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報告者  土 井

 2012年10月25日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(江南市教委)、早川先生、長谷川先生、宗倉先生(藤里小)、田中先生(犬南中)、奥村先生(岩南小)、天野先生(大南小)、松田先生(曽野小)、水上先生(岩北小)、高橋先生(岩倉市教委)、川邉先生、坪内先生(岩倉中)、阿部先生(江西中)、鈴木先生(城東中)、馬場先生(宮田中)、尾関先生(岩東小)、吉田先生(古知野中)、大薮先生(犬南小)、川口先生(尾一中)の19名でした。

土井が提案した資料を紹介します。 

1  宮田中・馬場先生の授業に応える
長良西小学校参観 
  長良西小学校社会科部会指導案
  お役立ち資料紹介
 教育関連情報  
 MM紹介   
研究発表会案内
 
 宮田中・馬場先生の授業に応える
 馬場先生の授業は、田沼意次に光を当てるという画期的な授業でした。自分ならこうするという試案を授業記録風にまとめてみます。
 
T 今学習している時代は?
S 江戸時代(左上隅に貼る)
T 次の時代が?
S 明治時代(右上隅に貼る)
T 今日は、その真ん中からこのあたりの時代の学習です。
  前回勉強したこの人は?
S 徳川吉宗
T 全員起立。吉宗がやったことを、3つ思い浮かべた人は座りなさい。(わからない人はノート見て)
S1 目安箱、公事方御定書、新田開発、上米の制、質素・倹約・武芸を奨励、五公五民 等
T 粋なヒーロー(1716年)暴れん坊将軍・吉宗の政治を享保の改革といいました。彼は、家康の政治をモデルとしました。
当然、経済は成長したよね。

 (江戸時代の経済成長のグラフを貼る。もっと細かいのを探したい)

        人口(万人)    耕地(千町)    実収石高(千石)
 1600年    1,200     2,065     19,731
 1650年    1,781     2、354     23,133
 1700年    2,769     2,841     30,630
 1720年    3,128     2,927     32,034
 1730年    3,208     2,971     32,736
 1750年    3,110     2,991     34,140
              (速水融・宮本又郎「概説17−18世紀」、44頁)

S あれっ?あまり増えていない。特に前半は・・・・。  
T そう、右肩上がりに成長してきた江戸時代も、停滞期に入ったのです。
ここで、日本史上、希に見る経済の天才かも?と言われる人が現れます。それが・・・・
(田沼意次の写真を貼る)だれ?
S 田沼なんとか
T 「たぬま おきつぐ」といいます。彼の政治が引き継がれれば、日本は欧米並みに成長し、明治維新は必要なかったという人もいます。(「明治時代」をはずしながら。すぐに貼る。)
S すごい!
T しかし、残念ながら、その次のこの人に完全否定されてしまいます。
 (松平定信の写真を貼る)だれ?
S 松平定信。
T そう、彼が老中になった1787年からの改革を寛政の改革というんだ。
彼が、天才 田沼をつぶしにかかります。
S なぜ?  
T では、これを課題にしよう。今日はダブル課題。

天才田沼は何をやろうとしたのか、定信はなぜそれを否定したのか説明しよう
 
 板書、復唱
 では手がかりに、これらの言葉をベン図に記入しながら、2人の仕事を考えてみよう。

 個人 → グループで確認
T わからない言葉を説明します。説明してほしい言葉は?
  なければ、説明してもらいます。(急に手が挙がる)
・・・・・・・質問に教師が説明・・・・・・
 
T 田沼の政治の中で、特に、株仲間奨励・長崎貿易・蝦夷地開発をキーワードとして覚えておこう。頭文字をとって「田沼はかぶの苗」
 
T 松平定信の寛政の改革は、農村の立て直し、米を倉にたくわえる、倹約令、朱子学以外を禁止・借金帳消しを覚えておこう。頭文字をとって、「松のこけしは完成だ」
 
T (わいろの説明の後)実は、定信は田沼にわいろを送っています。ここでは、真ん中に置 いておきます。
 これらに加えて、新しい言葉を加えます。どこに入れますか?

  今なら消費税導入、 今ならTPP(自由な貿易)推進、 吉宗の政治を継承
   名門の家柄出身 、 低い身分出身         、 吉宗の政治に否定的
 
 確認後、 
T それでは、田沼はどんな政治を目指したのでしょうか?周囲で相談。
 S 士農工商の身分制に縛られない社会
 S 低い身分でも活躍できる社会
 S 米以外の収入が得られる税制改革
 S 商業重視の中央集権国家
 S 鎖国政策をやめ、海外との貿易推進
 S 学問や芸能などが活性化する社会
 S 米以外の商品作物や手工業が盛んになる社会
 
 まとめて「商業と貿易による財政改革」としておこう。(板書)
 
T (生徒から出ないものは教師が細かくなりすぎないように簡単に補足。)
 吉宗も、後半には新田開発により米の生産量を増やしても、武士の収入が増えないことに気づきました。米の生産量増加というのは、米の価格がさがり、武士の実際の手取り収入は減っていったのです。
 そこに田沼も気づいており、新しい政策を取り入れたので、当時としては天才だったといわれているのです。
 田沼意次がやろうとしたことは、後に薩摩藩や長州藩が実行し、明治政府に引き継がれるのです。
 
T そんな田沼も、息子が暗殺され、失脚させられます。次の松平定信から完全否定されます。
 それでは、松平定信はなぜ否定したのでしょう。周囲で相談。
 S 士農工商の身分制度を守るため
 S 商業より農業重視のため
 S 家康、吉宗の伝統を守るため
 S 田沼の家柄が低いため
 S 急な変革を怖れたため
 S 鎖国政策を守るため 
   
T 実は、松平定信は、家康の政治を尊敬していた吉宗の孫なのです。
 田沼意次が、家康以来の朱子学、士農工商の身分制度と米中心の経済、鎖国政策を否定したために、保守派から否定されてしまったのです。
 田沼意次に対する否定的な書物が多いのは、松平定信やその仲間が書かせたのです。
 寛政の改革といいますが、実は家康や吉宗の政治に戻そうとしたのです。
 
T 今日の学習を振り返ります。
隣同士じゃんけんをして、勝った人は、田沼意次がどんな政治をしたかったのか説明してください。負けた人は、松平定信がなぜ田沼の政治を否定したのか説明してください。
 
T (代表にいわせた後、)今日の振り返りに、自分の言葉で結論を書きましょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 歴史は流れを理解させるべきだと思っています。
 ここでは、米中心の経済が行き詰まりを見せ、田村意次が建て直しを図ったが、家康以来の幕藩体制の伝統のために、立ち直りの機会を失ったことを掴ませたいと思いました。
 

 長良西小学校参観 
  10月20日、岐阜市立長良西小学校 中間発表会に行ってきました。一部紹介します。
 
マット運動(後転)の補助教具です。
 手の着く位置がわかり、頭が転がるガードが、お風呂マットを切り取って作ってありました。
 
 









理科室の掲示は、科学の基本的な原理原則を教えてくれます。
   
 
 音楽では、曲に併せてテニスボールで遊んでいました。音符の長さを表す教具です。
  
 
 
 
 
 
 











粘土作品には驚きです。
 子どもたちが考えたいろいろな技を紹介し、
それを作品づくりに生かしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




これらの他、新しいアイデアをたくさん発見しました。
 ブログで紹介していますのでご覧ください。
 
 



















 長良西小学校社会科部会指導案
3つの授業を別紙で紹介します。
  

 お役立ち資料紹介
 
(1)初任者のための研修ハンドブック/奈良県立教育研究所
 多くの自治体で作成していますが、内容は異なります。いろいろと見比べると勉強になります。教師の仕事を体系的に学べることが助かります。
 大学の教職課程の教科書にできます。
 
(2)平成23年度 東京都教職員研修センター 紀要等 
  自尊感情や自己肯定感に関する研究 (4年次)
  自尊感情や自己肯定感の育成が求められているので、貴重な研究です。資料も豊富です。
 
  言語活動の充実に関する研究(2年次)
 
(3) 生徒指導支援資料/国立教育政策研究所
    「いじめを理解する」  https://www.nier.go.jp/shido/shienshiryou/index.html 
    「いじめを予防する」 https://www.nier.go.jp/shido/centerhp/shienshiryou2/index.htm 
    「いじめを減らす」  http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/2306sien/index.htm 
 
(4) 動画で解説・バイオリン教室    http://www.vlesn.com/index.html 
 
(5) 夢を叶えろ!WEB塾
   ウリはアニメ授業です。   http://pinchiozisan.web.fc2.com/index.html 
 



 教育関連情報  
(1)中央教育審議会・初等中等教育分科会・教員養成部会(第65回) 配付資料
.議題
1.平成24年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(諮問)
2.いじめ、学校安全等に関する総合的な取り組み方針について
3.平成24年度(前期)教職課程認定大学等実地視察報告について(報告)
4.教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)及び答申を踏まえた今後の検討事項について(報告)
5.幼保連携型認定こども園における保育教諭の資格の取り扱い等について(報告)
6.その他
 
配付資料
資料1  第6期中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会委員名簿
資料2  平成24年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(諮問) (PDF:242KB) 
資料3  平成24年度課程認定申請大学等数 (PDF:60KB) 
資料4-1 いじめ、学校安全等に関する総合的な取り組み方針について (PDF:199KB) 
資料4-1(参考) 子どもの「命」を守るために (PDF:161KB) 
資料4-2 いじめの問題に関する教員養成課程における取り扱いについて(論点) (PDF:173KB) 
資料5  平成24年度(前期)教職課程認定大学等への実地視察について
資料6-1 教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)の概要 (PDF:148KB) 
資料6-2 答申を踏まえた今後の検討事項について
資料7  幼保連携型認定こども園における保育教諭の資格の取り扱い等について (PDF:135KB) 
資料7(参考) 子育て関連3法について (PDF:229KB) 
資料8  平成23年度免許状更新講習事後評価結果について (PDF:134KB) 
参考資料1 平成25年度概算要求について(教員の資質向上・定数改善関係) (PDF:343KB) 
参考資料2 第2期教育振興基本計画について(審議経過報告)(概要)(PDF:488KB)
 第2期教育振興基本計画について(審議経過報告)(本文)(PDF:1173KB)
参考資料3 大学改革実行プラン(PDF:1600KB)

 MM紹介
(1)教育記事から教育を考える    2012年10月19日(金)
   作者:中土井鉄信                 VOL.509
『今日のテーマ』リーダー教育をただ単なる管理強化だと思う時代錯誤から脱却することだ!
 「リーダー教育」で不祥事防止を…長野県教委部会
(2012年10月17日 読売新聞)
○教員不祥事の再発防止に向けて長野県と長野県教委が設置した「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の倫理向上専門部会の最終会合が16日開かれ、報告書案をまとめた。
○校長や教頭へのリーダー教育を徹底するとともに、不祥事を通報する制度
の導入などを盛り込んだ。11月6日の検討会議に報告書を提出し、提言を
まとめる予定。
 
○部会は7月に始まり、この日の会合が4回目。学校関係者への2回のヒア
リング調査などから、「子どもたちを守る」という意識が欠如しているとし
て、明確な使命を自覚するために、「学校の運営体制の強化」と「教員の意
識改革」を柱に据えた。
 
○「運営体制の強化」では、校長や教頭へのリーダー教育のほか、教員や保
護者、地域住民らで構成する機関を設け、学校運営の透明性を確保すること
などを挙げた。
 
○「意識改革」では、不祥事を起こした教員への罰則強化や不祥事の芽を発
見した際に通報する制度などを検討。教員個人の意識改革を進める具体的な
手段として研修プログラムの強化なども組み込んだ。
 
