3 夏休み取材報告
8月10日、三重県川越町にある中部電力(株)川越火力発電所を見学しました。エネルギー・環境研究会の一員としての参加です。
川越火力発電所は、出力480万kWで、中部電力最大の発電所です。これは、LNG発電所として、日本で4番目、世界でも8番目の大きさです。(※碧南火力発電所410万kW )
中部電力全体で3千万kWなので大きな存在です。愛知県の半数を、ここだけで担っています。ちなみに、この日は、408.5万kWを発電していました。
発電所は、とにかく夏を無事に過ごすことが使命です。浜岡原発が停止し、大変な努力をさ
れたことを、以前武豊火力を見学したときに伺いました。
発電コストは次の順です。
自流水力 < 原子力 < 石炭火力 < LNG < 石油火力 < 貯水池式水力 < 揚水式水力
全体では91%が火力です。
1年間の発電量は、碧南火力が24%、川越が21%です。碧南は石炭発電で発電コストが

安いのでフル稼働、川越は調整しているのです。具体的には13時から14時のピーク時に合わせて、計画的に発電するのです。
1号機、2号機が、各70万kW。熱効率が46.4%。
3号系列、4号系列が、各170万kW。効率が53.9%。
熱効率は、最新の西名古屋火力発電所7号機では、62%を達成しています。
3号系列は7つの発電機が、コンバインド・サイクル発電方式で動いています。ガスタービンから出た高温の排気ガスを再利用して高温・高圧の蒸気を作り、蒸気タービンを回すので効率が上がるのです。7つの発電機は色で区別され、ヒューマンエラーをなくします。
LNG発電所タンクは6つあります。
1~4号タンクは3,4号機用で、120,000立方メートルあり、4つを均等に使います。
1つで1週間分の燃料です。従って、1週間に1隻のタンカーが来ることになります。
5,6号タンクは180,000立法メートルで、タンクをタンクで覆っています。知多火力発電所と、地下のパイプラインで共有しています。
タービンは意外と小さくて驚きです。3号機は日立製。4号機は三菱重工製です。
リスク分散のために、会社を分けているのですが、そのためにやりにくさもあるそうです。
タービンの羽根は全部で5,175枚あります。鋳物ではなく、ニッケル、チタン合金を削ってつくっています。
LNGは主にカタールから2週間かけて運ばれてきます。カタールで-162度に冷やして、ほぼそのままです。最新の船は、船内で冷やし直しができるそうです。気化したとしても、それを船の燃料にするので無駄はありません。
桟橋は760m。桟橋は、外国です。簡単には入れません。船員は、四日市の税関で手続きをしてから、日本へ入国できるのです。
3,4合系統の中央制御室では、7人から9人で、1日2交代しています。しかし、基本は3人でも対応できるシステムです。あとは緊急要員です。
発電量など、随所で「見える化」してありました。
当たり前に使っている電気ですが、ご苦労がよくわかりました。
4 拙稿紹介 『社会科教育 10月号』(明治図書)
「資料読み取りの指導ポイント 統計・グラフ読み取り10箇条」別紙で紹介
5 お役立ち資料
・ 新指導要領「社会科」用語集 ・社会的な見方や考え方(追究の視点や方法)の例