第45回 社楽の会報告 第44回へ 第46回へ
報告者 岩南小 木 本
3月14日(木)7:00〜9:30、布袋北学供にて第45回の社楽の会を開催しました。参加者は、木本、尾関、奥村、高橋、日比野、野呂、栗林、川井(敬称略)そして和田先生、ゲストの武内緑郎校長先生の10名でした。
今回は、武内校長先生をお迎えして、社楽の会に対する激励と貴重な御指導をいただきました。今後とも、今回の御指導を心に留め置き、社楽の会で切磋琢磨していきたいと考えています。変わらぬご支援をよろしくお願いします。
☆武内校長先生の御指導の概要
教職にある間は、趣味と実益を兼ねて、このような会を続けて研究を進めてほしい。サークルをつくって研究を進めるのは、素晴らしいことなので、一人でも多くの仲間を育ててほしい。
一番大切なことは、自分が生活する場の歴史や伝統を自分の意志で調べ伝えていくこと。研究を進めていく中で、自分の郷土の歴史を多くの児童・生徒に興味づけてほしい。生活の中で楽しみながら、郷土の歴史を伝えていけるように努力してほしい。義務感ではなく、自分の好きなこととして力を発揮してほしい。自分たちが楽しんで学ぶ姿勢が児童・生徒にも楽しみを伝えることになる。
人間の細胞は素晴らしい使命を持っている。中には自分が滅びることで全体を生かすような細胞もある。人間はそんな素晴らしい細胞でできているので、誰でも素晴らしい能力がインプットされているはずだ。それをいくつかの機会に発揮できれば、素晴らしいものがある。こういうサークルで研究していれば、いろいろ触発されて本物の力がつくと思う。
社会の学習といわず、社会が好きで研究してみんなを社会が好きにさせるようになってほしい。先輩から話しを聞くことも大切なので、この会にもどんどん先輩を呼んで学習してもらいたい。
武内校長先生には、お忙しい中、私たちのためにわざわざ足を運んでいただき御指導していただきました。特に、楽しみながら研究を続けることが、児童生徒の学ぶ楽しみを生むというお言葉は、心に残りました。また、先輩の話を聞く重要性も力説されました。今後とも先輩の先生方の話を聞く機会を多く設けたいと思います。その節はよろしくお願いします。
今回は、卒業式のシーズンということで卒業式を話題にしました。
☆ 奥村先生からは、藤里小学校の卒業式について紹介していただきました。藤里小では、伝統的な卒業式の形式を重んじ、呼びかけ形式の「祝辞」「答辞」を行っていることを紹介していただきました。また、昨年までは式で歌う歌が、「仰げば尊し」「ほたるの光」でしたが、今年度からは、子どもたちに意見を求め、相談した結果「さようなら」「卒業の日よおめでとう」を合唱することになったそうです。卒業式に参加する意識を盛り上げるためにも子どもたちに意見を求めていくことも大切なことと感じました。
☆高橋先生、野呂先生からは、木曽川東小学校の卒業式について紹介していただきました。特徴的だったのは、会場の作り方です。従来のステージ上に演台、その前のフローアーに卒業生、その後ろに在校生という形でなく、体育館中央に演台を置き、ステージ側に卒業生、後ろ側に在校生という形です。
名古屋の学校などで一部実施例があるようですが革新的な方法で、今年度より実施するとのことです。卒業式の雰囲気、子どもたちの感想など、実施後のリポートが楽しみです。
また木曽川東小では、卒業式の歌で、卒業生は「一つのこと」(斉藤喜博作詞)「大地讃頌」を在校生が「飛行船」を合唱するそうです。小学生でも難しい曲の合唱ができることに対して中学校の先生方からも驚きの声があがっていました。
☆ 尾関先生の方からは選択社会の例について紹介していただきました。環境をテーマ一年間取り組んでこられた成果を報告していただきました。具体的なテーマを一部紹介しますと「水の大切さと節水方法」「農薬と放射線照射による食品の汚染」「河川の汚染」「再生紙ができるまで」「酸性雨の現状と及ぼす被害」などがあります。生徒たちは、資料収集を各地の研究所や考える会または民間企業に手紙を出して依頼したそうです。中でも、滋賀県の学校教育課から送ってもらった琵琶湖の汚染についてのワークブックは、とてもよい資料だったそうです。
〒520 大津市京町四丁目1番1号 滋賀県 学校教育課 担当 白井さん
☆ 栗林先生からは、選択社会に関して、木曽川中学校でおこなった選択社会の実践例について紹介していただきました。3時間完了で、「ふるさと発見・マイタウン木曽川」と題し、ビデオを使いながらの説明や遺跡の現地見学もされたそうです。また文化祭では、石器づくりの講師としても招かれ、黒耀石を使った石器作りを指導されたそうです。
黒耀石を使うと大変するどい石器が作れるそうで、この時は、十勝石と呼ばれる北海道で採取された石を使用されたとのことです。黒耀石を使った石器作りを社楽の会でも体験してみたいものです。
☆ 木本の方からも、岩倉南小の卒業式についてレポートしました。岩南小では、全体の形式は、伝統的なものですが、今年度より、卒業証書授与の場面や呼びかけのシーンを保護者席へテレビ中継することにしました。ビデオカメラに「ミニ放送局」という機械をつなぎ、電波を飛ばしました。テレビの方には、外部アンテナのUHFアンテナを利用しました。これは、廃品を利用して作ったもので、電気屋さんなどで聞けば無料でわけてくれます。室内アンテナなどより受信が安定しています。なお「ミニ放送局」は、エブリホームセンターで\4980で売っていました。
・ 最後に3月9日(土)に江南市民文化会館で行われた堺屋太一氏による講演の報告とインターネットのつなぎ方の紹介をしました。
堺屋氏の講演では、「秀吉と戦後50年」という題で大ホールに立ち見が出るほどの盛況の中で行われ、秀吉の時代と現代を照らし合わせて考えるという興味深い内容でした。印象に残った話を2、3紹介しますと
・信長は、大胆な規制緩和政策を推し進めた、既得権益を持っている寺社勢力等から激しく敵対したが、庶民からは歓迎された。つまり消費者の視点を持っていた。信長が強かったのは、兵農分離を推し進め、農閑期だけでなく一年中どんな時期でも戦争できる体制を整えたためだ。
・秀吉は先行投資の繰り返しで出世していった。部下の武将たちも同じ考えでどんどん膨張しながら、右肩上がりで成長していった。しかし全国統一した後、バブルが崩壊した状態となり、朝鮮出兵へと進んでいった。
・秀吉後(バブル崩壊後)は意欲のある大名は、家康によってどんどんつぶされていった。右肩上がりの時代は「意欲」があればよかったが、これからの時代は「能力」が大切である。現代の日本では、規制緩和が叫ばれているが、逆に規制はかえって増えている。教育も個性化が叫ばれているが、より管理が強くなっているように思える。信長のような人物が出現する可能性はないので、こういう状態を変えるためには、首都移転をして日本全体のイメージを変える必要がある。
インターネットの紹介では、PCVANから簡単に世界中のホームページを見ることのできる方法を紹介しました。PCVANに入会している人なら、WORLDTALKというソフト(\1500郵送サービスあり)を使えば簡単にできます。世界中の情報を家庭にいながら得ることができるというのは、本当に魅力的です。実際に授業でどう使えるかは、今後研究していきたいと思います。
問い合わせは 土井謙次 syaraku@tcp-ip.or.jp