第40回 社楽の会報告 第39回へ 第41回へ
報告者 布袋中 土
井
12月7日(木)7:00〜9:25、布袋北学供にて第40回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井、木本、日比野、岩井、奥村、滝口、川井、尾関(敬称略)そして和田先生の9名でした。
☆ はじめに、木本先生より、12月2日に付属小で行われた執筆者会の報告が行われ ました。その中で、助言者の山田信夫先生より、次のようなご助言をいただきました。
@ なぜその単元をあつかったかを明確に示してほしい。
A 自己評価の内容を具体的に示してほしい。
B 支援は、援助と配慮である。その具体的な様子を示してほしい。
C 討論の場における評価の観点を示してほしい。
D 社会に働きかける活動における留意点は何かを示してほしい。
さっそく、この観点から原稿を見直していきたいということでした。
同時に発表する海部・津島グループは、一人一人の感性や考えが生かされる授業と評価をめざして、小学校5年−放送局の仕事、中学校1年−アメリカ合衆国を扱っていました。「放送局の仕事」では、天気予報を製作するための工夫や努力を予想し、実際に見学することで解決し、まとめとして自作の番組を作成するというものです。「アメリカ合衆国」では、共通課題「アメリカは強い国か?」を個別に産業・軍事などの観点から調べ、最後に「アメリカは世界のリーダーか?」について討論するというものです。冬季研修会での発表が楽しみです。
・ 続いて、パソコン通信による中学校実践の社会への働きかけPart1の結果報告です。以前、パソ通を通して意見をいただいた方に、授業の様子を伝え、生徒の平和メッセージを送りました。さっそく、H.Nさん(PC-VAN PZN59364)から、生徒一人一人に対してご意見をいただきました。その中には、「(問題の解決には)何事にも対話の機会が大切」と書かれていました。
パソ通で送られてくるメッセージのレベルの高さには、いつもながら驚かされます。物事に対して真剣に考えている多くの人々と接することができること、その輪がメディアを通して広がることに大きな喜びと期待を感じます。
・ 次に、インターネット情報です。三輪先生(大西小)にアクセスの方法を聞き、木本先生が“Warld War”にアクセスした結果を報告していただきました。
次回の報告では、犬山中の生徒のメッセージに対する世界からの返信が報告できると思います。
☆ 今回のメインは、川井先生によるディベートの授業の結果報告です。テーマは、「今後、戦争はなくなるか、なくならないか」です。本来の立場は、ほとんどの児童が「なくならない」と考えていたので、理論がしっかりしている児童を「なくなる派」 にしたということです。
なくなる派の立論では、「国際交流をしている」「平和への努力をしている」「子どもが戦争の勉強をしている」「冷戦が終わった」などが出されました。
一方、なくならない派の立論では、「戦争がないと国が発展しない」「人口が増えると問題が起こる」「核実験をしている国がある」「人間の欲がある限り戦争は続く」などが出されました。
作戦タイムの後、なくなる派から反論が出されました。「戦争で国が発展する」と言った児童に、「多くの犠牲があった」という反論が出るなど、ややなくなる派が優勢だったようです。なくならない派からの反論にも、なくなる派はそれぞれ応えていました。
最後に、正直な気持ちを尋ねたところ、「なくなる」1人、「なくならない」26人と、現実的な本音?が表れました。
次時には、平和についての話し合いが行われました。「戦争を防ぐための方法」では、国際交流ふやす・戦争をしないという憲法を作るなど6点、「自分たちが平和を守るためにできること」では、大使館に手紙を送る・外国の人と接するなど7点が出されました。
授業を参観した木本先生は、聞き取り取材や授業中の学習成果が討論に表れていた、時事的な話題も出ていたという点でよい授業だったということでした。
これらについては、冬期研修会で発表します。
☆ 奥村先生からは、「つくし学級国語科学習指導案」を紹介していただきました。言語障害学級の児童に、文に対する意識を育て、自分の行動や経験を文字で表現できるようにすることが目的です。絵カード、絵サイコロを使い、遊びながら文を作っていきます。4名の児童に対して、個別の目標を立てて、手だてが考えられています。
通常、「できて当たり前」と考えられていることが、実際にはいかに難しいことかが、障害児学級を担当するとよくわかります。また、「わかる」メカニズムを心理学的にとらえ直すことが必要で、指導する側として、とても勉強になります。奥村先生の実践から、少しでも学んでいきたいと思います。
☆ 土井からは、布袋中学校の文化祭を紹介しました。布袋中では、「生き方にふれる、見つめる、考える、生きる力をつける」という視点に立ち進路指導に取り組んでいます。文化祭もこの視点で行いました。午前はステージ発表で、郷土の祭りの披露、校区に住む化石研究家の講演、横田作文(将来の夢)の発表、選択音楽・吹奏楽の演奏などが行われました。午後は、30名の地域の人を講師に、着付け教室・わらじ作りなどの体験企画、焼夷弾・軍刀など戦時中の物や新聞などの資料を展示した戦後50年展、被爆者・沼田鈴子のビデオ上映会などを行いました。生徒の感想からは、様々な生き方にふれた喜びや驚きが表れていました。
年明けに、文化祭・学芸会特集の会を開きたいと思っています。
・ 次に来年度の修学旅行の企画です。修学旅行も、大都会の人・職場に「ふれる・考える」機会ととらえています。各々の将来なりたい希望の職種に近い事業所を訪問し、入職経路や学生時代にやっておくべきことなどの話を聞くのが目的です。生徒が自分で交渉する所もあり、「生きる力」にもつながればと考えています。
東京で班別行動を経験された方で、お薦めの職場があれば、ぜひ紹介してください。
・ 最後に、布袋中で行った教育講演会の報告です。去る11月28日に、国連ボランティア名誉大使の中田武仁氏の講演会を行いました。生徒全員に加え、保護者の方も約200名参加されました。中田氏は、世の中には誰一人として必要とされない人はいないこと、ボランティアの重要性を熱心に語られ、涙を止められないほど感激しました。
他校では、どのような方を講師に招いてみえるか紹介してください。
☆ 尾関先生からは、B4で26枚もの「公害・環境問題資料集」をいただきました。古中は、安全教育に取り組んでおり、尾関先生は、環境・人権という視点から、社会科の授業を通して安全意識を高める実践をしてみえます。そのための、水俣病関連、江南市のゴミの分別収集、リサイクル、EM(Effective
Micro-organisms)、地球環境の問題についての資料集です。わかりやすい資料ばかりで、すぐにでも授業に使えそうです。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp