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報告者  土 井

 2018年9月19日(水)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井、(布袋小)、高木先生、寺谷先生(犬北小)、柴田先生(古知野中)、日佐先生(岩南中)、坪内先生、船渡先生(古東小)、奥村先生(岩東小)、阿部先生(門弟山小)、天野先生(大口教委)、早川先生(尾張教育事務所)、木本先生(曽野小)の12人でした。

土井の資料を紹介します

1 丹葉フィールドワーク -新日鐵住金- 
2 日本街路灯製造株式会社 豊明工場
 ベトナム・ホーチミン みてある記                 
4 2018年全国高校入試問題 論述問題数
5 
学級力を可視化する -学級力向上プロジェクト-
 
次回以降は、 第498回10月 2日()    第499回10月17日()  第500回11月 1日(木) 曜日が変則です。

   

 土井の夏休みの研修を2回に分けて振り返る後編。

1 
丹葉フィールドワーク -新日鐵住金-
 8月8日に新日鐵住金 名古屋製鉄所を見学しました。(17日にもう一度訪問しました。)
 17日はDVDを視聴後バスで出発しました。
 守衛さんには敬礼で挨拶をします。音が大きいので、「ご安全に」という声かけと共に挨拶をするのです。ということは、決して安全な職場ではないという裏返しでもあります。
 面積は約632万m2(ナゴヤドーム約131個分、ディズニー12個分)、1周10kmの敷地です。東海市の面積15%に当たります。
 敷地内には、バス停が33か所、信号が12カ所あり、違反すると始末書を書かされます。他にサッカーグランドが2面、体育館、野球場、研修施設等もあります。消防車が3台、救急車も1台備えています。社員の家族で植えた34万本の常緑樹(熱田神宮の8倍)が茂っていました。
 メインオフィスには350名の事務系職員が働いています。全体では、正社員3千人(内 1600人は三交代勤務)、協力会社社員が7千人いるそうです。新人もたくさん入り、12000人近くになるそうです。三交代は、7時から15時、15時から23時、23時から7時で、休みを入れてローテーションします。これもリズムを保つのには苦労しそうです。
 年間に粗鋼を600万tは全国7位の規模です。7割が国内向けです。まず、オーストラリアから輸入した鉄鉱石(鉄が60%)・石炭と、美濃赤坂の石灰石を2つの高炉で溶かします。その前に粉状のものを固めています。高炉には、常に上から原材料を入れて下から出すのが基本です。
 高炉は1号炉(5443立方m、106m)と3号炉(4300立方m、96m)の2基が稼働しています。
高炉を新設すると、350億から400億円かかります。(日本全体で24基稼働しています。)
高炉は、一度火をつけたら、24時間365日つけっぱなしです。冷えたら鉄が固まってしまいますね。ただ、台風の時には止めます。昨年は2日止まりました。その時には、高炉の中が固まらないように、熱風を送り込みます。しかし1500度から1300度に下がってしまうそうです。
トーピードカーに移すと、下の方から固まってしまいます。どうするか?熱いものを入れると、少しずつ溶けていきます。何回かに分けて溶かしきるのです。
 高炉には寿命があります。厚さ2mの耐火煉瓦が減っていき、30cmぐらいになると使えません。15年ほどで交換します。第3高炉は17年使っているので、あと2年ほどで終わりです。ただ、順番があるので2年で換えられるかどうか。
 名古屋製鉄所には、日本で唯一、使用した高炉が展示されています。4つ切りにした一つで、マンテルといい、12mの高さがあります。径は14m、1700tあります。炉だけで一つ48mの高さがあるのです。解体には、4000tクレーンが2基必要で、全国から3000人の技術者が集まります。(その宿泊施設を確保するのが大変だそうです。)また新設時は、女性は中に入れません。土俵と同じで、縁起を担いでいるのです。
 ドロドロに溶けた鉄は、トーピードカーで転炉に運びます。トーピードカーには、270~290tの溶鉄を入れることができます。1分で9t、30分かかる。上部は韓国製で、車輪部分は日本車輌でつくっています。49台所有しています。3千度まで耐えうる構造です。1台1億円。
 道路は粉塵防止で散水しています。赤白の煙突は発電所。電力は自給しています。排ガスもエネルギーにします。鉄鉱石、石炭、石灰石、水以外は自給しています。
 トーピードカーで製鋼工場へ運びます。3基の転炉があり、そこで注文に応じた成分調整をし、スラブという鉄の板を作ります。そのスラブを8枚運ぶのが、180tキャリアカーで9台あります。56本のタイヤがあり、すべてが回転するので小回りもききます。こちらは2億円。日本車両の製品です。小型のもので、タイヤが20本の110tキャリアカーも15台所有しています。燃費は1リッターあたり200mです。
 8日は熱延工場、17日は厚板工場を見学しました。
 厚板工場では、週水曜日から土曜日までの4日で、月5万tから6万tの厚板を生産します。休みの間にだめなローラーを交換し、研磨して再利用します。ローラーだけでも2千万円するからです。厚さ250mmから、何回もローラーに通して、必要な厚さになるまで薄くしていきます。巨大な厚板がローラーを往復するところは、大迫力でした。熱延工場同様、離れていても、熱さを感じました。
 水は愛知用水から。90%はリサイクルしますが、残りは蒸発してしまいます。
 鉄は4つの特長を思っています。
 1 地下資源が豊富にある。
 2 価格が安い。鉄1t 8万円。
 3 実は軽い。薄くすると軽くなります。
 4 分別しやすい。磁石に吸い付くからです。95%はリサイクルしています。
 工場は一人でも見学可能です。ぜひ見てみましょう!










   
鉄鉱石に磁石をくっつけてみました。見事にくっつきました。

しかし、コークスにもくっついてしまいました。
なぜ???


2 日本街路灯製造株式会社 豊明工場
 丹葉フィールドワークの後半は、街路灯などをオーダーメイドしている日本街路灯製造株式会社 豊明工場 を見学しました。古知野 愛栄通の看板と街路灯もここの製品です。このほか、犬山城の城下町、江南の蘇南公園、岩倉の竹林公園など、個性的な街路灯、ほぼこの会社の製品と考えてもよいでしょう。
 高速道路などの街路灯は大手のメーカーが作りますが、商店街などの多品種少量生産による街路灯は、この会社が作っています。
 完全オーダーメイドで、設計から、施工、設置までを行います。
 何と、大人気の浦安にあるレジャー施設。あそこにある6000基の照明の1割弱はここで作っています。
もともとはアメリカ製です。しかし、修理や増設・新設は、この会社がやっているのです。
 閉園後にサイズを測り、設計をし、許可を得て作るのですが、それをアメリカ本社がダメ出しをし作り直したこともあったそうです。
 銀座の140基の街路灯もここの製品です。
 今回は、パソコンでの設計から、鋼管やスチール板の切断・加工、塗装など、全工程を丁寧に説明していただきました。溶接機は2400万円。身近な街路灯ですが、ハイテク機械と、人の手によりつくられることを知ると、いっそう愛着がわきます。
 ぜひ、お近くの街路灯に注目を!
 











3 ベトナム・ホーチミン みてある記
 8月10日から13日朝まで、ベトナムのホーチミンへ行ってきました。その様子を、40回に分けてブログで報告しました。
 ここでは2カ所だけ紹介します。
【戦争証跡博物館】  
 43年前に終わったベトナム戦争の悲惨な実態を今に伝えるのが、戦争証跡博物館です。
入場料は約200円。なぜか、入場者は欧米人か日本人が大半で、他では多い中国人や韓国人はほとんどいません。
 特に枯葉剤(ダイオキシン)の影響が悲惨で、双生児のホルマリン漬けの遺体や、障害を負った人の写真を見ることができます。
 さらに、障害者がここで働いていました。普通に接客し、また笑顔で応対していました。
生々しい写真や実物展示が多く戦争の悲惨さがストレートに伝わってきます。さらに、子ども達の絵がいっそう悲しみをそそります。
 ホーチミンに訪れたら、ぜひ見ておきたいところです。
【クチトンネル】
 ホーチミン郊外のクチトンネルは、世界有数の戦争史跡です。
 北と南に分断された国家間の争いで、そのバックにはソ連とアメリカがあります。特にジョンソン大統領になってからは積極的に米軍が関与しますが、北ベトナムは、むしろジャングルでのゲリラ戦を巧みに戦いアメリカ軍を撃破していきます。
 ジャングルのゲリラ戦の部隊が、このクチトンネルなのです。
 クチトンネルは兵士だけでなく、村人の生活をそのまま地下へ移したものです。
 倉庫や避難所としてだけでなく、住居・炊事場・学校・医療施設までが備わっていました。その間を、アリの巣のように細いトンネルで結んだのでした。その距離は何と250km。今は観光用に広げられていますが、当時は這って移動したのでした。
 トンネル内で戦った16000人のうち、病死も含めて約10000人が亡くなっています。
 ベトナムと米国は今や友好国。
 それなら、一体、何のための戦争だったのでしょうか?
 何のために500万の人が命を落としたのでしょうか?
 誰かの判断により戦争が始まり多くの人が亡くなりました。戦争のむなしさ、無意味さを考えさせられた3日間でした。
4 2018年全国高校入試問題 論述問題数
 春の全国高校入試問題の論述問題を調べて見ました。
 方法は、全国高校入試問題正解 社会2019』(旺文社)の解答欄より、「(例)」とあり、文書で書かれているもの、あるいは、文書中の空欄を二語以上で埋めるものを数えました。
20問 宮崎
16問 広島
15問 群馬、長野、福岡
14問 福井、鹿児島
12問 静岡  11問 山形  10問 石川、山梨、滋賀、徳島
9問 和歌山、大分
8問 秋田、福島、奈良、香川、佐賀、熊本
7問 栃木、埼玉、富山、島根、岡山,山口
6問 青森、岩手、三重、愛媛、長崎
5問 宮城、新潟、高知
3問 北海道 、茨城、千葉、岐阜、鳥取、沖縄
2問 東京、大阪
1問 神奈川、愛知AB、京都
0門 兵庫
 宮崎は数は多いのですが、2語文が多く、数え方(2つで1問と数えるなど)によっては減ります。
 記述量では、今年も広島が最多だと言えます。
《 参考 2017年》
17 広島
16 群馬、宮崎
14 福岡
12 静岡
11 鹿児島
10 秋田、山形、石川、長野、島根、大分
9 福島、山梨、三重、滋賀、香川
8 青森、埼玉、福井、奈良、徳島、佐賀 
7 岩手
6 栃木、新潟、岡山、愛媛、熊本、富山
5 宮城、茨木、山口、高知、長崎
4 和歌山,沖縄
3 北海道、岐阜
2 千葉、神奈川、大阪、鳥取、東京
1 京都
0.5 愛知
0 兵庫
 
 
 























5 学級力を可視化する -学級力向上プロジェクト-
 早稲田大学教職大学院教授の田中博之先生が開発した「学級力向上プロジェクト」を紹介します。
 学級力向上プロジェクトとは、子どもたちが学級づくりの主人公となり、学級力(目標達成力、対話創造力、協調維持力、安心実現力、規律遵守力)を高めるためにアンケートで自分たちのクラスの様子を診断・評価し、毎日の学習や遊びの中で意図的・計画的に取り組む仲間づくりの活動です。
 いじめを未然に防止し、「笑顔や拍手が生まれるクラス」「明日も来たくなる明るく安心できるクラス」をつくるための新しい学級経営のシステムと言えます。
 今日の学級経営の課題を解決するためには、教師だけでなく、子どもたちが立ち上がり、「明るく仲のよいクラスをつくろう」「ルールを守り、安心できるクラスをつくろう」という高い意識を持つことが必要です。つまり、子どもたちを学級経営に参加させ、子どもたち自身によるセルフ・アセスメントを通して、仲間づくりに取り組むのです。それが子どもたちの正義や勇気の心を育み、自分の欲求不満解消のために人間関係を壊そうとする邪悪な心を打ち負かすことにもつながります。
 学級力向上プロジェクトでは、このような教師と子どもたちによる協同的な取り組みを支援するために、学級力アンケート、学級力レーダーチャート、スマイルタイム、スマイル・アクション、スマイル・ミーティングなど多様な手法や道具立てを用意しています。
 はがき新聞は、はがきサイズの用紙にミニ新聞形式で、子どもが自分の思いをつづる表現手段です。
 
 
理想教育財団
 

 
 教師力アップセミナー今年度予定
 
第4回 10月8日(月祝)10:00~15:00 野口芳宏 国語、道徳
第5回 10月28日(日))10:00~12:00 横山浩之 特別支援教育の基礎・基本
第6回 1月12日(土)10:00~12:00 白石範孝 論理的に思考させる国語の授業づくり
第7回 2月17日(日)10:00~12:00 佐々木昭弘 理科授業の基礎・基本