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報告者  土 井

 2019年2月28日(水)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(布袋小)、坪内先生(古東小)、木本先生、柳先生、上田先生(曽野小)、勝村先生、安形先生、後藤先生(犬山中)、川地先生、平山先生(大口中)、竹野先生(岩倉中)、阿部先生、岩井先生、大野先生(門弟山小)、打田先生(扶桑北中)、尾関先生(岩北小)、水野先生(犬東中)、伊藤先生、深尾先生、山本先生、野沢先生(藤里小)、鈴木先生(教育センター)、岩下先生、早川先生(尾張教育事務所)、講師の山田先生(浅井中)、池邑さんの26人でした。

土井の資料を紹介します

1 道徳科「うれしい、楽しい、道徳大好き!」
2 一宮市立浅井中学校HPより「校長室より」
3 教師力アップセミナー 佐々木昭弘先生 記録
4 文部科学省関係資料
 
次回は、第509回3月14日岩田先生による数学の授業です。
         
 
 道徳科「うれしい、楽しい、道徳大好き!」
 山田貞二先生による道徳の模擬授業でした。

テーマは「うれしい、楽しい、道徳大好き!」
山田先生の模擬授業を受けるのは今年4回目。
毎回新鮮なのはなぜでしょう?
その場に合わせる受け答え等が絶妙だからです。
具体的にいうと、相手の反応に応じて、対応する引き出しが多いと感じました。

これは、実は、教材研究の目的の一つです。
「1教えるためには10知らなければならない。10知るためには100調べなければならない」
この言葉は、「10のうちの残りの9は、子どもの予想外の反応にも対応するため」という意味なのです。

今回は、道徳の基本を押さえた上で、「家族愛」の模擬授業でした。
難しいのは、子どもの納得解は、家族愛だけでなく、自己実現や勇気、生命尊重、感謝など、多岐に広がること。
家族愛という価値を理解した上での「自己実現や勇気、生命尊重、感謝」ならよいのです。
しかし、全く離れてしまうと、何をやったのかわからなくなります。
昨日は、そのあたりも押さえられていました。

5月に本を出されるとのこと。
早く読みたい!

このときの山田先生の報告です。
 http://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=2320064&frame=weblog&type=1&column_id=1694186&category_id=16152
 
昨夜、丹葉地区で開催されている「社楽の会」にお声かけいただき、道徳の話をさせていただきました。

 この会は社会科の先生が中心となって2週に1回のペースで開催されている自主的な研究会です。勤務時間が終わってからの学びの会で、昨夜が508回ということです。驚きの数字です。

 この会は、私がまだ若い頃も耳にしていた有名な会です。代表の先生のリーダーシップのもと、先進的な研究がされてきました。管理職から若い先生まで幅広く学習されている実に前向きな集団です。

 昨日、初めておじゃまさせていただき、その質の高さと参加者の意識の高さに圧倒されました。経験年数に関係なく、どんどん学んでいこうとする姿勢が随所に表れています。これまで学んできたことや外部の研修会の報告や自分が読んでいる本の紹介など、聴いているだけで「やる気」が起こってきます。

 何よりも素晴らしいのは、最後の振り返りです。この会で学んだことを共有します。人それぞれに感じたことを共有することで自分が気が付かなかったことに気が付くことができます。学校の授業でも同様です。こうした良質の学びがあるので、このように508回という長い間続けてこられたのであろうと感じました。

 今回は多くのことを学ばせていただいた会でした。一宮でもこのように若手も管理職も自主的に学んでいけるような取組を進めていきたいと強く感じた貴重な時間でした。


2 一宮市立浅井中学校HPより「校長室より」
 4月1日以来、お盆の行事を持たない日以外は毎日アップされています。その幅広い見識には驚かされます。http://www2.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=2320064&frame=frm58db5c8170594 




3 教師力アップセミナー 佐々木昭弘先生 記録
 2月17日に大口中で行われた佐々木昭弘先生のセミナーを報告します。
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 理科は担任の先生が最もやりたがらない教科。不人気の理由(2M2K);・めんどうくさい ・むずかしい・きたない・きけん。この2M2Kを回避しないと授業がまわらない。しかし、ほんのちょっとの工夫で2M2Kから解放される。
 全国学力調査の結果から、国語と算数の成績を上げなければならない。国語算数で学んだことを理科で生かす授業を目指す。学習指導要領を知るのは大切だが、学校での問題や事件はその場で起こっているから、実践力が試される。今後は問題解決的な学習をしていかなければならない。
 教師の授業スタイルは大きく分けて3つある。・学習指導要領崇拝型・流行ワード飛びつき型・自己流型
 自己流型の欠点は、例えば理科の授業で言うと、実験方法や道具が違うだけで、子どもがテストの時、分からなくなりやすいことが挙げられる。教科書通りでも十寸面白い授業は作れる。テストに即した教科書通りの授業だと、子どもたちもテストでいい点数を取れて親も安心できる。
 観察の理論負荷性;何に見えますか。 →うさぎ、アヒル
 視点のコントロールでどちらにも見える。立方体の線画も、このような図形の表し方を既習しているからわかるのであって、この図形が12本の直線にしか見えない人もいる。ものごとを認識するということはそれまでの学習、経験が影響してくる。
 チューリップって知ってる? 土から出ているチューリップを描いてみよう。「葉、茎、根は必ず書かないとだめ」と指示。黒板に子どもたちに思い思いのチューリップを書かせると、指示していないけど勝手に比べる。本物は残念ながらないけれど、近いものはあります。 一番本物に近いのはどれでしょう?じゃあ、どうしてあなたはそれを選んだの?「葉っぱはそんなにない。二枚」「いやいやそんなことない」といったように、意見の対立が生まれる。そこから、問題ができる。葉だけでも何問もできる。次は、実際に調べてみようという流れになる。
 最近の子どもは「どうやって調べる?」と聞くと、・インターネット ・お花屋さんに聞く ・図書館 などが挙がってくる。すぐ下の学校の花壇に咲いているのに。時代を感じる
 いざ観察してみて、子どもたちが一番驚くのは、葉っぱは2枚じゃないということ。意欲を高め、観察に向かう。今まで見えていないことも言葉にすることで観察点がみえてくる。
 研究授業も同じで、見える人には見えるし、見えない人には見えない。
 「あり」って知ってる?子どもにありの絵を描かせる。知的リアリズムの傾向が強い子どもは、見たものではなく、知っていることを描く。そこで、昆虫の定義を子どもたちに教える。ありは昆虫の仲間。昆虫は、・頭、胸、腹に分かれている。・足は6本。・全ての足は胸から出ている。「じゃあもうちょっとありさん見てごらん」というと、前よりよく書ける。言葉がないと見えないものがある。
 イヌイットは、親から聞いて、直接目で見ることで確認しながら学んでいる。事実と照らし合わせながら知識を習得 → 認識できるように脳が育つ
 医者が、白黒のレントゲン写真から病気を見つけられるのは、視点をもっているから。最初に基本を教えないで、昆虫を連れてきて、昆虫のきまりを見つけさせようとそるのは無理。
「学力調査」から見れる“表現力”教育のポイント
 事実と解釈が表れているとことにマークを付け、自分の書いた文章が事実に基づいて解釈できているかをチェックするためにマークを使う。・目のマーク→事実  ・ハートのマーク→解釈
日本人は記述が苦手だから、工夫して取り組み記述の力を育てていく必要がある。
国語教育とコラボする授業改善のポイント
 問題と答えの関係明確化;“どんなふうに変わっている”といえる(言語化する)。
 あえてしぼって「この中に正解あります」でも〇。解釈も言語化し板書しておく。
 温度の変わり方を3つに分けてみよう。国語でもはじめ、中、終わりに分かれているでしょう。
 問い:温めると水の温度はどのように変化するか?
 理科の授業は国語の論理的構造とはかけはなれている。聞かれてことに答える、ということが多い。理科の実験の結果を国語の時間に書かせる。この前の実験を作文にしてみよう。「友達と話しあってもいいよ。教科書プリントなどの資料も見ていいよ」というと課題のハードルがぐっと下がり、子どもたちから文句も出ない。たとえ人の真似でもいいから、かけたという事実の積み重ねが力をつける。獲得している情報を自分で取捨選択して書く→ 思考 につながる。
 水が氷る瞬間を調べる実験では、普通のビーカーでは曇ってしまって実験しにくい。二重の曇らないビーカーを発注しようとしたら一つ何万とかかることが分かった。そこで、ビーカーを二重にはめ込んでオールインワンの実験道具を編み出した。曇らずによく見えるので、子どもたちも詳しく観察できていた。
 本論の中に話題がいくつもある
 算数の今回の学習指導用でデータの活用が入った。問題解決的な学習のバリエーション
 アガサ・クリスティー、名探偵コナン、相棒、古畑任三郎、ガリレオの湯川先生
 これらのミステリーは2つに分類できる。
①犯人がわからない(アガサ・クリスティー/名探偵コナン/相棒)
 視聴者と一緒に解決していくスタイル→ミステリー型問題解決型
②犯人が最初に分かっている (古畑任三郎/ガリレオの湯川先生)  視聴者は、犯人と主人公のやり取りの中から矛盾を見つけていくスタイル→サスペンス型問題解決型
 理科の問題も同じように分けられる。
① 疑問→議論→発見:ミステリー型の授業 「ものの燃え方」単元
 伝次郎先生の紙コップロケットの実験
・空き缶・燃料の制汗剤スプレー・LP ガス
 ロケットを高く飛ばすこつは2つ。ひとつだけみんなに教えるね。アルミ缶に紙コップを設置するときに、載せるだけでなく、ぐっと押すこと。もう一つある。君たちはもう一つのコツを探すのが今日の課題だ。先生よりも高く飛ばせる子は何人いるかな。
 ミステリー型の弱点は最初の議論の時に、間違った意見を持っている子が、相手を説得する手目に、空想、屁理屈にはしりがちなこと。実験して答えがでて、間違っていると分かっても腑に落ちない。
サスペンス型の授業「振り子の運動」
 自宅のシャンデリアを見ていたガリレオは、シャンデリアが大きく振れているときと、小さく振れているときの一往復分の時間が同じなのではないかと疑問に思った。
 本当なのか?
 メトロノームをガリレオの脈に見立てて、振り子が大きく振れた時、小さく振れた時の往復時間を計る。あんまり差がわからない。10回分の往復で数える。→振れ幅が変わっても一往復の時間は変わらないという確信。
 真実はいつもひとつ。変える条件もいつも1つ。ゴールを先に話しておくことで、実験結果の小さな差は誤差だと気づける。
理科授業の系統性;理科授業の「発問・問題・課題」
〇「事実」を問う どうなる 〇「方法」を問う どうする 〇「理由」を問う どうして
 うまく編成すれば、子供が主体的になり、対話が生まれる → 深い学びへ
「どうなる」「 どうして」「 どうする」のどこにウエイトをかけるか
 理科は教師には不人気。しかし子どもにアンケートを取ると一番人気。みんなで理科の授業を盛り上げていきましょう。
 


4 文部科学省関係資料
(1)第9期学術情報委員会(第14回) 配付資料
 平成30年11月29日の会議資料が公開されました。これがおもしろい!
資料1_学術情報委員会(第13回:平成30年10月25日)における主な意見
資料2_時空間IoTを基盤とする高度イノベーション農業生産システムの開発-広域データ収集基盤を活用したマンゴーの高品質・高収量・早期収穫を目指して(琉球大学 工学部 工学科 玉城史朗氏 説明資料) (PDF:4173KB)
資料3_スポーツパフォーマンス研究センターで用いるアスリートのためのデータとフィードバック(鹿屋体育大学スポーツパフォーマンス研究センター  前田明氏 説明資料) 
資料4_日本文学とNIJL-NW project(人間文化研究機構 国文学研究資料館 山本和明氏 説明資料)  資料5_今後の学術情報委員会の日程について
 
資料2は、マンゴー生産システムの構築の成功事例(光合成活性化で早期収穫・高品質なマンゴー生産システムを開発)です。IoTセンサによる環境データ収集・広域ネットワークを用いた環境データ収集と解析により、高品質なマンゴーの生産に成功しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
資料3は、ハイスピードカメラとモーションキャプチャーシステムにより、スポーツの動きを解析し、成績向上に生かすものです。右下は野球の投球解析です。
 
 
 
 
 
 
資料4は、国文学研究資料館(NIJL)は日本文学及び関連資料の専門的調査研究機関です。
 活字本・影印本等 19万冊…日本文学関係の学術図書や雑誌も所蔵するほか、マイクロ資料21万点、紙焼き写真本8万6千冊などを保存し調査研究しています。
 
(2)中央教育審議会(第122回) 配付資料 平成31年2月20日(水)
資料1  第10期中央教育審議会委員   資料2中央教育審議会関係法令 等
資料3-1 教育振興基本計画部会の設置について(案) (PDF:36KB)
資料3-2 教育振興基本計画部会の審議の状況について (PDF:186KB)
資料4-1 第9期中央教育審議会における主な答申、報告等について (PDF:246KB)
資料4-2 生涯学習分科会の審議の状況について (PDF:381KB)
資料4-3 初等中等教育分科会の審議の状況について (PDF:2,512KB)
資料4-4 大学分科会の審議の状況について (PDF:4,751KB)
資料5 千葉県野田市における小学4年生死亡事案における対応等について (PDF:702KB)
資料6-1 高等教育・研究改革イニシアティブ(柴山イニシアティブ)について
資料6-2 大学等における修学の支援に関する法律案(概要) (PDF:698KB)
資料6-3 学校教育法等の一部を改正する法律案(概要) (PDF:174KB)
資料7 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案(概要) (PDF:257KB)