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報告者  土 井

 2018年5月24日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井、正岡先生、水上先生(布袋小)、勝村先生、安形先生(犬山中)、坪内先生、船渡先生(古東小)、田中先生(布袋中)、日佐先生(岩南中)、吉田先生(柏森小)、寺谷先生(犬北小)、奥村先生(岩倉東小)の12名、伊藤先生(古西小)はネットワーク参加でした。

土井の資料を紹介します

 第2回金融経済教育研究会-1-
 第2回金融経済教育研究会-2- 
 原 晋 監督講演会
4 お役立ちサイト紹介
 
次回は第493回 6月7日(木)19:00~ 布袋北学供です。


1 第2回金融経済教育研究会-1- 日本の未来を担う人材の育成とは
  講師 日本証券奨学財団  理事長 稲野 和利 氏
第一部「グローバル化と人材育成」
1 「グローバル化」とは何か
 「人・物・資金・情報などが、国境を越えて地球規模で自由に行き交う社会の実現」
 「国際化」は国家が意識されてきたが、「グローバル化」は国の意識が低い。世界中が競争相手にもなる。背景に、冷戦の集結、インターネットの普及、規制緩和(国境を越えるお金等)がある。
 多様化&多極化が進み、これまでの先進国だけでなく、新しい国々、新しい人々が台頭した。
2 「グローバル化」の現状
 新興国の参戦で活発化する人の移動が特にアジアで多い。新興国の定義は、経済成長率は高いが一人当たりのGDPは低い国。
 訪日外国人数と日本人の海外への旅行者数は逆転した。日本への留学生(就労目的も含む)も急増している。
3 企業の「グローバル化」
 拡大する海外生産、欧米以外へ広がる市場、グルーバル化する社員。問われる適応力。
4 「グローバル化」が進む企業において働く人に求められるもの
 求められるスキルはコミュニケーション能力。言葉の問題ではない。
 グローバルな視野、世界の変化に敏感、多様性に対する受容・柔軟性。ダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用:女性・高齢者・外国人)
 多様化が進む職場:野村グループの社員の国籍は70カ国以上。 
 多様性の受容:異質なものを許容する力は、自分自身の多様性を生み出す。
 日本企業では、三井物産:入社7年目までに海外に派遣、楽天・ユニクロ・ホンダ・資生堂:英語が社内公用語、日本郵船:フィリピンに商船大学設立(世界で人材を育成)
5 元気な企業の秘訣
 社員が生き生きとしている。企業の宿命として40年で人が入れ替わるので、後から入ってきた人が組織に刺激を与え続けることが必要。企業における「肯定的価値観」、過去より未来がよくなることを信じる。   
6 本当に必要なものは何だろうか
 「日本人かそうでないか」という分別には違和感。国境を越える活動、いかに日本を離れられるかが。
 「ランキング」をして「ラベル」を貼り、「グローバル・スタンダード」を押しつけることは、グローバル化とは反対。思考停止だ。序列に左右されるな、意識的に違うものを探せ。
第二部「金融を通じた社会との関わり」
1 家計と金融とのかかわり 成長マネーの供給    略
2 家計と金融とのかかわり 自助による資産形成
 金融資産ゼロ世帯が多い。一定年齢に達したときに一定の金融資産を有していることが政府の目標。しかも、低リスク・低リターン資産に偏っている
3 金融リテラシーの必要性:投資に対するイメージが悪い。
4 金融経済教育をめぐる動き
5 持続可能な社会の実現に向けて
 最後に 学校とは、お金に換算できない大切なものを教えるところ。
 成長を欲するものはまず根を確かにおろさなくてはならぬ。上に延びることを飲み欲するな、まず下に食い入ることを努めよ  和辻哲郎「偶像再興」より
【感想】稲野さんの哲学を聞く会だった。今後の期待できる産業は?と言う質問に、IOT、AI,健康などいろいろ挙げたが、業種でなく個別企業の要素に着目すべき。かつて、富士フイルムとコダックがあったが、富士フイルムは別の会社になり、コダックはいったん倒産した。確かにその通り。
 
2 第2回金融経済教育研究会-2-   別紙で紹介
 岐路に立つ日本の通商戦略 ~ 日本はトランプ米政権にどう向き合うのか ~     みずほ総合研究所 政策調査部 菅原淳一氏
1 トランプ米政権の通商政策
2 トランプ政権と日米通商関係
3 トランプ政権と向き合う日本の通商戦略 
【感想】 頭がいい。あやふやな質問に対しても、その意図を見抜き、的確に回答している。トランプのツィッターやEUのHPなど、いろいろなところから情報を得て、理解して、分析・整理して、新しい情報を生み出している。それがすごい!
 
3 原 晋 監督講演会
 父は小学校の教員だった。箱根でどのように指導したのか、そしてチームの変遷について話したい。
(1)陸上について
 (VTR視聴)VTRはモチベーションを上げる道具。企業や学校でも使ってみてはどうか。
 青山学院大学駅伝部は、1918年創部。今年で100年。昭和18年に箱根に初出場。23回出場。2004年に監督就任して14年目になる。はじめは弱いチームだった。5年目に33年ぶりに箱根に出場。三大駅伝に勝って、箱根四連覇をした。中央6連覇、日体大の5連覇に続く。次の箱根は、昨年の10人中7人残っているので、チャンスは大きい。
 大学の部活動の大半はOB会が強い。2002年に半田学長が、50のうち、駅伝、ラグビー、野球を強化指定した。まず駅伝は、合宿所をつくり、特別の強化費、8人の推薦枠をつくった。
 ここで聞きたい。次のどれがよいか?
A:箱根出場経験あり、指導経験あり(酒井監督など16人)
B:箱根出場経験あり、指導経験なし(渡辺監督など5人)
C:箱根出場経験なし、指導経験あり(神大監督など3人)
D:箱根出場経験なし、指導経験なし(原監督、創価大監督の2人) 
 広島世羅高校の出身。中京大学で中尾先生の世話になり、中国電力へ。5年で陸上部をクビになり、10年間普通のサラリーマン。
 現実的には、どの世界でもBGDの人が多い。人材が埋もれている。
 Dがいけないと思うのは、観念論に過ぎない。イメージ。まずはチャンスを与えること。私はたまたまチャンスをもらった。
 日本は女性の会社役員は少ない。教員はまだよい方だ。
 陸上は、20年以上新記録が出ていない種目が男子では7種目もある。女性はゼロだ。平昌でも女性の活躍の方が目立った。ビジネスでも、教育でも女性にチャンスを。
 10年間のチームビジョンを建てた。5年で箱根、10年でシード、15年で優勝だ。組織として運営し、監督が替わっても弱くならないチームを作りたかった。
 一期生8人に言った。「これから君たちとチャレンジする。正直言って箱根は約束できないかもしれない。しかし人として成長させる。10年後に優勝したときに、君たちのがんばりを伝える。」
 実際に5年目に出場、6年目にシード権、11年目に優勝した。そのパーティーで1期生をねぎらった。3年目には廃部の危機もあったが、学生が救ってくれた。
 吉永キャプテンの話をしたい。大会3日前に、アンカー起用予定の吉永が「相談があります」と来た。「降ります」「わかった」そこで、橋間貴弥を起用した。ゴールエリアに20人入れるのは1位チームだけ。前に2人。その一人が吉村だった。くやしいいはず。でも全力で応援していた。このときが、青学が良いチームになったと思った瞬間だった。
 箱根に、脱水症状とか、けがの棄権はつきもの。異常に気づいても隠して出場する。これは責められない。吉永は自ら申し出た陰のMVPだ。
(VTR鑑賞)2年前のビデオ。学生はひたむきに努力している。
(2)スポーツ発展のメカニズム
 まず哲学を明文化し、トリプルミッション「勝利」→「普及」→「資金」の順に好循環していく。「勝利」は優勝もそうだが、部員のうち5千mの自己ベストを何人が更新したのか数字も重要。「普及」はテレビ番組によく出されてブランドイメージが向上した。受験生が3万7千人から6万2千人に増えた。受験料だけで9億円弱。これが「資金」
 カーリングは「勝利」したので「普及」がポイント。
 哲学に当たるチームビジョン「行動方針」は次の3つ。
 ①感動を人からもらうのではなく、感動を与えることのできる人間になろう。
 ②今日のことは今日やろう。明日はまた明日やるべきことがある。
 ③人間の能力に大きな差はない。あるとすればほれは熱意の差だ。
(3)組織づくりを考える
 組織づくりの道のりには4つのステージがある。
ステージ1 初期「監督対部員」関係(上意下達・中央集権)ティーチング
 その業界の「核」となる部分を徹底させる(長距離走では生活管理)、寮則で、競技力だけでなく、チーム力、人間力の向上を目的とすることを明記。陸上競技を中心に生活をするが、競技生活と学業の両立に努める。
 ステージ1の光と影
 <光> ・リーダーはチーム全体に基本方針を的確に指示できる ・規則を替える
  ・チームを同じベクトルに向かわせる 
  ・「キーワード」に大きな違いがなければ必ず成長する
 <影>
  ・危機感をあおり威圧することで支配   ・様々な情報を遮断 無知な人間
  ・個性を失う  ・考える能力を失う
ステージ2:自覚期 「リーダーと各責任者」という関係をつくる
 各学年責任者に指示を出していく
 ステージ2の光と影
 <光> ・リーダー、スタッフに自覚が生まれる
 <影> ・監督の指示が行き届かなくなることがある ・学年間のつながりがうすくなる
ステージ3:コーチング期
 リーダーは各責任者にキーワードを伝える。部員たちは縦横の関係を築き考えるようになる
 ステージ3の光と影
 <光>・自主的に考えて取り組めるようになる
  ・ステージ2までの<影>は改善方向に向かう
 <影>
  ・自主性と自由を吐き違い、軽い空気が蔓延する恐れがある
ステージ4:成熟期、支援型の運営組織
 リーダーは外部講師も巻き込みながら、選手と相互に組み立てることができるようになる
 「人・組織としてどうあるべきか、理念を示すこと」を続けていくことが必要
ステージ1,2も必要。外部指導者は定着してから。
1年もステージ1から4のミニ版。毎年メンバーが替わるので、この繰り返し。
(4)目標管理ミーティング
 ランダムで5、6人のグループをつくり、目標管理ミーティングを行う。それを掲示し見える化する。
(5)成長するための10の秘訣
 1 「覚悟」をもって取り組む。
 2 前例にとらわれず「出来る理屈」を考える。
 3 「半歩先」の目標設定と成功体験を実感する。
 4 「チーム目標」「個人目標」の両輪が大切。
 5 自分の夢・ビジョンを大きく描く。
 6 何のためにするのか。まず「目的」を理解する。
 7 与えられた環境の中で工夫して行動する。
 8 「勝ちの美学」もあるが「負けの美学」もある。
 9 いつやるの?スイッチをい入れるのは自分自身。
 10 最後は何とかなるさ。
 怒るよりアドバイスをする。悪意のある失敗は怒るが、一生懸命やった失敗は最初に具体的に教え、最後に「こんなことで失敗したら損だよね。」という。
(6)哲人の告白(テレビ番組)
 規則正しいトレーニング。「念ずれば叶う」どうなりたいのか、どうしたいのか考え、やるべき“当たり前を徹底”する。
 
4 お役立ちサイト紹介
(1)学校における働き方改革特別部会(第13回) 配付資料
【資料1】学校の組織運営の在り方(全国公立学校教頭会提出資料) (PDF:1133KB)
【資料2】学校組織運営体制の在り方について(論点の整理) (PDF:122KB)
【資料3-1】新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)(平成29年12月22日 中央教育審議会)【抜粋】 (PDF:79KB)
【資料3-2】学校の組織運営体制の在り方に関する参考資料 (PDF:850KB)
【資料3-3】組織関係法令 (PDF:71KB)
【資料3-4】学校の組織図(例) (PDF:296KB)
【資料3-5】学校に置かれる委員会等の組織(一覧) (PDF:258KB)
【資料3-6】学校に置かれる担当者(一覧) (PDF:230KB)
【資料3-7】都道府県・政令市別の校長等人数及び登用者数 (PDF:163KB)
【参考資料1】学校における働き方改革特別部会 委員(名簿) (PDF:46KB)
【参考資料2】新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方に関する総合的な方策について(概要) (PDF:224KB)
【参考資料3】経済財政運営と改革の基本方針2017~人材への投資を通じた生産性向上~(平成29年6月9日閣議決定)【抄】 (PDF:47KB)
【参考資料4】「学校における働き方改革特別部会」で今後議論すべき論点 (PDF:55KB)
 
(2)小学校 楽しい授業のひと工夫
  京都府総合教育センター
 
(3)七転び八起き社長のFXダイアリー 
  「ベートーヴェンとヘーゲルが同い年だったという浅田彰氏の指摘」
(4)脱不登校の道を紹介します。
 「ひきこもり・不登校ママ卒業の道。その他メンタルに関する情報をお届けします。」と説明されています。   http://futoukou-consultant.com/ 
 
 
 
 
 
 
(5)系図でみる近現代~夢・感動・人間!~
 
その時々の話題の人物、あるいは、旧華族・皇族や近現代に活躍した人物を家系図やリンク等を交えてエピソード、系譜・閨閥などを書き留めて行くページです。
情報量は膨大。
 
(6)江戸財政改革史・維新の風雲財政録 幕末編/甲斐素直 研究室
  甲斐素直先生が、江戸時代から明治にかけての日本の財政制度及び財政監督制度について研究した成果を、一般向けに平易に記述したものです。現在も会計検査資料誌に連載中です。  http://www5a.biglobe.ne.jp/~kaisunao/zuihitu.htm 
 
(7)戦国武将列伝Ω 
2015年に発足した戦国武将研究会が作成しているサイトで、詳しく、愛情を感じます。
 
(8)国際情勢
 国際情勢について、わかりやすさでは定評のあるサイトで、社会科教師には強い味方です。
 
 
(9)新聞活用ワークシート集 ~思考力・判断力・表現力の育成のために~
 香川県教育センターが作成。
http://www.kec.kagawa-edu.jp/curriculum/houkoku/center/h22/NewsPaper.pdf
 これまで、いろいろな資料を紹介してきましたが、これはひと味違う資料です。少し前のものですが、内容は斬新です。
 新聞を使って、思考力・判断力・表現力を育成するためのワークシート集なのです。
 
 教師力アップセミナー今年度予定
 
第2回 6月23日(土)10:00~12:00 永田繁雄 道徳教育「考え、議論する道徳の具体像」
第3回 9月 2日(日)10:00~12:30 和田裕枝 算数、教科書を生かした授業づくり。
第4回 10月8日(月祝)10:00~15:00 野口芳宏 国語、道徳
第5回 10月28日(日))10:00~12:00 横山浩之 特別支援教育の基礎・基本
第6回 1月12日(土)10:00~12:00 白石範孝 論理的に思考させる国語の授業づくり
第7回 2月17日(日)10:00~12:00 佐々木昭弘 理科授業の基礎・基本