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報告者  土 井

 2013年7月11日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、尾関先生、奥村先生(岩東小)、高木先生(犬南中)、早川先生(宮田中)、寺谷先生(曽野小)、鈴木先生、角野先生(城東中)、坪内先生(犬山中)、坪内先生(岩倉中)、大藪先生(楽田小)、高橋先生(岩南中)、吉田先生(古中)の12名でした。

土井が資料提案した資料を紹介します。 

1  裁判員裁判傍聴記   
武功夜話セミナー
  加納小学校参観報告
  お役立ち資料
 研究発表会 
 
 裁判員裁判傍聴記
 
 去る7月4日、名古屋地方裁判所2号法廷で行われました裁判員裁判を傍聴してきました。
 その報告をします。
 事件は傷害致死。2人で1人を暴行し、死なせたという事件です。
 
 傍聴席は、横に16席、縦に6列。
 正面に向かって左に弁護側の席。主任は30代後半(に見える)女性。もう一人は40代後半の男性。
 右の検察側は、主任が40ぐらいの男性。隣に50代の人。
 その後ろに4人。2人は被害者の弁護人、2人は被害者の妻と父らしい。
 中央に書記。その右に事務官。
13:18 被告人が手錠につながれたまま入場。書記が「解錠をお願いします」の合図で解錠。
 電話で報告。
13:20 事務官が「ご起立願います」との声で裁判官が入場。
 中央に裁判長と2人の裁判官。後列に裁判員が6人(男性5人、女性1人)、さらにその後ろに予備の裁判員が3人。着席。
 裁判長「開廷します」「Oさん、お入りください。証言台の前に立ちちください」
 このあと、氏名、生年月日、住所を確認する。その後に宣誓。
 弁護人から質問が出る。
 「被告人との関係は?」「事件の概要を知っているか?」「被告の仕事の内容は何か?」「働きぶりはどうか?」「被告人のためにどうしてやりたいか?」
 
13:32 次に検察側からの質問。
 「あなたの身分は?」「ぼくも逮捕されるかもの“も”にはどんな意味があるのか?」「“や ってしまった”の意味は」
13:36 プリントが配られる。
 裁判長の「意見を求めます」に反応して、被害者の弁護人より質問がある。ここで、「2時まで休廷します」の声。裁判官、裁判員が中へ。おそらく、打合せが行われると思われる。
 
14:00 再会
 ここから、2人の裁判員からの質問が始まる。
 「会社の従業員数は?」「仕事の内容は?」「社長から見てどんな性格か?」
14:03
 意見陳述が始まる。被害者の妻が、手紙を読み上げる。
 
14:10 ここで退廷し、703号廷で開かれる判決を見に行く。
14:15 傍聴席は20席と狭い。
   弁護人が「寛大な判決を」
14:17 「終結し、判決の宣言をします」
「主文 被告○○を、懲役1年6月、3年間執行を猶予します。・・・・」
簡単な説明の後、本人が今後のことを話し、事務的な説明があった。
14:20 閉廷
   再び異動。
14:25 調書の確認の後、「明日9時45分から再会します」で終了した。
 
☆★☆ コメント ☆★☆
 この裁判の2日前に、もう一つ裁判員裁判を見た。危険運転で事故を起こし、同乗の友人を死なせてしまった少年の裁判である。
 弁護人の質問に対して、罪を悔い、心から反省の言葉を述べ、今後も写経を続けることを誓っていた。それでも、検察側は厳しい質問を浴びせかけていた。
 傍聴席では、父親と妹らしき人が下を見てじっと聞いていた。被害者の母と弟らしき人もいたが、私から見れば被害者も加害者も紙一重だ。
 このような裁判を、同じように暴走している少年に見せてやりたい。何かを起こす前に、その行く末の一つの姿を見せることが、自分を見つめるきっかけになるのではないか。
 本当に重い裁判であった。
 ただ、このときは、裁判員の出場は全くなかった。今回の裁判では、奥での協議、2人の質問の場と、動きを見ることができた。
 驚くべきことに、裁判員の一人は、元職場の先輩であった。
 
武功夜話セミナー

 7月6日(土)の午後に、江南市文小ホールで開催された、平成25年度「武功夜話」セミナーへいってきました。講師は、吉田蒼生雄氏です。その報告をします。
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 「武功夜話」は、江南市前野の吉田家に伝わる、祖先のことを書きつづった古文書である。
 秀次事件によって連座して処罰された前野長康(本名は坪内光景)の歴史、いわゆる敗者の歴史であり、前野一族がキリシタンだったことから、人目につかないよう伝えられてきた。そのため、かえってリアリティがある。
 筆跡は少なくとも4種あり、原本を、少なくとも3回にわたって写本したことが分かっている。その間に、書き誤ったり、加筆した箇所があることにより、偽書であるという学者もいるが、私はその数カ所以外は、ほとんどが史実であると思っている。批判する学者は、いまだに原本を見たことがない。
 今回は、唯一の全巻通読した吉田蒼生雄氏に、「武功夜話」に登場する、蜂須賀小六、竹中半兵衛、豊臣秀長、石田三成について語っていただいた。
 
 吉田氏は中国に工場を持っている。そこで、話題は中国へと移ってしまった。一例である。
 
 私は、中国から中国を見ている。中国のテレビは、日本の自衛隊をやっつける番組ばかり。
 中国は世界一になるといっているが、アメリカを抜けない。なぜなら、経済一本やりで国内に歪みが起きているから。中国には、保険も年金もない。今では、月38000円ぐらいもらっている中で、一部だけある年金は、月7000円程度。
 悪い水や煙を垂れ流す。3軒ぐらい向こうの工場では、メッキ工場の汚水を穴を掘って捨てている。地下水を飲み水にしているので、中国の水は信用できない。ペットボトルの水も怪しい。私は日本からもっていた水しか飲まない。
 四川省には、成都840万人をはじめ、海から離れたところに1億2千万人いる。汚水は揚子江に流れる。公害がなおるわけがない。
 揚子江の支流に豚の死骸が2万頭が流れていた。聞くと「5万頭らしいです。」
 これまでは、病気などで死んだ肉を売っていたが、政府はだめといったので、川へ流したそうだ。・・・・・・・・
 
 と、中国国内の話が続いた。興味深いのは石田三成について。
 
 つらい立場だったと思う。確かに加藤清正、福島政則には「武」では勝てない。しかし、他の才能を秀吉に見いだされた。 
 光成は治部少輔に叙任、長束正家は大蔵少輔。事務方として成り上がった。
 しかし、前線で命を張る武断派からさげすまれた。朝鮮出兵(文禄・慶長の役)でも、最前線は加藤清正、小西行長、黒田長政。石田三成は食糧調達。
 朝鮮軍も海軍は強いので、海上で食糧の3割ぐらいやられた。輸送途中では一揆などで襲われる。
 前野長康は軍監。三成の活動を見て書いてる。しかし、食糧を盗られたとかは、秀吉には見せられなかった。三成が悩みを前野長康に相談している。
 しかし、加藤清正から「なぜ食糧を送らない」と文句を言われる。それが、結局、関ヶ原で三成に協力しなかったことにつながった。
 朝鮮に送られたのは九州、中国、四国の武将。徳川家康や100万石の前田は兵を出していない。明らかに不平等。不満がたまっている。三成は、このままでは内乱が起きたらやっていけないと感じていた。
 三成は何でもきちっとやるやり手だった。それが武功夜話には書かれている。
 秀次事件があった。近江の侍が、淀と結託して仕組んだと言われていた。近江出身の三成もその一人だと思っていた。
 しかし、そうではない。前野長康は、三成の悪口を一言も言っていない。しかも、連座で前野が切腹したときは、三成が長康の遺族を救っている。三成は悪い人ではないと思う。
 我が家は関ヶ原以降、大名として残れなかった。残れなかった大名家のことは悪口を書かれても仕方がない。前野も、罪人としていろいろ書かれた。三成も、徳川家と対立して死んでいき、いろんなことを書かれた。
 歴史書は、勝者に都合の良い所を書いてある。歴史は、裏と表がある。
 太田牛一の残した「信長公記」には、負け戦は一つも載っていない。実は、信長も何度も負けている。
 「武功夜話」には、何代にも「他人に見せるな」といい継がれていた。父から存在は聞いていたが、伊勢湾台風でわかった。見せられないことが書いてある。秀吉や信長が負けた戦のこと、キリスト教のことも書いてある。・・・・・・・・・・・・・
 
 これからも「武功夜話」セミナーは続きます。誰も知らない話がたくさん登場します。
 次回は、ぜひご参加ください。会場の平均年齢の高さに、ちょっぴり不安を覚えます。
 
 
  
 
 
 
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加納小学校参観報告 

 6月29日(土)、岐阜市立加納小学校へ、愛教大の真島准教授と行ってきました。最後の社会科分科会まで見てもらいました。
 真島先生の最初に出てきた言葉が、「システムで(愛知県が)負けている」というものでした。以下その内容を紹介します。別添資料もご覧ください。
 
○ 後輩を育てるシステム
 分科会では、OBがいろいろな意見を言われました。
 授業としてはとてもよい内容で、欠点を探すのも難しいレベルでしたが、80歳にもなろうとする皆さんが、的確な助言をされていることに驚きました。昔話をしているのではありません。今の教育情勢を汲み入れての助言なのです。引退して20年もの間、勉強を続けてみえることに感動しました。
 そして、何よりシステムです。OBが後輩を育てる仕組みが脈々と維持されているのです。岐阜市の研修校はどこでも同様です。誇りを感じているのがわかります。
 
○ 連携のシステム
 授業では、他の研修校の同じ教科の先生が見に来ていました。
 加納小の発表は、春は特別活動が中心なので秋ほどは多くありませんが、お互いに見合って、アドバイスし合い、もちろんライバル意識もあり、高めあっていることがよく分かります。この中に、岐阜大の附属が含まれていることが大きなポイントです。
 
○ チームで動くシステム
 朝の活動では、縦割り集団で6年生が計画した活動で、1年生から6年生までがいっしょになって遊びます。
 そのシステムは素晴らしく、担当者から「今日は6年生が○○でつまずくと予想されますが、決して手を出さないでください。その失敗の理由を考えさせ、次回に生かすようにもっていきます」という指示が出ていました。1年間の中で計画的になされており、全職員の共通理解のもと、同じような歩調と方向性で指導されていくのです。
 まさに6年計画で、人事異動で教員が代わろうが、変わらず育成する集団力です。
 その他いろいろな計画書が、資料集に掲載されています。
 よく計画書だけつくって、使われていないことがありますが、加納小では生きているのです。
 
○ 指導の目線をそろえるシステム
 何クラスか見ていると、言葉かけの方向性が揃っていることに気づきます。
 朝の活動の振り返りでは、どのクラスでも、数人の名前を挙げて、何が良かったのかを具体的にほめています。
 授業中でも、「○○さんの・・・がステキ」などの言葉が次々に出てきますし、マイナス表現は一度も聞かなかったように記憶しています。どの授業でも同じということは、共通理解されているということです。これもシステムです。
 というわけで、勉強になることばかりです。何より、この10年毎年通っていますが、年々充実している所がすごい!音楽の1年1組の本郷先生の授業は、芸術的な領域でもありました。
 加納小は11月30日(土)に第35回全国道徳特別活動研究会 全国研究大会を開催します。特に、特別活動の方は全国トップレベルです。ぜひ、今からこの情報を流してあげて下さい。
  

 お役立ち資料
(1)都道府県格付研究所     http://grading.jpn.org/index.html 
例えば財政力指数は・・・
(2)世界経済のネタ帳    http://ecodb.net/ 
(3)日本経済のネタ帳 http://jp.ecodb.net/ 
 ただの統計だけでなく、次のグラフのように、組み合わせもできます。
 これは、工業製品出荷額を都道府県別の1位から5位を並べたものです。
(4)とどらん−都道府県別統計とランキングで見る県民性
    これも社会科教師にとってはたまらないサイトです。   http://todo-ran.com/ 

 
 















  研究発表会

(1)岐阜市立東長良中学校が7月12日(金)14:00〜15:00 
数学の全校研究会(授業公開)があります。
各学級の教科係が、授業も参観し、授業の状態を評価します。また、授業研究会の冒頭にも参加します。さらに、その間の自習の様子も驚異的な光景が見られます。
HPから参観申し込みができますので、ぜひ紹介してあげてください。
土井も参加します。
 
(2)第3回 授業のユニバーサルデザイン研究会 東海支部大会
日 時 :平成25年8月4日(日)9時30分〜16時30分
場 所 :瀬戸市文化センター(31会議室)
内 容 :6年説明文教材の模擬授業・特別支援教育講座・考える音読の会の実践発表・国語授業講座
講 師 :桂  聖 (かつら さとし)筑波大学附属小学校教諭
   :石塚謙二(いしづか けんじ)現大阪府豊能町教育長・元文科省調査官
定 員 :150名      申し込みは  http://ud-tokai.net/event.html