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報告者  土 井

 2011年9月29日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。
 参加者(勤務校)は,土井(江南市教委)、早川先生、森藤先生、服部先生(藤里小)、吉田先生(古知野中)、奥村先生(岩南小)、尾関先生(岩北小)、天野先生(大南小)、阿部先生(江西中)、小沢先生(扶東小)、柴田先生(草井小)、坪内先生(岩倉中)、大藪先生(犬南小)、馬場先生(宮田中)、松田先生(曽野小)、鈴木先生(城東中)、池邑さんの17名です。

土井が提案したものを紹介します。 
1 EDUPEDIA みんなでつくる教育ウェブ事典
子どもが生き生きとする授業スタイルは?
  第53回「指導と評価大学講座」受講記録 山森光陽氏
 教育関連情報
 役立ちWeb特集  
教育関連情報   
MM紹介

 EDUPEDIA みんなでつくる教育ウェブ事典
 http://edupedia.demo.s3.mindia.jp/  

TOSSの発想でみんなの実践を集めるという発想のサイトです。応援していきたいと思います。                   
 

 子どもが生き生きとする授業スタイルは?
 第222回報告の再録です MM小学1518の森竹高裕先生の報告です。
 子どもが生き生きする授業スタイルを、自分の実践を分析し、大きく6つに分けた50に類別している。50拾い出せることがすごいし、また、これだけやってきたこともすごい。これも、長年のシリウスでの活動で追試や実践を積み上げてきたからできることで、一人ではとてもできない。よく読むと、理論的に多くのバックボーンが読み取れ、幅広く勉強しただろう足跡がうかがえる。
 ぜひ、参考にしていただきたい。そして、それぞれの教師が、自分の技をまとめていただきたい。
 なお、※は土井のコメントです。
 −−−−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 これまでずっと子どもが生き生きする姿をもとめて工夫をしてきました。子どもが好きなこと・喜ぶことには、コツがありそうです。注意深く見ると研究授業なども、これらを組み合わせています。
 どんなときに子どもが喜び生き生きとした姿になるのか洗い出してみると、全部で50ありました。
「いい授業だった」という評価を得るときには、きっとこれらのコツをうまく取り入れているのだと思います。
■分類      
  A 具体物を使う     B 思考する    C 劇・シュミレーション、体験・実験
  D 仲間・グループ    E 表現する     F ゲームやクイズ        
 
■A:具体物を使う
1 モノを使って考える
 具体物を使うと思考が高まり、子どもが生き生きとする。子どもは操作活動をしながら、思考を高めている。作業をしているときのつぶやきをうまく拾い、一斉学習の場面につなげたいたい。
 例:3年社会「スーパーマーケット」売り場の工夫:商品が売れる工夫を考えながらバナナをならべよう。
   6年算数「立体」四角柱の展開図:端から端までアリが移動するとき、一番の近道はどの道か?
※ 実物は集中化・具体化のためにもぜひほしいアイテムです。子どもの発表でも「何も見ない 何かを見せる」が大原則。
 
2 操作活動
  具体物を使って操作しながら考える。
 例:1年算数「たし算」:つみ木を使って2+3を考えよう。
   5年社会「日本の工業」MADE IN JAPAN の特徴を知る: 身の回りの製品を集め、どの国で作ったか分類しよう。
 
3 食べ物づくり
  モノを作って食べる。
 例:総合「大豆を作ろう」大豆を原料としたものを作る:きなこ、枝豆、豆腐を作って食べる。
   学活「めあてを決めてミニパーティーをしよう」:おむすび、べっこう飴、ホットケーキなどを作って食べる。
※ 興味・関心を高めるためには、食べ物づくりは抜群です。英語・家庭科の合科学習で、「英語のレシピを訳して作りなさい」という授業では、真剣に辞書を引いてグループで協力していました。
 
4 パソコン
   パソコンを授業の中に取り入れる。パソコンがあると集中力が高まる。
 例:5年理科「天気の変化」秋の天気:インターネットのライブカメラで各地の天気を天気図と比べて見る
   3年算数「わり算」練習問題:ゲーム的要素のある子ども向けサイトで、基礎基本の練習問題をする
 
5 見えないものを見えるようにする
  学習の進み具合(自分の成長)を学習カードやシールによってあらわす。
 例:体育「鉄棒・なわとび」:練習方法を紹介し、できた所には印をつけていく。
   国語「音読」:教材文を1回読んだら、○を一つぬりましょう。
※ これも、目標にもなり、評価にもなる、いろいろと役に立つ基本の技です。
 
■B:思考する
6 仲間わけ
  できたものや出された考えを分類していく。
 例:3年算数「形」三角形や四角形:適当に10本の線を引き、囲まれた図形を形ごとに分類する。
   各学年・各単元:出た考えを黒板に書き出し一覧。似た考えを同じ色で囲む。
※ 思考の基本で、よく似たものから相違点を探す、別の物から共通点を探すという活動は、子どもはよく動きます。 
 
7 精選する
   対決型(討論)の前段階。黒板に書き出された意見の家、おかしいものから消していく。意見が言えなくなったらその派はつぶれる。
 例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番さみしかったのはどこか。
   4年社会「暖かい地方の人のくらし」:パイナップルの実は木のどこにどんな形でなるだろうか。
※ 「おかしい物から消す」というのは、対象が絞りやすく、考えやすい技です。
 
8 対決型(討論)
   二者択一の討論をする。「バトルをしよう」というと喜ぶ。反対意見はイチャモンをつけよう」勝利したのはどちらか決着をつける。
 例:道徳「子どもと大人はどっちが得か?」:トレーニングとしてたわいのない話題をディベート風に話し合わせる。
   6年社会:仁徳天皇はいいリーダーか?
※ 討論は、相手を論破するための調査活動があってこその学習活動です。ただ自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見を予想して、あらかじめその反論を考えておくことも大切なプロセスです。
 
9 推理する
  これまで学んだ学習内容から、解を特定する。
 例:6年理科「水溶液」謎の水溶液の正体をさぐろう:数種類の水溶液から、溶けている物質を当てる。
   各学年算数「覆面算」□の中にあてはまる数を当てる:筆算で欠けている数字(□)に入る数を見つける。
※ これも思考の基本です。どのような実験でも、推理(予想)の過程があるとないとでは、その後の興味・関心に大きく開きが出てきます。
 
10 まちがい探し
  提示された資料のどこがおかしいのかを見つける。
 例:3年社会「消防署で働く人」消防士のしごと:ニセ消防士、ニセ消火器のおかしいところを見つけよう
   6年国語「敬語のはたらき」:次の敬語を使った文章でおかしいところはどこだろう。
※ これもクイズ的で、簡単に子どもを引きつけることができます。学習内容の深化につながる教材開発が求められます。
 
11 会話文の読み方
  会話文をどうやって読んだらいいのか検討する。
 例:4年国語「ごんぎつね」:「ごんおまえだったのか」の「か」は!と?のどちらで読むか。
   1年国語「おおきなかぶ」:「うんとこしょどっこいしょ」の声は、どれも同じ大きさですか。
※ 読解と音読の基本。主題に迫る発問を、できれば授業記録をもとに、互いに検討し合いましょう。
 
12 分析批評
  物語文に主人公、対役、時、色、クライマックス、主題など読みの視点を与えて、物語を分析的に読む。
例:3年国語「ちいちゃんのかげおくり」:ちいちゃんが一番嬉しかったのはどの場面ですか。
  4年国語「一つの花」:何番目の「一つだけ」に父の一番強い気持ちが込められているか。
※ 高度な一人読みの技術です。事例は豊富なので、ぜひとも取り組んでほしい手法です。分析にとどまらず、最後に総合するところに醍醐味があります。
 
13 きまり見つけ
  何らかの操作活動から、全てに共通する決まり(定理)を見つける。
 例:4年算数「わり算」答えの確かめ…商×除数+余り=被除数:答えのカードを並べていって空白の答えを予想する。→きまり見つけ
   5年理科「てんびんとてこ」:天秤の操作から、おもり×長さの積が等しいと天秤は釣り合う。
※ 科学の世界の基本。「何らかの操作活動から」というのが、奥の深さを感じます。
 
14 仮説を立て証明する証拠を探す
  予想した仮説に対する証拠が「ここにあるはずだ」と資料からさがす。
 例:5年社会「米づくり」米づくりの盛んな条件:「○○ならば、米づくりが盛んである」と立てた仮説が正しいかどうかの検証(調べ学習)をする。
※ 簡単に書いてありますが、これも科学の基本であり、問題解決学習の昼間部の流れです。
 
15 未来志向型
  提案する社会科の授業。どうあるべきか、という未来の姿を考える。
 例:5年社会「宅急便」:この町に宅急便の集配センターを作るとしたらどこに作るべきか。
※ 今年、愛知研社会科研究会が取り組んだ、「明日の社会を創る力を育てる社会科授業」がこれです。場面設定型課題について意見を出し合い、話し合いにより合意形成をめざします。
 
16 目標設定−練習工夫
  自分のめあてを決め、そのめあてを達成するために練習方法を工夫する。
 例:体育「器械運動」:練習の場づくりを自分で考え、技ができるように練習する。
※ 体育や音楽では基本ですね。練習方法を「調査方法」「探求方法」にすると社会科でも重要な考え方です。
 
17 逆転現象
  勉強のできる子が間違い、勉強のできない子が正解するような問題。
 例:国語「漢字」:「上」の書き順は、縦棒が先ですか、横棒が先ですか。
   6年算数「分数のかけ算」:2mのリボンの1/2mは、1mですか、50cmですか?
※ これは、このような状況を創り出すことが難しいのです。ぜひ事例を出し合いたいですね。
 
18 感動型
  教材の持っている価値(感動)に触れさせる。
 例:道徳「家族」たったひとつのたからもの:家族に大切にされている幼い頃の写ぶん真や手紙を見せる。
   2年国語「そしてトンキーもしんだ」:絵本を読み聞かせる。
※ これは共感できますね。社会科なら、実物資料(ひと・もの・こと)でしょう。
 
■C:劇・シュミレーション・体験・実験
19 劇(ロールプレイ)   劇で表現する。
 例:3年国語「三年とうげ」:おじいさんとトルトリの会話を劇でやってみよう。
   1年道徳「橋の上のおおかみ」思いやり・親切:狼になって一本橋を渡る動物を「もどれもどれ」と追おう。
※ 劇は、学習内容のまとめの表現として有効だと思っています。シナリオは本当に内容を理解していないと書けません。また、衣装や小道具なども考えると、総合的な表現力が求められます。
 
20 シュミレーション(ごっこ活動)
  実際にはできないが、シュミレーションでその状況を作る。
 例:6年社会「戦国時代」天下統一シュミレーション:ジャンケンで戦をして、一番勝った人が天下を統一する。
   英語「スキット」:買い物など会話の場面を意図的に設定し、英語でやりとりをする。
   6年社会「国会」給食をおいしくする法案を作ろう。:国会議事堂見学時、憲政記念館でニセ議会を開く。
※ 劇と似ていますが、もっといろいろな方法があります。これだけで、本が書けるほどの奥深い手法です。
 
21 バーチャル体験
   実体験の難しいものについて、バーチャル体験をする。
 例:3年理科「こん虫」バーチャル昆虫採集をしよう:画面の風景の絵をタッチして、隠れている昆虫を見つける。
   3年算数「かたち」しきつめもよう:パソコン内で三角形や四角形を列べて模様づくりをする。
 
22 モデル実験
  実体験が難しいときには、モデル実験でその状況を作り観察する。
 例:6年理科「大地の作り」:塩原の化石で発掘しよう、ミニ火山、溶岩流をつくろう。
   3年理科「太陽の動き」:どうして影は太陽と反対に動くのか、電灯で実験しよう。
 
23 パワーアップする
  子どもが好きな「もっと増やす」「もっとパワーアップする」ということを活動の中に組み込む。
 例:4年理科「電流の働き」直列つなぎ:プロペラがもっと高く上がるためには、どうしたらいいだろうか。
 
24 試行錯誤する
  試行錯誤しながら、完成(解決)のゴールをめざす。
 例:3年理科「豆電球」:乾電池、エナメル線1本、豆電球で明かりを点けよう。
   6年算数「ならべ方と組み合わせ方」:この絵が一筆書きでできるかやってみよう。
 
25 変化の観察
  観点を示し、物事が変化していくようすを観察させる。
 例:5年理科「もののとけかた」:色水が蒸発するとき、蒸気の中に色も一緒に含まれているか。
   4年社会「ごみとくらし」:本当にゴミ袋(コーン袋)が土の中で溶けて消えるか実験しよう。
 
26 ダイナミックな実験・活動
  発展的な学習として大がかりにしかける。
 例:総合「静岡県のまちづくり」まちづくり探検に出かけよう:静岡県のいろいろなまちにグループごと探険に出かける。
   3年理科「日光のはたらき」光通信をしよう:あの山の向こうから学校まで光りが届くだろうか。
 
27 たんけん型
  目的を持たせてフィールドワークをする。
 例:4年社会「昔のくらし」ふるさと歴史ウォークラリー:学区の史跡を地図にしておき、グループごとウォークラリーをする。
   理科「ネイチャーゲーム」:林の中から、この色(複数を提示)と同じ色の葉を見つけてこよう。
 
28 本物体験
  ごっこではない本物の体験をさせる。
 例:総合「食農」:作った農作物を朝市の仲間に入れてもらい売ってみよう。
   図工「粘土ワークショップ」:県立美術館で1tの粘土で遊ぼう。ロダン館で作品を見よう。
 
■D:仲間・グループ
29 学習問題を作って班で解く
   学習問題を各自が作って問題を出し合う。班の中で解決できなかったものを全体の場に出して一斉学習をする。
 例:国語「物語教材全般」: 問題を作ってグループ学習。解けない問題はみんなで考えよう。
   3年社会「スーパーマーケット」:買い物に行ってハテナと思ったことを班で考えよう。以下上と同じ。
 
30 グループ別学習
  小グループに分かれて話し合いなどの活動をする。
 例:国語「物語文」:物語を読んで問題を作ろう。班で解決できない問題は一斉授業。
   算数「計算領域」:算数の教科書の○ページを班の人で勉強しよう。
 
31 評価し合う
   友達の意見や発表に対して評価をする。
 例:総合「プレ発表会」発表会のクラス内練習の場面:発表後、その発表がよいか視点を元に(5421)で挙手させる。
   学活・各教科:意見を発表したあと板書。一つずつ読み上げ、賛成なら拍手させる。
 
32 プロジェクト学習
  教科書のない学習。自分たちでゴールを設定しそれに向かって活動する。
 例:総合「藁科川の人々の暮らし」:地域交流センターの利用方法について市役所にプレゼンしよう。
   学活「会社の仕事」:クラスの人に喜んでもらえるような楽しいイベントを考えよう。
 
33 競争原理
  相手に対して、勝つか負けるか勝負をつける。
 例:体育「リレー」:リレー以外にもボール運動など、さまざまな場面で応用可能。
   学活「ディベート」:ある論題に対して賛成か反対か立場を決めて討論する。
 
■E:表現する
34 お店屋さん
  お店を作ってお客さんを招待する。
 例:2年生活科「秋みつけをしよう」1年生を招待しよう:秋の素材を使っておもちゃをつくり、誰かに来て遊んでもらう。
   各学年算数「計算単元」計算お店屋さん:文章問題を作り、問題を出す人解く人に分かれて活動をする。
 
35 発表会
  調べたことや練習したことを発表する。
 例:体育「器械運動」:マット、とびばこの連続技の発表会をしよう。
   総合「発表会」:発表会をして調べたことをたくさんの人に聞いてもらおう。
 
36 暗誦
  詩を黒板に書き、一度読むごとに少しずつ消していく。5〜6回後は、全く見ないで読めるように覚える。
 例:国語「詩」:一度読むごとに少しずつ詩を消していきます。それでも読めますか。
 
37 群読
  役割を決めて詩文を読む。研究授業の直前など気持ちが高揚し効果的。
 例:国語「あめ」“あめはざんざかぼくらをたたく”の詩
 
38 見て写す
  見本を示し、そっくりそのまま写させる。
 例:国語「作文」:うつしまるくん。そっくりそのまま写しなさい。
   図工「有名人の絵」:有名な作家の絵を模写する。
 
39 ゲストティーチャー
  その道の専門家を招いて、その人から話を聞く。
 例:6年理科「大地の変化」地層のできかた:ジーベック(株)の方を招いてボーリング調査をしてもらおう。
   総合「水生生物調査」:国土交通省安倍川河川事務所を招いて水生生物調査をしよう。
 
40 地図にあらわす
  授業で扱ったものがどこのものなのか、地図にプロットする。
 例:3年社会「スーパーマーケット」品物はどこから:売られている品物の産地を調べ、日本地図にシールを貼っていく。
   4年社会「県の学習」静岡県の特産品:MYしずおか日本一は、静岡県のどこか地図に書き込もう。
 
41 色を塗る
  色塗りをすることで、子どもの内部情報を高めハテナを生む。
 例:6年社会「歴史」縄文時代のくらし:縄文時代のイラストに色をつける。色塗後、季節はいつですか。
   4年社会「昔のくらし」昔のくらしのようす:昔のくらしのようすに色をつける。ハテナを見つけよう。
 
42 マンガであらわす
  目に見えにくいもの、流れの分かりにくいものをマンガであらわす。
 例:4年理科「空気」:ピストンの中で押し縮められた空気はどうなっているか絵を描こう。
   国語「作文領域」:作文に書きたいことを4こまマンガで描いてみよう。
 
43 製作、創造する
  ものづくり。
 例:図工「工作領域」:画用紙、ダンボール、アルミ缶など単一素材を材料に作品を作る。
   2年生活科「秋の自然に親しもう」:秋のお店屋さんをひらこう。
 
44 模型をつくる
  形づくりを通してそのものへの理解を深める。
 例:3年理科「昆虫」:本物そっくりに昆虫を作ろう。
   図工「工作領域」:ダンボールや画用紙で作品をつくろう。
 
45 数値で表す
  成長を表す度合いを数値で表し、目標の回数を設定する。
 例:体育「縄とび」:8の字跳びが3分間で何回できるか。
   算数「百ます計算」:量の決まった計算問題を何分何秒でこなせるか。
   4年社会「水道」:学校にはじゃ口、便器がいくつあるか。数えてみよう。
 
■F:ゲームやクイズ
46 テンポのよい一問一答
  誰もが答えられる簡単な問いを次々と出し集中力を高めていく。
 例:国語「説明文」:「これ」とは何を指していますか。
   算数「単元最初の扉ページ」:「積み木が何個ありますか?何をしていますか?何人いますか」
 
47 クイズ的な問題
  知識内容的に難しいもの・量の多いものをクイズで一気に処理する。
 例:4年理科「月と星」:月のクイズをしよう。月には空気がある? 月では体が軽くなる?
   6年社会「江戸時代」:大名行列クイズをしよう。大名行列の持っている意味を教える。
 
48 ストーリー性のある学習ゲーム
  ストーリー性がありゲーム的要素のあるプリントを用意する。
 例:算数「計算単元」:算数アドベンチャー
   体育「マラソンカード」怪人を倒して世界の平和を取り戻そう。マスに色を塗っていき、怪人を倒すという設定。
 
49 学習ゲーム(1時間単位で独立)
   単元の流れとは独立して、学習内容をゲーム形式で学ぶ。
 例:国語「言語のきまり」:ことわざカルタ・部首カルタなど、裏をめくると意味がわかるカルタ
   4年算数「角」360°ゲーム:二人交互に三角定規を使い角を作りちょうど360°にしたら勝ち
 
50 難しい問題に挑戦する
  難問に挑戦させる。
 例:算数「各領域のパズル的な問題」:昼と夜の長さが30分だけ違います。今何時何分ですか
   理科「ジャガイモ」:デンプンは葉とイモにあるのに茎にない。茎の中を通らないのか
□関連ホームページ□ 静岡教育サークル「シリウス」http://homepage1.nifty.com/moritake/ 
 

 第53回「指導と評価大学講座」受講記録 
山森光陽氏 
 島原先生のまとめを紹介します。HPは http://www5a.biglobe.ne.jp/~shimacha/MyHomePage/ 
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はじめに
 東日本大震災 → 戦後最大の義務教育の危機 機会均等が保障されない。
          「想定外」を「常識」ととらえる。……「人間づくり」を。
1 思考・判断・表現の評価 → テストでなく「課題」を用いる。
 (1) 「思考・判断・表現」の評価の考え方
  ○ それぞれの教科の知識・理解を活用して課題を解決することなどのために必要な思考   力・判断力・表現力等を児童生徒が身につけているかどうかを評価する。  
  ○ 個人内・外の知的資源を活用しながら思考し,判断することを通じて課題を解決する   問題解決学習的な思考ができるか
   → 課題解決の様相・過程・結果に基づいて評価する。
  ○ 「問題解決的な思考」ができるか。 → 直接観察することはできない。
    「課題解決の様相・過程・結果」  → 行動や成果物を通して表れる。
  ○ 見えないものを見える化する。 → 行動として示す。「表現」言語活動
                     表現できる環境づくりが大切。
  ○ 学習評価では,どのような能力であっても直接観察することはできない。
   → 直接観察可能である表現されたものを通じて評価を行わざるを得ない。
     「知識・理解」を測るテスト類も実は表現物
 (2) 課題の出来具合による評価
  ○ 課題解決学習
   ・課題の質 → 単元のねらいに基づいて解く問題/思考力・判断力を存分使う。
         → その「出来具合」を評価する。
  ○ 深い思考を促す → 課題に価値を持たせる。子どもに自由さを。
  ○ 試験項目の正誤による評価と課題に対する出来具合による評価
   ・試験項目の正誤による評価
      問題解決の結果 → 例:明日は晴れると思う。  
      (テスト)      〈正誤が問題となる。〉
      問題解決の過程・手順・理由 + 問題解決の結果
      (課題解決評価) → 例:雲は西から東へ動くから,今かかっている雲は東に                 動いて,西には別の雲がないので明日は晴れると思う。
                *出来具合が問題となる。〉正解が定まらない。
  ○ 出題者が想定した思考や判断の過程を経て「明日は晴れる」という結果にたどりつい   た。
   ・どのように思考し,判断したのかが見えてくる。〈課題評価〉
  ○ 成果物の様相は多様なものになる。
   ・判定基準を持つこと。
  ○ 評価課題
   ・学習活動を通じて育成することが目的とされた能力等が身についたかを評価するため   の課題。
   ・課題と当該能力の対応 → 対応がとれているかどうかの度合が「妥当性」
  ○ パフォーマンス評価……課題解決評価/ルーブリック……判定基準
  ○ ルーブリックのつくり方
   ・いくつかの模範解答を作成 → 子どもの出来具合を想像する。
   ・AとBで出来具合がどう違うか。→ 「表現」の特徴を箇条書きで出す。
                   → 判定基準
 (3) 思考力・判断力・表現力の試験による評価 → 2番目の方法として。
  ○ 客観テストによる評価
   ・解釈的演習項目や文脈依存型項目による。
     → 図表や文章を解釈した上で解答が求められる。
     → どんな能力を使えば解けるか。
   ・評価対象となる能力と試験の内容との対応を明確に。
   ・情報を与え,選択肢から正解を選ぶ。→ PISAのテスト
  ○ 思考力の2義
   ・広げる思考……プロセス:自己の考えをどう広げているかを見たい。
   ・狭める思考……これもあり,あれもあり。だけど「これだ」→テストでも測れる。
   ・両者を組み合わせた評価を。
 (4) 課題と試験の組み合わせ
  ○ 問題解決的な思考
   ・創造的思考 → 拡散的思考に近い。
   ・批判的思考 → 収束的思考に近い。
  ○ 客観テスト
   ・批判的思考(収束的思考)に基づく。 → 最終的に正解を選択する。
  ○ 出来具合による評価
   ・創造的思考(拡散的思考)に基づく。 → 考え方を広げたり,創り出す。
  ○ 両者を組み合わせた評価
   ・批判的思考と創造的思考の両者を織り込みながら,個人の内外の知的資源を
    活用しながら思考し,判断することを通じて解決する。
   ・両者を行き来しながら問題解決する学習を。
  ○ 表現力が足りない?
   ・思考力や判断力は身についているのに,表現力が十分でないため,評価しづらい子
     → こういう意見を持つこと自体,別の方法で評価している。
       十分に表現できない子のためにも,別の表現の手段によって思考力等を評価す       ることを試みる。 
2 思考力・判断力・表現力を育む授業づくり
 (1) 単元一貫型授業の設定と判定基準を用いた形成的評価
  ○ 単元をベースとしてある程度の期間をかけて。
   ・問題解決の過程において実際に思考したことを働かせる。
   ・その過程で価値を見いだしたとき,思考が深まる。
   ・目標の持ち方によって思考の深さに差が出る。
    → 内発的な目標を持つとともに,価値を見いだせるような課題設定を。
  ○ 単元終了時
   ・実生活や実社会との関連の深い課題を解決することができる能力がつく。
   ・評価規準と判定基準を予め設定。
     何ができるようになるとよいのか。 → 目標
   ・出来具合を段階的に記述した判定基準と各段階における支援の計画。
   ・形成評価を展開しながら学習を展開する。
  ○ まとめ
   ・学習の流れ
    思考の判定基準(学習の結果,このようなことができるようになる)
   ・これができるようになった場合,身に付いた知識や技能,思考力等を駆使すると,
    → 「このような場合,あなたはどうしますか?理由とともに答えなさい」
     という課題を解決できる。
   ・単元一貫型の課題を設定した上での単元の進行とそれにともなう形成的評価
   ・単元で身に付いた知識・技能や思考力等を駆使することで解決できる課題による総括    的評価
   ・形成的評価を用いて授業を進める。→ 単元終了後,自分たちのセイかを話し合う。
 (2) 学習活動の最中における形成的評価結果の提示
  ○ 即時フィードバック
   ・1時間の中での,その時その時の短いスパンの評価
   ・知識,理解を促す授業では有効
  ○ 概念形成が目的の授業
   ・即時フィードバックは逆効果
   ・遅延なく評価 → 思考をめぐらすことの障害となる。
 

 お役立ち資料
 
 ブログで、9月1日から9月29日までに紹介した資料です。
平成22年度文部科学白書 文部科学省
「日本語指導が必要な外国人児童生徒の受入れ状況等に関する調査(平成22年度)」の結果について 文部科学省
 
平成22年度児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議 審議のまとめ 文部科学省
 
発達障害のある子どもの支援に関する研究 大阪府教育センター
秋田県における特別支援教育支援員の現状と活動の充実に向けて 秋田県総合教育センター
「秋田スタンダード 学びの提言」 秋田県総合教育センター
学校の活性化を図る年齢層に応じた教員の研修の在り方 秋田県総合教育センター
学校全体で組織的・計画的に取り組む情報モラル指導の在り方 秋田県総合教育センター
通常の学級に在籍する軽度発達障害の子どもたちへの学習支援の在り方 秋田県総合教育センター
 
新「いじめ 学校自己診断表」を活用した校内指導体制の在り方 秋田県総合教育センター
発達障がいのある子どもの早期支援の在り方についての研究 大阪府教育センター
授業力向上研究 大阪府教育センター
新学習指導要領に対応した小・中学校「理科」実験・観察教材集 大阪府教育センター
キャリア教育の実践とカリキュラム開発 大阪府教育センター
魅力ある道徳の授業づくりを推進するための研修の在り方 大阪府教育センター
学校における情報モラル指導の在り方 秋田県総合教育センター
学習指導案データベース
 
岩手県立総合教育センター
自閉症指導の手がかり(目標達成)のためのアセスメント手引き
 
宮城県特別支援教育センター
スポーツ基本法  
キャリア教育の実践とカリキュラム開発 大阪府教育センター
算数・数学科における個に応じた指導の工夫 長崎県教育センター
情報モラル指導教材及びトラブル対応マニュアル 小学校編 長崎県教育センター
情報モラル指導教材及びトラブル対応マニュアル 中学校編 長崎県教育センター
「学校評価ガイドライン[平成22年改訂]」 文部科学省
特別支援教育コーディネーターハンドブック 長崎県教育センター
望ましい人間関係を育む指導のあり方 長崎県教育センター
「個別の教育支援計画」作成の手引き 長崎県教育委員会
「気になる子どもを支援する先生方のために〜教育相談Q&A」 長崎県教育委員会
 



 役立ちWeb特集 
(1)HappyLifeStyle - 悩み解決&幸せ生活向上サイト http://www.happylifestyle.com/  
 これはすごいサイトです。
 「○○の30の方法」というようなものが、300以上集められ、それぞれに解説が付けられています。
 例えば、飲み会・宴会で幹事が心がける30の心得、魅力的なプレゼンテーションをする30のコツ、にぎりずしを上手に食べる30の方法、ワインの味わいを楽しむ30の方法、本当の自分を発見する30の方法、魅力的な文章を書く30の方法、魅力的な文章を書く30の方法、などなどです。
 そのカテゴリーの中に、「知識と教養」があり、さらに「才能」「受験対策」「情報収集」「勉強法」に分かれています。
 「才能」には、才能を活かす30の方法、才能を磨いて引き出す30の方法、隠れた才能を発見する30の方法
 「受験対策」には、頭がよくなる食べ物と食生活、受験時代に経験しておきたい30の気づき、有意義な浪人生活を送る30の方法、受験への一点集中力を維持する30の方法、テスト本番に強くなる30の方法、受験生の時間とスケジュール管理術、参考書の賢い選び方と使い方
受験テクニックを磨く30の方法、受験勉強の意味と理由を考える30の覚悟
 「情報収集」には、あふれる情報の中から本質を見抜く30の方法、読書をして賢くなる30の方法
 「勉強法」には、明るい未来を切り開く30の勉強法、成功するための30の勉強力、記憶力を高める30の方法、スピード勉強で人生を切り開く30の方法、成績が上がる30の勉強法、頭の回転を早くする30の方法、勉強が好きになる30の方法、頭の使い方がうまくなる30の方法、学校では教えてくれない30の大切なこと、学校では教えてくれない30のお金の考え方、可能性を広げる「勉強」のすすめ 
 情報量が多い!
 
(2)米国衛星「UARS」の落下に関する情報について/文部科学省
      公式facebook( http://www.facebook.com/mextjapan  )



 教育関連情報
(1)秋の岐阜市立研修校の発表日です。
 10月21日(金)岐阜市立長良東小学校 1日目 国・生・体・道・家
 10月22日 (土) 岐阜市立長良東小学校 2日目 社・算・理・音・図
岐阜市立青山中学校
 10月29日(土)岐阜市立陽南中学校、岐阜市立長良西小学校
 11月 5日(土)岐阜市立長良小学校、岐阜市立加納中学校
 11月12日(土)岐阜市立長良中学校 
 11月18日 (金) 岐阜市立東長良中学校
 
 MM紹介
(1)島原先生のMM 連載の2回目を紹介します。
◇ 授業中における教師の役割を考える その2   連載2/3
 〜ひきだす・つなぐ・まとめる〜    岡山県・津山市教育委員会指導主査 高岡昌司
 
 前回の(1)「ひきだすこと」に引き続き,【教師の役割】について,考えてみたいと思います。

 教師は単に教えるというだけでなく,子どもの学びを組織し,学びの方向性を指し示していくという意味で,学びのコーディネーターとしての役割が重視される。
 
 今回は,(2)「つなぐこと」(3)「もどすこと」について提案します。
 
 どの教科や単元であれ,その子なりの学習経験や生活経験,興味関心などからそれぞれの学習につながる知識やイメージをもっています。決して,子どもの認識は白紙ではありません。その子なりの見方や考え方を(1)「ひきだす」の中で,子ども同士の意見や考えを(2)「つなぐこと」,そして(3)「もどすこと」で,本時のねらいへと整理,焦点化させていきます。これらは,一般的に,授業中における「話し合い活動」の中で展開されています。
 <教師の役割 その2 (2)「つなぐこと」(3)「もどすこと」>
 
(2)「つなぐこと」
 その子から出された考えに対して,即座に教師がかえすのではなく,他の子へと投げかけます。例えば,「○○さんの意見と同じ人?」,「○○さんの意見をどう思う?」「○○さんと□□さんの意見は似ているね。」など一人の発言をみんなで分かち合えるように働きかけます。ばらばらの発言よりも,はじめは同じ意見(考え)でつないだ方が,子どもは発言しやすいように思われます。また,発言が難しければ,○×や挙手による意思表示も考えられます。いずれにしても,クラス全員の子に問い返し,意見を持たせるのです。子ども同士がかかわり合う場を一人の子の考えを(2)「つなげること」で作り出します。ある意味,全員が考えざるをえない状況へと追い込んでいくことが必要です。ここに,自分の発言が自分たちの発言となり,子ども同士の相互作用が生まれるきっかけになります。子どもと子どもをつなぐのは,教師の重
要な役割です。
 (1)授業中における指名の方法については,教育ウェブ事典EDUPEDIA「授業運営」
を参照してください。(http://edupedia.demo.s3.mindia.jp/entries/show/150 )
 
(3)「もどすこと」
 教師が,子どもの意見を(2)「つなぐこと」で,学級全員を巻き込んでいきます。そして,その中の意見に対して,賛成や反対がでてきます。また,同じような意見でもその根拠を整理すると,他者との僅かな解釈の違いがあります。同じ言葉や事象,数値に目を向けることで,微妙な根拠の違いや解釈の違いに気づくことはよくあります。教師は,子どもとともに,これらを整理し,「考え」を比較したり,分類したり,関連づけたりする場を設定します。(3)「もどすこと」とは,子ども一人一人の意見から次の段階へと”考える視点”を積極的に与えることです。その際,考えることの手立てや視点を明確にして,言語化させることが重要です。このように,子どもの意見を整理し,(3)「もどすこと」で,協働思考や批判的思考を身につけていきます。ねらいや内容,時間等により,ペア,小グループ,同じ立場グループ,自由グループ等のグループを活用します。ここで注意することは,何を話し合うのか明確することとともに時間設定をすることです。私の失敗経験から,やたらと時間をかけてしまい無駄な時間が多くなったということもありました。
 
<話し合いの内実を探ること>
 例えば,30人のクラスで,発表者が10人程度いれば,授業者にも参観者にも活発な話し合いの授業であるという印象を与えることでしょう。話し合いを終えた授業者の反省を聞くと,1.いろんな意見が出た,2.一生懸命やっていた,3.考える力がついてきた等が挙げられます。確かに,授業者は,子どもたちの育ちを実感している様子であり,そこには日々の努力の積み重ねがあります。
 しかしながら,適切な【教師の役割】がなされているかどうかは,「話し合い活動」の内実を分析する必要があります。
 活発な意見が出ることはすばらしいことですが,その意見から,テーマについての,何が,どう深まったのかという検証が必要です。子どもの意見をどのように整理し,どこに話し合いの焦点を絞るか,話し合いの落としどころはどこかを明確にすることは教師の重要な役割です。 話し合い活動では,子どもに任せたり,発言の数に満足してしまったりということから,深まりのある話し合いまで至っていない場合が多いように思われます。
 子ども一人一人の意見から次の段階へと”考える視点”を積極的に与えるためにも,教師の役割として,(2)「つなぐこと」,そして(3)「もどすこと」を意識した働きかけと共に,話し合う内容を分析していくことが必要であると思います。
 
 最終回は,(4)「まとめる」について,提案したいと思います。
<参考文献>
 1.兵庫教育大学附属小学校著「学び合い,分かり合う授業づくり」
                        (明治図書)2007年2月初版
 2.「授業研究21」社会科における教師の言葉がけ
                  高岡昌司(明治図書)平成19年5月号