変化」に賭け、民主を中心とする新政権に国政のかじ取りをゆだねた。
 1955年の結党以来、ほぼ一貫して政権の座にあった自民党は、衆院でも第2党に転落し、下野する。2005年の前回衆院選と立場が逆転する歴史的な惨敗を喫し、議席数は過去最低となった。麻生太郎首相は党総裁を辞任する意向を表明した。自民と連立を組んできた公明党も大幅に議席を減らした。
 
初の本格的な政権交代
 93年に細川非自民連立政権が誕生した時とは異なり、今回の衆院選は第1党と第2党が入れ替わる形の本格的な政権交代である。現行憲法下で選挙による本格的な政権交代は初めてのことだ。
 選挙戦は野党の民主が終始、優勢を保つ異例の展開になった。事前の情勢調査で「民主圧勝」の予測が出ていたとはいえ、結果は衝撃的である。小選挙区、比例代表のいずれも民主が自民を圧倒した。小選挙区では民主の新人や元職が自民の大物を破り、続々と勝ち名乗りを上げた。有権者の関心は高く、投票率は前回(67.51%)を上回る見通しだ。
 自民は4年前の郵政選挙で圧勝したが、党則を理由に小泉純一郎首相が1年で退任し、後を継いだ安倍晋三、福田康夫両首相はともに1年で政権を投げ出した。07年の参院選で大敗し、参院第1党の座を民主に明け渡した。その後は衆参ねじれ国会の運営に苦しめられた。
 昨年9月の総裁選で「選挙の顔」として選ばれた麻生首相は、リーマン・ショックを契機とする経済・金融危機への対応を最優先し、景気対策に取り組んできた。だが自らの失言や政策決定の迷走で内閣支持率は低迷し、党勢回復のきっかけをつかめぬまま、衆院議員の任期満了直前に解散に追い込まれた。
 半世紀余り続いた自民党政治への飽きとともに、前回の衆院選以降に顕著となった自民の統治能力の劣化が有権者の離反を招いたといえる。年金の記録漏れ問題などの行政の不祥事が相次いで表面化した。前回選挙では小泉首相の郵政民営化への執念が有権者の共感を呼んだが、小泉氏の退任後は、なし崩し的に構造改革路線の転換が進んだ。
 民主は現状に不満を持つ層を広く吸収して、政権交代への期待を高めるのに成功した。マニフェスト(政権公約)では「官僚丸投げの政治」からの転換を掲げ、政治主導を前面に打ち出した。行政刷新会議を新設して予算の無駄を徹底的に排除するなどの、既得権益に切り込もうとする姿勢が支持されたとみられる。
 民主は政府と与党の二元的な政策決定の仕組みを改め、内閣の下に一元化する方針を打ち出している。政権の司令塔となる国家戦略局をはじめ法改正が必要な構想も多く、軌道に乗せるための現実的な工程表が要る。統治機構の改革への有権者の期待にこたえるには、鳩山氏が強い指導力を発揮して政権の課題を明確にし、閣僚や副大臣に能力のある政治家を配することが不可欠だ。
 新政権は発足後直ちに来年度予算編成に取り組まねばならず、政権公約を実現する力が試される。政権公約には月額2万6000円の子ども手当などの目玉政策を列挙したが、財源の裏づけははっきりしないままだ。鳩山氏は民主の政策に欠けている日本経済の成長戦略や財政再建目標などの中・長期ビジョンについても、所信表明演説などできちんと説明する責任を負っている。
 民主は社民、国民新両党との連立政権を目指す方針だ。外交・安全保障政策では社民と大きな溝がある。連立を優先するあまり、政策面で安易な妥協をせぬよう求めたい。
 
自民は解党的出直しを
 来月下旬には国連総会などの重要な外交日程が目白押しだ。それまでに新内閣を発足させなければならず、政権移行の時間は極めて限られている。鳩山氏は記者会見で、首相指名後に閣僚人事を決める考えを示したが、官房長官などの主要閣僚は速やかに内定し、準備を急ぐ必要がある。自民も政権交代が円滑に進むよう協力しなければならない。
 かつてない敗北となった自民の今後はいばらの道だろう。党の有力者の落選が相次ぎ、人材難は深刻である。政党助成金が大幅に減るのは避けられず、党財政にも甚大な影響が及ぶのは必至だ。
 この機会に党組織や候補者選考方法などを抜本的に見直し、新たな党の姿を探るしかない。麻生氏の後継を選ぶ総裁選で党の再建策を徹底的に議論し、有権者の信頼を取り戻すよう努めるべきだ。政権交代可能な二大政党制を定着させるために、自民は文字通りの「解党的出直し」に取り組む覚悟が求められている。
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090830AS1K3000530082009.html 日本経済新聞
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【主張】民主党政権 現実路線で国益を守れ 保守再生が自民生き残り策 
2009.8.31 05:23
このニュースのトピックス:政権交代
 第45回総選挙が投開票され、民主党は選挙区、比例代表ともに自民党を圧倒した。
 野党が単独で過半数を占め、政権を樹立するのは戦後初めてだ。自民党主導政治を終焉(しゅうえん)させるという歴史的な転換点になった。13年前の総選挙から導入された小選挙区制による政権交代を可能にする二大政党制が、ようやく機能した意味は大きい。民主党が自民党批判の受け皿になったのである。
 問題は、政権交代が目的化し、この国をどうするのかという選択肢がほとんど吟味されぬまま、結論が導かれたことだ。
 民主党主導の新たな政権により、これまでの内政・外交の基軸は大きく変わらざるを得ないだろう。自民党が曲がりなりにも担ってきた戦後秩序も変化を余儀なくされる。場合によっては、日本を混乱と混迷の世界に投げ込むことにもなりかねない。政権交代が日本を危うくすることもあるのだ。そうなることは民主党にとっても本意ではないだろう。
 国の統治を担う以上、民主党には国益や国民の利益を守る現実路線に踏み込んでほしい。マニフェスト(政権公約)で掲げた政策の修正を伴うケースも出てこようが、1億2千万の日本人の繁栄と安全を守り抜くことをなによりも優先させるべきだ。
 
 ≪危ういポピュリズム≫
 今回の選択で留意すべきは、民主党の政策が高く評価されたというより、自民党にお灸(きゅう)を据えることに重点が置かれたことだ。たとえば、民主党が掲げた「高速道路の原則無料化」に対し、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、反対が65%と賛成(30%)の倍以上となった。
 政権を担う民主党の力量に不安があることも事実だ。本来、政権交代のたびに基本政策が大きく変わることは好ましくない。とくに外交・安全保障政策の基軸が揺れ動いては対外的信用を失う。
 民主党はこれまで、インド洋での海上自衛隊による補給支援を一時的に撤退させ、在日米軍駐留経費の日本側負担に関する特別協定に反対してきた。小沢一郎前代表の政局至上主義のためだが、「党利党略は水際まで」の原則を否定したのでは信頼は高まらない。
 その意味で、維持されるべき日本政治の方向性とは、日米同盟を基軸とした外交・安保政策の継続であり、構造改革の推進により経済や社会に活力を取り戻すことにほかならない。民主党が現実的な判断に立ち、これらを継承することができないなら、何のための政権交代かということになる。
 また、国民の政治に対する判断はどうだったのだろう。4年前の総選挙では、小泉純一郎首相が掲げた郵政民営化を圧倒的に支持した。それが今回は、民主党の主張する「政権交代」というキャッチフレーズに熱狂的に共鳴したといえる。
 2年前の参院選でも民主党は勝利したが、振り子の激しさは政治を不安定にしかねない。とりわけ、単一イシュー(争点)に白黒をつけることが最大の選択肢となることは、単純明快かもしれないが、ポピュリズム傾倒の危うさがあると認識すべきだろう。
 一方で、多くの国民が民主党に閉塞(へいそく)感を払拭(ふっしょく)することを期待したのも間違いない。民主党が公約に掲げた首相直属の国家戦略局は、予算作りだけでなく、国家ビジョンを検討するという。
 
 ≪敗北を徹底検証せよ≫
 これまで、こうした外交・安保政策の司令塔はなかった。官僚主導から政治主導への成果を出すことができなければ、国民の失望感は大きくなるだろう。
 自民党は歴史的な惨敗になった。党幹部や閣僚らは相次いで選挙区で落選・敗退した。解党的出直しへの答えを見いだせないまま選挙に臨み、政権から退場を求められたといえる。自民党政治への不信や行き詰まり感が広がったことに加え、保守政党としての存在意義を十分発揮できなかった点も見過ごせない。
 新憲法草案の策定など、民主党に比べれば保守色をみせていたが、集団的自衛権行使の政治決断には至らず、国の守りに関しても不十分さが残った。
 公明党との連立下でもイラク自衛隊派遣などの業績は挙げたが、連立の常態化が何をもたらしたかを考えるべきだった。敗北を徹底的に検証してもらいたい。保守政党として民主党への対抗軸を早急に構築し、再生を果たして国民の期待に応える責務がある。
  http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090831/stt0908310524001-n1.htm 産経新聞
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歴史の歯車が回った 民主が席巻 
2009年8月31日
 政権が代わる。民意は自公政治の継続を許さず野党の政権を選択した。憲政史上初の出来事だ。歴史の歯車が回り、新たな時代の門口に、私たちは立つ。
 つかんでもつかんでも指の間からこぼれる砂。選挙の帰趨(きすう)を左右する、特定の支持政党のない有権者の気まぐれを、かつて中曽根康弘氏が砂に例えたことがある。
 とらえどころのない、そんな砂が、明確な意志を持った。「政権を代える」という意志である。
 四年前の「郵政民営化か否か」とは次元がかなり異なる。一票に込められた変革への欲求が、ひと塊となって野党に政権の座を用意したのは、憲政史上例がない。
 
 「鳩山」「一郎」政権
 長らく「自民王国」と称された保守地盤が軒並み崩れた。自民党の首相経験者や現職閣僚、要職を歴任した大物たちが退場を余儀なくされ、あるいは脅かされた。
 メディアの度重なる民主党圧勝予測にも有権者は動じず、古くからの支持者ですら粛々と自民政治に別れを告げた観がある。
 政権交代をためらう世間の空気は薄れて、衆院小選挙区制の威力がいよいよ発揮されたのだ。
 民主の顔となった鳩山由紀夫代表は「保守とか革新とかの時代ではない」と保守層に呼び掛け、抵抗感を薄らげるのに成功した。
 黒子役に徹した小沢一郎氏は代表当時と変わらぬ指揮のさえを見せた。自民政治を地域で支えた農村組織や建設、医療団体にくさびを打ち込んだ。敵陣からの候補の擁立も、えげつなく。
 新人候補に“どぶ板”選挙を徹底させた。公明党幹部の選挙区を激戦に持ち込んで、自民の頼む創価学会の動きを封じてもいる。
 表の顔と裏の顔が小選挙区効果を倍加させた印象もある。自公に取って代わって衆院を席巻した民主の政権は「鳩山」「一郎」政権と名付けるのがふさわしい。
 
 一変する政の風景
 ちなみに鳩山氏の祖父・一郎氏は自民の結党を挟んで一九五四年から二年余、政権を担当した。党の五十年史はこう記している。
 「大胆な行政改革構想を提起して官僚政治を排し、政治主導、内閣主導の政策決定の方向に進む意気込みを示した。こうした課題はいつの日にか必ず実現されるべき民主政治の大目標である」
 選挙戦で民主党が繰り返し唱えたのが、この「明治以来の官僚主導政治からの脱却」だった。
 過去半世紀、歴代自民党政権が口にはしながら怠ってきた「実現されるべき大目標」が、鳩山、小沢両氏を柱とする民主政権に委ねられることになる。
 鳩山代表ら党首脳は直ちに政権移行チームを編成し、九月半ばと想定する民主党内閣の発足へ脱・官僚の体制づくりを急ぐ。
 霞が関の役人が族議員や天下り予定先の業界と一体でリードしてきた縦割り式の予算配分。その惰性を絶ち、政策の優先順位を政治が決める。国が主、地方は従の中央集権を地域主権へと転換する。いずれも時代の確かな要請だ。
 外交・安全保障のありようも旧来の官僚任せを改められるとすれば、政治の風景は一変する。小勢力の社民党、国民新党などは民主との連立を織り込み、共産党も是々非々の協力を表明している。
 全国各地の投票所に列をなして民主に大勝利を与えた民意が、政権担当の力量をこの党に認めたのかは怪しい。むしろ「よりましな政権」へ雪崩を打ったと見る方がいいかもしれない。
 それでも、自民党が官僚機構とつくりあげた、盤石にも見えた厚い壁はもろくも突き破られた。「日本を壊すな」と劣勢に焦りの声を上げた麻生太郎首相らを顧みることなく、有権者は欲する政権をじかに選んだ。歴史に刻まれる二〇〇九年衆院選であったのだ。
 自民は完膚なきまでに打ちのめされた。父から子、親族へと、当たり前のようだった世襲、そして平成の大合併や組織票依存で足腰が弱った党は、時代が必要としなくなったようにも見える。
 連立を組んで十年、ともに自民政権の危機を首相のすげ替えで乗り越えてきた公明も代表と幹事長の議席まで失った。協力関係の継続は難しかろう。両党にはたして復元力はあるか。
 老後の年金や医療、雇用に募る不安、教育にも及ぶ格差社会の不公平に有権者は怒り、政・官のなれ合い、しがらみの政治との断絶を促した。自公に代わる民主の政権はそれに応える責務がある。
 
 政党政治を壊すな
 経験のない数を得た民主は無駄なく巨体を動かす秩序づくりが急務だ。死屍(しし)累々の自民は後継総裁選びと党再建に追われよう。
 大量議席に政権側がおごり、落城した側が混迷を続けるなら、政党政治は壊れ、二大政党体制も幻となる。監視が必要だ。有権者の仕事は投票だけで終わらない。
  http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009083102000085.html 中日新聞
 
 「指導と評価大学講座」聴講報告  
毎年恒例になりました、島原先生の「指導と評価大学講座」聴講報告がはじまりました。今回はその題意会を紹介します。
[1]「指導と評価大学講座」聴講報告 その1(連載 全11回)
   ─ 新学習指導要領を生かすための基礎 ─
                辰野千壽(応用教育研究所所長・元上越教育大学長)
■研修内容  第51回 指導と評価大学講座 
■主催:図書文化社・日本教育評価研究会                 
■研修期間  平成21年7月29日(水)〜31日(金) 9:30〜16:30   
■会  場  日本教育会館(東京:神田)  

1 新学習指導要領の目指す教育
(1)確かな学力の形成【知育】
  ○ 基礎的・基本的な知識・技能の習得
  ○ 思考力・判断力・表現力(活用する力)の育成
  ○ 学習意欲向上と学習習慣の確立
  ○ 学力の形成 
   ・学習の型
    ア 習得(知識・技能)─活用(思考力・判断力)─探究(問題解決力)
    イ 基礎─弁別─概念─法則─問題解決
         (知的技能の学習階層モデル:ガニエ1977)
   ・学習の過程
      動機づけ→獲得→保持→転移(応用・活用)
       ……教科内・他教科・実生活で生かされるような場をつくることが大事。
(2)豊かな心の育成【徳育】
  ○ 道徳教育の改善・充実
  ○ 規範意識の確立→今,最も求められている。
   ・学校や学級のルールを最重要とする考えを共有/大目に見ることがよいことか?
  ○ 体験活動の重視
   ・体験してみて始めてわかることがある。
(3)健やかな体の育成【体育】
  ○ 健康的な生活習慣の確立
   ・早寝早起き朝ご飯→今や常識。その常識が実践できないことが問題
  ○ 体育の充実と強化→教科体育をいい加減にしないこと。
(4)教育内容の改善
  ○ 教科横断的・総合的な学習の時間の充実
   →情報教育・環境教育・物づくり・キャリア教育・安全教育など

2 今日の教育の問題点
(1)児童中心主義への行き過ぎ
  ○「新しい学力観」の誤った解釈
   ・「関心・意欲・態度」が筆頭観点……「支援」の流行/指導すべきは指導する
   ・「自発性・自主性」の誤解……他から矯正することはよくないという誤解?
  ○「許容社会」の影響
   ・緩やかな社会,叱らない・叱れない社会,大目に見る(まあ,いいか)
      →学校社会へも
   ・学校では「規範意識」の確立を→何より大事
  ○ 教師の威信(威光・威厳)の低下
   ・社会的評価の低下→高めない限り,何をやってもうまくいかない。

3 自己制御学習力の育成(チマーマン1996)
(1)自己制御学習力
  ○「学習目標の達成のため,自分の学習意欲や学習方略を意図的に制御して自律的に
   学習する力」
  ○ 目標設定,方略設計,自己監視,自己評価,自己調整など,メタ認知的活動を行
   う。
(2)自己制御学習力のステップ(チマーマンら1996)
  ○ ステップ1…自己評価と自己監視(学習者が以前の遂行と結果を見て,自分が何
         ができるかを判断する)
  ○ ステップ2…目標設定と方略設計(具体的学習目標を設定し,達成のための方略
   を計画する)
  ○ ステップ3…方略実行と監視(計画した方略を実行し,その正確さを監視する)
  ○ ステップ4…方略実行の結果の監視(学習結果にどのように影響したか調べる)
☆★☆ コメント ☆★☆
 辰野千壽先生といえば「学び方」研究の第一人者である。
 私が布袋小勤務の頃、今の「生きる力」のもととなった「自己教育力」、すなわち、学習意欲を高め、学び方を教えれば、自分で学んでいく子が育つという、いたってシンプルな理論を打ち出したグループの一人である。私も大きな影響を受けた。
 このまとめを見ると、1は一般論、2は主観的一般論であるが、3はまさに辰野千壽先生。行間を読み取りたい。
 

 役立ちWeb特集 
(1)文部科学統計要覧(平成21年版)
学校基本調査 速報
   学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果【速報値】
   平成21年度全国学力・学習状況調査の結果について
 
(2)データからみる日本の教育(2008年)
 昭和から平成の今日に至るまでの教育関係の基礎的な統計データについて,学校教育,社会教育を中心に,スポーツ・文化,教育費を含め,グラフを多用して視覚的にも分かりやすく,また国際比較も交えて多面的に紹介します。
 
(3)今後の総合型地域スポーツクラブ振興の在り方について〜7つの提言〜
 
(4)平成21年度(第1回)高等学校卒業程度認定試験問題
 
(5)メールソフト利用時間計測ツール
 メールに頼りすぎるあまり、勤務中のメールを読んだり書いたりする時間の占める割合が増え、本来の仕事をする時間を圧迫。実際にメールの読み書きに費やしている時間を測定してみようということで開発されたのが、メール利用時間計測ツール(試用は無償)。
 
(6)楽曲のフルバージョンとカラオケを比較してボーカルだけを抜き出す
 シングルCDなどに収録されているカラオケバージョンの音声を利用し、楽曲からボーカルだけを抜き出したアカペラバージョンを作成できるフリーソフトが登場。ボーカルが入ったフルバージョンの波形とボーカル抜きのカラオケバージョンの波形を比較して差分を抽出する。
 
(7)メディアへの接触状況・評価に関する調査
 テレビ、新聞、雑誌の三大メディアの広告効果・接触率の低下が叫ばれている一方で、ウェブメディアが急速に台頭。これらの新旧メディアの実態を把握することを目的として、生活者のメディアへの接触状況、メディアへの評価を性別・年代別に調査・分析。
 
(8)全国の病院検索などが可能な医療情報サイト
 全国約17万件の病院情報を、住所や駅、診療科、救急病院などの条件から検索できるサービスがスタート。、「家庭の医学」と「薬の事典ピルブック」の収録内容をデータベース化した、病気や薬情報の検索機能も用意。  http://www.byoin.ne.jp/pc/
 
(9)誰もが待っていた、教室の席替えを支援ソフト
 教室などでの席替えを支援するフリーソフトが登場。男女の配置や“近視の人は前3列以内”といった座席条件を指定した上でランダムに席替えできるのが特長。名簿から1人ずつ選んでルーレット風に席を決められる。
 
(10)世界地図日本語版、数千万の地名をカタカナ化
 地図検索サービス「Google マップ」は、世界の地名を日本語で表示する「世界地図日本語版」を開始。世界60カ国の地名や街路名などの80%以上をカバー。例えば、カタカナで「パリ」と検索すると日本語表記の地図が表示される。
 

6  教育関連情報
(1)青年のための寺子屋塾(愛知)
 若者たちの社会的自立を後押ししようと、さまざまな仕事に就いている社会人の先輩たちが塾長になって経験を伝える「青年のための寺子屋塾」が、8月から12月にかけて開かれる。
                           (2009年7月27日 読売新聞)
 
(2)瀬戸で“小学生議員” 市の将来などを提案(愛知)
 瀬戸市の小学生らが議員になって市長らに市の将来などを提案する「まるっと・せとっ子議会」が5日、同市議会本会議場で開かれた。午後の議長席には有田拓真君(陶原小6年)と加藤紅実子さん(下品野小6年)、高木俊輔君(幡山東小6年)の3人。
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 明日の社会を生きる人を育てるにはよいことだが、どうしてもイベントになる。ここに至るまでに、どう取り組んだのかが問われよう。
 
(3)東海中、2度目のV 3年ぶり 東海高は準優勝(愛知)
 「第14回全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」(読売新聞社、全国教室ディベート連盟主催)の決勝と準決勝が10日、東京都文京区の東洋大で行われ、県勢は東海中が2006年以来、2度目の優勝を果たし、東海高が準優勝した。
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 このビデオを見るのも勉強になる。初めはイメージから。
 
(4)高校生シェフ腕振るう 中部空港で三重の18人(愛知)
 中部国際空港の直営レストラン・アリスダイニングで始まった「エアポートビュッフェ」で、三重県立相可高の高校生シェフが腕を振るい、人気を呼んでいる。ビュッフェは、フランス料理と日本料理の一流シェフが飛行機と伊勢湾を眺めながら食事を楽しんでもらおうと、毎年夏休みに開いている。
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 高校の社会化は、ずいぶん前から言われていること。商業高校がシャッター通りに店を開いたり、農業高校が野菜を売ったり、どんどんすすめてほしい。これもその一環か?
 
◆衆院選と市長、市議補選 高校生ボランティア投票手伝い事前研修 高浜市(愛知)
 30日に衆院選と市長選、市議補選の投開票作業が重なる高浜市で24日、投票事務を手伝う高校生を対象にした事前研修が行われた。同市では、2年後には選挙権を得る高校3年生に選挙の大切さを知ってもらうため、市内の県立高浜高校の3年生33人にボランティアとして投票事務を手伝ってもらうことにした。
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 上と同様。メリットは大きい。
 MM紹介
 島原先生のMMからの引用です。
 今、もっとも大切にしたい「ふり返り」。
 これこそが、メタ認知です。
 ぜひお読みください。
−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−
(1)「メタ認知を意識して〜実践埋没型教師から反省的実践家へ〜」
               岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 高岡昌司
 皆様,はじめまして。高岡昌司と申します。私は学校現場を離れて3年目になります。授業のない日々はやはり寂しいです。しかしながら,いろいろな学校や授業を拝見する機会が増えました。しばらくは,現場を離れて見えることを学んでいきたいと思います。
 今,私が一番関心を持っていることは「メタ認知」です。このメタ認知という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。脳科学や認知心理学が広く知られるようになり注目されている力です。専門職である教師に求められる重要な力のひとつでもあると考えます。
┌────────────────────────────────────┐
│メタ認知とは,自分自身の行動や思考そのものを,客観的に把握し認識する力     │
└────────────────────────────────────┘
と言われています。例えるならば,もう一人の自分が少し離れて冷静に自分自身の言動や頭の中を分析しているイメージです。(双子の芸人ザ・タッチの幽体離脱という感じ?)
 
 一般的に「教師は子どもを見る」ということは日々強く意識されていますが,もう一方の視点として,軽視できないのは「教師は子どもに見られる存在である」ということです。子どもは教師の言うようにはしないが,するようにはすると言われます。また,クラスの子どもたちは,担任の教師に似てくるとも言われます。つまり,教師の言動が知らず知らずのうちに,意識されないうちに,大きな影響を子どもたちに与えているということです。私は,教師の立ち振る舞いや言動,その感性こそが,子どもを育てると感じています。
 教師が自分自身を客観的に見つめる目を持つこと,子ども(親)の目線や視点から実践を見直すこと,つまり,これからの教師は反省的実践家でなくてはいけないと言われます。(反省的実践家については,哲学者ドナルド・ショーン氏や東大の佐藤学氏の著書に詳しいですが,ここでは割愛します)そして,その重要な要素がメタ認知です。 
 授業力をあげるにも,子どもや保護者への対応力をあげるにも,自分自身の言動を分析し,行動パターンを自覚した上で,見直すことが必要だと思います。
 学校現場は忙しく,ゆとりがない中で,多くの教師が,日々,実践に追われる実践埋没型教師です。簡単に言うと実践のやりっ放しです。野口芳宏氏は「経験は意図的に積み重ね,そこに整理を加えなければ,真の力にはならない」と主張されていますが,全く同感です。教師自身にPDCAの思考サイクルをまわす手立てが必要ではないでしょうか。
 立ち止まって物事を考えるには,言語化することが一番です。ただ,振り返りやメモなどを書く余裕はありませんし,続けることはもっと難しいでしょう。そこで,提案!
┌────────────────────────────────────┐
│ 提案1 自分の授業をビデオに撮る(教室にビデオを常備)                 │
│ 提案2 授業の板書をデジカメで写す(係として子どもに任せる)              │
└────────────────────────────────────┘
 1は自分自身を客観的に振り返る最も有効な方法です。ただし,自分の不甲斐なさやイメージと違う授業の様子にビデオを壊したくなる衝動をおさえなければなりません。2は授業のパターンや癖を知るだけでなく,次時の学習にも役立ちます。私はよく印刷して,
学習資料として配布していました。どちらも簡単に日々の授業を記録に残せます。
 1は,授業のテンポや教師のしゃべり方,目線,子どもの反応等をメタ認知できます。
 2は,授業の全体構成,書き方の癖,効果的な板書の使用等をメタ認知できます。
 こうして,自分自身の授業をメタ認知することで大きく実践力が変わります。時に,同僚に見てもらうと更に力となるでしょう。3K(勘・気分・経験)だけでは,感覚的な自己満足に終始し,教師力はアップしません。教師は教育のプロです。反省的実践家として,メタ認知を意識し,確実に実践力を高めていきたいものです。お試しください。
 次回は,子どものメタ認知(自己評価力)について,授業での取り組みを提案します。
 
