第47回 社楽の会報告    第46回へ   第48回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 5月23日(木)7:00〜9:25、布袋北学供にて第47回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井木本川井尾関高橋奥村大島、野呂、高木(敬称略)そして和田先生、初登場岩田憲(犬東中)先生の11名です。

○ 会に先立ちハプニングがありました。近所にお住まいの方でしょうか?「何かおもしろそうな会はやっていないか?」ということで、部屋に入ってみえました。社会科の先生の集まりということを知り、ご自分の教育観を話していかれました。一般の方の一意見ということで紹介します。
「 今の教育は感性を重視しているが、それでは科学的思考が育たない。価値観は、物理的尺度があって初めて測れるものであって、精神的な尺度ではダメだ。バラが赤いというのも、赤い根拠を与えて納得させるべきだ。」と、いうことでした。昭和30年代から40年前半の日本の教育観に近いのではないかと思われます。その反省に立って、50年代から情意が重視され、現在に至っているのですが、この方の意見は、再び産業界あたりから強まっているようです。歴史はやはり繰り返すのでしょうか?

☆ 木本先生からは、5月30日に岩倉市教委の主催で行う岩倉市小中学校教職員郷土学習会の資料を紹介していただきました。学習会は、3時間の日程で、5ヶ所の見学と、16ヶ所の車上見学で構成されています。今回初めてのものとしては、4月にオープンした史跡公園で、大地遺跡、鳥居健民家などがあります。また、同じく4月に北島町にオープンした自然生態園では、子供に限り自由に昆虫を捕ってもよい場所などが設けられているそうです。
 このほかに、船橋楽器資料館、中本町ののんぼり屋、山内一豊生誕地などが話題に なりました。
 また、資料中の写真は、デジタルカメラで撮影してコンピュータに転送したそうです。デジタル カメラは、授業で生かせる可能性を感じさせてくれます。  
・ 次に講演会の講師紹介がありました。布袋中でもお願いしたことのある、もと岩倉市の住人、内藤洋子さんです。プロ野球で犠打日本新記録を作った平野謙選手の実姉で、著書はNHKのテレビ小説の原作になりました。話は明瞭で、おもしろく、時間があっという間に過ぎたように感じます。頭が切れる人という印象が残っています。

☆ 川井先生からは、「平成7年度 6年社会科ワーク」の紹介です。授業で使った1年分のワークを冊子の形でいただきました。貴重な実践の結果です。
 ここでお願いですが、小学校6年生を担当される方は、ぜひこのワークのフロッピーをもとに改良し、よりよいものとして全体に示していただきたいのです。また、指導略案・資料などもつけていけたらと思います。せっかくネットワークを持っている社楽の会として、このような積み上げのある活動はぜひとも必要だと考えます。
 また、今後も、このような今後につながる提案が増えてくることを望みます。

☆ 奥村先生からは、障害児学級の学級経営案の紹介です。自立と協調をめざす児童像に掲げ、その手だてが生活面・学習面にわたって細かく書かれています。これを見ると、生活・学習で何が基本なのかがよく見えてきて、とても参考になります。
・ 続いて、生活単元学習の指導案です。誕生日会の準備と本番を5時間完了で行うものです。障害児学級の児童の誕生月に、その交流学級の児童を招待し、誕生会を行うもので、その準備の過程や当日の運営などで、各児童の能力を伸ばすことをねらっています。また、交流を深めることで、障害児・健常児の相互理解を促進することも同時にねらっています。「共生」の発想に立つ実践で、これから、ますます必要になってくるものではないかと考えます。

☆ 大島先生からは、「帰りのSTでのバズについて」の実践を紹介していただきました。班ごとにある決められたテーマについて話し合うものです。テーマの発表→各自の考えのまとめ(1分)→A 発表→質問・意見等→B 発表→… というように全員が発表。やや時間がかかりそうですが、多くの効果が期待できるユニークな実践だと思います。
・ 次に学級通信“声”の紹介です。係活動を充実させる手だてが紹介されています。係活動を活性化するために、PLAN(計画)、DO(実行)、SEE(評価)をくり返すとい う実践で、その方法と感想が紹介されています。現実に、生徒の係活動は、教師の評価より生徒相互の評価をより気にしているようです。月に1、2度くらい、この活動が持てたら、係活動の充実は間違いなしです。
・ 3点目は、学級訓をきめるためのワークシートです。今のいい点→さらに伸ばす点→級訓案とその意味、という流れで構成されています。ただ決めるのではなく、目的意識を明確にしています。その級訓を、1年間どう意識させ続けるかも興味があります。
 尾関先生は、STの実践として、毎日歌をうたっているということです。

☆ 高橋先生からは、学級通信「バラエティパック」の紹介です。学級通信は、学校や学年の状況によっては、出しにくい学校もあると思われます。そのため、教師の思いを代弁するものとして発行しているのが、この学級新聞です。5月23日で40号に達するペースは多いように思われますが、児童が付箋紙に書いたものを貼って印刷するだけですから、簡単にできるということでした。内容は、児童の日記、名前の字の意味、音楽での歌の感想、評論文、百人一首の感想で、児童の言葉だけで学級の雰囲気、教師の思いが十分に伝わってきます。

 尾関先生からはパンフ「ドリルDE防災 PartT&U」を紹介していただきました。
「防災」に関する情報や知識をクイズ形式でまとめたもので、ご希望の方は、送料として\190の切手を同封した上で、下記宛へお申し込みください。
 〒101 東京都千代田区神田淡路町2ー9 
  日本損害協会広報部防災事業室 『ドリルDE防災』係

 土井からは、本の紹介です。『世界の憲法集』(有信堂\3,090)は欧米中心に15カ国の憲法が収録されています。たった7条までしかない合衆国憲法(修正が27条まである)やソ連、中国の社会主義国の憲法など、興味深く読むことができました。
・ 次に修学旅行の職場訪問の報告です。ホテル御三家のひとつ、紀尾井町のホテル・ニューオータニを訪問しました。迎賓館のすぐ近くのために、その後に行う午餐会等の会場となります。先日のクリントン大統領来日の際も、ニューオータニ・鶴の間で開かれました。このほか、過去3度の東京サミット、貴乃花の結婚式も鶴の間でした。このホテルは海外を含めて22ありますが、東京だけで部屋数1,612室、社員数が約2,000名いるそうです。テナントを含める とちょっとした街を形成しています。このほか、運営や研修などの話を聞きました。

☆ 和田先生からは、今年度の資料集部会のメンバー紹介と授業実践についての説明がありました。メンバーは、大薮先生を部長、尾関先生を副部長として、他に川井先生、高橋先生、高木先生、大島先生、岩田先生の7名です。
研究テーマは、「21世紀を見据えた社会科授業のあり方」で、3年間の研究を大まかに見通しサブテーマを各地区で考えてほしいということです。例として 
 ○ 21世紀に生きる教材の開発    ○ 新たな学習展開や指導過程の工夫
 ○ 地球的視野を持った子どもの育成 ○ 情報化社会を豊かに生きる子どもの育成 があげられていました。具体的な実践については、次回に話し合いたいと思います。

◎ 「21世紀を見据えた授業のあり方」を、先生方はどうお考えになりますか。ぜひ、ご意見を資料集部会の方へお寄せいただきたいと思います。21世紀を生きる子ども像をどうとらえるか、そのためにどのような授業をするか、多くの考えを寄せ合いましょう。 
                   

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp