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報告者  土 井

 2014年12月11日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井、奥村先生(岩東小)、天野先生、内田先生(大口中)、高橋先生(岩南中)、早川先生、馬場先生(宮田中)、坪内先生(岩倉中)、竹野先生(岩倉中)、大島先生(古北小)、勝村先生(楽田小)、高木先生(犬南中)の12名でした。

 土井が提案した資料を紹介します。 

1 アクティブ・ラーニングとは?
 アクティブ・ラーニングとはなにか
 多治見市立陶都中学校 訪問報告 
 SimpleMind for iPhone (マインドマップ)
 お役立ち資料&サイト
 
【予告】12月19日(金)志友館おもしろ学校 で土井が授業をします。
    1月15日の社楽の会でも行います。テーマは、「『アンネの日記』はなぜ破られた?
現代社会のいろいろな問題点が見えてきます!
 
恒例!シーズンオフシリーズの講師募集!

  1月 8日(木)  資料集部会リハーサル
  1月15日(木)  土井模擬授業
  1月29日(木)  坪内先生のタブレットの授業
  2月12日(木)   奥村先生による「ことば」を中心とした特別支援教育模擬授業

  2月26日(木)  太田先生の詩の授業
  3月12日(木)  JICA中部 古川さんによる シリア の滞在記
   

 アクティブ・ラーニングとは?

 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)の中に、アクティブ・ラーニングという言葉が複数回出てきます。

○ 育成すべき資質・能力を確実に育むための学習・指導方法はどうあるべきか。その際,特に,現行学習指導要領で示されている言語活動や探究的な学習活動,社会とのつながりをより意識した体験的な活動等の成果や,ICTを活用した指導の現状等を踏まえつつ,今後の「アクティブ・ラーニング」の具体的な在り方についてどのように考えるか。また,そうした学びを充実させていくため,学習指導要領等において学習・指導方法をどのように教育内容と関連付けて示していくべきか。
○ 育成すべき資質・能力を子供たちに確実に育む観点から,学習評価の在り方についてどのような改善が必要か。その際,特に,「アクティブ・ラーニング」等のプロセスを通じて表れる子供たちの学習成果をどのような方法で把握し,評価していくことができるか。
 
 次期指導要領のキーワード、アクティブ・ラーニング とは?

 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜(答申)」の中で説明されています。
 もともとは大学教育から出てきた言葉なのです。次のように定義されています。

「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。
学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。
 発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である」

 すでに義務教育では、数多く行われていることです。特に、総合的な学習の時間では、いろいろと行われてきました。学力低下批判と指導内容の増加により、これらの活動は縮小されていますが、ここでまたアクティブ・ラーニングとは・・・・・。
 ぶれています。
2 アクティブ・ラーニングとはなにか
 
 山地 弘起 長崎大学 大学教育イノベーションセンター教授 の論文を紹介します。

 事例がとても参考になります。
結局、大学教育が行き詰っていることがわかります。

3 多治見市立陶都中学校 訪問報告

 12月2日に、「平成26年度発達障がいの可能性のある児童生徒に対する早期支援事業・教職員の専門性向上事業に関わる授業公開」に参加しました。
 サブタイトルが、「脳科学の成果を生かした、iPadを効果的に活用した二次障がいへの対応」です。
 別紙で紹介しました。

 SimpleMind for iPhone (マインドマップ)
 3年生社会科では、次の課題で授業が行われていた。
「現代日本の労働や雇用には、どのような特色と課題があるのだろうか」
 これに対して、3つの視点で生徒がまずこの考えをまとめていった。
 @ 多様化する労働のあり方
 A 増加する非正規労働者
 B 外国人労働者
 次に、グループごとに、マインドマップを作成していった。グループに1台のタブレットに、1人がSimpleMindに次々に記録していった。記録者を交代しているグループもある。電子黒板には、各グループの画面が、10秒ほどの間隔で提示されていった。
 ここからが全体学習である。
 何と、1名の司会者、2名の記録者は生徒が行っている。
 指名された生徒が、電子黒板に写したそのグループのマインドマップを指しながら、説明していった。他のグループでは、その意見を聞きながら、マインドマップに継ぎ足しをしている。
 人によっては資料集や教科書を用いながら意見を言っている。その点は柔軟である。
 記録係は、出てきた意見を、3つの視点別に構造的にまとめている。時には線でつなぎながらまとめているのは、マインドマップの学習が生きている。 
 教師は、全体を観察しつつ、発言者を誉め、要支援者に声をかけていた。
 最後に教師がまとめ、残り時間は、一人一台のタブレットを用いた習熟度学習が始まった。
歴史のクイズみたいなものである。
 SimpleMind は、生徒にも使いやすいシンキングツールであり、コミュニケーションツールでもあった。
 

 お役立ち資料&サイト

(1)「世界人口白書 2014 18億人の力 未来を変革する若者たち」/国連人口基金(UNFPA)
「世界人口白書」とは
 国連人口基金(UNFPA)では、1978年から毎年「世界人口白書」を発行し、人口問題に関連するさまざまな課題に焦点を当ててきました。1986年からは、日本語版も制作しています。最近では、性と生殖に関する健康(SRH)、女性のエンパワーメント(女性の能力強化を通じた社会的地位の向上)、ジェンダー(男女の社会的性差)の平等、人口移動、都市化、文化などのテーマを取り上げています。
 ESDにも使える、社会科としては、かなりレベルの高いジャンルとなります。
 
(2)文部科学省関係
 @ スポーツの経済効果に関する調査研究(平成26年度)
 オリンピックの経済効果は?
 ワールドカップの経済効果は?
 マラソン大会、国体、阪神タイガース、などなど、いろいろなスポーツの経済効果が紹介されています。
 社会科公民のほか、クイズのネタに使えそうです。
 
 A 平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果
 
(3)モノジン     http://monojin.com/ 
 口コミで、面白いネタを紹介するサイトです。
 例えば「スキルアップ」
   ?脳が冴える15の習慣、脳を活性化する47の方法  
   ?ヨコミネ式・子供をやる気にさせる4つのスイッチ by 横峯吉文 (エチカの鏡より)
 「ビジネス」
   ?一冊の手帳で試験に合格する勉強法 - 合格手帳11の秘訣
   ?カリスマ同時通訳が教える、ビジネスパーソンの英単語帳
   ?第一印象を良くする6つの方法のまとめ。  など、ネタは多数。
 
(4)各教科等のねらいに迫る言語活動の在り方/秋田県総合教育センター  http://www.akita-c.ed.jp/~ckyk/kenkyu/h25/H25kenkyu1.pdf 
 ポイントを2つ。1つは,授業において,考えを引き出すこと,多様な考えをつなげること,学び合う力を高めること。 
 もう1つは,指導計画作成において,ねらいと手立てと評価を関連付けること。そして,これらをコーディネートする教師の力が重要なポイント。
 
(5)大久保っち(おおくぼっち)のちっちゃな研究室
 とにかく奥が深い。
 ご専門の「ハーバーフェルトトライベン(Haberfeldtreiben)の世界」はもとより、音楽の世界も広くて深い。
 保有しているCDは膨大です。
 
(6)付箋紙を用いたワークショップ型研究協議を始めましょう!   http://www.akita-c.ed.jp/~ckyk/HPjugyoukaizen.html 
 授業研究会のヒントや方法,実践例はこちらから!
 
(7) 授業スタイル、全教科で9年間統一/YOMIURI ONLINE
 教科ごとに専門の教員が教える教科担任制の中学校では当初、「教科によって教え方は違う」との意見もあったが、次第に広がった。6年の学年主任で、中学の音楽も担当する柿谷隆子教諭(38)は「教師に浸透したことで、生徒も挙手をして丁寧に発言するなど、良い効果が出ている」と感じている。
 開校から約7か月。西学舎研究主任の高橋明希みき教諭(44)は「9年間を通して授業のスタイルが同じだと、児童生徒が戸惑わずに学べる。形をそろえるだけでなく、高い学力につなげたい」と先を見据えた。
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 学び方をそろえるのは、子どものためでもあり、経験の少ない教師のためでもあります。岐阜の研修校や秋田でも行われています。注目の実践です。
 
(8)「35人学級」とは誰のために必要なのか/PRESIDENT Online
 とても読み応えがありました。40人学級に戻そうという財務省は、数字をもって論を組み立ててきます。教育の成果は数字に表れにくいのですが、何か指標がないと説得力がないのも事実です。きちっと子どもの姿を見ていきましょう。
 
(9)表現よみ作品集−渡辺知明によるポッドキャスティングのための朗読作品−
 朗読ではなく、表現読みの実例が集められているサイトです。渡辺知明さんによる表現読みで、内外の作品、260もの表現読みを聴くことが出来ます。
 私は、学校教育の場では、初めは朗読、読み進めた後半は表現読みの方がよいと思っています。まずは、聴いてみましょう!そして、自分ならどう読むかを考えましょう。