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報告者  土 井

 2013年3月14日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(江南市教委)、早川先生、宗倉先生、長谷川先生、小池先生、服部先生、森藤先生、滝先生、徳永先生、太田先生(藤里小)、奥村先生(岩南小)、天野先生(大南小)、高橋先生(岩倉市教委)、岩井先生先生、大西先生、坪井先生(岩北小)、尾関先生(岩東小)、大島先生、村瀬先生、岩本先生、大澤先生、石田先生(草井小)、竹野先生(門弟山小)、鈴木先生(城東中)、大薮先生(楽田小)、石原先生(江南市教委)、林さん(東洋大学)、池村さん、太田先生の29名でした。


土井が提案した資料を紹介します。 

1  修文大学 太田先生に「やまなし」の授業  
愛知県公立高校入試問題Aグループ 社会科を解く
  第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説(教育部分)平成25年2月28日
  田先生の紹介は・・・・
 役立ちWeb  
 MM紹介
 
 修文大学 太田先生に「やまなし」の授業
今年度は、太田先生のお話で締めます。太田先生、ありがとうございました。

 
 愛知県公立高校入試問題Aグループ 社会科を解く
 小学校から中学校へ異動する教師へ贈る言葉は、国・社・数・理・英に限るが、「まずは、春休み中に全国の高校入試問題を解こう」です。
 全部解くと、さすがに同じ問題がいくつも登場します。高校入試に出る問題が重要な内容なのです。そうすると、授業で押さえるポイントがみえてきます。授業に軽重がつけられます。
 さっそく愛知県の問題を解いてみましょう。
  
1 第1次世界大戦後の世界の問題 「次の文を読んで」パターン
(1)敗戦国とガンジーの姿勢を問う単純知識問題。   
(2)「○○と同じ時期の日本の〜」年号を知っていれば楽勝問題。愛知県の好きな出題法。
原敬を知らなくても、消去法でたどり着ける。 
(3)インドの宗主国と日本の関係を問う二段階問題。
   日英同盟を答えればよいので平易。
 
2 「資料を読んで」パターン
(1)「蔵屋敷」を漢字で書かせている。教科書太字は漢字で書けるようにしたい。 
(2)鎌倉時代の暮らしを答えるもの
    「鎌倉時代に始まり、室町時代に広がった」ものを整理しておきたい。
(3)日本への輸入品目と「堺」を答えるもの 
   九十九里浜の干鰯が出題されるのは珍しい。
(4)スペインの勢力範囲と、マゼランの航路を選ぶもの。単純知識問題。
 
3 近畿の7府県の統計問題。府県庁所在地の人口、みかん、漁業、製造品出荷額、過疎人口、 T 昼夜間人口比率から選ぶ問題。
各府県の位置とキーワードをつかんでいるかどうか。
府県庁所在地の人口。みかんの和歌山。海がない奈良と滋賀。三重のコンビナート、阪神工業地帯で、読みとれる
 
 U 明日香村周辺の2万5千分の一地図
 
(1)リアス式海岸、中京工業地帯で三重とわかる。二段階思考。一見難しそうだが、落ち着  いて論理的に考えればわかる。
(2)Tがわかれば作図をするだけ。
(3)地図から実際の写真を選ぶ問題。珍しい問題で、いかに地図を読むかが問われる。
やってみると等高線だけで解ける楽しい問題。決して恐れることはない。
(4)奈良の地図からこじつけて、無理に「大宝律令」を答えさせている。その割に701年 と書いている。総合的な問題を意識したのだが、単純な歴史問題。
  
4 世界地理 カナダ、ニュージーランド、ベトナム、南アフリカ共和国を4つの資料をクロスして読みとる問題。 
 資料1 文章で説明   資料2 輸出入品目   資料3 日本との時差 
 資料4 輸出入相手国
 これだけ準備して、たった2問分(解は3問)というのは、歴史とは大きな違いがある。
 考えるのをあきらめる子も出るかもしれない。
(1)国のキーワードがわかっていれば難しくない。落ち着いて考えること。 
(2)時差は生徒は苦手である。日本より3時間進んでいるので、結果的には一つしかないが。
 論理的に考えるトレーニングは必要。
 
5 公民の経済問題。「次の文章を読んで」パターン
 実際には、文を読む必要はなく、いきなり設問から入ってもできる。このあたりが浅い。
 
(1)資本主義経済について誤っているものを選ぶ問題。 
   選択肢の文が長い場合は、たいてい後半に正解がある。
ウ 「公正取引委員会」が間違い。
(2)景気の循環を並べる問題。問題として面白い。
景気の循環を理解していれば平易。
(3)「社会福祉」と書くだけの問題。もちろん漢字で。
(4)インフレ、デフレを理解しているかの問題。なかなか面白い。
 
6 司法について「次の文は」のパターンの問題。
(1)裁判員裁判の説明を選ぶ問題。
最近の問題である。迷うものもあり、理解していないと難しい。
(2)司法制度について答える問題
  違憲審査、憲法の番人を答える問題。平易。 
(3)「内閣」を答えさせている。実際は三権分立の問題で、愛知県好みの問題。
 
☆★☆ コメント ☆★☆
 地理、公民で工夫が見られるが、全体としては例年並みである。やはり論述がなく、単語の記述が3問、作図以外は記号では、問題を作る側にも限界がある。他県のように、論述問題を出さないと、授業は変わらない。
 愛知の歴史は、年号を覚えて、太字が漢字で書ければほぼできる。
 地理は、県・国のキーワードを理解、主な産物の生産ベスト3,主な輸出入品を理解しておくとOK。
 公民はキーワードが説明できればよい。
 
 
 第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説(教育部分)平成25年2月28日
  (子どもたちが主役の教育再生)
 子どもを持つ親は、常に子どもの教育に頭を悩ませています。
 いじめや体罰を背景に、子どもの尊(とうと)い命が絶たれる事案が発生しています。「子どもの命は何としても守り抜く」との強い意志と責任感を、私たち大人が持って、直ちに行動に移さねばなりません。
 
 六年前に改正した教育基本法を踏まえ、現場での具体的な改革を進めます。まずは、先般、「教育再生実行会議」が取りまとめた、道徳教育の充実を始めとする、いじめ対策の提言を実行します。
 
 教育現場で起きる問題に、的確で速やかな対応が行える体制を整えます。現行の教育委員会制度について、責任体制を明確にすることを始め、抜本的な改革に向けた検討を進めます。
 
 学力の向上も、公教育に求められる重要な役割です。世界トップレベルの学力を育むため、力ある教師を養成し、グローバル化に対応したカリキュラムなどを充実していきます。「大学力」は、国力そのものです。大学の強化なくして、我が国の発展はありません。世界トップレベルとなるよう、大学の在り方を見直します。
 
 私も、子どもの頃、野球選手や警察官などと、色々な「夢」を見ました。教育再生とは、子どもたちが、「夢」を実現する意志を持って、自分たちの道を歩んでいけるよう手助けするためのものに他なりません。
 その主役は、子どもたちです。
 
 六・三・三・四制の見直しによる「平成の学制大改革」を始め、教育再生に向けた具体的な課題について、今後検討を進めます。
☆★☆ コメント ☆★☆
 所信表明と違って、さすがに具体的でした。
 現状に即したいじめや体罰防止、安部さんの持論である道徳教育・教育委員会制度改革と並びました。
 続く学力の向上、六・三・三・四制の見直しは、民主党政権を引き継いでいます。
 
 
  

 
田先生の紹介は・・・・
 3月28日の学級びらき講座は、280人を超える参加希望がありました。
 江南市では、次のように2回にわたって紹介しました。
−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−
1回目
 講師の豊田市立竹村小学校長 和田裕枝先生は、特に全員参加型のリヴォイシングやリフレクティブ・トスの名人だと思っています。この2つの言葉は、最近よく言われるようになりましたが、子どもをつなぐ声かけの技術というような意味です。
 授業がうまい先生とは、声かけにより学級づくりにも生かします。
 夏休みの教師力向上セミナーで、私は次のような例示をして説明しました。その一つを紹介します。題材は、中学校2年生国語「扇の的」です。
 
シナリオ1
T 与一に矢を射るように命令したのは誰でしょう。わかった人 
 (Aのみが挙手)
 はい、Aさん。
A 義経だと思います。理由は、伊勢三郎義盛の言葉に「御定ぞ、つかまつれ」 と「御」 の字がついているので、義盛よりもっと偉い人の命令だからです。
T 正解!よくわかったね。
              
シナリオ2
T 与一に矢を射るように命令したのは誰でしょう。
(Aのみが挙手)
T 手が挙がらない人が多いね。困っていることは何かな。Bさん、聞かせてくれる。
B どの文に目をつけていいのかわかりません。
T なるほど、どこを見てよいのかわからなかったんだ。Bさんと同じという人、手を挙げて。
 (多数、手が挙がる)
T ほかにもいるね。いいこと言ってくれたね。じゃあ、誰か助けてくれるかな。
 Aさん、助けてくれる。
A はい、伊勢三郎義盛の言葉「御定ぞ、つかまつれ」に目を付けて考えました。
T Aさん、ありがとう。「御定ぞ、つかまつれ」について考えてみよう。
 
 あくまで一つの例ですが、シナリオ2の方が全員参加型であることは明白です。
 実は、セミナーで例示したこのようなシナリオは、すべて和田先生の授業を参考にして考えたものなのです。
 そのあたりに注目して参加していただければ、より勉強になります。
 
2回目 
 講師の豊田市立竹村小学校長 和田裕枝先生は、以前、全員参加型のリヴォイシングやリフレクティブ・トスの名人と紹介しました。
 例えば次のような声かけです。あくまでもモデルです。
 
 「アリとキリギリス」を例に 〜 冬の場面から 〜
 
A アリが食べ物を分けてくれなかったから、さびしかったと思います。
T1 なるほど。Aさんと同じように考えた人?はい、Bさん。
B 私も、Aさんのように、アリが食べ物を分けてくれなかったし、自分はひとりぼっちなのでさびしかったと思います。
T2 Aさんにつけ足ししてくれたね。ありがとう。どう、ふたりの意見に納得した?
  (少し時間をとって・・・・・)
T3 2人の意見になるほどと思った人、手を挙げてくれる?Cさんは、どこでそう思ったの。
C 絵を見るとさびしそうだからです。
T4 なるほど、絵からも考えたんだ。すごいね。そうじゃないと思った人はいるかな。
  Dさんは、ふたりの意見とは違う考えだね。教えてくれる?
D わたしは、Aさんたちと少し違って、夏の間にもっと働けばよかったと後悔していると思います。
T5 今、Dさんは、なぜ後悔していると思ったと思う?
 
 ポイントはT3です。
 賛成の人を挙手させることで、立場をはっきりさせています。
 その結果、賛成派のCと、賛成しなかったDを意図的に指名し、それぞれのその理由を聞いています。
 T4の「Dさんは、ふたりの意見とは違う考えだね。教えてくれる?」はリヴォイシングと呼ばれる手法です。
 また、T5「Dさんは、なぜ後悔していると言ったと思う?」をリフレクティブ・トスといいます。
 このあたりをふまえて、和田先生の模擬授業を見ると、より深く理解できます。
−−−−−−−−−引用終わり−−−−−−−−−
 リヴォイシングは、「それなら、君は〜さんの意見には反対なんだね?」、「ということは、君は〜と考えているんだね?」というように、子どもに一定の立場(賛成、反対の立場など)を与えることによってそれぞれの意見を相互に結びつけたり、テーマについての子どもの立場を明確にすることで、思考や発言を促す機能を持つ声かけ(板書なども含む)をいいます。
 リフレクティブ・トスは、子どもの発言の内容や意図を理解した上で、さらなる深まりや広がりを、本人や他の子どもに追加で行う発問です。
 これで、うまく学級をつないでいくテクニックを見てください。

 

 役立ちWeb
 
(1)東書メール 151号
板書に悩む教師向け『板書の技法』(動画による解説)を追加
小学校[社会]
 <指導資料>   小学校社会科とESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)
中学校[社会]
 <実践事例>   絵巻資料の読み取りと思考判断表現の可視化を目指した授業実践
 
(2)情報教育関連サイト
  日本音楽著作権協会 JASRAC    http://www.jasrac.or.jp/index.html 
  (財)インターネット協会     http://www.iajapan.org/ 
  総務省「情報通信白書」for Kids    http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/kids/ 
  情報モラル教育実践ガイダンス/国立教育政策研究所
                   http://www.nier.go.jp/kaihatsu/jouhoumoral/ 
  著作権情報センター        http://www.cric.or.jp/index.html 
    豊富なQ&Aはとても参考になります。クイズにも使えます。
  文化庁 著作権のサイト      http://www.bunka.go.jp/chosakuken/index.html 
  情報モラル・著作権 実践資料/長野県総合教育センター
 
(3) 「生徒指導リーフ」シリーズ Leaf10〜Leaf12

(4)(花まる先生)数の並び順わかるかな     http://news.asahi.com/c/abw3bQl1qCxekHad 
 ピラミッド形にはられたたくさんのシール。一気に数える方法は?――1月27日の「花まる先生 公開授業」に登場して好評だった筑波大付属小学校の副校長、細水保宏さんの算数授業。その続きのスペシャル授業を、動画で紹介します。1+3+5+……と奇数をどんどん足していくと、答えはどんな数になるでしょう。「えっ」「本当に?」「絶対?」と、子どもたちを夢中にさせる細水マジック。朝日新聞デジタルだけの「はってん問題」と「解説」もあります。
 指導法のコツを見ることができます。
 あなたはいくつ見付けることができるでしょうか?
 
(5)偉人の名言格言集   http://tamiyataku.blog.fc2.com/ 

(6)日本にある国連諸機関  http://www.unic.or.jp/un_agency/index_1.html 

(7)英語の森−発音が聞ける英語学習サイト−   http://www.eigonomori.com/ 

(8)日本の古墳 −日本の巨大古墳100  http://www.asuka-tobira.com/kofun/kofun.html 
 
 MM紹介
(1)教育情報 Magazine/ある小学校教師の独り言 Vol.359 
 総合初等教育研究所主催 第16回 教育セミナー受講記録 その1
 見出しの研究会に参加した。いい学びをしたときは,スイスイと文が進む。内容のよくない研修会ではこうはいかない。
 また,これは講師の話し方にも拠る。順序よく,項目立てて話す講師であれば,メモのリライトも簡単。話があっち行きこっち行き,まとまりのない話をする講師の場合,あとでまとめるのに苦労する。
 今回は,澤井調査官のお話を簡単に紹介したい。
─ 問題解決学習における授業づくり ─
 1 子どもが「真剣に考える」授業づくり
 2 子どもが「よくわかる」授業づくり 
 3 子ども同士が「学び合う」授業づくり
 
1 子どもが「真剣に考える」授業づくり 
(1)学習問題や発問を明確にする。
  ○ 「何を調べ,何を考えるか」を明確にする。
   ・「何を」が大事・・・・学習指導要領に示されている。
   ・学習指導要領の「目標」と「内容」・・・・「内容」を熟読,理解する。
(2)自分なりの予想を持たせる。
  ○ 予想する場面
   ・一人ひとりが持っている知識や経験を生かした予想。
   ・主体的な学習のスタートとなる。
  ○ 学習計画を立てる。
   ・学級全体の学習問題を具体化し,自分が調べるべきことを明確にする。
(3)情報を焦点化して「考える場面」を設定する。
  ○ 目標に迫るための「考える場面」では,情報を絞ることが大切。
   ・情報がたくさんあれば考えるようになるわけではない。
   ・良質の情報を選択,活用する。
2 子どもが「よくわかる」授業づくり 
(1)体験や資料活用でつかんだ具体的な事実を大切にする。
  ○「理解」とは,言葉の持つ意味を具体的な事実や情報と結びつけて,説明できること。
   ・具体的な事実や情報をもとに,「つまり〜」と理解への過程をたどる。
   ・その結果,「なぜなら」「例えば」と説明できる。
   ・自分でつかんだ事実や情報を背景としてたどり着いた理解は「確かな理解」と言え    る。  
(2)ふり返る場面を設定する。
  ○ 1時間の授業・・・・単元全体の中の1時間という確かな位置づけを。
   ・確かな学習目標を → これがないと一問一答式の授業
  ○ 確かな学習目標・・・・ふり返る場面が必須
   ・ふり返ることが本時の目標に迫る学習のまとめとなる。
   ・「何がわかったのか」「どのように目標をクリアしたのか」を整理する場面。
   ・「私は〜」というふり返り。
(3)学習内容の全体像がわかるように工夫する。
  ○ 1時間事の理解に終わらない工夫を。
   ・何を続けて学んでいるのかを,子どもが理解できるように。
   ・児童版単元計画のような工夫
3 子ども同士が「学び合う」授業づくり
(1)学習スタイルを確立する。
  ○ 自分たちの「学びのスタイル」を確立させる。
   ・思考スキルや思考ツールを使いこなす。
   ・ペア学習やグループ学習
   ・発言の仕方やルール
(2)教師の役割を発揮する。
  ○ 教師の指導力の発揮
   ・すべての学習で上記のことがらを取り入れた実践を。
   ・「社会だけ」「理科だけ」でなく,教育活動すべてで指導する。
(3)教師と子どもで一緒に考える学習問題を設定する。
  ○ 学習を発展させること。
   ・日常生活への反映・・・・未来を生きる子どもたちの資質
   ・これからの生き方を教師とともに知恵を出し合って考えるような授業を。
総合初等教育研究所主催 第16回 教育セミナー受講記録 その2
 今回は,北先生の基調講演の概要を紹介する。
 「いま,なぜ確かな学びか」    元文科省教科調査官 国士舘大教授 北 俊夫 先生
1 確かな学びとは?
 ○ 学び→個別に成立→多様に展開する。
  ・個別性と多様性=「確か」
  ・子ども・・・・楽しさと成就感〔情意面の確かさ〕
           楽しくて学力がついているという自覚〔知的な確かさ〕
   わかる(できる)授業
   1)目的性→目標やねらい(学習問題)を確かに持つ=入口
   2)自己評価→成果や変容がわかる→可視化=出口
   1)と2)の両者が一体化
  ・教 師・・・・指導の手応えを実感できる。
   1)目標と内容・方法の一体化→何のために何をどのように教えるのか?
   2)目標と指導と評価の一体化 → 授業改善 
 ○ 確かな学び
  ・子ども
   1)学習への主体性(自ら学ぶ態度)
   2)ふり返りによる学習成果の自覚
   3)これからの新たな学習課題意識(自己評価)
  ・教師
   1)目標と内容の確かさとこれを実現させる方法
   2)子どもの実態や教材にあった指導の手立て(方法)
   3)学習状況,学習成果の確認(評価)
2 どのようにつくるか?授業づくり
 ○ 授業研究から見た基本
  「いかに教えるか?」に偏重して  いないだろうか?
  「いかに指導するか?」「いかに評価するか?」が大事
 ○ 学力とは何か?
   1)知識・技能を明確にし,思考力・判断力を育てる。
   2)「目標」「内容」「方法」から構成する。これをしっかり押さえる。
     →「何をどうやって」。何を身につけさせようとしているのか?
   3)「教」→教えるべきこと〈量的〉「教え上手」な先生はいる。
    「育」→育てるべきこと〈質的〉「育て上手な先生」になりたい。
 ○ 言語活動の充実・・・・型にはまった形式的な指導になっていないか?
   1)何のための言語活動か?
    →背景:学習の「目的」「内容」を身につけるため。
     表現された内容を確認=「目的」「内容」の確認
   2)思考力・判断力・表現力をはぐくむため(学習指導要領総則)
   3)自分の考えをしっかり持ち,他者とのコミュニケーションをとる。
   4)「話す」「書く」を大事にしたい。
 ○ 評価・・・・目標準拠評価(絶対評価)→目標をいつも意識
   評価規準→本時レベルで(目標に合致しているか)    必要がある評価を
 
(2)MM小学1995 中村健一  学年末に使えるネタ大放出!
 学年末に使えるネタ大放出!         山口・岩国市立平田小学校 中村 健一
 『思いっきり笑える爆笑クラスの作り方12ヶ月』『子どもが大喜びで先生もうれしい!学校のはじめとおわりのネタ108』から、学年末に使えるネタを大放出します!
 
■赤ちゃん当てクイズ大会
 赤ちゃんの時の写真を見せ、それが誰かを当てるクイズ大会です。班対抗で行います。成長を実感させることができる良ネタです。
(1)子どもたちは、自分が赤ちゃんの時の写真を持ってくる。
(2)1班のメンバーが前に出る。教師はその写真を集め、シャッフルする。
(3)1枚目の写真を実物投影機などで大きく映し、クラスみんなに見せる。
 1班以外の子は、1枚目の写真が1班の中の誰なのか予想して答えを書く。
(4)2枚目の写真、3枚目の写真・・・と順番に見せる。1班以外の子は、その写真の答えを書く。
(5)全員の写真を見せ終わったところで、もう1度1枚ずつの写真を見せ、正解を発表していく。
(6)2班、3班・・・と出題班を交代して、(2)〜(5)をくり返す。
 
■「卒業生(在校生)、起立!」
 卒業式の練習の時、「卒業生、起立!」と言われて立ってしまう在校性が必ずいます。これを教室に持ち込み、厳しい中にも、ちょっとした笑いを作ります。
(1)卒業式の練習期間中、教室で何かをする時、やたらと「在校生、○○!」という指示を出す。「在校生、起立!」「在校生、着席!」「在校生、礼!」「在校生、拍手!」など。
(2)厳しいことを言った後、勢いよく「卒業生、起立!」と言うと、必ず間違えて立つ子が出る。
(3)間違って立ってしまった子に、「○○君は、この学校を卒業するそうです」などと笑顔でツッコむ。すると、厳しい中にもちょっとした笑いが起こる。
(4)6年生のクラスでは逆に、「在校生、起立!」と言う。間違って立ってしまった子に「○○君は、4月からもこの学校に残るそうです」とツッコむと、笑いが生まれる。
 
■思い出すごろく
 1年間にあった出来事をすごろくにします。友達や先生と楽しく遊ぶ中で、1年間にあった出来事を楽しくふり返ることができます。
(1)教師は画用紙を配り、「今から『思い出すごろく』を作ります。1年間にあった楽しい出来事をすごろくのマスに書きましょう。完成したら、そのすごろくで楽しく遊びましょう」と言う。
(2)子どもたちは1人ずつ画用紙ですごろくを作る。「4月。入学式でドキドキして、1回休み」「5月。運動会、リレーがんばって、3マス進む」「2月。6年生を送る会、けんばんハーモニカ上手にふけたので、もう1度サイコロをふって進む」など、マスに書く。
(3)完成したすごろくを使って、隣同士や班で遊ぶ。
 
■思い出ビンゴ
 9つのマスにクラスの1年間の思い出を書きます。みんなで思い出を1つずつ発表していき、ビンゴになった人が勝ちというルールです。
(1)子どもたちはノートにビンゴ用の9マスをかく。そして、マスに1年間で思い出に残ったクラスの出来事を書く。「長縄大会優勝」「中村君転入」など。
(2)じゃんけんで勝った子から、自分のマスに書いた出来事を1つずつ発表していく。
(3)自分が書いている出来事を言われたら、○をつける。縦、横、ななめ、○が1列そろえば、ビンゴ。ビンゴした数で勝負する。全部に○ができれば、8ビンゴ。
(4)出来事を発表する度に、○をつけた子の人数を確認するといい。すると、1年間で一番みんなの印象に残っている出来事が分かる。
 
(3)kyositu.comニュース 【小学校教育総合情報誌】……
┃1┃算数の豆知識 第2回〜江戸以前の分数〜       横山験也/算数研究者
 小学校では,正数の勉強をした後に,小数と分数を学びます。
 小数や分数をきちんと勉強するようになったのは,もちろん,明治時代になってからのことですが,明治以前,つまり,江戸時代まではどうだったのでしょうか。
 江戸時代までの算数といえば,ソロバンが中心です。ですので,小数のような考え方は生活の中で使われていたことは,理解できます。
 では,分数はどうかというと,あまり使われていませんでした。
 それでも,本を読んでいると,思わぬところで分数が顔を出してきます。
 その中から,なかなか面白いのを2つお話しします。
 
 1つめは,日本最古の分数記述です。
 どんな書に載っていたのかというと,驚く無かれ『日本書紀』です。
 因幡の白ウサギや,八岐大蛇,天照大神が岩戸に隠れたことなど,まさに神話の世界が書かれている日本書紀に,分数が2回も出てきます。
 
 1回目は持統天皇が出した,土地の分配の詔(みことのり)の中に登場します。
 「下戸四分之一」・・・下戸は1町の1/4ということです。
 
 2回目は天武天皇の詔です。神社の税金の分配に分数が使われています。
 「三分之一,為擬共神,三分之二,給神主。」・・・神社への税金は,1/3が神事に使い, 2/3が神主に分けるということです。
 
 古代のエジプトでも,分数は報酬の分配で使われてきているので,日本書紀でも基本的な使われ方がされていると見ることができます。
 使い方としては,あまり面白みはありませんが,神様を扱っている本が,一方では日本の最古の分数記述の本だったことが,私には感動的でなりません。
 
 2つめは,時代が進み,室町時代初期の世阿弥の『花鏡』です。能の修行について,みっちり書いてある本です。この本で,世阿弥は,次のように書いています。
 「舞台を三分二程前をのこして立つべし」
 舞台での立ち位置を伝えるときに,分数を用いて伝えていたのです。
 こういう分数の使い方は,教室でも応用できます。「教室の後ろから1/4ぐらいの所に並びましょう」などと言うことができます。
 分数を習ったばかりの教室でしたら,ちょっとハイクラスな指示となります。
 そんなところから,もしかしたら,世阿弥の頃は分数で立ち位置を教えるのは,ハイクラスな言い方だったのかもしれません。今で言えば,カタカナ語でいうような感じだったのだろうと思えています。
 私の思いはともかく,「教える」という立場に立つ人は,分数の使い方も,ひと味違いますね。