(1)【世界の新聞「101紙」の視点】 〜2010年1月13日(水)の紙面より〜
【最近の社説の、ここに注目】7日付「ワシントン・ポスト」
『ウガンダの野蛮な同性愛禁止法』の社説。
『ウガンダが制定を検討している同性愛禁止法は醜悪で愚かな法律だ。ウガンダ議会が同法を可決すれば、ウガンダの同性愛者には終身刑が科されることになろう。』
『当初、提案されていた死刑が終身刑に軽減されたのは、称賛すべきことではないし、米国やその他の国々からの圧力に対するウガンダ政府の譲歩と見ることもできない。法案は野蛮であり、ウガンダを文明諸国の域外に押しやるものだ。』
『「同性愛者の振る舞いと関連行動は伝統的な家族を脅かす」としている全文9ページの同性愛禁止法は、始めから終わりまで不快な代物だ。』
『法案の起草者たちは「性的に混乱した価値観をウガンダに押し付けようとしている」者たちからウガンダを「守る」必要があると指摘する。』
『彼らは、子供と若者は「性的虐待と逸脱の被害を受けやすい」という理由からも同性愛禁止法が必要であると強調し、「同性愛の堕落した影響の中には、野放しのテクノロジーとますます増大する同性愛者による子育ての試みが含まれている」と主張している。』
『同性愛禁止法は、ウガンダ市民やウガンダの永住者に適用され、ウガンダ内外での行動が共に処罰の対象になる。』
『同法は同性愛者を知っている者に対して、24時間以内にそれを警察に通報することを義務付けており、通報しなければ禁錮3年の刑を科される危険を冒すことになるとしている。また「同性愛を助長し、そそのかし、勧めたウガンダ人」は禁固7年を宣告される。』
『さらに、エイズウイルスに感染しながら、他人と同性愛の関係を持った場合など「加重同性愛罪」で有罪となった者は「死刑を科される」可能性があるとしている。』
『同性愛禁止法はウガンダの「大事な文化」と「ウガンダの法律上、宗教上の価値観、および家族の伝統的価値観」を強調している。』
『われわれは、ある国民が自分たちの文化と価値観を守る権利を尊重する。』
『しかし、性的指向を理由に男女の同性愛者に終身刑を科すのは一種の残虐行為だ。ウガンダでは男女の同性愛者が、同性愛者であるという理由で、自分たちの政府によって処罰されることになるのだ。』
『ウガンダ政府の遅れた考え方に反して、同性愛者であることは選択の問題ではない。しかし、同性愛者への憎しみをあおる法律を通すのは選択の問題だ。』
『米国や他の国々はウガンダ当局者に同性愛禁止法を棚上げするよう求めている。しかし、これまでのところ、こうした訴えは無視されている。』
『もしかすると、8日に南米のトリニダード・トバゴ共和国で開かれる英連邦首脳会議の議長を務めるウガンダのムセベニ大統領を説得して、高まる国際的怒りに耳を傾けさせることができるかもしれない。』
『しかし、ウガンダが同性愛禁止法を可決すれば、同国は国際社会からのけ者にされる危険を冒すことになる。』
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アメリカの有名紙、ワシントン・ポストの社説で堂々と書かれているこの問題。
『米国や他の国々はウガンダ当局者に同性愛禁止法を棚上げするよう求めている』
『高まる国際的怒り』
『同国は国際社会からのけ者にされる危険を冒すことになる』
このような言葉が並んでいるが、日本では、ほとんど無関心であるように思える。
「遠いアフリカでの出来事だから」というよりも、やはり「同性愛」という部分が問題なのだろう。
日本では、是非の論議以前に「触れずにおこう」という感がある。
日本でもこうしたことについて、声高く主張するようになったほうがよいの
だろうか。
(2)知らなきゃ損する!面白法律講座 2010年 1月12日 第515号
■ 法律クイズ 第189回 【問題】
「未成年者が学生ローンから借金!」
母親のAさんは、息子のB太郎(19歳)が学生ローンから100万円も借金をしたことを知りました。そこで、親の同意を得ていないとして契約を取り消したいと思っています。このとき、契約を取り消せる者は誰でしょうか?
1. 母親のAさんのみ
2. 息子のB太郎のみ
3. AさんとB太郎双方
□解答□
3. AさんとB太郎双方
未成年者(20歳未満)が契約を締結するには、原則として法定代理人の同意を得なければなりません(民法5条1項本文)。法定代理人は、ふつうは親権者である親ですが、親権者のいないときは未成年後見人が選任されます(838条1号)。
法定代理人の同意を得ずに未成年者がした契約は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除いて、取り消すことができます(5条2項)。取り消すことができる人は、未成年者自身または法定代理人です(120条1項)。
本問において、未成年者であるB太郎が学生ローンから100万円も借金をしたことは、日常生活に関する行為とはいえません。そのため、AさんとB太郎の双方が契約を取り消すことができます。
契約を取り消すと、最初から契約をしなかったのと同じことになるので、契約により受け取っていた金銭を相手方に返還することになります。ただ、未成年者は「現に利益を受ける限度」で返還すれば良いので、B太郎がおを遊興費などに使い切っていて、何らの利益も残っていなければ、お金を返還する必要はありません(121条)。
ただし、お金を生活必需品の購入などに使い、その消費によって本来の出費を免れたときは、その分のお金が使われずに残っていると考えられるので、お金を返還する必要があります。
なお、B太郎が結婚している場合は、すでに成人しているとみなされるので、契約を取り消すことができません(4条)。B太郎が商売をしており、営業を許された未成年者の営業に関する行為であるときも、取り消すことができません(6条)。
また、B太郎が親権者であるAの同意を得ていると相手方をだました場合や、B太郎が成年になってから代金を支払った場合なども、取り消すことができません(21条、125条)
(3)JMM [Japan Mail Media] No.566 Monday Edition ■Q:1045
今年、GDP規模で中国は日本を上回るようです。わが国は「3番目」になるわけ
ですが、どういった受け止め方をすればいいのでしょうか。
■ 菊地正俊 :メリルリンチ日本証券 ストラテジスト
2010年は日本が経済規模で、41年ぶりに「世界2位」の地位を失う歴史的な年になります。中国の人口は日本の10倍であるため、中国のGDPが日本を抜くのは時間の問題だったとはいえ、「世界2位」の称号を失うことは感慨深いものがあります。逆に、中国の名目GDPは、2007年にドイツを抜いて世界3位になった4年後に早くも、日本を抜いて世界2位の経済大国になります。エズラ・ヴォーゲル著『ジャパン・アズ・ナンバーワン』との本が流行ったのは1979年でしたが、昨年は関志雄著『チャイナ・アズ・ナンバーワン』が発売されました。中国に出張に行く
度に、もはや中国には敵わないとの印象を抱いてしまうこの頃です。
最近、中国は世界の工場ではなく、世界の消費市場の色彩を強めています。2009年の中国の自動車販売台数は前年比44%増の1350万台と、米国の1120万台を抜いて世界一になりました。一方、若者の車離れが深刻な日本では、2009年の新車販売台数は前年比9%減の460万台と、5年連続での前年割れとなり、1977年以来の低水準に落ち込みました。温室効果ガス削減で自己主張を通す中国が輸出する製品に対して、CO2課税をかけるべきだとの意見も出ていますが、中国市場から締め出されることを恐れる先進国は中国に対して、強い主張ができなくなっています。
1980年代のアジアは、日本が先頭になってアジア経済をひっぱり、NIEs(韓国、台湾、香港、シンガポール)、ASEANが続き、最後尾が中国という雁行型の経済発展と呼ばれました。中国経済が成長できたのは、日本のおかげである部分が多々あります。日本企業は、安い製造コストを求めて、中国への直接投資を増やしました。第二次世界大戦で中国を侵攻した負い目から、日本政府は中国に対して、1979−2008年に3.5兆円ものODAを供与し、中国の経済成長を助けましたが、今や中国がその他途上国に対して経済援助を通じて影響力を行使するまでになりました。
1990年のバブル崩壊以降、日本経済が落ち込んだのは、日本の政治リーダーシップの欠如が大きいと思います。中国では1993年以降、江沢民と胡錦濤の2人の国家主席しか誕生していませんが、その間日本では首相が12回変わりました。小泉内閣時に一時的に改革志向が高まりましたが、それ以降、構造改革策は頓挫しました。中国では1978年に、トウ小平の指導下で改革開放策が始まって以来、社会主義経済を変えようという改革策が維持されています。日本では草食系といわれるようなエネルギーに欠ける若者が増える一方、中国では金持ちになりたいとエネルギッシュに働く若者が依然多い印象です。
中国経済の課題としてよく挙げられるのは、1)政治民主化の遅れ、2)貧富格差の大きさ、3)インフラの未整備、4)法整備の遅れ(人治主義)、5)民間企業への国家介入の強さ、6)外国からの投資や資本取引に対する規制、7)科学技術力の低さ、8)模倣品の多さ、9)エネルギーの過大消費と環境汚染、10)国内産業の育成の遅れなどです。中国の株式市場が拡大したといっても、時価総額上位の多くは金融、公益、資源関連企業です。中国では国際的に活躍できる製造業が誕生していません。電子・自動車部品をはじめとする製造技術は日本の方が依然強い状況です。
経済成長と企業利益の成長は、別物であるとの言い方もできます。日本企業はグローバル化を進めることで、中国の経済成長を利益成長に取り込むことが可能でしょう。アジア通貨危機とリーマンショックの影響を除いて考えるために、1999−2007年でみると、中国の年平均EPS成長率は23%でした。日本の2000年3月期−2008年3月期の年平均経常利益は16%と、中国を多少下回った程度です。2011年3月期の予想増益率は、日本が52%と中国の約2倍の増益率が予想されています。経済成長率では中国の10%に対して、日本はゼロと対照的な結果になっていますが、企業収益でみれば差が大きくないことは、日本の株式市場を見るうえでの救いです。 メリルリンチ日本証券 ストラテジスト:菊地正俊
(4) 教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言
12月までの授業実施時数
全20学級の週案を点検した。授業実施時数の点検である。
3学期は,実質10週分として見通しを立てる。それを勘案して,残時数がクリアできるかどうかをチェックした。
どの学級もほぼ問題ないことがわかった。しかし,週案を子細にチェックしてみると,??の連続。
ある学年は,そろって学芸会の練習を国語や社会として計上している。この学年は合唱と合奏である。他にも,週案上は算数になっているが実際は体育をやっているという例も知っている。つまり,週案上の時数と実際にやった時数とは異なるということ。
「時数足りて中身なし」である。
事情はよくわかる。しかし,どの教科も年間指導計画分だけは授業を進めねばならない。学力をつけねばならない。ベテランの担任は何とかしてくれるだろう。しかし,若い担任はそうはいかない。
3学期はこのことを十分留意しなければならない
(5)常識ぽてち【やや日刊】 ♪2009-12-20(第1251号)
■クエン酸
クエン酸は漢字で書くと「枸櫞酸」となります。(櫞=木へんに縁)英語表記では「citric acid」。「枸櫞」とはレモンのこと、そして「citric」は柑橘のこと。つまりクエン酸は柑橘類などに含まれる有機酸という意味です。
食用としては同じような有機酸に「酢酸」があります。こちらはお酢としておなじみです。ニオイの強い酢酸に比べ、クエン酸はニオイも無く味もさわやかなこともあり、お菓子などの食品添加物として多く利用されます。
酢酸がニオイが強いのは揮発性の気体を発し、それが鼻をくすぐるからです。しかしそのニオイを除けば、酸味はクエン酸と同じもの。つまりお酢の酸味はクエン酸そのものなのです。
クエン酸はサツマイモなどのデンプンを発酵させて作られます。化学的に合成されるものではありません。また常温で粉の状態で安定しているので取り扱いが楽です。自然健康食品として人気が高いのもうなずけます。
クエン酸は疲れたときに服用すると疲れが取れるといわれます。これは科学的に根拠のあることなのです。生体において疲れてくると体内の乳酸量が増えるといわれます。クエン酸はこの乳酸量を減らす働きがあることが立証されています。クエン酸は薬局で簡単に買うことができますので、疲労回復に利用してみてはいかがでしょうか?
また、クエン酸は農業にも使用されます。同じ畑に肥料をやり続けていると燐酸やカルシウムが塩(シオではなくエン)として固定されます。こうなると肥料分があるのに効かない状況になってしまう。クエン酸を畑に撒くとこの塩が溶けて肥料分として効くというわけ。食用にするにはそう高くないクエン酸ですが、肥料として使うのはちっと高価。なので、農家さんはたまにしか使わな
いようですが効果はテキメンです。