※「授業づくりネットワーク(2009年9月号)」や「授業研究21(2007年5月号)」に
 拙い実践を紹介していただいています。ご覧頂けますと幸いです。
 
(2)教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言
    メタ認知を意識して〜イメージマップを活用し、子どものメタ認知を育てる〜
               岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 高岡昌司
 高岡さん連載の2回目です。今回は「子どものメタ認知を育てる」です。
  …………………………………………………………………………………………………
 皆様、こんにちは。前回に引き続き「メタ認知を意識して」についてのお話です。
 今回は、子どものメタ認知を考えます。自己の主張や思考の過程を振り返る行為を学習活動に組み込む手立てについて提案したいと思います。子どもにそんな難しそうなことができるのかという声が聞こえてきそうですが、ずばり、小学校中学年から発達段階に応じて可能だと私は考えています。ここで、「メタ認知」について再確認しておきます。
┌──────────────────────────────────────┐
│ メタ認知とは、自分自身の行動や思考そのものを、客観的に把握し認識する力       │ 
└──────────────────────────────────────┘
と言われています。子どもの活動では、メタ認知活動=自己評価活動と捉えています。
 なぜ、自己評価活動(メタ認知活動)が必要なのでしょうか。教育の目標である「生きる力」は自ら学び、自ら考え、といった学習者自身の主体性がその根底にあります。ですから、学習者自身が自分の学びについて意味づけ価値づけし、望ましい自分へと変えていく方略が必要です。そのため自己評価活動(メタ認知活動)は重要な活動だと考えます。
 一般的には、振り返りカードや自己評価カードなどを活用することが多くみられます。私はこれら以外に、特に、社会科で「イメージマップ」を単元活動の中に位置づけて取り組んできました。単元を通して、2、3回このイメージマップを子どもたちは書きます。
「イメージマップとは、キーとなる単語からイメージされること(既有知識や経験知、学んだ学習内容)を自分自身でつないで図式化するものです。事象と事象を関係づけたり、社会のしくみを考えたりする自己評価道具です。複数回書いたイメージマップを学習者自身が比べることで、自分の学びの様子や、自分の意見の変化などのメタ認知を促します。」

【A児のイメージマップ1(第1次)】       
火事−たばこ−ライター−もえやすい物  
    消防士−消防車−119−車庫    
 ハンカチ−にげる−おはしを守る     
<A児の感想より>              
・火事になりやすい物を書いた        
・火事がおきたらこわいなあと思った 
【A児のイメージマップ2(第2次)】
火事−消防署−仮眠室−消防士−5分で
  学校−安全−ホース20M−消火栓 
 消防団−社町38団体−減る−女性団員
<A児の感想より>          
・消防団や消防士のことを詳しく書   
・安全のたいさくがいっぱいわかっ   
 上記の3年生社会科単元「安全なくらし〜火事から生活を守る〜」のA児が書いたイメージマップ(一部分)を例に,A児の認識やA児自身の振り返りを紹介します。
 本実践では、イメージマップは自分が学習したことを表現するワークシートとして活用し、複数枚のイメージマップを比較する中で、自分の学びの変容や広がりを振り返る方法として位置づけています。まず、単元初めのイメージマップ1では,A児の問題意識は火事の原因に向き、「火事はこわいから,強い気持ちがないと消防士さんにはなれない」と消防士の仕事への関心が高まりました。次に、第二次のイメージマップ2では1と比べ,「消防署と消防団など消火する人をむすんで,安全のための対策をいっぱい書いたのでよくわかった」とA児自身が違いを振り返り,「みんなで考えを言い合いしたから,これにはこんな意味があって安全とわかった」と自分の学びをメタ認知しました。A児はイメージマップを好み,キーワードやカテゴリーが増えていくごとに意欲を出して取り組みました。
 このように、自己評価活動(メタ認知活動)では、やらされる意識ではなく、楽しみながらも成就感を味わうことができるような工夫が必要だと思います。合わせて、教師が子どもの発言や表現物に,価値づけ意味づけする言葉がけを積極的に行うことも重要です。私は経験から他者評価を入れる中で、自己評価が促進されていくと実感しています。子ども自身に学習の伸びを認識させることで、進んで学ぶ意欲が増大していくと考えています。

  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp