1 長谷川先生 課題研究発表 岡田先生 講演
あま市立七宝北中学校 岡田幸博先生講演
「語り合いが生み出す、迫力のある道徳づくり」
どちらも素晴らしい発表でした。
2 第7回 金融経済教育研究会 ブログより
学校における「経済教育」の現状と課題 名古屋女子大 宮原 悟
たいへん興味深い講演でした。
例えば、「経済(学)とは何か」と聞かれたら何と答えますか?
先生は明解に答えてくれました。
「人々を救うこと」
「生産・分配・消費を工夫することで人々により多くの満足を与える」
要するに、資源の有効活用です。
資源とは、家計なら給料、国なら税、そして資産です。他にも、地下資源、観光資源、人的資源・・・、いろいろ考えられます。
これらを有効活用して、世の中をうまく治め、民を救うこと。利害対立を乗り越えて、人間を幸せにすることが経済なのです。
「経済問題とは何か?」
自由がいいのか平等がいいのか
資本主義と社会主義の対立に構図が似ています。
自由は格差が生まれ、無秩序です。平等は規則でがんじがらめで、経済は悪くなる。
どこが一番ベストなのか = 経世済民 の視点でベストポイントを模索することなのです。
社会保証制度の充実は平等の発想です。しかし、過度の社会保障は、結局国が滅びます。
郵政民営化は、自由。TPPも推進論は自由。物価も、均衡価格は自由、公定価格が平等。
経済はいろんな顔を見せるが、本質はなかなか見えません。
自由になったら、平等になったら・・・。経済問題を解く = ベストポイントをみんなで話し合うことなのです。
中学校公民の指導要領で「対立と合意」「効率と公正」が登場しましたが、これも、同じ。この言葉は、経済学の視点から出た言葉なのです。
「社会を動かす経済動機」
これまでの歴史は経済で動いてきました。戦争だって、根本には経済がつき動かしています。経済問題が戦争を起こしているのです。
ニューディール政策は、一時救ったが、元に戻りました。アメリカは、失業率が深刻になると、戦争をする。逆に、失業率がもどると、戦争に関与しません。平和を主張するのです。
戦争は、最高の失業対策だからです。
アメリカは、平和、人権をいうが、根っこには経済があるのです。
世界史のどこを見ても、背後には経済情勢があります。歴史の本質を見るとは、経済を見ることなのです。
70年間、基本的には平和でした。
資本主義の政策として、常に需要が供給を上回ってきました。しかし、ある時、それが行き詰まります。国連のおかげで平和になり、経済が行き詰まったとき、戦争待望論が起こるのです。経済動機としての戦争があるのです。
的確な判断力を育てるには、世の中は経済で動くことを知ることです。そうでないと、危険な状態を引き起こします。経済に対して、問題を把握し、判断力を育てないと、不幸な戦争に向かうかもしれないのです。
「21世紀的人類課題は経済課題」
人口、環境、資源・・・・は、経済問題。
確かな学力とは、基礎・基本とは、「持続可能な社会な形成」それに参画できる資質、これがメインです。
よって、基礎・基本とは、「21世紀的人類課題の克服する力」= 経済の知識なのです。
☆★☆ コメント ☆★☆
わかりやすい言葉で、しかもスパッと社会を斬る鋭さに感動しました。
さらに、全員に『経済社会を生きぬくためのガイドブック』(中部日本教育分科会)が配られました。講演の内容の概要が載っています。
戦争の原因は経済問題。そのとおりだと思います。米作りが普及し、富が生まれてから格差が生まれ、戦争につながりました。
十字軍遠征も経済戦争でした。もちろん、太平洋戦争も。
先生に質問しました。最大の経済問題は?「国の借金をどうやってなくすか」だそうです。
3 H24年度日本道徳教育学会 愛知県支部 研修会
横山 利弘 先生(日本道徳教育学会会長・関西学院大学)講演
「愛知県支部に期待することA−道徳の授業を充実させるために−」
後半部分のみ一部紹介します。
今から、「道徳の時間」の授業を充実させるために話す。授業方法には、いろんな考え方の人がおり、何かを根拠にする必要がある。それが「学習指導要領」になる。
「道徳の時間」の目標が中に書いてある。小学校なら29ページ
道徳の時間においては,以上の道徳教育の目標に基づき,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら,計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化,統合し,道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め,道徳的実践力を育成するものとする。
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補充、深化、統合し、と書いてあって、ここまでが外枠。その後ろに書いてある。目標は、「道徳的実践力を育成する」と書いてあり、その間に、書いてある。
小学校では、「道徳的価値の自覚および自己の生き方についての考えを深め」
中学校「道徳的価値及びそれに基づいた人間としての生き方についての自覚を深め」
これが、「道徳的実践力を育成する」ための方法のベースだ。
ここまでが学習指導要領に書いてあること。いろんな授業論をやるのはOKだ。しかし、ここにつながっていないとだめ。
問題は、道徳的価値とは何か。道徳的規範といってもいい。
価値は、静的・客観的。規範は、動的・主体的。
価値は具体的には、「思いやり」とか「正義」とかになり、それを行為の標準としてとらえると規範になる。
これが、「道徳的価値の自覚」になると、わかりにくくなる。
平成10年から、「道徳的価値の自覚」という言葉を入れた。押谷君と私との間の話し合いで、授業が道徳になっていないというふうになった。ほとんどが、気持ちを問いている授業になっていた。必ずしも、それがいけないわけではないが、ずっとそれではだめだ。それでは、人間の心理の研究をしていることになる。
何を規範として生きるのか、何をすればよいのかわからない。心理の学習にはなっても、道徳としては不明確。
価値を自覚するとは、どうすると自覚したことになるか?
「道徳性」は、人によって定義が違う。
=よりよい生き方を目指してなされる道徳的行為を可能にする人間の持っている特性
自覚とは = わきまえること
すなわち、道徳的な価値の自覚とは:(例えば)友情についてわきまえること、になる。
ここまでは指導要領に書いてある。
ここからは私の考え
自覚なんて、簡単にはできない。だれでも、命は大事と知っている。
祖父がお酒を飲み、そのまま後ろいひっくり返った。5日めの朝に、息をひきとった。そのときに、命の境を知った。5日間、ずっと体をさすっていた。死ぬ瞬間にも遭遇し、生死の境を経験した。このことで、命だけでなく、家族、過去の歴史、いろいろ考えた。そこで初めて、生きるということを真剣に考えるようになった。
たとえば、友情ということをうまくいっているときに考えない。裏切られて、初めて友情って何だになる。そこで友情について考え、自覚する。
人は、うまくいっていない時に「自覚」する。それまでの生活があって、大きなきっかけに出会い、自覚する。
ビフォー があり、あるきっかけがあり、アフターがある。
あの番組を見てると、住居にいろいろな問題を抱えていて、解決したいという思いでお金を払う。そこで設計士が考え、家を造る。そんな構図の番組だ。
児童が「道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め」とある。
それには、主人公が「道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め」という資料を用いればよい。
「橋の上のおおかみ」という有名な話がある。
おおかみが腕力に任せて「おまえがさがれ」という。権力にものをいわせて気持ちがいい。
ある日、大きな熊とぶつかった。弱い者に強く出る者は、強い者に弱く出る。しかし、熊がこうすればいいと持ち上げた。
それから、うさぎが来たとき、こうすればいいよとした。もっと気持ちがいいことがわかった。
この話で、道徳的な生き方を自覚したのは「おおかみ」だ。きっかけは「熊との出会い」。
どこで変わったのか?「熊の後ろ姿を見送っている場面」
私は、「たまごっち」と言っている。
文章には、直接言葉が書いていない。行動やことばづかいで、心を類推する。
上に言葉や行動を入れる。
下を子どもに考えさせる。
「後ろ姿を見送りながら、おおかみはどう考えたのか?」
資料を読むと、中心の発問をするところに、行動や言葉が書いてあるが、心の中は書いていない。だから、考える道徳になる。
「ならぬことはならぬ」というのは問答無用の道徳だ。
「うそつくな」というが、元気だったおやじが入院した。病院で医者から呼ばれた。「末期癌。あと3ヶ月の命。」といわれた。泣いた。トイレで顔を洗い、父の部屋へ行った。「医者から何をいわれた?癌か?」そしたら、「とうちゃんが癌になるタマか!」という嘘をつく。
自己弁護のためについた嘘は後から悔やむ。なのに、人のためについた嘘は、仕方がなかったと思う。あのときはそれでよかったと。
人間は不思議。自己中心的でも悔やむ心は残っている。人のためにと思ってやったときは、これでよかったと思う。
道徳の資料というのは、こういう構図のものが多い。
教材研究は簡単にすみ、発問もできる。
「一冊のノート」
おばあちゃんがぼけてきた。「またどっかにやった?」家で探したら、弟が古新聞の間から持ってきた。やっぱりおばあちゃんだ。「このごろぼけてるで。ぼくら迷惑しているんだ」と言った。
友達といるとき、道でおばあちゃんとすれ違う。無視した。
家で「変なかっこうしてまちあるくな」言った。
捜し物をして、おばあちゃんの日記をみた。自分のことが書いてある。
「どうもぼけてきたみたいだ。孫が中学生になった。その分自分も年をとった。」字が乱れてきて、滲んだだインクの跡を見た。これまで散々世話になったことがよみがえってきた。
庭で草を引いていたおばあちゃんの横にそっと座り、いっしょに草を引いた。
たまごっちの上「黙って草を引きながら、その時どんな言葉をかけているんだろう」
「ごめん」と答えた子には、「なぜごめんと思ったの?」と返せばよい。
力のある資料だ。誰がやっても、失敗しようがない。
こうすれば、考える道徳になる。
資料分析、資料選択の条件になる。(以下略)
☆★☆ コメント ☆★☆
横山利弘先生の話は、何度聞いても面白い。今回の内容は、ほぼ、8月1日のモラロジー教育者研究会で聞いた内容であったが、それでも聞き入ってしまった。
このパターンの資料を選べば、誰でも発問を考えることができ、考える道徳になる。
まずは、このパターンでやってみたい。
マスターしたら、他のパターンの資料にも挑戦すればよい。
4 関西大学初等部研究発表会 2
ol.358 2013. 2/21(FRI) 教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言
島原先生の報告、今回は「公開授業1」の様子です。
■ 会 場 大阪府高槻市 関西大学初等部
研究主題 ミューズ学習を活かした授業デザイン ─ 教科等における思考力育成 ─
◇ 公開授業1 ミューズ学習 5年2組
mission「提案を導き出すとき,どのような頭の使い方をしたのか,友だちに説明せよ」
○ 本時は総合的な学習の時間で取り組んでいる国際協力実践活動での自分の提案を作成する際に,どのスキルをなぜ使うのかを説明するという学習である。
1 本時の目標
自分の思考を構築する際,どの思考スキルを使ったのか,なぜそのスキルを使ったか?を友だちに説明することができる。
2 学習内容
1)自分が収集した情報をもとに,どのスキルを使って提案をつくっていくかを考える。
2)スキルが決まったらシンキングツールに情報を整理し,提案をつくる。その際,スキルを使う理由も書く。
3)ペアで意見交換をする。説明に対してどのように思ったのか,自分だったらどのようなスキルを使って提案を導き出すかなどについて意見を出し合う。
4)全体で意見交換を行う。
3 感想
○ とてもレベルの高い授業
・自分は追究の過程でどんなスキル,どんなツールを使って思考してきたかを友だちに伝えるという学習内容。これは非常にレベルが高い。大人でもなかなかむずかしい。
・2人組で話し合いをしていたが,説明できる子とそうでない子,説明を聞けることそうでない子のレベル差もありそうだった。
・きちんと説明できる子の話っぷりはすばらしかった。ミューズ学習での用語を自在に使いこなし,ごく自然に説明できていた。
○ 児童の手で評価基準を設定する。
・本時の目標が達成できたかどうか,子どもたちが評価基準を決める。
・だれでもわかるようにするため,ルーブリックをつくることを意識させていた点は優れている。
・教師の設定したルーブリックは,
A評価「どのスキルをなぜ使ったのか友だちに伝えることができる」
S評価「友だちの提案の導き出し方に対して,自分なりの導き出し方が言える」
・実際の子どもたちの意見は,
「相手に改善を助言できたらS」「相手に使ってもらえたらS」と,レベルが高かった。
・授業の終わりに挙手で自己評価したところ,ほぼ全員が「むずかしかった」と回答。
しかし,ほとんどの子がA評価に挙手していた。
○ どの思考スキルを使うか?どのシンキングツールを使うか?
・思考する際には分類したり,比較したり,関連づけたりという一連の思考活動を同時並行で行っている。「どのスキルを使い,なぜそのスキルを使ったのか?」に対して子どもたちは1つのツールを選択していたが,実際には複数使っている。軽重をつけているのか。
○ 手立てとしての思考スキル,シンキングツールはとても有効だと思う。しかし,例えばベン図を書かねばならないから考えるという傾向がありはしないか。目標をきちんと認識し,学習内容に合わせた思考スキルを選択し,最適なシンキングツールという流れを意識することが大切だと感じた。ベン図に書くために考えるではなく,考えたことを表現するためにベン図を書く。
☆★☆ コメント ☆★☆
島原先生による注目の研究発表の報告2です。
「どの思考スキルを使うか?」をテーマにしています。
私も、かつて、「関連思考・比較思考・条件思考・因果思考・発展思考」のどれで考えるか?
と授業中に尋ねていました。考え方を意識することが、論理的な思考には有効だと考えています。
5 役立ちWeb
心理学・カウンセリング・哲学を中心とした人間理解のための研究と実践を積み重ねながら、心理相談と情報発信を行っているウェブサイトへです。
文教大学人間科学部の小学校教員を志望する学生による勉強会のためのものです。
教育に関する法令などもまとめてあり、現職でも使えます。
これはおもしろい!歴史上のこれまでの定説を打ち破る話が満載です。
(4)外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定に関する検討会議(第7回)配付資料
中・高等学校が生徒に求められる英語力を達成するための目標(学習到達目標)を「言語を用いて何ができるか」という観点から,「CAN-DO リスト」の形で具体的に設定するように試みられています。
道具教科としての評価の形です。
社会科は資料が命。その中心は、何と言っても統計資料。ここは、政府関係の統計資料の窓口です。
統計リンク集
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/statisticsLinkView.do?method=%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E9%9B%86
(財)厚生統計協会
(財)交通事故総合分析センター(ITARDA) 、(財)自動車検査登録情報協会
全国官報販売協同組合、(株)帝国データバンク、(社)電子情報技術産業協会(JEITA)
(株)東京証券取引所、統計関連学会連合、(財)統計情報研究開発センター(Sinfonica)
(財)日本関税協会、(社)日本経済研究センター、(社)日本自動車工業会(JAMA)
日本人口学会、日本統計学会、(財)日本統計協会、日本百貨店協会(JDSA)、(社)日本フードサービス協会、(財)日本不動産研究所、(社)ビジネス機械・情報システム産業協会
ここは中国、そして中国人について、幅広く学ぶことが出来るサイトです。論語や孫子の兵法、中国語入門も・・・。
キャリアコンソーシアムとは?
次世代育成(教育CSR)に真摯に取り組む企業や団体か連携し、学校現場に活用できる教育プログラムを協同で普及させることで教育現場を支援することを目的としています。
メールマガジン「知らなきゃ損する!面白法律講座」の親サイトです。いろいろな法律の事例が載っています。公民の授業で使えます。
うまく使いこなせば、地理好きな子を育てられるかも?
これは便利!世界の政府観光局のリンク集です。世界地理の学習に使えます。
政府観光局のリンクはもちろん、天気やレート、基本情報や写真など、海外旅行のための総合サイトです。ここも、世界地理の学習に使えます。
海外旅行の口コミサイトの一部です。これも情報量は膨大。
6 平成25年度「金融経済教育研究会」年間活動予定&証券一日セミナー
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