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報告者  土 井
 2009年9月17日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は、土井(江南市教委)、高橋先生(曽野小)、織田先生(扶桑中)、柴田先生(草井小)、大野先生(犬山中)、吉田先生(古西小)、奥村先生(岩南小)、坪内先生(岩倉中)、大藪先生(犬南小)、木先生(犬南中)、天野先生(大口町教委)、尾関先生(岩倉市教委)、鈴木さんの計13名でした。
 
 以下は、土井が文書提案したものです。番号をクリックしてください。

  ブログ「あなたも社楽人」
 第3回教師力アップセミナ
  岐阜市立研究校 秋の陣!
  「指導と評価大学講座」聴講報告U
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

おもしろ社会科研究:雑記帳
10月号は、大野先生の「アジア」でした。
11月号は、土井が「フィールドワーク」を書きました。
12月号は締めきりが近いので、土井が書くつもりです。
1〜3月のライターを募集します。ぜひ希望してください。
 
 第3回教師力アップセミナー 
 9月12日(土)は、小牧中学校で第3回教師力アップセミナーが開催されました。
 昨日の講師は、昨年に続いて土作 彰先生。日本教育ミニネタ研究会代表で奈良県広陵町立広陵西小学校教諭です。
 
 「目からウロコ落とし」のネタの数々だけではなく、芸人の顔負けの話術。やる気と集中力を持続させる授業づくりや活気ある学級にするコツを伝授してもらえます。
 
 実は、私は、土作先生の話を聞くのは昨日が初めてでした。論文や書籍は何度も目にしていましたが、少々驚きました。
 マシンガンのように出てくる言葉。
 常にウケねらいを考えている遊び心。
 子どもを惹きつけるちょっとしたネタを次から次に披露してくれました。
 
 一見、子どもに迎合しすぎるような気もしましたが、違います。彼には、しっかりとした哲学がありました。
 そして、ネタのどれもが、「育てたい子供像(哲学)」に向けた手だてだと感じました。
 彼は言います。
 (子どもを驚かすために)「作ったものは一瞬だけど,それで救われる子がいる」
 そのための努力を惜しまないのです。
 彼の哲学がわかるのががマナー音読。音読練習とマナー学習を兼ねたものです。18ある中の、14から18を紹介します。
 
 M 人に物を渡すときは、渡す方向を考えて「どうぞ」といって思いやる。
 N 人から物をもらうときは、「ありがとう」と言って感謝する。
 O 一日に「どうぞ」「ありがとう」を併せて100回言おう。
 P 自分一人で大きくなったなんて思うな。
 Q 親、兄弟、友達、食べ物、衣服、住居、世の中のありとあらゆる人や物に感謝しよう。
 
 これだけ読んでも、「感謝をし,自他を幸せにしていくことこそが,人生の大きな意味」と考える子どもを育てたいという意思は明確です。
 この後の、ラグビーの話や知覧・特効記念館の話からも、土作氏が広く支持されているわけがわかりました。
 満員の会場は、常に笑いと、暖かなムードに包まれていました。
 

 岐阜市立研究校 秋の陣!
  10月17日(土)岐阜市立青山中学校  http://cms.gifu-gif.ed.jp/seizan-j/ 
10月23日(金)東海北陸小中学校音楽教育研究会 岐阜市立長良東小学校
10月24日(土)岐阜市立長良中学校   http://www.gifu-gif.ed.jp/school/nagara-j/ 
10月30日(金)岐阜市立東長良中学校   http://www.gifu-gif.ed.jp/school/h-nagara-j/ 
10月31日(土)岐阜市立長良西小学校  http://www.gifu-gif.ed.jp/school/nagaranishi-e/   
          岐阜市立加納中学校
   http://www.gifu-gif.ed.jp/school/kanou-j/index.htm 
11月 6日(金)岐阜市立陽南中学校 http://www.gifu-gif.ed.jp/school/younan-j/ 
           岐阜市立長良小学校    http://www.gifu-gif.ed.jp/school/nagara-e/ 
11月 7日(土)岐阜市立長良東小学校  http://www.gifu-gif.ed.jp/school/nagarahigashi-e/
11月21日(土)岐阜市立加納小学校(特別活動)
 http://www.gifu-gif.ed.jp/school/kanou-e/ 

 金曜日に行われるのが3年に1度の本発表会。土曜日が中間発表会です。
 すべて、1日日程だと思います。 
 詳しい日程は、順次、各学校HPにアップされます。

 「指導と評価大学講座」聴講報告U  
 毎年恒例になりました、島原先生の「指導と評価大学講座」聴講報告がはじまりました。今回はその2からその5を紹介します。
 
[1]「指導と評価大学講座」聴講報告 その2(連載 全11回)
     新教育課程編成のポイント
                 安彦忠彦(早稲田大学教授,中央教育審議会委員)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 学習指導要領改訂の背景(「教務資料第3号」参照)
(1)わが国の歴史的位置の変化
  ○ キャッチアップ(先進国に追いつけ追い越せで成長)した国の教育→モデルとなる国がなく   なった=「習得・記憶型」から「思考力」重視へスタンスを移す
(2)社会の教育力の衰退
  ○ 社会全体の取り組みによる教育の回復と再生の声
   ・私教育(家庭や地域の教育)の再生…学校が引き受けるとますます低下していく。
(3)学校教育の国際比較上の変化
  ○ OECD/PISAの学力観と学力低下傾向(*キーコンピテンシー:中教審答申P9参照)
  ○ 日本も倣わざるを得ない国際状況
2 新教育課程編成の大枠
(1)義務教育9年間を見通した教育課程
  ○ 学教法21条の目標規定(10項目)=6/3制の相対化…9年間の区切り方
  ○ 個性教育より共通教育の重視
(2)「実社会・実生活に生きる力」の育成
  ○「知識・技能」により質を高めた「思考力等」の育成=学教法30条2項の学力規定…知識・    技能+思考力等+意欲・態度
  ○ 知識・技能…反復練習不可欠→身につけた力を使う場を設定しなければならない。
  ○ 思考・判断…理論と体験の往復運動→論理,批判的思考重視
  ○ 知識・技能と思考・判断のバランスが大切という意識を教師は忘れずに。
  ○ フィンランド…読み書き能力低下/04年から指導要領改訂/考える力を重視しすぎた結果
(3)「活用型」学習の具現化
  ○ 学習の新類型の導入=「活用型」は「習得型」と「探究型」を媒介する学習類型
  ○ 「活用」…ねらいは「探究型」につながるもの。知識・技能を活用・適用する学習であり,   総合的な学習の時間への慣らし運転となるべき学習
  ○ 総合的な学習の時間…「探究型」→学習の質を高めるべき性質の学習
  ○ 教科時数増は「活用型」に使う。
(4)「持続発展教育」ESDの導入による「環境教育」の強化
  ○ 国際連携,国際協力の不可欠性=国家主義・民族主義・自国の利益優先は通用しなくなって    きた。
  ○ エネルギー,資源,食料などについての共通認識…自国レベルだけではすまない。
  ○ 小学校でも上記のような意識を育てる必要性がある。
(5)道徳教育のいっそうの強化
  ○ 「学校外の教育資源」のいっそうの効果的利用の促進
  ○ 社会人,外国人の参加促進
  ○ 生きる力のイメージ図改良版2(文科省作成:既に配布済み)では,「豊かな心」が学力や健康な体を規定している。
  ○ 学校全体での徳育の充実→学校体制での組織と年間計画
(6)その他
  ○ 表現力…単独ではなく,3つの能力(思考力・判断力・表現力)の一つとしての示し方
   [総則編3章5節の1]
  ○ 読み・書き・算…技能水準の維持が重要,15〜20分の宿題を
3 新教育課程編成のポイント
  * 中教審最終答申の内容上の「おもな改善点」7項目が教育課程に具体化されているか。
    →教職員が一丸となってなすべきことをなす。(実践のための「場づくり」を)
(1)言語活動の充実
  ○ 各教科での言語活動重視…「記録」「説明」「論述」「討議」など
  ○ コミュニケーションや感性,情緒の基盤としての言語活動重視…「表現活動」
  ○ とりわけ「書く活動」を重視
(2)理数教育の充実
  ○ 小中の円滑な接続を踏まえた内容の系統性
  ○ 実生活に結びついた学習(科学リテラシー)…「わかる」「楽しい」「役に立つ」
  ○ 論理的・批判的表現力を磨く。
(3)伝統や文化に関する教育の充実
  ○ 他国の伝統や文化の尊重…国際社会で活躍する「成熟した」=「自己絶対化しない」日本人の育成
  ○ 宗教に関する一般的教養
  ○ 多文化共生の考え方…未熟な民族主義に陥らないよう
(4)道徳教育の充実
  ○ 道徳の時間は要,発達段階に応じたないような体験活動,社会人との協働
  ○ 「人間性・道徳性」の育成が究極目的,学力はその一部
  ○ 感動的な教材づくり,社会人とのコラボ
(5)体験活動の充実
  ○ 社会性・人間性・知性の基礎,発達段階への対応
  ○ 集団宿泊活動や自然体験活動,職場体験学習の重点的・拡張的推進
(6)小学校段階における外国語活動
  ○ 外国人との積極的なコミュニケーション活動を国際理解
  ○ 中学校へ向けて外国語嫌いにしないこと=発音などは重視しない
(7)社会の変化への対応の観点から,教科等を横断して改善すべき事項
  ○ 情報教育/環境教育/ものづくり/キャリア教育/食育/安全教育/心身の成長発達につい   ての正しい理解
  ○ 情報教育…特に形態に関する問題
4 まとめ
  ○ 各学校で課題に優先順位をつけ,学校固有のものと校外連携のものとに区別する。
   ・考える時間を増やす。集団で考え合う場を 
  ○ 学校=公教育から家庭・地域=私教育への「教育的関心」の広がりと教科する。
   ・社会に向かって呼びかけよ!→社会全体による私教育の再生・復活
  ○ 参考図書「成長のものさし」チップ ウッド:著  安彦忠彦・無藤 隆(翻訳)図書文化社    ¥2,310
☆★☆ コメント ☆★☆
 関連論文がBenesse のサイトに載っている。そちら併せてお読みいただきたい。
  http://benesse.jp/berd/center/open/berd/backnumber/2008_12/fea_abiko_01.html 
 

[2]「指導と評価大学講座」聴講報告 その3(連載 全11回)
     教育評価の現状と課題
                           石田恒好(文教大学学園長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 教育評価の基礎的知識の不足と誤解
(1)教育測定とは
  ○ 観察,テスト等によって事象(状態)を明らかにし,数量的に表す操作
   ・テスト…その単元でつけたい力(学習指導要領)がチェックできるもの
   ・数量的に表す…客観性の問題
(2)評定とは
  ○ 観察,テスト等によって事象(状態)を明らかにし,あらかじめ設定した基準に従って点数   や記号を付与する操作→「3・2・1」「A・B・C」
   ・80%以上実現を「3」など
   ・教師は,評定「1」がなくなる努力を
  ○ 記述評定
   ・総合的な学習の時間の評価→加えて「外国語活動」の評価
(3)目標達成のための授業づくり
  ○ 評価・評定は教師自身への評価である。
  ○ 指導と評価の一体化…手がかかるがとても大切な授業論
(4)教育評価とは
 教育による目標の実現状況を明らかにし,それに基づいて教育(教師の指導,児童生徒の学習,管理職の学習環境の整備,管理運営等)が,目標の実現のために機能しているかを値踏み(反省・チェック)し,不十分であれば機能するよう改め,教育をし直し,目標の実現を目指すためのもの。
   →「教育をし直し・・・・」がポイント
(5)指導と評価の一体化
  ○ 目標が実現される授業づくり
  ○ 短いサイクル(単元ごと)の指導と評価の一体化
   ・O → Plan → Do → Check → Action → O
    目標  計画   実践   評価   指導のし直し
   ・テストは実施後,直ちに返却する。→子ども自身の素早い自己評価
  ○ 反省
   ・教師…指導について  児童生徒…学習について  
    管理職…学習環境や学級編制など
   ・行政…カリキュラムなど
  ○ 目標の実現
   ・教師…指導のし直し  
    児童生徒…学習のし直し→できているかどうかを自己評価すべし。
(6)身につけるべき学力とは
  ○ 学力とは,学習によって獲得された能力であり,習得すべき学力は学習指導要領で示されて   おり,教育によってそれが実現している状態である。
2 評定への不信 ―信頼回復への手順―
(1)測定目標の設定(共有)
  ○ 評価目標の全体を具現化し(目標分析),そこから代表的なものを抽出して設定する。
   ・目標分析→教材研究=身につけさせるべき内容は何か
  ○ 具現化とは,すべての教師に指導内容が見え,測定のしかたがわかる状態
   ・例:九九をすべて唱えることができる/2桁×2桁の文章題が解ける/新出漢字が書ける
   ・指導要領を具体化させた埼玉県の例
  ○ あくまでも「目標中心」→目標達成が目的であり,方法論が目的にならぬように
(2)評価資料の収集
  ○ 測定技術の選択……テスト,作品,アンケート,面接など
  ○ 測定技術の作成……選択した技術を具体化
  ○ 実施…妥当性,信頼性,客観性などの検証
(3)資料の解釈
  ○ 評定基準
   ・評定のよりどころ
   ・目標基準,集団基準,個人基準
  ○ 規準
   ・目標(あり方)というよりどころ
   ・このレベルにはしたいという指導の方向性
  ○ 基準
   ・評定(現実)のためのよりどころ
   ・目標基準…目標基準準拠評定,絶対評定→重視
   ・集団基準…集団基準準拠評定,相対評価
   ・個人基準…個人基準準拠評定,個人内評価→重視/ポートフォリオ評価
3 指導と評価の遊離 ―一体化を目指すシステム―
  目標1―計画1(P1)―実践1(D1)―評定1(S1 見とり,チェック,改善)―計画2
  (P2)―実践2(D2) ―評定2(S2 実現の確認,成績)
(1)指導目標の具体化
  ○ 指導目標を目に見える形で具体化させる。
   ・数値目標,行動目標→誰にでもできる評価/客観性のある評価
  ○ 本時で,単元で行う。
   ・短いスパンで。評価即手当が原則→そのための評価
  ○ 観点別に行う
  ○ 学年部会,教科部会で妥当性を検討
(2)指導その1/計画1(P1)―実践1(D1)
  ○ 多くの児童がわかる,できる計画であり,実施である。
   ・一斉指導や少人数指導
(3)評定1(チェック,改善)
  ○ 目標の実現状況を見とり,次の指導についての資料を得る。
  ○ 測定目標(規準)の設定
   ・分析した指導目標から抽出する。→代表的なものを抽出して設定
  ○ 測定技術の選択,作成,実施
   ・設定した測定目標にもっとも適した技術
  ○ 資料の作成・解釈
   ・採点等で処理,集計した結果を評定基準により評定を行う。3段階以上がよい。
   ・児童の学習状況チェックだけでなく,自己の指導の妥当性も検証→以後の指導に生かす。
  ○ チェック,改善して次の指導2へ
(4)指導その2/計画2(P2)―実践2(D2)
  ○ 目標の実現状況に応じて,改善した指導,学習の見直しを行い,目標の実現を果たす。
   ・少人数指導(習熟度別指導)やTT指導など,指導法の工夫
(5)評定2(S2)
  ○ 目標の実現状況を確認し,成績(評定)の資料とする。
  ○ 測定目標(規準)の設定…評定1に準じて
  ○ 測定技術の選択,作成,実施…評定1に準じて
  ○ 資料の作成,解釈,成績の付与
   ・評定1の評定基準で評定を行う。
 
 

[3]「指導と評価大学講座」聴講報告 その4(連載 全11回)
    新学習指導要領移行期における授業づくり
             有田和正(東北福祉大学教授/教材・授業開発研究所代表)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 法で規定された学力の3要素
   1. 基礎的・基本的な知識・技能の「習得」
   2. これらを「活用」して,思考力・判断力・表現力,その他の能力
   3. 主体的に学習に取り組む態度(言い換えれば「探究」)
      *学校教育法 第30条2項
2 今しなければならないこと
 ○「習得・活用・探究」の学び方の育成
3 指導するということ
(1)見えない(わからない)こと──見える(わかる)ようにすること            
(2)多様な学び方を体得(体験)させる。
(3)学習意欲を引き出す。                       
(4)教材……おもしろい,内容がある,方法がわかる
    *「円の直径」の実践例
4 何を,どのように育てるか
(1)応用力を育てる〈タラントのたとえ〉
  ○ 今までの教育→10学んだら,その10を保持する(学んだことをその通りに身につけている子)
  ○ これからの教育→10学んだことを,20,30にする。忘れなければいい,だけではだめ。
   ・自らの力で知識や学習技能を発展させる力
   ・「基礎・基本」を確実に習得させる。
   ・「基礎・基本」とは?→「応用が利く」「身につきにくい(剥落しやすい)」
    「次第に個性的になる」
   ・そのための教材は?→「興味・関心が持てるもの」「内容・方法など力をつけるもの」
(2)授業を充実させる
    ねらい(これだけは何としても教えたい……これを鮮明につかむ/しかし教えてはならない
           1 発問と指示
           2 板書                                
        技  3 資料の活用            │子どもへの│          
        術  4 話し合い             │対応の技術│          
           5 話術・表情・パフォーマンス
           6 人間性
     子どもが学びたい,追究したい,調べたい
5 具体的な授業の例
(1)活用型の授業例
  ○ 授業づくりのポイント
   ・子どもが追究したくなる「はてな?」を持たせる
  ○ 授業の流れ
   ・遠足で導入……三浦半島へみかん狩り
   ・「みかん学習」へ切り込む……作文「温かい土地」「海のそば」「リンゴ産地との差」
   ・動き出した子どもたち……「八百屋のみかんの箱」「愛媛みかん」
   ・みかん栽培の条件……ひとりの考えがみんなを変えた
   ・驚くべき調べ方と表現方法……調べてきたことを「実況中継風」に書いている。
                  何としても伝えたいと思えば,自ら書き方を工夫する。
   ・計算する子ども……「30葉1果」をつきとめる。*1葉1果はイチジク
   ・まとめ
(2)歴史学習の授業例
  ○ 長崎街道(シュガーロード)と京都の菓子
   ・寺,神社と菓子
   ・京都に集まる砂糖(ザビエル)
   ・上質の菓子
   ・シュガーロードとの関係
  ○ 長崎街道(シュガーロード)と小城羊羹(佐賀県)
     →228km         →小さな町に29軒の店(工場)
   ・出島─砂糖(白い宝石)
   ・長崎街道→全国へ「白い宝石」
   ・カステラ,丸ボーロ
   ・お菓子の歴史─シュガーロードの歴史
   ・佐賀県は羊羹の消費量日本一
   ・東京の「虎屋の羊羹」が見えてくる
6 まとめ
(1)「意欲」を引き出すことの大切さ
  ○ おもしろい教材
  ○ おもしろい体験
(2)生きる力
  ○ 時代の変化に対応して新しい知識・技能を創造し続けていく力
(3)資質×環境×意欲=能力
  ○ 変えられるのは「意欲」だけ/能力を伸ばすには「意欲」を高めるしかない。
  ○ 意欲のもてる教材,指導法を開発する
 
 

[4]「指導と評価大学講座」聴講報告 その5(連載 全11回)
     生徒指導とカウンセリング
    ─心理療法志向のカウンセリングから生徒指導志向のカウンセリングへ─
          国分康孝(東京成徳大学副学長:日本カウンセリング学会会長
                        :日本教育カウンセラー協会会長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 2つのスクールカウンセリング
(1)ロジェリアンの特徴=臨床心理士
  ○ 日本のスクールカウンセリングはロジェリアンと臨床心理士が主流の時代が続いてきた。これに対するのが生徒指導志向のカウンセリングである。
  ○ カール・ロジャーズ  アメリカの臨床心理学者で、来談者中心療法を創始
  ○ 受け身的である……来るものは拒まず,去る者は追わず
  ○ 心理療法とカウンセリングの識別がない。
  ○ 学校からいうと「外部連携機関」にあたる。
(2)生徒指導志向のカウンセラーの特徴⇔心理療法志向のカウンセリング 
  ○ 発達課題を対象とする
  ○ プログラムを展開する
   ・授業型カウンセリング
  ○ 教員が行うカウンセリング
  ○ 教員が心理療法志向のカウンセリングをすべきではない……保護者への責任
2 生徒指導志向のカウンセリングの原理
  ○ 生徒指導(ガイダンス)は教育
  ○ 心理療法よりも現実原則の要素が強い  
  ○ 心理療法よりも能動的
  ○ 心理療法よりもグループ志向(プログラム展開方式)
  ○ スクールカウンセラーは「教育者」であるべき,「治療者」(心理臨床医・臨床心理士)ではない。
(1)現実原則と心理主義
  ○ 心理主義にとらわれてはならない。→心理の説明だけで人生は生きられない。
  ○ 現実原則→目の前の現実をとらえる。
(2)「受容」と「コンフロンテーション」
  ○ 受容……傾聴
  ○ コンフロンテーション……自分の考えを子どもに訴える/打って出る
  ○ 自己の思いを開示(自己開示)……「先生,とてもいやな気持ちになったんだ」
(3)プログラム(エクササイズ)
  ○ 個別の身の上相談ではなく,学級全体でエクササイズ
  ○ プログラム方式エクササイズ……集団に対して働きかける/集団を向上させる
3 SGEのプログラム Structured Group Encounter「構成的エンカウンター」
(1)目的
  ○ ふれあいと自他理解
   ・構成的……枠(制限)を与える。指示をする(「1分間ですよ」「3人グループですよ」等)
   ・エンカウンター……本音と本音の交流
   ・例:「私は私が好きです。なぜなら〜」「私は○○ちゃんが好きです,なぜなら〜」  別れの花束「あなたは〜がすてきです。これからも〜」
(2)方法 
  ○ インストラクション
  ○ デモンストレーション
  ○ インターベンション
  ○ シェアリング
(3)条件
  ○ 自己開示能力は自己受容の度合いによる。
   ・アイデンティティーがあるかないか
4 キャリア教育のプログラム
(1)先を見て今を生きる教育
  ○ 先を見て生きる教育……子どもの現実判断を促進,トレランスを生む。
   ・先を見るにはどのようなプログラムが有用か。
    →今,何をするべきかがわかる/今の苦労に耐えられる
    →アウシュビッツ収容所の例(時計もなく,いつになったら出られるかわからない不安から自殺者が多発。クリスマスには解放されるらしいという情報で自殺者が激減)
   ・SGEが示唆に富む
   ・往復書簡法……「20才の自分に手紙を書く」「20才になったつもりで中学生の自分に手紙を書く」
(2)人生の状況に意味を見いだす教育
  ○ どのキャリアにも欲求不満やストレスが伴う。
   ・認知のしかた(意味づけ)が有効
    →自分で意味づけを発見できる能力
   ・そのためにどのようなプログラムが有効か
   ・リフレーミング,論理療法REBT
(3)自己肯定感を育てる教育
  ○ キャリアを選ぶ(自己主張)には自己肯定感が必要
   ・どのようなプログラムが自己肯定感を育てるか。
   ・印象を語る/ほめあげ大会/別れの花束など
   ・ポジティブな自己概念を育てる。→日常生活の中で
5 サイコエジュケーション(心の教育)のプログラム
  心→反応……感情/思考/行動
(1)思考のサイコエジュケーション
  ○ 役割交換法……偏見・上下関係・尊卑
   ・ホワイトカラーにブルーカラーの仕事を
  ○ 対話法
  ○ 自己開示法
   ・自己を語る
(2)感情のサイコエジュケーション
  ○ 心を揺さぶる
   ・ケアされる体験,音楽や歌,遊び,未完の行為の完成など
   ・ある中学校での実践「浴衣を着させてもらい,運んでもらい,脱がせてもらう」
    →いたわりの感情を育てる。
(3)行動のサイコエジュケーション
  ○ ソーシャルスキル
   ・あやまり方/あいさつのしかた/上司との接し方 など 
  ○ スタディスキル
   ・勉強のしかた/読書のしかた/レポートの書き方 など
  ○ コミュニケーションスキル
6 結 論
  学校教育で求められるカウンセリングは心理療法家・臨床心理士による個室内の身の上相談分の面接(インドア方式)ではなく,教師の行えるアウトドア方式のプログラムを展開する授業型のガイダンス・カウン セリングである。これが本来のスクールカウンセリングである。


 役立ちWeb特集 
(1)回転地図、統計地図など地図コンテンツの拡充
 地図サイトにおいて地図上の文字はそのままに、地図のみが回転する「回転地図」や、ユーザ自身が数値情報をもとに地図を作成できる「統計地図」を提供開始。また、日本国内の地形に合わせて地図を立体的に見ることが出来る「3D地図表示システム」を提供。

(2)HTV技術実証機打ち上げ成功
 9月11日、宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機を載せたH-IIBロケット試験機を、種子島宇宙センターから打ち上げ。今後、HTV技術実証機は国際宇宙ステーション(ISS)へ徐々に接近し、18日にISSに結合する予定。愛知のものづくりの一大成果です。

(3)南山大で10月10日、教師力セミナー2009
 10月10日、「ネット社会をどう生きる〜親の役割・教師の役割〜」をテーマに、「教師力セミナー2009」を南山大学名古屋キャンパスで開催する。情報モラル教育の模擬授業と模擬授業解説、パネルディスカッションなど。玉置先生の模擬授業に注目!

(4)研修主任たけせん参上
ほめ言葉の錬金術師をめざす小学校教師たけせんのホームページ。子どもにとってより価値のある教師をめざすために、立ち上げました。
子どもにとって大事なことはきちんと指導する、時には教え込むことも必要だと考えています。
本気で叱り、本音でほめる、そして汗だくになるまで一緒に遊ぶ。そんな熱血教師をめざしています。
 
(5)輝く瞳と素敵な笑顔を求めて   http://www.tcp-ip.or.jp/~suda1016/ 
 教師の力量が問われる時代、教師が迷えば子どもも迷う。教師が輝けば、子どもも輝く。
素敵な教師が増えれば、素敵な子どもも増える。おごりではなく、真摯に自分を振り返る場を
ここに作ってみた。
 
(6)総合型地域スポーツクラブを核とした活力ある地域づくり推進事業

6  教育関連情報
(1)文部科学大臣はこんな人 
  昭和20年(1945)1月24日近江八幡生まれ。滋賀県立彦根東高校卒、京都大学工学部卒、京都大学工学部大学院を修了。東レ株式会社に入社、研究開発業務に従事。昭和61年衆議院議員初当選(民社党)以来7期連続当選。
 私は小さい頃から機械いじり、自然観察が好きでした。
 大学、大学院と工学部、工学研究科を修了し、「技術の東レ」と評価の高い、東レ株式会社に入社しました。
 東レでは海水を真水に変える「水処理システム」の研究・開発にたずさわり、自然科学で世の中に貢献すべく、一心不乱の毎日でした。
 ところがある時、金権政治に対抗して出馬し、資金も組織も劣り、勝つのはかなり難しいと思われていた人の選挙の応援をし、熱く、燃えに燃えて戦った結果、劇的な勝利をするという、深い感動を味わいました。
 一人ひとりの力が集まると大きなパワーとなり、社会の大きな壁を突き崩すことを知り、社会科学に興味を持つようになりました。そして「初心生涯」をモットーに政治家として新しい道を歩くことになりました。( 略 )
☆★☆ コメント ☆★☆
 実務派だが、教育は専門外。まずは、マニフェストの実行に全力を尽くすと思われる。考え方が偏っていないのがありがたい。 
 
 MM紹介
 
(1) Japan On the Globe(614)  国際派日本人養成講座
  Common Sense: 世界に拡がる寺子屋教育 〜 The Kumon Way
     それは近代化・民主化を図る発展途上国への我が国のご先祖様からの贈り物である。
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■1.「自分が自分の変化をいちばん信じられない」■
 アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス近郊にある公文教室。アメリカの小中学生たちが、それぞれのワークシートに取り組。
 子供たちに混じって、一番後ろの席に、黒人青年が一人座っていた。ジャーナリストの木下玲子さんが近づくと、足し算の問題に取り組んでいる。
   12+21、24+42、、、
 体でリズミカルにテンポを取りながら、鉛筆を走らせている。
 ビッグ・アーサーとクラスでのあだ名で自己紹介した青年は、白い歯を見せて、こう語った。[1,vii]
 
 算数がすごく楽しくなってきて、警備員の仕事をしていても、休憩時間になったらワークシートをちょっとやっておこうかなんて考えている。自分が自分の変化をいちばん信じられない。
 誰でもできそうな足し算の練習問題だが、それらをスラスラ解ける充足感をビッグ・アーサーは満面に湛(たた)え、誇らしげだった。
 1頁の問題を解く作業時間も、速くなってきたし、、、。米軍の看護師になりたいと思っている。そのためには数学と科学の試験に受からないといけない。サンタモニカ・カレッジでコースを取ったものの、数学の基礎学力のないことを思い知らされた。だからKumonに通うことを決めた。
 
■2.自学自習の楽しさ■
 日本で50年前に始まった公文式教育は、現在、46カ国・地域に広まり、生徒数は414万人にものぼる。ビッグ・アーサーも、その一人である。
 公文式の創始者、公文公(くもん・とおる)は大正3(1914)年、高知市の豊かな農家の8人兄弟の次男とした生まれた。小学校4年の時、担任から「算術は自習で先に進んで良いのだ」と言われたことから、公は自学自習の楽しさを知った。
 私立土佐中学に進んだが、同校は出来の良い子をさらに伸ばすための「自学自習」主義をとっており、公には自分で好きなペースで進めていくのが、楽しかった。そして、好きな科目で成績が伸びると、その教科がますます好きになった。
 公は大阪帝国大学の数学科を卒業した後、高知県立海南中学校の数学教師となった。日華事変が始まると徴兵を受けて、満洲に出征し、戦後、母校の土佐高校の数学主任の職を得た。
 昭和27(1952)年、大阪市立桜宮高校に移った。結婚し、子供もできた。ある日、妻から小学校2年生となっていた長男・毅の算数の答案を見せられて愕然とした。38+15といった簡単な足し算がまったく出来ていない。
 公は毅に計算だけに絞り込んだ練習を家でさせるようにした。無理をしないように、途中で止まらないように、少しずつ程度を上げていくワークシートを自分で作った。
 父親の手作りの教材で、毅はグングンと学力をつけた。それを見た妻が、「近所の子どもにも声をかけ、我が家の二階で算数教室を開きましょうよ」と言い出した。
 10人くらいの子どもが集まって、ワークシートで教えると、確実な手応えがあった。算数の成績が2の子でも半年くらいで、4をとれるようになった。4の子は、2、3カ月で5に引き上げることができた。
 やがて、高校時代からの友人に「事業として教室を展開したらどうか」と勧められた。指導者募集の3行公告を新聞に出すと、家庭にくすぶっていた高学歴の主婦たちからの応募が数多くあった。教室はすぐに80を超え、生徒も2千人に達した。
 
■3.生徒一人ひとりが持つ伸びる力をうまく引き出す■
 公文は数学教師をやっていた時、算数や数学が苦手と訴える生徒たちのどこが問題なのか調べて、おおかたが「計算力不足」から来ている事に気がついた。計算という土台づくりでつまづくと、文章題もできなくなる。高校の数学が不得意な生徒には、必要なら小学生の学習内容に戻って、計算力をつけるべきだと考えた。
 公文式の特長は:
  ・生徒が一定速度で問題を解けるように「ちょうど」の問題から練習させる。
  ・繰り返し同じページで反復練習させることで、「居心地よい」スピードで解けるまで復習させ、楽に満点を取れる達成感をつけさせる。
 指導者の役割は、算数・数学が苦手な生徒に、「ちょうど」の問題を見つけてあげること、そして目の前の生徒が計算問題を解く様をよく観察して、どこでどう引っ掛かったのかを知り、「ここが違うよ」と一言ヒントを与えることだ。そうすれば生徒は自分で考えていく。うまく解けるようになると、面白くなってくる。そして満点をとれるようになる。
 
「子どもは勉強で満点をもらうと達成感を味わう。すると自分から進んでどんどん先をやりたがるものだ」が公の口癖だった。
 指導者の役割は、生徒の学習状態をよく観察して、タイミング良くヒントを与えてやることだ。子どもが何か覚えようとすると、最初は時間がかかり、間違えるものである。その過程で、物事の原理を自分で考える。
 最初に正解を与えて、生徒に押しつけるようなやり方では、自ら原理を見つける面白さが分からず、やる気も出てこない。
 あるいは、押しつけに反発して、勉強そのものから逃避していまう。
 生徒一人ひとりが持つ伸びる力をうまく引き出す事が、公文式の本質と言えよう。
( 中 略 )
 
■8.ご先祖様からの贈り物■
 公文式学習法は、江戸時代の寺子屋教育の伝統まで行き着く歴史的背景を持っているのだろう、と木下玲子氏は指摘する。
 確かに寺子屋では、年齢もばらばらな子供たちが机を並べ、それぞれの進度に合わせて、お師匠さんがマン・ツー・マン教育をしていた。そんな寺子屋が幕末の頃には全国で1万5千もあった。当時の江戸での識字率は70〜86%と推定されており、同時代のイギリスの工業都市での20〜25%とに比べても、群を抜く教育水準であった。[c]
「読み書き算盤」の基礎教育がこれだけ国民の間に広まっていたからこそ、明治日本が科学技術においても、立憲議会政治においても、あっという間に西洋諸国に追いついたのである。
 この日本の経験こそ、政治経済の近代化・民主化を図ろうとする発展途上国が必要としているものだ。それを具体的な教育方法として提供している"The Kumon Way"は、我が国が世界に提供している貴重な贈り物なのである。
 同時に、それは「ゆとり教育」「日教組教育」などの迷走により、崩壊の淵に立つ現代日本の教育を再建するためのご先祖様からの贈り物でもある。          (文責:伊勢雅臣)
☆★☆ コメント ☆★☆
 バイオリンの鈴木メソードと、計算の公文式は、世界に誇る学習法である。公文式で、計算ができる喜びを味わうことはよいことだ。
 ただし限界があることも知っておくべきだろう。
 以前、特別支援学級で、中度の自閉の生徒がいた。
 「30円のアメと50円のガムを買うといくらでしょう」という問題は全くできない。
 しかし、この生徒は、公文式で、分数のかけ算、割り算を終え、方程式を学習していた。
 
 買い物もできない子が、方程式が解けるというのは、公文式の偉大な成果であろう。
 しかし、方程式が解けるのに、買い物すらできないというのは、公文式の大きな限界である。
 限界をわかって活用すべきであろう。
  
(2)社会人の雑学          |●6959部発行 
   ★雑木話★   第1002回配信 | Mag2___5910 melma!__576
┏● 疑問No.768 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 三重県の地名の由来を教えて! 何が三重(さんじゅう)なの?   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
───● Issieさんから●───────────────────────
「三重」の地名は、ヤマトタケル(日本武尊、倭建命)の東征伝説に由来するとされています。
 東国征服の戦いを終えたヤマトタケルは、その帰路、伊吹山の神を討ちとろうとしたのですが、逆に伊吹の神の毒気にあたって病気になってしまいます。
 病の身をおし、伊勢を通って大和へ帰ろうとしたヤマトタケルでしたが、現在の四日市のあたりまで来ると体力が衰え、「私の足は三重に曲がり、とても疲れてしまった」と言いました。結局、彼は大和へ帰り着くことなく、今の亀山市のありで「大和は国のまほろば たたなづく青垣 山ごもれる 大和しうるわし」という歌を残して亡くなってしまいます。
「足が三重に曲がってしまった」という彼の言葉から「三重郡」という地名が生まれ、それが「三重県」につながった、というわけです。
 伊吹山から彼がたどったとされる道筋には「三重」のほかにも、「醒ヶ井」「当芸野(たぎの)」「杖衝坂(杖突坂)」など、この伝説に由来するとされる地名があります。もっとも、「古事記」などに書かれているこれらの地名由来伝説は「後付けの理屈」であることも多くて、「三重」の本当の由来が何であるかは、よくわかりません。
 ところで上述の通り、「三重」とは本来、現在の四日市周辺の地名です。現在も「三重郡」に属する町村がいくつか残っていますね(ただし、明治以降の「三重郡」は古代の「三重郡」よりも広い範囲を含みます)。
 一方、現在の三重県の県庁所在地である津市が属していたのは「安濃郡」。たとえば「岩手県」や「茨城県」「山梨県」などがそうであるように、県名の中には県庁所在地が所属する(していた)郡名を採用したものが多くあるのですが、なぜ県庁所在地の津ではなくて四日市の地名である「三重県」なのか、というと……、
 1871(明治4)年7月の廃藩置県の後、同年11月に現在の三重県の北半分が1つの県にまとめられました。県庁を津(安濃津)に置いたので「安濃津県」と呼びました(一方、現在の三重県南半は山田(現伊勢市)に県庁を置く「度会(わたらい)県」にまとめられました。「度会」とは、山田が度会郡に属するからですね)。
 ところが津は安濃津県の中では南に偏りすぎていたので、1872(明治5)年3月に県のほぼ中央に位置する四日市に県庁が移されました。同時に県名も四日市の所属する郡名から「三重県」と改称されました。しかし、四日市に移された県庁は手狭であったという理由で、1873(明治6)年12月に再び県庁が津に移されます。けれども今回は「安濃津県」または「安濃県」への再改称は行われず、「三重県」のまま県庁だけが津に戻ったのです。
 1876(明治9)年には度会県を合併して、現在の「三重県」となりました。
☆★☆ コメント ☆★☆
 このMMは、一般の人の素朴な疑問に、一般の人が答えるものです。
 当然、信憑性は保証されていません。
 時には、複数の人が、異なる見解を示す場合もあります
 でも、それでいいと思うのです。このように、ふとした疑問についてみんなで考える。ネット社会が生み出した、新しい文化だと思います。
 同じような発想のものに、「教えてgoo!」など多数ります。

  問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp