(1)知らなきゃ損する!面白法律講座 2012年 6月11日 第626号
■ 法律クイズ 第300回 【問題】
「僕が死んだらこれあげるは有効?」
A君(15歳)は、同じクラスのB君に「僕が死んだら、僕の持っている物はなんでもあげるよ。」といいました。
他方、B君は「僕が死んだら僕の持っている物全てA君にあげる。」旨の遺言を適法な方式によって書きました。
A君とB君双方のこの約束のうち有効なのはどちらでしょうか?
1. A君 2. B君 3. どちらも有効 4. どちらも無効
正解は最後に
(2)MM小学1975 中村健一 子どもが大喜びで先生もうれしい!中村のネタ大放出!!
今回は『国語のネタ63』の発刊を記念して、拙編著『子どもの表現力を磨く おもしろ国語道場』から、ネタを連発します。(「なんでやねん!『国語のネタ63』からちゃうの!?」というツッコミも聞こえそうです・笑。新刊『国語のネタ63』のネタは、ぜひ、本をご覧くださいね)
■アクロスティックなぞなぞ
「先生が今からヒントをいくつか出します。誰についてのヒントでしょうか?
分かったら 手を挙げて答えてください」
こう言って、次のヒントを読み聞かせます。
1 「う」みにもぐって、
2 「ら」く園に行きました、
3 「し」服は漁師のかっこう、
4 「ま」ん足したよ、
5 「た」かいごちそう、
6 「ろ」う人になってしまった、
7 「う」らやましいけど、最後は不幸。
正解は、「うらしまたろう」。各ヒントの最初の文字をつなげると、答えになっているのです。
もちろん、出題した後は、子どもたちに問題を作らせます。
『国語道場』はクイズの本ですが、クイズを楽しむだけではありません。
『子どもの表現力を磨く』のタイトル通り、子どもに表現させるための本なのです。
受け身だけでは、国語の力は育ちませんからね。
国語は、どれだけ自分で表現できるかが勝負だと思っています。
■ダジャレ五・七・五
「五・七・五の音でできた詩を川柳と言います。先生がダジャレでできた川柳を黒板に書きます。ただし、最後の五音は書きません。どんな言葉が入るのか?30秒以内でノートに書いてください」
こう言って、黒板に次のような川柳を1つ黒板に書きます。
・コンドルが 空を飛べずに ○○○○○
正解は、「へこんどる」。
他にも、次のような川柳を問題にします。(最後五音は、本当は○で書きます)
・お金がね 襲ってきたぞ おっかねえ
・大好きな プリンは栄養 たっぷりん
・驚いた 理由はシャベルが しゃべるから
・時計など 相手にするな ほっとけい
もちろん、これも子どもたちにダジャレ五・七・五を作らせます。
知っているダジャレをたくさんノートに書き出させ、うまく五音や七音になりそうなダジャレを選ぶのがコツですね。
■同じ部首の漢字、どれだけ書けるかな?
「先生が黒板に書いた文をできるだけ漢字に直してノートに写してください。
漢字はすべて同じ部首になっています。たくさん漢字に直せた人がエライ!制限時間は、1分です」
こう言って、次のような文章を黒板に書きます。
・ちかく、しんたいについてのべる。
正解は、「近く、進退について述べる。」です。
これも、子どもたちに同じ部首の漢字だけを使って文章を作らせます。
次のような手順がいいでしょう。
1 同じ部首の漢字をたくさんノートに書き出す。
2 書き出した漢字をできるだけ多く使って文章を書く。
3 他の部首の漢字が入ると、アウト。
4 一番多くの漢字を使って文章を作った人が優勝。
■名前が漢字で書けるかな?
「先生が今から有名人の名前を説明します。漢字で書いてください。正しく書ければ、1 ポイントゲットです」
こう言って、次のような説明をします。
「『倖』は、『にんべん』に『幸』せ。『田』は田んぼの『田』。『來』は珍しい字。『木』を書いて、ななめの線の上両方に『人』を書いて。『未』は未来の『未』」
正解は、「倖田來未(こうだくみ)」です。
子どもたちにも、有名人や家族、友達で難しい漢字の人の名前を説明させると良いでしょう。
思わぬ珍説明に、教室が爆笑になることも多いです。
(3)致知出版社の「人間力メルマガ」-----2012年6月10日
センバツ甲子園決勝前日秘話
西谷浩一(大阪桐蔭高校硬式野球部監督)
『致知』2012年7月号 特集「将の資格」より
私がここ最近変わったなと思うのは、メンバーから外れた子たちが非常によくやってくれるチームになった、ということですね。
10年ほど前までは夏のメンバー発表が終われば、そこから外れた子は寮を出るのが決まりだったんです。メンバーから外れて気持ちも少し切れているだろうから彼らは家から通わせるようにしようと。
ところが、私が監督になって3年目の時、皆が寝静まってからキャプテンが相談に来たんです。
「メンバー発表が終わっても、3年生全員を寮に残してほしい」と。
私は内心凄く嬉しかったんですが、理由を尋ねると「監督はいつも、1つのボールに皆が同じ思いになれ、“一球同心”と言われているのに、メンバー外の三年生が寮を出たらお互いに溝ができてしまう。一球同心が本物にならないと思います」と言ってくれたんですね。
夏のメンバー発表をする時には、背番号をつけてやれなかった子たちがベンチ裏でワンワン泣いているんです。
でも次の日には彼らのほうから「チームのために何かやらせてほしい」と自ら言ってきてくれるようになった。
そして打撃投手をしてくれたりするんですが、
私が一番してもらいたいのが相手チームの偵察なんですね。
1、2年生より3年生のほうが野球をよく知っているから、絶対にいい分析ができる。ただメンバーから外れた3年生にそれを頼むのは非常に酷なことなんです。
その彼らが「偵察にも行きます」と自分から言ってくれるようになり、そこから何かが変わってきた。
3年生の外れた仲間たちが撮りに行ったとなると、メンバーもいい加減には見られなくなる。
そうしたことで合宿所自体の雰囲気が変わってきました。
今回の甲子園では、決勝戦が1日雨で流れたんです。
メンバーはその日、室内練習場で練習をしますが、宿舎に残っている3年生は部屋で寛いでいてもいい。
ところがその彼らが、決勝で当たる光星学院の一回戦から準決勝までのビデオ4本を全部見直して、一からデータを取ってくれたんですね。
はい。初めに、負傷した四番の子の話をしましたが、その代わりに入った子が実は全然打てていなかったんです。でも分析の結果、ワンストライクツーボールというカウントになると、8割以上の確率でスライダーを投げてくるというデータが取れていた。
そして翌日、1イニング目に彼の打席でそのケースが訪れたんですよね。
私は頭にデータがあったので、スライダーのサインを出した。
そうしたら彼も「分かってるぞ」という顔をしたんです(笑)。私もスライダー来い、スライダー来い、と念じていたんですが、やってきた球が本当にスライダーで、それを打ったらホームランで……。
だからあれは本当にメンバー以外の子たちが打たせてくれたホームランで、スタンドにいる子たちも凄く喜んでいた。
たぶん彼らもスライダー来い、スライダー来い、と思っていたんでしょうね。
だから試合に出ていない子の力がいかに大切か、その子たちの力が関わってきた時に、チームは本当の力を発揮するんだなと改めて感じましたね。
面白法律クイズ□解答□ 2. B君
A君がした行為は、法律的には死因贈与(民法554条)といいます。死因贈与は贈与契約ですので、未成年が単独で有効にすることはできません。
他方、B君のした行為は、遺贈です。これは、15歳に達すれば単独で有効になすことができます(民法961条)。
ですので、B君のした行為のみが有効な行為といえます。
「遺贈」と「死因贈与」は、どのような部分で異なるのでしょうか。
第1に、それらを成立させるために必要な行為が異なります。すなわち、「遺贈」は、受贈者(贈与を受ける者)の意思に関係なく、贈与者(贈与する者)が一方的に意思を示せば足りる(単独行為)のに対し、「死因贈与」は、贈与者と受贈者との間で合意(契約)をする必要があります(遺贈以外の贈与に共通します)。
第2に、「遺贈」は、遺言によってなされるため、書面(遺言書)の作成が必要になります(民法967条、976条から979条)。これに対して、「死因贈与」は、必ずしも書面によってする必要がありません(最判昭和32年5月21日)。
第3に、贈与の効力を撤回(否定)したいとき、「遺贈」は書面によっていつでも自由に撤回することができます(民法1022条)。これに対して、「死因贈与」は必ずしも書面によって撤回する必要がありません(最判昭和47年5月25日)が、撤回が制限されることがあります(最判昭和57年4月30日など)。
このように、「遺贈」と「死因贈与」は、共通する部分と異なる部分があり、似て非なるものといえます。
「遺贈」は、遺言という原則として受贈者に公開されないものによってなされるので、贈与の内容を知られたくない場合などに使用されます。これに対し、「死因贈与」は、契約によってなされるため、受贈者に贈与の内容を知らせるメリットがある場合などに使用されます。