○委員からは「管理体制が前面に出ると教員の個性がなくなる」「通報する
前に相談体制を作れないか」「研修プログラムをどのような形で取り入れる
のか検討すべき」などの声が出た。これらの意見も踏まえ、部会としての最
終的な報告書を検討会議に提出する。
 
○公認会計士の大久保和孝部会長は「環境変化に適応するシステムが必要。
ヒアリングを重ねて現場の実態を踏まえた報告書案になった」と総括。教育
委員会の権限や役割の見直しについては、「現行制度はよくできているが、
適切な運用ができているかは疑問。運用面を担保していく仕組みが必要」と
した。
 
 
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私のコメント
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◇人の上に立つと言う管理職は、リーダーシップやマネジメントスキルを学
ばなければならない。記事の中に「管理体制が前面に出ると教員の個性がな
くなる」とあるが、このような意見が出ること自体、全くの時代錯誤としか
言いようがない。マネジメントとは、有限な資源の有効活用を言うのだ。
 
 
◇リーダー教育を管理体制の強化だと安直に考えるのではなく、どんどんリ
ーダー的なスキルを学んで、学校を活性化するようにしたらよいのだ。記事
の中にあるような意見が、暗黙のブレーキにならないようにしたい。
 
 
◇現在、教育委員会が、教員の研修にかける時間やお金は、大きいわけでは
ない。私も二つの県の教育委員会で、研修を担当しているが、その研修費は
民間の金額に比べれば、非常に小さいものだ。教員の質を高めるためには、
それなりの質の研修を行うことだ。
 
 
◇大学教授を安く研修講師に使って、お茶を濁すより、しっかりした専門家
をちゃんとした金額を出して招いて、実のある研修を行ってほしい。教員は
子どもたちにとってのリーダーだ。ぜひリーダー教育を真剣に考えてほしい
ものだ。
 
 
 
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     ◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
+─────────────────────────────────+
       中土井鉄信ツイッターでつぶやき中!
        http://twitter.com/mbanakadoi
 
 ■ 情報教育の教育現場での実践をサポート■
         [新・火曜の会メールマガジン]        第46号
                          Vol.  2012/10/16
 
[2] 明日に使えないICTムダ知識(第45回)
        〜 ハロウィン 〜              奥村英樹
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 ここ数年で、日本でも10月にハロウィンにちなんだイベントや商品が目立つ
ようになりました。手を変え品を変え商売にする商売人の逞しさにも感心しま
すが、そのような機会をとらえて日常生活をリフレッシュすることも大切かも
しれません。
 そこで今回は、ハロウィンを楽しむICTグッズの紹介です。
 
 まずは、ハロウィンの雰囲気作りとしてPC周りを飾りましょう。
 「USB Halloween decoration kit」は、PCの作業環境をハデに演出してくれ
ます。
 
 そこまでハデでなくて良い人は、USBメモリでさりげなく演出できます。
 
 iPhoneをお持ちの方は、こんなデザインのカバーをつけると、かっこいいで
しょう。
 
 ハロウィンを機会に親交を深めたい人は、グリーティングカードを送るとい
う方法があります。
 
 ハロウィンと言えば、「trick or treat」。「いたずらか、キャンディくれ
るかどっちがいい?」と聞きますが、問答無用でいたずらしたい人は、次のよ
うなものが売られています。PCのUSBポートに指すことで、キーボードやマウ
スにロックがかかったり、動作が遅くなったりするものです。堂々と、
「Halloween Prank」(ハロウィンの悪ふざけ)用として、売られています。
 こちらは、MACユーザーに対しての悪ふざけをする方法を映像で指南してい
ます。ちょっとやり過ぎだとは思いますが...
 
 スマホでハロウィンぽい怖い写真を作るアプリもあります。
 
 日頃の息抜きとして、ハロウィンを楽しんでみられてはいかがでしょうか。

 研究発表会案内

 10月20日(土)青山中学校  長良西小学校  終了しました
 10月27日(土)長良小学校
 11月 9日(金)陽南中学校
 11月10日(土)長良東小学校  長良中学校
 11月16日(金)東長良中学校
 11月17日(土)加納中学校
 11月24日(土)加納小学校