(1)東書・ICT教育メール9号 From東京書籍 教育サポートセンター 2012.9.21
★東書Eネットに掲載されているICTを活用した授業の動画をご紹介します。授業を組み立てる引き出しが増えました 兵庫県姫路市立旭陽小学校 下野哲宏先生
(2)【教育zine メルマガ版】 明治図書ONLINE メールマガジン ◆ 2012年9月第3週号
◆◇ 野中流!新卒教師時代を生き抜く学級経営&授業術
初任者指導のエキスパート、野中信行先生が、新卒や若手教師のつまずきやすい事例や悩みを徹底解決!
Q 高学年を担任していますが、女子との関係がうまくいかず、クラスの雰囲気も悪いです。うまい関係づくりの方法はないものでしょうか?
A 1 考えられるつまずきの原因
小学校高学年教師の最大の課題は、女子のグループ化による問題になります。女子たちがグループ化し、互いにいがみ合ったり、孤立化する子が出たりするのです。とくに男性の先生はこの課題を苦手にしています。そのために、腰がひけてしまい、ついつい問題だと感じても放置してしまいます。その結果、問題が深刻化してしまうのです。そこでクラスの雰囲気が悪くなります。
2 対応法
その1 日頃から女子グループの動向に注目しておく
日頃から女子グループには注目して、グループの把握をしておく必要があります。誰と誰がくっついていて、誰が離れたか、孤立している子がいないかなどをきちんと把握するのです。今までグループの中にいて一人離れた子には、すぐさま「どうしたの? 心配しているよ」と話を聞くことです。また、もめごとがあったときも、すぐさま話を聞くことです。こういうフットワークを身につけておくことが、高学年教師としては、必然的な課題になります。いつも日常的にとりとめもない話ができる関係を作っておくことがとても大切になります。
その2 「包み込み法」で話をする
話をするときの心得があります。子供たちは問題を起こした場合、必ず自分なりの理由を持っています。周りが見たら、どんなに理不尽な理由に見えても、「自分なりの正当性」を持っています。
だから、頭ごなしに叱りつけたりしたら完全に心を閉ざしてしまいます。「自分なりの正当性」を否定したり、批判したりしないで、「あなたはそれで腹を立てたんだ。知らなかった。先生はあなたの気持ちがよく分かるよ」と積極的に同意、同調してあげることです。そして、最後に「このままではまずいね。『ここは謝ろう』『ここは相手に譲ろう』ということはないかな? これからずっとクラスで一緒に過ごすのだから、ここはきちんとしておいた方がいいよ」と迫っていくのです。
次に、もう一方の子供にも、同じように話をします。そして、最後に双方を呼んで、話を詰めればいいのです。
こういう繰り返しをしながら、問題解決を図っていきます。うまい解決にはなかなか到達しない場合もありますが、この繰り返しが担任への信頼を増していきます。このような方法を私は「包み込み法」と名付けています。
3 今回のポイント
高学年の女子たちには、遠慮しないでどんどん話しかけていく積極性がほしいと思います。もめごとの対処には、「包み込み法」で迫っていきたいです。
(3)JMM [Japan Mail Media] No.706 Monday Edition-5
『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』
■今回の質問【Q:1278(番外編)】
自民党の新しい総裁を選ぶ選挙戦がはじまっています。事実上の次期首相を決める選挙とも言われているようです。候補者に関して、経済的観点から、ご意見をいただければと思います。
当選した安部氏についての記述を抜き出してみます。
■ 津田栄 :経済評論家
(前略)
先日、たまたまラジオ日経を聴いていましたら、株式の個人投資家に対して、自民党の5候補者のなかで次期総裁になるには誰がいいかというアンケートをしていましたが、予想以上に74%強が安倍氏を選択していました。
また、日本版ウォールストリートジャーナル(WSJ)でも「経済政策で支持できる候補は?」というテーマで同じようなアンケートをしていて、経済政策に信頼できる候補者として、安倍氏が63%を超える圧倒的な支持を得ているのに対して、石原氏は1%にも満たない支持でした。こうした株式投資をしている個人投資家や国際的な金融経済に詳しい新聞の読者は、お金というものに敏感でシビアですから、人気とか利害とかではなく、経済という面を強く意識して、誰が総裁にふさわしいのかを判断しているのだと思います。
今回は、首相を選ぶ選挙ではなく、あくまでも自民党内での総裁を選ぶ選挙ですから、5候補者は自民党が掲げる経済成長戦略を中心とした経済政策は基本的に共有していて大きな違いはないといえますが、細かなところで、差異がみられます。まず、財政政策では、財政再建は必要であり、社会保障と税の一体改革の3党合意は継承するとして、消費税増税を容認していますが、安倍氏のみ、「デフレが続いている間は(消費税率は)上げるべきではない」と明確に述べて、景気とのバランスを考慮していることが窺えます。
(中略)
安倍氏は、立候補する際の選挙公約として経済と外交・安全保障を中心に据えていますが、そのなかでデフレ対策として日銀の「格段の量的緩和政策等の推進」を挙げ、「消費税を引き上げる前に、デフレから脱却して経済を力強い成長軌道に乗せていく必要がある」として政府と日銀が協調して「大胆な金融緩和などデフレ脱却のための政策を総動員」するべきであり、「2‐3%の緩やかで安定的なインフレを達成する必要がある」としています。そして、自民党の日本再生プランにも書かれていますが、それを実現するためには日銀法改正にも言及しています。政府と日銀がデフレ脱却するためには共通の目標をもって協力し、その手段は日銀に任せるとの認識から改正することまで踏み込んでいるようです。
一方、成長戦略について唯一言及していて、その必要性を説き、「成長の鍵はイノベーション。新しい技術、ビジネスアイデア、創造的な取り組み。イノベーションに国家資源を戦略的に投入する」との考えのもと、政権交代後「日本経済再生本部」を創設し、新たな成長戦略を策定すると主張しています。具体論はまだ見えていませんが、何が経済政策で必要かという視点を考えると、成長戦略を中心に据える必要があり、それには答えているといえます。
したがって、そういった経済的視点からすると、経済政策の実務において首相を経験したからかもしれませんが、安倍氏は、他の候補者に比べて、経済への認識や経済政策の安定性などが高いといえます。その点で最初に書きました株式の個人投資家や国際金融経済からの安倍氏支持は、そうした経済的視点からきているのではないかと思います。ただ、今や日韓、日中における緊張から、経済だけで総裁を選ぶ環境ではなく、外交、安全保障など様々な要素が働きますので、安倍氏が選ばれるかは読めません。いづれにしても、今の民主党政権では望めませんが、だれが総裁になるにしても政権交代したときに日本経済の回復に全力投球してほしいですし、今度も失敗すれば、国民の政治への失望ははかりしれないものになるのではないでしょうか。