はじめて紹介するメルマガです。塾の先生の視点で語られています。
(1)学習ジム・コーチ mag2 0000119639 2010年9月12日 8:0
「あれ、宿題白紙のページ多いじゃん。」「えっ、だってわからなかったんだもん。」
「でも、先週授業でやったでしょう」「・・・・」
冒頭の言葉は、私が奈良で塾をやっていたときの「成績の振るわない子」との会話です。
今回も「要領の良い勉強法」についてお話しますね。
昨日の内容は見ていただけましたか?
今回も昨日に続き、「要領のよい勉強の話」をしたいと思います。
「偏差値70を超える子ども」の特徴は、「集中力がある」ということと、「タイミングが良い」
ということにつきます。その中で「タイミングが良い」という話をしたいと思います。
「勉強の復習をいつしたらいいのか」という話で面白い話があります。
今回は、「脳」の話をするわけではないので、詳しい話は割愛させていただきますが、効率の良い復習というは、「2ヶ月の間に4回の復習」と言われています。大切なので、もう一度いいますと、「2ヶ月の間に4回の復習」と言われています。
しかも、その復習のタイミングというのが決まっていて、
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1回目の復習が、学習した翌日 2回目の復習が、学習した日から1週間後
3回目の復習が、2回目の復習から2週間後 4回目の復習が、3回目の復習から1か月後
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(「脳の仕組みと科学的勉強法」 池谷裕二より)がベストと言われています。
実は成績の良い子は無意識のうちにこの仕組みにのっています。
例えば、これを塾の授業と合わせてみると、
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<授業>・・・・学習した日 <翌日に宿題>(1回目の復習)
<翌週の授業での「確認テスト」又は「前回の復習」>(2回目の復習)
<単元テスト>(3回目の復習) <統一テスト>(4回目の復習)
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という形になります。
そして、偏差値の高い子は、この仕組みに上手にのって、きちっと「2回目の復習を翌日にしています」<<ここが重要です。
が、成績の振るわない子は、宿題を「2回目の復習を1週間後の塾の行く直前」します(笑)。
これが次のような会話になり、成績の振るわないお子さんのお母さんが、子どもに間違ったアドバイスをしてしまうのです。
(ある家庭での塾に行く日の会話)
母「早く、降りてきてご飯食べなさい。」 子「うーん。」(しばらくして)
母「早く、ご飯冷めるよ。」 子「うーん。もうちょっと待って。」(5分以上経過)
母「早く、塾に遅れるよ。早く」
子「うーん。もうちょっと待って・・・」(シビレをきらして、勉強部屋に見に行く)
母「何をやってんの?」 子「うーん。塾の宿題。」 母「できたの?」
子「うーん。わからない。」 母「塾でやったんでしょう。」 子「うん。」
母「わからなかったら塾で聞きなさい。」
実は、こうやって、「一度やったことを忘れたまま次に進んでいく」のです。
この話をすると子どもからは、「先生、ぼくの家の中見たの?」なんて言われます。
このお母さんは勘違いをしているのですが、実は子ども、教えているときはわかっています。
というのも、問題をスラスラ解いているのです。
そして、そのときに授業では、「先生、これわかった。」なんて、言っていますから・・・・
「成績の振るわない子」の特徴は、「わからない」よりも、「忘れる」「きちっと定着しない」ということが原因であることが多いです。つまり、宿題を翌日にしないから、忘れてしまうのです。それをほとんど忘れた、1週間後にするから、できないのです。
実際にあなたのお子さんは、「学校の宿題」「塾の宿題」「授業の復習」をいつやっていますか?一度確認してみてくださいね。すると、効率の良い勉強が見えてくるかもしれませんね。
(2)世界の新聞「101紙」の視点】 〜2010年9月15日(水)の紙面より〜
【最近の社説の、ここに注目】
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13日付「ウォールストリートジャーナル」社説
『中国のもう一つの海上発火点 日本は中国のナショナリズムを解き放つ危険を冒している』
南シナ海の諸島での領有権争いは、昨年大変に注目を集めた。これは北京政府が領土拡張の野望を「中核的国益」扱いに格上げしてからである。しかし同等に危険溢れる発火点が東シナ海にも隠れている。先週尖閣諸島で起こった中国の漁船と日本の海上保安庁の艦艇2隻との衝突は、長期間くすぶっていた両国の反目を再び沸騰点に持ち上げたのだ。
これらの諸島は中国語で釣魚台と呼ばれるが、住民はおらず、寝た犬が横になっていることを許される状況では、反目は何とか出来る程度だ。』
1997年に結ばれた漁業合意では諸島近辺で両国の漁船が自由に操業して良いことになっている。これからは日本の海上保安庁の船がどうして中国の漁船を止める必要があったのか分からない。
緊張がいまだに上積みされているのは日本政府が中国人の船長、?七雄を拘束しているからだ。容疑は意図的に海上保安庁の船舶に突撃したことである。
しかし日本の船舶にはこの海域で攻撃的な操船をして来た歴史がある。1998年6月には香港の抗議船を沈没させているし、2008年には台湾の遊漁船を沈めている。
もう一つの大きな問題は海底下の天然ガスだ。2年前、両国排他的経済水域間の中間線を決める基本的合意に達するには、長期間の交渉が必要であった。
日本は中国を、日本側のガスを吸い取っている可能性がある、として非難した。最終的には、中国は中間線の位置で日本の大きく譲歩しただけでなく、問題になったガス田で日本にも分け前を与えたのだ。
過去数カ月、中国海軍は日本周辺の海域で益々自己主張を激しくして来た。これが日本の防衛省をして尖閣諸島を契機に押し戻したい、と思わせているのかも知れない。
4月には中国のヘリコプターが演習を監視していた海上自衛隊護衛艦に危険な距離まで近づいた。中国の軍艦は宮古海峡を横切り、沖縄周辺で演習をするようになった。
日本が脅しに屈しない、という姿勢を見せることが必要であることは分かるが、尖閣諸島をその材料に使うことは危険である。
1970年代には汎中国ナショナリズムが再登場したが、これは1949年の国共内戦以来であり、米国が尖閣諸島を沖縄と同時に日本に返還した際であった。これは台湾と香港の中国人を怒らせた。
彼らの主張はこうである。尖閣諸島は1895年に日本が台湾を併合した際に一緒に占領されたものであるので、敗戦と同時に日本が植民地として保有していた他の土地同様、中国に返還されなければいけない、というものである。
領土法の細部に関わらず、これは大変に感情的な問題である。日本が中国を侵略した際に引き起こした死、破壊が理由なのだ。
尖閣諸島が日本に返還された際には、世界中の中国人が北京政府の側に立って運動した。香港では、自由化支持、中国支持の政治家双方がその最盛期に釣魚台運動に首を突っ込んでいる。
北京政府は台湾、香港の活動家により、日本に対して弱腰であると見えるように仕向けられることに疲れている。彼らは定期的に漁船をチャーターし、尖閣諸島に出向くのだ。その理由で中国外務省から好戦的な発言が飛び出すのは驚くべきことではない。
しかし中国がこの海域で問題を起こさぬよう試みて来たことは証明できる事実である。これは1978年のトウ小平訪日の際に、この問題を将来の世代に任せる、としてすぐには問題にしないことを確約した時に始まっている。
中国大陸の活動家達は直接、尖閣諸島に出向いて抗議活動をすることを許されなかった。これは大変に繊細な問題なので、北京政府は逆流を恐れてこれを政治的に利用することをためらって来たのだ。
日米は今年後半、名指しはされない侵略者から島しょを奪還する演習を計画中である。これは中国海軍と北京政府への、冒険志向の下士官を繋ぎ止めておけ、という意味の大変強いメッセージである。
しかし東京政府も同様に、海上保安庁を諌める必要がある。そうしなければ、錯綜した信号が両国でナショナリズムに火を点ける可能性があるのだ。一度火が点いたら、エスカレーションの連鎖を止めるのは遥かに難しくなる。
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尖閣諸島での事件、海外メディアも報道する事態に発展しています。 しかし、今日のWSJの社説、大変に要注目です。
保守を代表する新聞であり、元来親日本、反中国であるはずのWSJが、この事件においては中国寄りの社説を掲載しています。中国寄りどころか、中国の主張を全面的に受け入れ、我が国を悪者扱いしている、という点で大きな変換点を示している、と言わざるを得ません。
この論調が世界の主流になった日には、尖閣諸島領有権が国際社会で問題になった際、我が国は孤立無援、真っ裸以下の水に落ちた犬の状態で世界中を味方に付けた中国に対抗しなければなりません。
一体どうしてこのような事態を招来してしまったのでしょうか?
自己主張が上手い、下手の問題ではありません。
我が国の国益はこれ以上ない形で直接に毀損され、現場で命を賭けている海上保安官が悪者にされています。
私は1932年、松岡洋右外相が国際連盟を脱退した歴史的事実を想起し、恐怖します。
あの時も我が国は国際的に孤立し、国益に反すると分かっていた選択をせざるを得ない状況に追い込まれたのではなかったか。政府には我が国の立場をもっと効率的に世界に訴え、国際世論を味方に付ける努力を望みます。