第41回 社楽の会報告 第40回へ 第42回へ
報告者 布袋中 土
井
1月12日(金)7:00〜9:25、布袋北学供にて第41回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井、木本、日比野、岩井、滝口、川井、大島、熊木、高田、勝村、栗林、野呂、大薮(敬称略)そして和田先生の14名でした。
○ 冬季研修会の1週間前になりました。冬季研修会では、社楽の会として「報告集巻之四」、資料集部会より資料集原稿、「社会の大部屋 弐」を配布します。特に「大部屋」は、小・中学校で実践に使用した資料やインターネットの報告、生徒が聞き取りした戦争体験聞き取り集などの内容で、B4で61枚もの資料集です。先生方に利用していただければ幸いです。
☆ 初めに土井より、組合の県教研で出されたレポートの中から、春日井地区「人権意識を育てる社会科学習−社会事象を人権の視点から見つめる学習を通して−」を紹介しました。規範の強制にならないように、「人権の主体」として切実感を持って学習に参加し、問題追究の中で「価値判断」「意志決定」を行い、未来社会の設計者として「どうしたら解決できるか」というプランを個々が考える、としています。
具体的には、中学校3年生で、−「戦後補償」を考える学習を通して−を5時間完了で実践しています。調査活動と戦後補償についての授業についての後、「元慰安婦に対して国家補償すべし」というテーマでディベートをし、これからどうすればよいか考えています。扱いにくい元慰安婦問題を正面から取り上げた点と、よく考えられた指導過程には感心させられました。
「人権」は、今、話題になっている「共生」の根幹として、今後、社楽の会でも、積極的に取り上げて実践していかなければいけないと感じさせられました。
・ 続いて、立志式についての提案です。自分なりに「大志の会」として、〈進路学習のまとめ、これまでの歩と将来の夢、決意の発表、保護者代表の激励、合唱、学校長の話〉と案を立ててみました。高田先生からは、〔入学式〕〔立志の式〕〔巣立ち〕を大きな流れと考えて取り組むとよいという意見をいただきました。親や卒業生のアドバイスを入れて、演出もキャンドルロードなどの工夫もあるということです。
大北中では、校外学習として、青少年公園で1泊で行った実践例があるそうです。和田先生からは、中学校では3年間を見通して実践ができてよい。小学校でも6年間を見通して考えたい、というお話がありました。
☆ 勝村先生からは、学級通信の紹介です。児童が書いた〈学級の反省・二学期の心に残ったこと・勝村先生について・学習についての反省・先生の通知表〉のまとめです。
‘学級の反省’では、児童が「世界一のクラスに近づいている」「みんなが仲間を大切にしている」と書いているのが印象的でした。日頃の学級経営がうかがわれます。
先生の通知表は、それぞれの児童が各教科の教え方、その他について、評定とコメントを書いています。私も、小学校の時は毎年やっていましたが、児童が自分を振り返ることができるとともに、指導者側の反省にもなるいい方法だと思います。
☆ 岩井先生からは、国語科「研究したことを書こう」の題材として、社会科「2つの戦争と日本の動き」「戦争と新しい出発」からテーマを選んで研究したレポートの紹介です。
各自が、〔調べようとしたわけ〕〔調べた方法〕〔調べてわかったこと〕〔感想〕を柱に、B4で1、2枚にまとめています。聞き取り調査や、原爆資料館に手紙を出して調べたグループもあったそうです。児童には、いい経験になったのではないでしょうか。
川井先生、木本先生から、時間数確保のためにも、特に高学年は教科の関連が大切だというお話しがありました。
☆ 続いて、土井より、山田信夫先生からうかがった、資料集部会の資料についてのアドバイスを報告しました。
○ 理論編と実践編の用語の統一、また小学校・中学校の形式の統一
○ 評価方法の具体例の提示 ○ 評価の観点と評価方法との関係 など10点のご 指導を紹介し、改善をお願いしました。
☆ ここで、資料集部会の発表リハーサルを行いました。時間は約28分で、パソコンを使用したプレゼンテーション技術の進歩には驚かされました。
☆ 次に、みなさんに書いていただいた「発表リハーサルを聞いて」から紹介します。
「ずばり!丹葉のウリはこれだ!」については、次のことが書かれていました。
○ インターネットで世界に発信し、社会に働きかけたこと。
○ 感情面からでなく、理論的な面から反戦・反原爆をめざそうとしていること。
○ 日本の加害面を調査し、討論などを行って多面的な思考を深めたこと。
○ 幅広い「戦争」の教材化と個への確かな支援。
○ 夏休みに、まさに個が動く時間を有効に使った実践。
○ 情報収集が幅広く行われ、それが生徒のものになっている実践。
○ 個の興味・関心・学習方法などを大切にした多様な学習(調査・発表等)の展開
○ 具体的な評価や支援の方法の明確化
次に多くの質問を書いていただきました。
教師の主観(戦争観・平和観)が授業に大きく関わるがどう配慮するか、討論の場で教師はどのような役割をするべきか、戦争というデリケートな問題を聞き取り調査をする上での留意点は、などの質問がありました。これらの答えは、今後明確にしていきたいと思います。
この他、インターネットの返信からさらに授業を展開できたのでは、評価についての実践や具体的手だてが弱い、全体的な変容をつかむいい評価法があるとよい(特に数値化できるもの)、「戦争自体が悪い」という言葉が誤解を招かないか、抽出児の意識の変化がわかる表が欲しい、誰でも継続してできる簡単な評価の方法はないか、などの意見をいただきました。
これらの他、会の中では、自己評価をどう生かしたか、評価基準の設定の仕方、ディベートを採用した理由などの質問が出され、授業者より回答をいただきました。
また、「インターネットの声を具体的に教えてほしい」という質問には、アメリカから9通、イギリスから2通、国内から1通あり、特にアメリカから「原爆は戦争の一部。そのきっかけを作ったのは日本だ。アジアではその数十倍の人が死に、日本でも空襲でそれ以上の人が死んでいるのに、なぜ原爆だけそんなにさわぐ。」というような内容がほとんどであったという回答がありました。日本人とアメリカ人の意識のギャップの大きさに、あらためて驚かされました。
◎ 1月21日に江南市民文化会館大ホールにて、PM1:30〜4:00まで武功夜話の郷・江南フォーラムが開かれます。テーマは「『戦国 秀吉と信長と』を語る」です。
◎ 1月28日まで、江南市歴史民俗資料館で「特別展 教育のうつりかわり」が開かれています。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp