(1)毎回恒例 第174回国会における鳩山内閣総理大臣施政方針演説(平成22年1月29日)
毎回行っている、施政方針演説の教育に関する部分の抜粋です。
(「新しい公共」によって支えられる日本)
人の幸福や地域の豊かさは、企業による社会的な貢献や政治の力だけで実現できるものではありません。
今、市民やNPOが、教育や子育て、街づくり、介護や福祉など身近な課題を解決するために活躍しています。昨年の所信表明演説でご紹介したチョーク工場の事例が多くの方々の共感を呼んだように、人を支えること、人の役に立つことは、それ自体が歓びとなり、生きがいともなります。こうした人々の力を、私たちは「新しい公共」と呼び、この力を支援することによって、自立と共生を基本とする人間らしい社会を築き、地域の絆を再生するとともに、肥大化した「官」をスリムにすることにつなげていきたいと考えます。
一昨日、「新しい公共」円卓会議の初会合を開催しました。この会合を通じて、「新しい公共」の考え方をより多くの方と共有するための対話を深めます。こうした活動を担う組織のあり方や活動を支援するための寄付税制の拡充を含め、これまで「官」が独占してきた領域を「公(おおやけ)」に開き、「新しい公共」の担い手を拡大する社会制度のあり方について、五月を目途に具体的な提案をまとめてまいります。
(文化立国としての日本)
「新しい公共」によって、いかなる国をつくろうとしているのか。
私は、日本を世界に誇る文化の国にしていきたいと考えます。ここで言う文化とは、狭く芸術その他の文化活動だけを指すのではなく、国民の生活・行動様式や経済のあり方、さらには価値観を含む概念です。
厳しい環境・エネルギー・食料制約、人類史上例のない少子高齢化などの問題に直面する中で、様々な文化の架け橋として、また、唯一の被爆国として、さらには、伝統文化と現代文明の融和を最も進めている国のひとつとして、日本は、世界に対して、この困難な課題が山積する時代に適合した、独自の生活・行動様式や経済制度を提示していくべきだと考えます。
多くの国の人々が、一度でよいから日本を訪ねたい、できることなら暮らしたいと憧れる、愛され、輝きのある国となること。異なる文化を理解し、尊重することを大切にしながら、国際社会から信頼され、国民が日本に生まれたことに誇りを感ずるような文化を育んでいきたいのです。
(人材と知恵で世界に貢献する日本)
新しい未来を切り拓くとき、基本となるのは、人を育てる教育であり、人間の可能性を創造する科学です。
文化の国、人間のための経済にとって必要なのは、単に数字で評価される「人格なき教育」や、結果的に人類の生存を脅かすような「人間性なき科学」ではありません。一人ひとりが地域という共同体、日本という国家、地球という生命体の一員として、より大きなものに貢献する、そんな「人格」を養う教育を目指すべきなのです。
科学もまた、人間の叡智を結集し、人類の生存にかかわる深刻な問題の解決や、人間のための経済に大きく貢献する、そんな「人間性」ある科学でなければなりません。疾病、環境・エネルギー、食料、水といった分野では、かつての産業革命にも匹敵する、しかし全く位相の異なる革新的な技術が必要です。その母となるのが科学です。
こうした教育や科学の役割をしっかりと見据え、真の教育者、科学者をさらに増やし、また社会全体として教育と科学に大きな資源を振り向けてまいります。それこそが、私が申し上げ続けてきた「コンクリートから人へ」という言葉の意味するところです。
三 人のいのちを守るために
私は、来年度予算を「いのちを守る予算」に転換しました。公共事業予算を十八・三パーセント削減すると同時に、社会保障費は九・八パーセント増、文教科学費は五・二パーセント増と大きくメリハリをつけた予算編成ができたことは、国民の皆さまが選択された政権交代の成果です。
(子どものいのちを守る)
所得制限を設けず、月額一万三千円の子ども手当を創設します。
子育てを社会全体で応援するための大きな第一歩です。また、すべての意志ある若者が教育を受けられるよう、高校の実質無償化を開始します。国際人権規約における高等教育の段階的な無償化条項についても、その留保撤回を具体的な目標とし、教育の格差をなくすための検討を進めます。さらに、「子ども・子育てビジョン」に基づき、新たな目標のもと、待機児童の解消や幼保一体化による保育サービスの充実、放課後児童対策の拡充など、子どもの成長を担うご家族の負担を、社会全体で分かち合う環境づくりに取り組みます。
☆★☆ コメント ☆★☆
これまでの施政方針演説とは全く異なる。
これまで(自民党政権)は基本的な政策の要約であったが、今回は具体的な政策は少なく、そのバックにある理念が書かれている。官僚がまとめたものから、政府サイドへの転換であろうが、それにしても何をやろうとするのかが見えない。
(2)算数・数学の授業を診断、全国から教師参加しセミナー名古屋(愛知)
愛知教育大学教職大学院の志水廣教授が主宰する「算数・数学授業力アップセミナー」(県教委後援)が30日、名古屋市中区の県青年会館で2日間の日程で始まった。子どもたちの発言を先生が復唱することで、重要なポイントを明確にし、子どもたちの記憶に植え付ける「意味付け復唱法」などの技量を高めようと、県内だけでなく全国各地から53人の教師が参加した。
初日は小学校低・中・高学年、中学の四つの分科会に分かれ、一人ひとりが教壇に立ち、生徒役の教師たちを相手に、5分間ずつ模擬授業を行った後、志水教授らが授業を診断した。
セミナーに参加した茨城県茨城町立石崎小学校の渡辺浩直教諭は「自分が子どもの発言を理解できると、つい理解できない子がいることを忘れてしまって、授業を先に進めてしまう。自分では自分の授業を評価できないので、とても参考になります」と話していた。
(2010年2月1日 読売新聞)
☆★☆ コメント ☆★☆
「5分間ずつ模擬授業」は授業研究の有効な方法である。
授業者の意図が具体的に表れる。
児童・生徒の目線から診断できる。
反応予測ができる。
指導の流れ、方法が見えるので、指摘も具体的にできる。
全員が参加しやすい。
現職教育でも活用したい。
(3)若者の投票率アップへ 愛教大で学生がアイデア披露(愛知)
愛知教育大学(刈谷市井ヶ谷町)で2日、若者の投票率アップ策について、学生たちが考えたアイデアの発表会が行われた。「子どもが生まれたら、選挙を題材にした絵本をプレゼントする」「投票所でお祭りを開く」など、若者の視点からユニークな策が披露された。
☆★☆ コメント ☆★☆
内容はともかく、考えること自体に意味がある。「投票所のお祭り」も、発想としてはおもしろい。
たとえば、「TDLシンデレラ城が投票所。投票権でTDLに入場できます!」な〜んて…、ならないか…。