第51回 社楽の会報告    第50回へ   第52回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 7月4日(木)7:00〜9:15、布袋北学供にて第51回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井、木本、大島高橋奥村、岩田、勝村尾関、川井(敬称略)そして大藪先生、和田先生の11名です。

☆ 大藪先生からは、今年の資料集部会の基調提案がありました。テーマは「自ら考え、判断し、情報化社会を豊かに生きる子供の育成」または、「情報化社会を生きる力を育てる社会科学習」、サブテーマを“環境問題を通して”“国際理解問題を通して”“人権問題を通して”“情報化社会の問題”ではどうかということです。
 育てたい子ども像は、生きる力として「自分で課題を見つける子ども」「自ら考え、自ら判断する子ども」「主体的に判断し、行動する子ども」、情報処理能力として「意欲的に情報を収集する子ども」「必要な情報を取捨選択できる子ども」「自ら学んだこと、調べたことをまとめ、的確にプレゼンテーションする子ども」など7例を示していただきました。これらをもとに、今後、さらに協議していきます。
 次に、情報についての定義を示していただきました。

・ある事柄や事象についてのお知らせ
・判断を下したり行動を起こしたりするために必要な情報

  別の見方として、「個人や団体が意志決定を行うにあたって、最適な行動選択をするのに役立つ有意味記号の集合」というものもありました。
 指導過程としては、これまでの流れをふまえて、次のように考えたいということでした。情報の発信、他校との討論が大きな特徴です。
情報を入手する手段としては、電話・新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオ・映画・ビデオ・インターネット・パソコン通信・ファクシミリ・手紙、特にインターネットを利用してのウェブページ、電子メール、電子会議、検索システム、ファイル送信システムをどう授業で使うかがポイントになりそうです。
ア 問題づくり  イ 調査活動・情報の収集 ウ 発表
エ 課題づくり オ 課題ついての発信 協力校の依頼
カ 課題についての再調査 討論に向けての準備
キ 他校との討論 ク これからの社会のあり方を考える
ケ 社会に働きかける 社会に発信する

さらに、大藪先生からは、これまでの資料集部会の研究・社楽の会の資料を@データベース化、A社楽の会のホームページ作成をしてはという提案がありました。
情報化社会の到来に伴い、過去の遺産を活用できる形のまとめるのも重要です。実現に向けて、勉強していきたいと考えています。
・ インターネットより、メディアキッズしんぶん「北海道釧路沖東方地震をめぐる情報交換」「インターネットと環境保護」のページを紹介していただきました。前回も報告した環境教育実践校、環境教育プロジェクトが掲載されています。
 また、大口西小のホームページも紹介していただきました。給食改善研究の文部省指定で今年の11月11日に発表があります。メニューは、楽しい給食会、児童会活動、今月のミニミニバイキング、6年1組の給食日記、お知らせで構成されています。
 これまでに、283回のアクセスがありました。お問い合わせは、大西小・三輪先生までどうぞ。アクセスは、http://www2a.meshnet.or.jp/~miwa/

☆ 尾関先生からは、『社会科教育 403』広島大教授の森分孝治氏の論文より、情報活用の能力について紹介していただきました。
 
  @ 情報を用いて問題を発見できる
  A 必要な情報は何かがわかる
  B 情報のありかを知っている
  C 情報を引き出せる
  D 情報の正誤、意味を吟味できる
  E 当面する問題について情報を用いる、仮の方策・仮説を設定できる。
 F 情報を用いて仮の方策の有効性、仮説の正しさを検討する。

  ABCが収集能力、@DEFが活用能力で、@〜Fが広義の情報活用能力としています。情報能力の育成を目的とした授業を考えるなら、これらの視点をふまえることが必要です。
・ 次に、「新版 中学公民複製資料」を紹介していただきました。戸籍謄本、婚姻届、出席届、逮捕状、民事裁判訴状など、20の複製資料があります。その中で14点については、書き込み練習ができるようになっています。単に見るだけより、実施に書き込みをすることにより、生徒の印象には残ると思われます。

☆ 奥村先生からは、環境に関する資料を17点紹介していただきました。エネルギー環境教育情報センター発行の『エネルギー・環境教育教師用ハンドブック』は、授業で使えるネタの、手軽にできる実験等が紹介されています。ワークシートまでついています。同センター発行の『わくわくエネルギーランド』は、子供にもわかりやすくまとめられています。

☆ 勝村先生からは、環境問題に関する児童の作品を紹介していただきました。昨年度の5年生と今年度の6年生が作成したもので、授業のネタに使えるものもかなりありました。東山動物園の希少動物を撮影しに行った児童もおり、幅広く活動しています。なかでもTPシートの質の高さに驚きました。TPシート・カラーシートが教室に常置してあり、児童が作り慣れていることがわかります。
 生徒に作品を作らせる場合、模範となる例を示すと、よりよい作品になる可能性が高くなります。こうした作品の交流も大切です。

☆ 大島先生からは、授業者としての取り組みを報告していただきました。生徒が個々に環境について調査を始め、8月には、希望者が大口町の環境課へ訪問するそうです。 また、めいきん生協より、“水環境パックテスト 酸性雨測定用”“河川調査パックテスト”を取り寄せ、生徒が測定します。授業の設計は、夏休み中に立てることになりました。

☆ 高橋先生からも、授業者としての取り組みを報告していただきました。環境調査はいいのだが、授業につなげるのが難しい。環境問題は、今の経済問題の帰結なので、子どもが気づけばいい、悩めばいいのではないかということです。身近にあって広がりがある授業を目指しているそうです。

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp