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報告者  土 井

 2011年12月8日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。
 参加者(勤務校)は,土井(江南市教委)、早川先生、森藤先生、服部先生(藤里小)、松田先生(曽野小)、奥村先生(岩南小)、天野先生、(大南小)、阿部先生(江西中)、小沢先生(扶東小)、柴田先生(草井小)、尾関先生、岩井先生(岩北小)、田中先生(犬南中)、大藪先生(犬南小)、鈴木先生(城東中)、坪内先生(犬北小)の16名です。

土井が提案したものを紹介します。 

1 「ありがとうございました!」〜くらしの作文より
教師力アップセミナー 岩下修先生講演記録
  週刊 絵巻で楽しむ源氏物語
  お役立ち資料
 役立ちWeb特集  
教育関連情報   
MM紹介
8 資料紹介

 「ありがとうございました!」〜くらしの作文より
 道徳の資料に使えそうな心温まる話を見つけました。中日新聞(9月18日付)21面生活欄からです。全文引用します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 大きなおなかを抱えて片道一時間の電車通勤。
 特急電車は指定席をとれば座れるが、乗り換え後の普通電車はそうはいかない。
 座席はサラリーマンや学生で埋め尽くされ、二十分立ちっぱなしはかなりこたえた。
 
 妊娠八力月になっておなかが目立ち始めたころ、会社員らしき中年男性が、私が乗車する次の駅で毎日降りるようになった。
 しかも、私が確実に座れるように、席を立つ前に手招きをして教えてくれるのだ。
 
 ある日ふと連結部分の窓越しに隣の車両に目をやると、降りたはずのあの男性が乗っているではないか。
 目が合うと「しまった!」というような気恥ずかしそうな顔をして、すぐに姿を隠した。
 
 そういえば、降車すると勢いよく走りだし、いつも急いでいるように見えた。
 私が気兼ねなく座ることができるように気を使い、隣の車両に乗りかえてくれていたの!?
 とてもうれしかった。
 その後も毎日、その男性は無言で席を譲ってくれた。
 
 産休に入る前の日、「明日から産休に入ります。ありがとうございました!」と声をかけると、男性は照れくさそうに頭を下げ、いつものように急いで電車を降りた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一宮市在住の29歳の教員 小林 友香理さんの作文でした。
いいお話をありがとうございました。
 
作文「ありがとうございました!」 (Yukari Kobayashi) 2011-10-30 19:55:34
作文を載せていただきありがとうございました。妊娠中は、他人に無関心な人があまりに多いことに気づかされたと同時に、このような貴重な体験をすることもできました。電子媒体に掲載していただくことで、新聞を読む機会の少ない方々にも見ていただけるとうれしいです。ぜひ、道徳の授業に使っていただき、子どもたちに他人に親切にできる優しさを育んでもらいたいと思います。
            
 教師力アップセミナー 岩下修先生講演記録
 別紙で紹介しました。
 後日、 http://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=school55 で紹介されます。

 週刊 絵巻で楽しむ源氏物語
 週刊朝日百科から、新シリーズ絵巻で楽しむ源氏物語が創刊されました。
 千年読み継がれている日本文学の最高峰「源氏物語」を、美しい絵巻とともに楽しめます。
 それ以上に買いなのは、出来事年表、平安の大辞典、ことば辞典などなど、社会科の授業で使える資料満載です。
 全60冊予定ですが、少なくとも創刊号「桐壺」と2号「帚木」だけでも手元に置きたいものです。当時の貴族の生活ぶりが分かります。絵の解説もありがたい。
 社会科教師なら買いです! 創刊号は390円、2号以降は590円です。
 紹介サイトはここ http://publications.asahi.com/genji/ 


 お役立ち資料
ブログで、11月25日から12月8日までに紹介した資料です。
所得税など(個人所得課税)に関する資料 財務省
高等学校キャリア教育の手引き 文部科学省
法人税など(法人課税)に関する資料 財務省
消費税など(消費課税)に関する資料 財務省
相続税、贈与税など(資産課税等)に関する資料 財務省
土地税制に関する資料 財務省
金融・証券税制に関する資料 財務省
小・中・高の連続した具体的なコミュニケーション活動 北海道立教育研究所
石の声を聞こう 北海道立教育研究所
石を使っていろいろな面白実験をしてみよう! 北海道立理科教育センター
北海道防災教育資料(風水害編)(21年度) 北海道立教育研究所
ネット社会における安全指導資料 栃木県総合教育センター
実りある「総合的な学習の時間」の実現のために 栃木県総合教育センター
子どもたちの規範意識を育てるための指導資料 【幼・小編】 栃木県総合教育センター
 


 役立ちWeb特集 
(1)全国学力・学習状況調査の調査問題を踏まえた授業アイディア例
 平成23年4月19日に実施を予定していた「平成23年度全国学力・学習状況調査」は,東日本大震災の影響等により,調査の実施は見送りとなりました。これを受けて,調査問題については,配布を希望した学校等にお送りしました。
 国立教育政策研究所では,平成21年度から,調査結果を踏まえた授業アイディア例を作成・公表してまいりましたが,平成23年度については,調査問題を踏まえて,授業等で御活用いただく際の参考となるよう,授業アイディア例を作成しましたので,掲載します。
 10月に公表した調査問題・解説資料等とあわせて,授業改善等に御活用ください。

【小学校】
◇平成23年度 小学校国語の調査問題を踏まえた授業アイディア例( 645KB)
◇平成23年度 小学校算数の調査問題を踏まえた授業アイディア例(1,572KB)

【中学校】
◇平成23年度 中学校国語の調査問題を踏まえた授業アイディア例(1,697KB)
◇平成23年度 中学校数学の調査問題を踏まえた授業アイディア例(7,052KB)
なお,平成21年度,平成22年度の授業アイディア例は,それぞれの年度の報告書にも,掲載していますので,あわせて御活用ください。
◇平成21年度 授業アイディア例(パンフレット版)
◇平成21年度 全国学力・学習状況調査 報告書
◇平成22年度 授業アイディア例(パンフレット版)
◇平成22年度 全国学力・学習状況調査 報告書

☆★☆ コメント ☆★☆
 学校訪問の授業では、ここに紹介されたような新しい発想で取り組んだものに出会いました。
勉強している人は違います。
 
(2)学校の復興とまちづくり −3省連携による復興支援−
 これは人ごとではありません。
 
(3)就学義務の猶予又は免除に関する就学事務処理上の留意点について(通知)
 身近で起こっています。

 教育関連情報
(1)VIEW21中学版
特集 「授業」で生徒を、学級を伸ばす 第2回 2011 Vol.2目次 
  言語活動で授業を捉えなおす
【インタビュー】 めりはりをつけた言語活動で 将来を生きる力を育む
        東京女子体育大理事/教授◎田中洋一
【学校事例1】「まずやってみる」で効果を実感  独自の言語活動で指導が進化
        佐賀県吉野ヶ里町立三田川中学校
【学校事例2】 年間計画や指導案のひな型を 校長が示し、全教師で練り上げる
        東京都府中市立府中第三中学校
 
特集 「授業」で生徒を、学級を伸ばす 第3回  2011 Vol.3目次
 学び合い─クラス全員が学びに参加する授業─
【課題整理】 学び合いの現状と授業に取り入れる際の工夫
【インタビュー】全員での課題達成を目標 自立した学習集団をつくる
          上越教育大大学院学校教育研究科教授◎西川 純
【学校事例1】模範授業や「学び合い通信」で目指す授業像を共有し、校内研で深める
          愛知県小牧市立北里中学校
【学校事例2】教師は生徒をつなぐ役目に徹し自らかかわり、学ぶ力を育む
          長野県松川町立松川中学校
【学校事例3】授業力向上の「共通語」として 学び合いを少しずつ導入
          佐賀県佐賀市立東与賀(ひがしよか)中学校
【資料】 学力層別に見る 生徒の学習動機・理解度と授業方法の関係
 
(2)VIEW21 小学版
2011 Vol.2目次
 特集 思考が深まる「学び合い」─「そうか、なるほど!」のある授業づくり
 【はじめに】
【課題整理と実践のヒント】多様な考えを尊重した学び合いが子どもの思考を促す
 文教大大学院教育学研究科 嶋野道弘教授
 静岡県掛川市立城北小学校 鈴木功一校長 
【学校事例1】個々の自信や考えを十分に育て「練り合い」を充実させる
静岡県掛川市立城北小学校
【学校事例2】さまざまな場面にあふれる 学び合いを柱に授業をつくる
東京都大田区立久原(くがはら)小学校
 MM紹介
(1)JMM [Japan Mail Media]                No.665 Monday Edition-2
 ■ 『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』
   Q:万が一、ユーロが崩壊したらどんな事態が起こるのか?
   ◇回答   □中島精也  :伊藤忠商事チーフエコノミスト
 ユーロ崩壊を叫ぶのは簡単ですが、実際にどういう事態が起こるのかを正確に予想できる人はほとんどいないでしょう。山一証券の倒産、リーマンブラザーズ倒産の後遺症があれほど甚大であったことは多分、多くの人、まして政策サイドの人たちにとって、想定外であったことと思われます。恐らく同じように想定外の事態がユーロ崩壊が現実のものになった時に起こるのでしょう。よって、下記に述べることはあくまで個人的な想定内の狭い見方に過ぎないとは思いますが、考えつくまま、私見を述べさせていただきます。
 第一に、どちらが鶏か卵か分かりませんが、ユーロが崩壊すれば欧州国債市場が暴落するのは必至でしょう。欧州の銀行は多くの欧州国債を保有していますので、資本が毀損します。銀行は資産圧縮の動きを加速させるので、クレジットクランチが避けられません。また、債務超過の銀行が増えますので、国も放置するわけには行かず、銀行の国有化が進行するでしょう。
 第二に、銀行が危ないので、資金余剰の銀行は金融市場に資金を出さないので、市場はフリーズするでしょう。よって、日々の資金不足に陥る銀行は市場からお金を調達できません。この場合は、07年のパリバショック、08年のリーマンショック直後のように中銀が流動性を供給するしかありません。それでも貸し渋り、貸しはがしは止まらないでしょう。
 第三は、上記の理由でマネーが経済に回らなくなると、マネーは血液、経済は身体ですので、血液が流れないと人が死ぬように、マネーが流れないと経済は死んでしまいます。すなわち、経済は急速に悪化して、景気後退から恐慌に向けて進んでいきます。企業倒産リスクが増大しますので、株式市場が暴落することになります。
 第四は、世界はグローバル化で密接につながっていますし、特に金融資本市場はそうですから、欧州の危機が世界に伝播するのは避けられないでしょう。リスクマネーの大規模な巻き戻しが起きるので、新興国の経済は壊滅的な影響を受けることになるでしょう。
 第五は為替市場ですが、ユーロ崩壊で欧州各国通貨がすぐに復活するのか、どういう通貨制度に欧州がなるのか分かりませんが、国により程度は異なるものの、欧州通貨が暴落するのは確かでしょう。また、リスクマネーの巻き戻しで新興国通貨もぼろぼろになるでしょう。ドルは基軸通貨の強み、国際取引における決済通貨の地位は変わっていませんので、ドルへの需要は根強く、ドルは上昇するでしょう。日本円は債権国通貨の強みから、マネー還流もあり、上昇するでしょう。
 第六は社会面ですが、債務危機に見舞われているユーロ加盟国でも国民や企業が保有している資産はユーロ建てですから、これをユーロ崩壊前に英ポンドや米ドルなど非ユーロ通貨に転換する動きが加速するでしょう。銀行への取り付け騒ぎも予想され、当局はどこかのタイミングで預金封鎖を発動せざるを得ないかと思われます。また、全てのユーロ建て取引の契約の効力がユーロ崩壊後にどうなるのか、法的な混乱は想像するに難く、全く見通せません。
 このようにざっと想像しただけでも、ユーロ崩壊のコストは甚大です。ことはユーロ圏に止まらず、世界経済が受ける被害も想像を絶するものがありますので、何がなんでもユーロ崩壊を阻止することが必要です。それも、EUはユーロ危機で当事者能力をなくしているようにも見受けられますので、ユーロ危機の解決をEUのみに任せるのではなく、G20ベースでより積極的に対策を講じていくことが必要でしょう。
 市場は悠長に待ってはくれません。時間が限られています。最早、ECBが無制限の国債購入に踏み切るなど大胆な策に出ないと現下のユーロ危機は解決できないのかもしれません。
 
■ 北野一   :JPモルガン証券日本株ストラテジスト
 もし、150年前にCNNがあったなら、日本の明治維新や西南戦争は、どのように報道されたのだろうか。何か、参考になる資料はないかなと「外国人から見た西南戦争」といったキーワードで検索しているところに、JMMから新しい質問が届いた。
「万が一、ユーロが崩壊したら…」。「万が一」というか、市場は「ほぼ確実に、ユーロが崩壊する」と思っているのではないか、と独り言ちながら、西南戦争の検索を続けた。
 なぜ、「西南戦争」が気になるのか。ついさっきから読み始めた『山縣有朋の挫折』(松本崇、日本経済出版社)という明治の地方自治制度をテーマにした本に、次のような件があったからだ。「江戸時代の300諸侯は、今日の感覚で言えば「独立国」だった。藩は、藩札という通貨を発行し、外国からも借り入れを行い、また、専売を含む勧業奨励や軍(藩士)の維持などを行っていた。それは、通貨統合前のEU諸国のようなものであった」。
 なるほど。江戸時代の藩が、通貨統合(1999年)前のEU諸国ならば、2009年からのギリシャ危機は、明治10年の西南戦争かもしれんな。そう思いながら、読み進むと。今度は次のような文章に出くわした。「明治政府は借金漬けでスタートした。明治2年度の政府の予算の大半(2977万円余)は太政官札発行や借り入れで賄われ、地租などの収入は466万円にすぎなかった」。
 これは、現在の日本政府以上の大赤字だな。ということは、「そのような明治政府の喫緊の課題は、藩が握っていた財源の中央への吸い上げであった」。当然だろう。ただ、「藩の財源を中央に吸い上げるといっても、幕末には財政危機に瀕していた藩も多かったため、それは藩の財政改革と同時に行われることになった。そこで行われたのが明治6年の秩禄処分で、それは今日でいえば公務員の大リストラであった」。なるほど、ギリシャのゼネストやら、欧州の財政統合を彷彿とさせるような難しい話しだ。
 明治新政権の混乱ぶりが目に浮かぶが、実際、「中でも維新の雄藩だった県には、鹿児島県をはじめとして旧来通りの行政を行う者が多く、中央政府による各種制度の制定、改廃があっても受け入れないという有様であった」。これは、メルケルのことか。結局、「明治政府の威令が全府県に行き渡るのは、明治10年の西南戦争以降のことであった」。それで、冒頭の疑問に戻る。我々は、結果を知っている。まさに、「西南戦争」は、「雨降って地固まる」であったことも。
 ただ、ライブで、「西南戦争」を見ていたら、どう思ったであろう。明治政府の先行きに楽観的であり得たのであろうか。西郷に呼応して、全国で武装蜂起が発生したら、どうなっていたであろう。明治政府は大赤字だ。反乱を抑え込む体力があるかどうかも疑問である。しかし、年号を覚えるだけの歴史教育を受けてきた我々は、安易にこう考えがちではないか。まぁ、体制がガラッと変われば、10年はごたごたするものだ。新体制が固まるのはそれからだよ。それは、正しい認識かもしれないが、応用は利かない。ギリシャ危機は西南戦争みたいなものだ、という意見はあまり聞いたことはない。
 万が一、西南戦争で、明治政府が崩壊していた場合、世界はどうなっていたのだろうか。極東に今なお鎖国を続ける国が存続していたのだろうか。太平洋戦争もなく、ソニーやトヨタの製品も存在せず、財政赤字を積み上げて世界経済の潜在的な脅威になる国家も存在しなかったのだろうか。「明治維新期に活躍した坂本龍馬や勝海舟は、徳川幕藩体制に代わる国家像として欧米式の郡県制国家を構想していた。…他方、町村に代わる地方の姿の構想を持っていなかった。そもそも、そのレベルでの変革が必要との問題意識自体がなかった」。
 新体制を細部まで設計し尽くす天才は、あり得ない。明治政府は、おそらくEUがびっくりするくらいの欠陥だらけの体制であったのではないか。そして、問題が発生するたびに対症療法を繰り返し、徐々に体制を固めて行ったのであろう。歴史の教科書では、明治4年に廃藩置県、明治6年に秩禄処分、明治10年の西南戦争…と淡々とした記述が続く。しかし、その一行一行は、悲観と絶望をかろうじて乗り越えた結果であったかもしれない。マスメディアは12月9日のEU首脳会議までを「緊迫の10日」と書いた。しかし、明治維新から西南戦争までの「動揺の10年」は、150年後には、たった一行の記述で終わる。
 EUの通貨統合のような体制維新が、10年経っても動揺するのは、ある意味で当然のことかもしれない。
☆★☆ コメント ☆★☆
 このようなやや大きなテーマは、社会科教師にも面白い課題です。
 まずは自分で考えてみる、そして専門家の意見を読む。これで、視野が広がります。
 今回の2本は、その内容が全く違い、興味深く読むことが出来ます。
 
 
8 資料紹介
◆DVD教材「平和を考える」差し上げます◆
 読売新聞東京本社は小学校と協力して、6年生の教科書単元「平和について考える」を発展させた授業(6コマ分)で、児童が身近な平和に気づいていく経過を収録したDVD(約30分)を制作しました。
 新聞と写真を活用した授業です。どこの小学校でもこうしたやり方で、児童が抽象的な平和を具体的に考え、感じる学習を実現できます。
 ご希望の学校に1枚無料送付します。ご利用下さい。
 申し込みは、「学校名、所在地、担当教員名、電話番号」を明記し、
@メールは、nie7717@yomiuri.comAファクスは、03―3217―8362Bはがきは、〒104―8243読売新聞東京本社NIE事務局DVD係へ。
 ウェブサイト( http://www.yomiuri.co.jp/nie/info/07/01.htm )で、このDVDの表紙を見ることができます。別のサイト( http://www.yomiuri.co.jp/nie/info/05/01.htm  )には、8ページ別刷り「早わかり新聞活用(NIE)」を無料進呈するお知らせも掲載されており、学校教育における新聞活用にうまくご利用下さい。