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報告者  土 井

 2012年9月27日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(江南市教委)、早川先生、長谷川先生、宗倉先生(藤里小)、柴田先生(草井小)、田中先生、高木先生(犬南中)、奥村先生(岩南小)、天野先生(大南小)、松田先生(曽野小)、水上先生(岩北小)、高橋先生(岩倉市教委)、尾関先生(岩東小)、伊藤先生(尾一中)の14名でした。

土井が提案した資料を紹介します。 

1  鉄道関係雑誌紹介
『名古屋 地名の由来を歩く』
  『名古屋「駅名」の謎 「中部」から日本史が見えてくる』
  平成23年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果について
 役立ちWeb特集  
 教育関連情報   
MM紹介
8 研究発表会案内
 
 鉄道関係雑誌紹介
 週刊歴史でめぐる鉄道全路線 no.08―大手私鉄 名古屋鉄道 1 (週刊朝日百科)
 週刊歴史でめぐる鉄道全路線 no.09―大手私鉄 名古屋鉄道 2 (週刊朝日百科)
 週刊 JR全駅・全車両基地 2012年 9/2号 名古屋駅
 
 このような地元の雑誌は、いつかどこかで授業のネタになります。手元に置いておきたいものです。

 『名古屋 地名の由来を歩く』 (ベスト新書) 谷川彰英
 社会科研究の大御所、谷川先生の著作です。研究者目線ではなく、実践者目線で足で稼いだ情報が満載です。我々の地元を、地元でない人が見ると、どんな見方の違いが生まれるのでしょうか?
 
序章 尾張名古屋は城で持つ
・「名古屋」にまつわる不思議
・地名のルーツを追え
・「那古野城」から「名古屋城へ」
・古い地名の名残を訪ねて
【コラム1】「愛知」は「知を愛する」ではない

第一章 英傑のふるさとを訪ねる
・織田信長  すべては信長から始まった
・豊臣秀吉  一介の農民から立身出世の鑑へ
・加藤清正  秀吉の子飼から肥後の大名へ
・前田利家  加賀百万石をつくった男
・柴田勝家  賤ヶ岳で敗れた名将
・山内一豊  『功名が辻』で知られる  
・福島正則  初代広島城主となる
・徳川家康  戦国時代に終止符を打った英傑   

第二章 神社から歴史を探る
・熱田神宮  日本武尊のドラマの舞台
・真清田神社  尾張国一宮はここ!
・国府宮  尾張国の政治の中心はここだった!
・金山神社  「金山」の由来となった金属の神様
・綿神社  名古屋にも安曇族の痕跡があった!
・萱津神社  全国唯一の漬物の神様

第三章 お寺にまつわるエピソード
・大須観音  岐阜県羽島の大須から移転した観音様
・七寺  七歳の子どものために造った七堂伽藍
・万松寺  信長が「うつけ者」になった寺
・日泰寺  日本とタイとの交流の寺
・甚目寺  尾張四観音のトップ
・荒子観音  円空仏に会える名刹
・笠寺観音  観音様に笠を懸けた心優しい娘
【コラム2】愛知県は神社・寺院の数 日本一!

第四章 名古屋の街並みを歩く
・七里の渡し  東海道唯一の海上の道
・鳴海宿  「海が鳴る」東海道の宿場
・有松宿  桶狭間と有松絞り
・佐屋宿  桑名への三里の渡し
・四間道  名古屋情緒を残す四間の道
・白壁・主税・撞木町  保存地区となった武家屋敷街
・黒川  ご用水沿いに黒川技師がつくった川筋
・堀川  防衛と産業のルートとして
・長者町繊維街  清州から移転した繁華街

第五章 近代の物づくりの町 名古屋
・豊田  世界のトップに立った「トヨタ」
・則武  世界に誇る「ノリタケチャイナ」一〇〇年の歴史
・瀬戸  「せともの」のふるさと
・常滑  常滑焼のふるさとの由来は?
・七宝  七宝焼誕生の地
・明治村  名鉄が集めた明治の建築群

第六章 名古屋の面白地名
・八事(昭和区)  真言宗の名刹興正寺より
・鶴舞(昭和区)  「つるま」か「つるまい」か?
・御器所(昭和区)  熱田神宮に土器を献上
・味鋺(北区)  物部氏支配の証
・猪子石(名東区)  猪子型の石への信仰
・極楽(名東区)  ああ極楽じゃ!
・振甫町(千種区)  庶民の医療に貢献した帰化人から
・道徳(南区)  どこを向いても道徳ばかり
・呼続(南区)  友を呼びついだ浜辺
・枇杷島(西区・清州市)  琵琶にまつわる悲しい話
【コラム3】「二女子町」「四女子町」「五女子町」とは何なのだ?

第七章 名古屋近郊の地名
・犬山  ここがなぜ安産の神なのか
・桶狭間  ヒントは『信長公記』にあり! 
・小牧  三英傑が活躍した舞台
・長久手  長い湿地帯での戦い
【コラム4】名古屋で人気沸騰! おもてなし武将隊
参考文献


 『名古屋「駅名」の謎 「中部」から日本史が見えてくる』 (祥伝社黄金文庫)谷川彰英 
 先ほどの関連書です。若干、重なる部分もおあります。
 栄のもとは、栄生だったとか、驚きの事実が並びます。
はじめに
駅名検定
第一章 名古屋のキーステーション
・「名古屋」駅 名古屋はやはり「根古屋」から
・「栄」駅 「栄生」との関連は?
・「久屋大通」駅 「干物町」からの転身
・「金山」駅 金属の神様が宿る
・「鶴舞」駅 「つるまい」と「つるま」
・「大曽根」駅 東の玄関口の意味は?
・「上前津」駅 この辺まで海だった!

第二章 名古屋市営地下鉄編
(1)東山線 ・「覚王山」駅 仏教の真髄を残す
・「上社」駅 「矢白神社」から「社」になった
(2)鶴舞線 ・「浄心」駅 浄心寺と下町情緒
・「平針」駅 開墾の神々をたどる
(3)名城線 ・「矢場町」駅 昔「矢場」があった
・「黒川」駅 黒川技師の名にちなんで
(4)桜通線 ・「高岳」駅 家康の我が子を思う気持ち
・「吹上」駅 海風が吹き上げた土地

第三章 名古屋鉄道本 本線めぐり
(1)上り方面(名古屋本線・豊川線)
・「呼続」駅 人を呼びついだ浜     ・「本笠寺」駅 優しい娘の思い
・「鳴海」駅 海の音が聞こえる     ・「前後」駅 「東海道」に向かって「前」にあった
・「知立」駅 なぜ「池鯉鮒」なのか?   ・「御油」駅 東海道で「油を売った」?
・「国府」駅 三河の政庁の跡      ・「豊川稲荷」駅(「豊川」駅) 豊川稲荷の信仰から
・「豊橋」駅 豊川に架けられた橋の名前から
(2)下り方面
・「東枇杷島」駅              ・「西枇杷島」駅 琵琶にちなんだ悲話
・「新清洲」駅・「清州」駅 名古屋のもとになった城下町
・「国府宮」駅 はだか祭で知られる尾張国の中心地
・「名鉄一宮」駅(「尾張一宮」駅) 全国の一宮駅のメッカ
・「名鉄岐阜」駅(「岐阜」駅) 信長が命名した楽市楽座の町

第四章 名古屋鉄道 知多・東部方面
(1)三河線 ・「猿投」駅 投げられた猿が逃げた?
・「上挙母」駅 『古事記』にもその名が出る ・「刈谷」駅・「刈谷市」駅 昔「仮屋」だった?
(2)西尾線・蒲郡線 ・「北安城」駅 ・「南安城」駅  ・「新安城」駅  ・「安城」駅
・「三河安城」駅 「安祥」から「安城」へ
・「吉良吉田」駅 「吉良家」は「雲母(きらら、ルビ)」から
・「西幡豆」駅・「東幡豆」駅 日本武尊の「旗頭」が遭難した
・「蒲郡」駅 典型的な合成地名
(3)河和線 ・「知多半田」駅(「半田」駅) 「ごんぎつね」(新美南吉)のふるさと
・「上ゲ」駅 珍駅名の代表格
・「知多武豊」駅(「武豊」駅) 神社の文字をとって合併
(4)常滑線・空港線 ・「道徳」駅 「文政のみち」を示唆した
・「常滑」駅 中世六古窯の筆頭 ・「中部国際空港」駅 セントレアの名称で愛される

第五章 名古屋鉄道 西部編方面
(1)犬山線 ・「岩倉」駅 岩倉織田氏・山内一豊のふるさと
・「犬山」駅 三つの神社の方角から
(2)広見線 ・「日本ライン今渡」駅 中山道の今渡
・「西可児」駅・「可児川」駅・「新可児」駅(「可児」駅) 蟹に乗ってきた黄金仏?
・「明智」駅 明智光秀のふるさと
(3)各務原線 ・「手力」駅 火祭りに燃える神々
・「苧ヶ瀬」駅 血で彩られた池の伝説    ・「新鵜沼」駅 「各務原」の謎を解く
(4)小牧線 ・「味鋺」駅 古代物部氏の痕跡
・「春日井」駅 古代春日山田皇女にちなむ?  ・「小牧」駅 海で「帆を巻いた」ことから
(5)竹鼻線 ・「不破一色」駅 同一の年貢を納めた ・「江吉良」駅 葦の繁る湿地帯
(6)津島線 ・「七宝」駅 七宝焼きのふるさと
・「勝幡」駅 信長が「塩畑」を変えた    ・「津島」駅 対馬と関係あるのか?
(7)尾西線 ・「玉ノ井」駅 玉依姫の霊泉  ・「弥富」駅 町の繁栄を願って
 

 お役立ち資料紹介
(1)小中高等学校におけるユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業実践に関する調査研究 http://www.center.spec.ed.jp/d/h23/354_H23_kenkyu_Universal_design.pdf 
  多くの児童生徒にとってわかりやすく、わかる喜びを実感できる授業とは?

(2)学校体育実技指導資料第7集「体つくり運動」 (改訂版)
   いろいろな体づくり運動の具体例。

(3)特別支援教育学校コーディネーターサポートブック〜伝えあい・響きあいながら〜 小中学校編    http://www.pref.kochi.lg.jp/uploaded/life/66844_203593_misc.pdf 
   コーディネーターの仕事を明示したものは少なく、貴重な1冊

(4)支援を必要とする児童・生徒の教育のために/神奈川県立総合教育センター
   「困った子」から「困っている子」、「やる気がない」から「やり方がわからない」へ

(5)新しい学習評価の考え方とその方法(小学校編)/高知県教育センター
   教える側中心の評定のための評価から、児童中心の指導のための評価へ

(6)福岡県いじめ問題総合対策/福岡県教育委員会
   いじめに対する、学校・市町村・県・家庭の取組。前回紹介した「メカニズム」の本編

(7)いじめ問題対策マニュアル/群馬県教育委員会
   この手の中では最も簡潔で手軽なマニュアル

(8)災害時、地域において学校が果たす役割についての調査研究/埼玉県立総合教育センター     http://www.center.spec.ed.jp/d/h23/355_H23_kenkyu_disaster.pdf 
   非難行動、安否確認から避難所設営、学校再開まで


(9)「校務の情報化に関する調査研究」/香川県教育センター
   教員の多忙化解消、授業の質の向上の特効薬が情報化なのですが・・・

(10)思考力・判断力・表現力等を育成する指導と評価(2年次)/香川県教育センター    http://www.kec.kagawa-edu.jp/curriculum/houkoku/center/h23/tyouken_2.pdf 
   思考・判断をどう評価するか。具体例を交えて紹介。


 役立ちWeb特集 
(1)公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議(報告)
    資料だけでも膨大で読み応えあり。少人数学級等の更なる推進のために。

(2)栄養教諭を中核とした食育推進事業事業結果報告書(平成23年度)/文部科学省
    各都道府県からの実践報告集

(3)研究成果報告書サマリー集(平成23年度終了課題)/国立特別支援教育総合研究所
    特別支援教育の数々の研究実践報告集

(4)小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理/文部科学省
    小中連携についてまとまったものは珍しい

(5)「あいちの教育に関するアクションプランU」実施状況報告書
    アクションプランUの実施報告概要版

(6)「いじめ、学校安全等に関する総合的な取組方針」/文部科学省
    いじめ、防災、体育授業がターゲット

(7)共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm 
    就学指導委員会から、教育支援委員会へ

(8)【データを読む】◆就学援助の児童生徒数は過去最多、10年で2倍に
   就学援助の児童生徒数は過去最多、10年で2倍に

(9)平成25年度 概算要求書
 子どもと正面から向き合うための新たな教職員定数改善計画案(H25〜29年の5ヵ年計画)


 教育関連情報
(1)【教育記事から教育を考える】    2012年9月21日(金)
   作者:中土井鉄信                 VOL.505
『今日のテーマ』競争原理を徹底する学校選択制を導入する必要はない!
 
学校選択制で全保護者アンケート 大阪市教委(2012年9月20日 朝日新聞)
○ 大阪市で2014年度からの導入が検討されている「学校選択制」をめぐり市教育委員会は19日、市内全域の幼稚園、保育所、小学校低学年の保護者全員を対象に、導入の是非を問うアンケートを実施する方針を明らかにした。
○ 学校選択制は子どもの入学時に一定区域内で小・中学校を選べる制度。橋下徹市長は、市内24区長それぞれに地元住民の意見を聞かせ、区ごとに導入の是非を判断させる考えだ。
○ 市は3〜5月に24区で説明会を開き、住民に意見を聴いた。この場では「学校と地域の関係が薄くなる」などと反対意見が続出。来場者アンケートでも小・中ともに反対が賛成を上回った。一方、市民や研究者らが選択制を議論する「熟議」の場では、「一部の保護者だけではなく、全体の意向を調べる必要がある」などの声が出ていた。
○ 市教委では「住民の意見集約の一つ」として市内全域でアンケートをする。対象は就学前の幼稚園、保育所や小学4年以下の保護者らになる見込み。結果は区長が選択制導入を検討する際、重要な判断材料になるとみられる。(尾崎文康)
 
私(中土井氏)のコメント
◇ 大阪市の試みをみる場合、学校選択制を先に導入した区や市の先行事例を検証する必要があるが、競争原理としての学校選択制を導入しても、学校がよくなるというものではない。それは、教育の中に競争原理が貫徹しない部分があるからだ。
◇ 競争は、あるルールの下で順位として結果が出るが、教育は、子どもが大人になって、ある状況の中でどういう態度や決定をするかで成功か失敗かが決まる。そういう長い取り組みなのだ。だから、学校選択制を競争原理の前提で導入してもよくはない。
◇ それよりは、色々な事情を考慮した弾力的な学校選択制を考えた方がよいのではないだろうか。
◇ 表立った学校選択制ではなく、いじめや友人関係、そして、家族的な問題等を考慮した選択の幅を用意しておけば良いのだ。
 
☆★☆ コメント ☆★☆
 中土井氏に賛成である。
 小中学校の義務教育は、どの学校に行っても、ある程度の質は保証すべきである。もちろん、個性はあってもよいが、それは応用の部分である。基礎・基本の部分は、本来均等であるべきである。
 競争は敗者を作る。教育の敗者を作ってどうするのか?
 東京の事例を見ても、人気校から外れると次のようになる。
 人数が減る → 廃校の噂 → ますます生徒数が減る → 正規教員が減り、教科により講師が増える → 勤務時間に制限があり、質問ができない → 部活動の数が減る → 学校の活気がなくなる → ますます人気がなくなる → 地域が衰退する。
 
 いわゆる不人気校にも児童生徒がいる。家族もおり、勤める教師もいる。彼らに罪はない。制度的に差を作った側の責任である。
 後は口頭で・・・・。 
 

 MM紹介
(1)東書・ICT教育メール9号 From東京書籍 教育サポートセンター 2012.9.21
★東書Eネットに掲載されているICTを活用した授業の動画をご紹介します。授業を組み立てる引き出しが増えました           兵庫県姫路市立旭陽小学校 下野哲宏先生
  
(2)【教育zine メルマガ版】 明治図書ONLINE メールマガジン ◆ 2012年9月第3週号
◆◇ 野中流!新卒教師時代を生き抜く学級経営&授業術
 初任者指導のエキスパート、野中信行先生が、新卒や若手教師のつまずきやすい事例や悩みを徹底解決!
Q 高学年を担任していますが、女子との関係がうまくいかず、クラスの雰囲気も悪いです。うまい関係づくりの方法はないものでしょうか?
 
A 1 考えられるつまずきの原因
 小学校高学年教師の最大の課題は、女子のグループ化による問題になります。女子たちがグループ化し、互いにいがみ合ったり、孤立化する子が出たりするのです。とくに男性の先生はこの課題を苦手にしています。そのために、腰がひけてしまい、ついつい問題だと感じても放置してしまいます。その結果、問題が深刻化してしまうのです。そこでクラスの雰囲気が悪くなります。
2 対応法
 その1 日頃から女子グループの動向に注目しておく
 日頃から女子グループには注目して、グループの把握をしておく必要があります。誰と誰がくっついていて、誰が離れたか、孤立している子がいないかなどをきちんと把握するのです。今までグループの中にいて一人離れた子には、すぐさま「どうしたの? 心配しているよ」と話を聞くことです。また、もめごとがあったときも、すぐさま話を聞くことです。こういうフットワークを身につけておくことが、高学年教師としては、必然的な課題になります。いつも日常的にとりとめもない話ができる関係を作っておくことがとても大切になります。
 
 その2 「包み込み法」で話をする
 話をするときの心得があります。子供たちは問題を起こした場合、必ず自分なりの理由を持っています。周りが見たら、どんなに理不尽な理由に見えても、「自分なりの正当性」を持っています。
 だから、頭ごなしに叱りつけたりしたら完全に心を閉ざしてしまいます。「自分なりの正当性」を否定したり、批判したりしないで、「あなたはそれで腹を立てたんだ。知らなかった。先生はあなたの気持ちがよく分かるよ」と積極的に同意、同調してあげることです。そして、最後に「このままではまずいね。『ここは謝ろう』『ここは相手に譲ろう』ということはないかな? これからずっとクラスで一緒に過ごすのだから、ここはきちんとしておいた方がいいよ」と迫っていくのです。
 次に、もう一方の子供にも、同じように話をします。そして、最後に双方を呼んで、話を詰めればいいのです。
 こういう繰り返しをしながら、問題解決を図っていきます。うまい解決にはなかなか到達しない場合もありますが、この繰り返しが担任への信頼を増していきます。このような方法を私は「包み込み法」と名付けています。
 
3 今回のポイント
 高学年の女子たちには、遠慮しないでどんどん話しかけていく積極性がほしいと思います。もめごとの対処には、「包み込み法」で迫っていきたいです。
 
(3)JMM [Japan Mail Media]                 No.706 Monday Edition-5
『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』
■今回の質問【Q:1278(番外編)】
自民党の新しい総裁を選ぶ選挙戦がはじまっています。事実上の次期首相を決める選挙とも言われているようです。候補者に関して、経済的観点から、ご意見をいただければと思います。
 当選した安部氏についての記述を抜き出してみます。
■ 津田栄   :経済評論家
(前略)
 先日、たまたまラジオ日経を聴いていましたら、株式の個人投資家に対して、自民党の5候補者のなかで次期総裁になるには誰がいいかというアンケートをしていましたが、予想以上に74%強が安倍氏を選択していました。
 
 また、日本版ウォールストリートジャーナル(WSJ)でも「経済政策で支持できる候補は?」というテーマで同じようなアンケートをしていて、経済政策に信頼できる候補者として、安倍氏が63%を超える圧倒的な支持を得ているのに対して、石原氏は1%にも満たない支持でした。こうした株式投資をしている個人投資家や国際的な金融経済に詳しい新聞の読者は、お金というものに敏感でシビアですから、人気とか利害とかではなく、経済という面を強く意識して、誰が総裁にふさわしいのかを判断しているのだと思います。
 今回は、首相を選ぶ選挙ではなく、あくまでも自民党内での総裁を選ぶ選挙ですから、5候補者は自民党が掲げる経済成長戦略を中心とした経済政策は基本的に共有していて大きな違いはないといえますが、細かなところで、差異がみられます。まず、財政政策では、財政再建は必要であり、社会保障と税の一体改革の3党合意は継承するとして、消費税増税を容認していますが、安倍氏のみ、「デフレが続いている間は(消費税率は)上げるべきではない」と明確に述べて、景気とのバランスを考慮していることが窺えます。
(中略)
 安倍氏は、立候補する際の選挙公約として経済と外交・安全保障を中心に据えていますが、そのなかでデフレ対策として日銀の「格段の量的緩和政策等の推進」を挙げ、「消費税を引き上げる前に、デフレから脱却して経済を力強い成長軌道に乗せていく必要がある」として政府と日銀が協調して「大胆な金融緩和などデフレ脱却のための政策を総動員」するべきであり、「2‐3%の緩やかで安定的なインフレを達成する必要がある」としています。そして、自民党の日本再生プランにも書かれていますが、それを実現するためには日銀法改正にも言及しています。政府と日銀がデフレ脱却するためには共通の目標をもって協力し、その手段は日銀に任せるとの認識から改正することまで踏み込んでいるようです。
 一方、成長戦略について唯一言及していて、その必要性を説き、「成長の鍵はイノベーション。新しい技術、ビジネスアイデア、創造的な取り組み。イノベーションに国家資源を戦略的に投入する」との考えのもと、政権交代後「日本経済再生本部」を創設し、新たな成長戦略を策定すると主張しています。具体論はまだ見えていませんが、何が経済政策で必要かという視点を考えると、成長戦略を中心に据える必要があり、それには答えているといえます。
 したがって、そういった経済的視点からすると、経済政策の実務において首相を経験したからかもしれませんが、安倍氏は、他の候補者に比べて、経済への認識や経済政策の安定性などが高いといえます。その点で最初に書きました株式の個人投資家や国際金融経済からの安倍氏支持は、そうした経済的視点からきているのではないかと思います。ただ、今や日韓、日中における緊張から、経済だけで総裁を選ぶ環境ではなく、外交、安全保障など様々な要素が働きますので、安倍氏が選ばれるかは読めません。いづれにしても、今の民主党政権では望めませんが、だれが総裁になるにしても政権交代したときに日本経済の回復に全力投球してほしいですし、今度も失敗すれば、国民の政治への失望ははかりしれないものになるのではないでしょうか。

8 研究発表会案内

 10月20日(土)青山中学校  長良西小学校
 10月27日(土)長良小学校
 11月 9日(金)陽南中学校
 11月10日(土)長良東小学校  長良中学校
 11月16日(金)東長良中学校
 11月17日(土)加納中学校
 11月24日(土)加納小学校