第441回 社楽の会報告    第440回へ    第442回へ   TOPへ
                                                           
報告者  土 井

 2015年10月29日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井:資料のみ(布袋小)、岩本先生(草井小)、小澤先生(愛教大学院)、天野拓先生、天野厚先生、川地先生、岩田先生(大口中)、奥村先生(岩東小)、木先生(犬南中)、柴田先生(古知野中)、高橋先生(岩南中)、寺谷先生(犬北小)、山田先生(城東中)、早川先生(大口町教委)、大川先生(岐阜女子大院)、馬場先生(古知野中)、吉田先生(柏森小)、池邑さんの19名でした。

1 岐阜市立長良西小学校 中間研究発表会
2 知立市立来迎寺小学校 研究発表会
 東海地区社会科研究協議会
  
 
平成28年度社会科教育研究大会は、11月1日(火)開催に決まりました。
第445回 1月 7日(木) 資料集部会リハーサル
第446回 1月14日(木) 土井による模擬授業
         「いいつあよたまみの通知表U −時代を超えた巨視眼をもつ男−」
第447回 1月28日(木) 早川先生
第448回 2月10日
(水) 交渉中
第450回 2月25日(木) 伊藤先生
第451回 3月10日(木) 坪内先生・岩田先生

 岐阜市立長良西小学校 中間研究発表会
 10月17日に行われた発表会を、職員向けに報告した別紙で紹介しました。
 研究紀要はとてもよくできています。

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知立市立来迎寺小学校 研究発表会
 
 10月22日に行われた発表会を、職員向けに報告した別紙で紹介しました。
 以下は、ブログの内容です。(写真は略)
 
知立市立来迎寺小学校 研究発表会 −2−
 始めに6年生の社会科の教室へ行きました。
明治時代の2時間目。まず前時のノートを見ます。前時に、江戸末期と明治初期をマトリックスを使って比較しています。
「服装、髪型、乗り物、建物、まち全体」は妥当な観点です。ポイントは「その他」
 この「その他」が大切です。多面的な思考を自然と促します。写真の児童は、青で「江戸」「東京」と書いていました。友人の意見なのでしょう。
 思考ツールは、ある程度型にはめるものです。だからこそ、型にはまらない余地を残すことが、思考力の育成には大切なのです。ベン図なら欄外ですね。
 前時に作った学習問題が「明治政府はどんな国づくりをめざしたのだろう」
 明治政府が目指した国づくりを予想することが課題です。
 思考の方法は、演繹法帰納法に分類できます。
 始めに「富国」「強兵」「文明開化」などとキーワードを与えて、実際の政策を当てはめていくのが演繹法です。
 逆に、実際に明治政府が行った施策から、キーワードを絞っていくのが帰納法です。この授業が該当します。
 児童生徒には、演繹・帰納の両方を経験させたいと思っています。
 導入では、江戸時代の長さを、1年1センチの白いテープで表し、「今日はここから20センチぐらいの変化を見るよ」と視覚から課題をつかませていました。みんなならこれくらい。先生ならこれくらい、と笑いをとります。素晴らしい導入です。
 次に、本時の流れが説明されました。特別支援教育ではよく使われる手法です。ユニバーサルデザインの発想です。
 ただ、先が見える安心感は、先がわかったつまらなさにもつながりかねません。時には、「意外な展開」を意図してもおもしろいと思います。
「今日は、みんながすごい意見をたくさん出したので、初めの予定とは大きく違ってしまいました。これはこれで、すばらしいことなんだよ!」
 プリントを渡すときに「どうぞ」「ありがとう」の声が聞こえました。温かい雰囲気がします。話を聞くときには、おへそを向ける姿も見られます。「聴いてあげるよ」という気持ちが見えます。聴くことは思いやりなのです。
  始めに、子どもたちが予想をします。
「外国文化を取り入れる」「遅れを取り戻す」「平和な国づくり」・・・。文化面ばかりです。
 前時の2枚の絵図だけの情報からは、文化面しか出てこないのは当然です。ここには、「富国」「強兵」につながる他の視点の追加資料が必要でした。
 このあと、イメージマップの作成に入ります。ここから先は見ていないので分かりませんが、イメージマップは、そもそも演繹法の手法です。中央に「明治政府の国づくり」と書いて、「富国」「強兵」などの枝を伸ばして、広げていくのが普通です。
 帰納法は、KJ法のように、カードを並べながら分類していくのが定石。
 さて、この先はどうなったのでしょうか?
 指導案では、「廃藩置県」「殖産興業」「徴兵令」「地租改正」の4つのキーワードですが、欧化政策や学制はどこに入れたのでしょうか?
教師は、机間指導の時に、座席表に書き入れながら意見を吸い上げていました。この間に、先の展開を組み立てられるのでしょう。
力量が高い先生の授業は、わずかな時間でも多くの情報が得られます。最後までじっくりと見たかった授業でした。
 
知立市立来迎寺小学校 研究発表会 −3−
 5年生の社会科を見ました。
「かきつばた自動車の倒産の危機を救おう」という単元名です。
 発想はおもしろいのですが、その倒産の要因が手紙には書かれていません。普通なら、リストラして、いくつかの工場を閉鎖し経営改善となります。小学生には無理な課題かな・・・?
 今回のテーマも、「自動車づくりで大切だと思うことを、グループで決めよう」
 最近、こういうテーマをよく見ます。ディベートの影響か、いくつかの中から一つを選ぶものが多いのです。しかし、ディベートはあくまでも討論のトレーニング。しかも、二律背反のテーマです。
 たとえば、「原発推進か、廃止か」。これは両立できないのでテーマになります。
 しかし「水と空気のどちらが大切?」「脳と心臓のどちらが大切?」これらは「両方大切」と言ったら終わってしまいます。
「自動車づくり」で大切なことはいくつもあります。なぜグループで決める必然性があるのでしょうか?
 まだ、「トヨタ自動車のひみつを100見つけて、かきつばた自動車の社長にナイショで教えちゃおう!」の方がおもしろい!
 黒板全体に、工場の概念図を貼り、工夫を貼っていくとダイナミックになりそうです。子どもは100という数字に燃えるでしょうね。
 工場の概念図だって思考ツールになりうるのです。ラインに見立てた長いフィッシュボーン図(ウナギボーン図)にしてもよいですね。
 発問には、大きく分けて収束的な発問と、拡散的な発問があります。収束的な発問は答えが絞られていきます。これはグループで決めればよいのです。
 今回は拡散的な発問。数多くの解を出させることが学びにつながります。
 
 次に1年生の生活科へ。「あきと ふれあおう」。6年生で示された今日の流れが、テレビに映されていました。分かりやすいですね。
 子どもたちは、「どんぐり」「まつぼっくり」でしてみたいことを考えていました。 「わざわざ思考ツールを使わなくても・・・」という意見もあるかもしれません。
 しかしやってみると分かるのです。子どもたちは「欄があるとうめたくなる」のです。
 ならば、穴あきのワークシート形式にしたら?
「準備されたシートはそこでしか使えない」。いつも使える単純な図がよりよいのです。
 教室掲示には、そのことが分かる掲示物が貼ってありました。
 次の物は優れものです。下の「服」がいいのです。よく考えられ、そして子どもたちも鍛えられています。
 
知立市立来迎寺小学校 研究発表会 −4−
 2年生の生活科を見ました。
 学習課題は、「○○さんにもっと聴きたいことを考えよう」です。
 ここで気になったのは、「もっと・・・」という課題です。子どもにとって、2回目(あるいはそれ以上)の活動ということなのです。
 何かプラスの視点がないと、子どもの追及意欲は半減してしまいます。どのような工夫があったのでしょうか・・・・。
 見ていると、「誕生日を知りたい」などという答えがでてきました。大切なのは、子どもから「そんなの関係ない」という反対意見が出ることなのです。
 なぜ出なかったか?
 判断のものさしがないからです。
 ここでは、「町の すてきな人」の「すてき」を定義するべきです。
  例えば、「仕事を工夫して頑張っている」「町の人のためになることをしている」などです。
そうでないと、「活動合って学びなし」になってしまいます。
  子どもたちは、「・・・さんと違って」などと、意見を繋ごうとしていました。発言の仕方は鍛えてあるので、このものさしを教えてあげると、もっと伸びる子どもたちだと感じました。
 
 続いて、3年生の社会科を見ました。これまでの学習の掲示物を見ると、質の高さがわかります。
「はたらく人のくふう 見つけた!」という目的はすでに達成しているかもしれません。
 本時の課題は「スーパーマーケットで働く人々の工夫とお客さんの願いとのつながりを考えよう」です。
 やろうとしていることはとてもオーソドックスなのですが、問いが難しいですね。
「お客さんのねがいはかなっているのかな?」
 掲示物に店の工夫がたくさん書かれています。3年生としてはかなり高いレベルです。
「知らせる・伝える」「らくちんすいすい買いやすく」「いろいろ買って いろいろしてもらう」「いいね おいしく おとく 安心の品物」「せつやく リサイクル むだづかいもない」
これらは、「お客さんの願い」の裏返しです。
  簡単なことをあえて複雑にしているような気がします。それだけ、レベルが高いと言うことなのでしょう・・・。日頃の授業の質の高さを感じました。
 まなボードは優れものだと思いました。
 
3 東海地区社会科研究協議会
 10月24日は、東海地区社会科研究協議会のために、名古屋市立ほのか小学校 へ行ってきました。
東海地区社会科研究協議会は、尾張・三河・名古屋・岐阜・三重・静岡 6地区の社会科研究団体の代表が集まって情報交換するもので、私は、尾張の代表として参加しました。
 ほのか小学校は、来年度、全国小学校社会科研究協議会研究大会の会場となるために、土曜日の授業公開に合わせて、みんなで見合いました。
テーマは、ともに生き合う社会を目指す子どもたちの社会科学習〜協働から参画を志向して〜
 私たちも取り組んでいる社会参画の研究校なのです。
今日は、4クラスの社会科の授業を見てきました。授業公開した8クラスのその学習課題を紹介します。
 4年3組は、439回で私が提案したものとそっくりです!ゲストティーチャーが、本当は7分のはずが、その倍以上も話をして、ほとんど終わってしまいました。やはりビデオに限ります。
3年1組:イワノヤのあん作りよよさを伝えるキャッチコピーを作ろう
4年1組:学習問題について自分の考えをまとめよう
    学習問題:吉田禄在は、何のために、どのようにして名古屋駅を作ったのだろう
4年2組:吉田禄在は、どのようにして、広小路通りを延長し、広げたのか調べよう
4年3組:(リニア開通後の)未来の名古屋駅はどのようになっていくとよいだろうか
5年1組:「なぜ、こんなに時間をかけて燃料電池車は開発されたのだろうか」について話し合おう
5年2組:「今後、燃料電池車はふきゅうしていくのだろうか」について話し合おう
6年1組:A〜D(福祉・教育・防災・安全)の中から、実現すべき願いを考えよう
6年2組:「市民の願いを実現するためには、市民、市役所、議会のどの立場が大切なのだろう」について話し合おう
 ※ 6年2組は、ほとんどが市民を選び、まとめは「税金を払って投票に行く市民になる」 でした。それって、「参画」ではなく「参加」です。市役所(市長)や議会の視点が抜け落ちています。
 
秋の岐阜市研修校研究会情報
10月30日(金) 岐阜市立東長良中学校 
10月31日(土) 岐阜市立陽南中学校  岐阜市立長良東小学校
11月 7日(土) 岐阜市立長良中学校 
11月13日(金) 岐阜市立青山中学校 
11月14日(土) 岐阜市立加納中学校 
11月21日(土)岐阜市立加納小学校