第530回 社楽の会報告    第529回   第531回へ   TOPへ
                                                           
報告者  土 井

 2020年7月2日(木)前回に続いてZOOMによりオンライン社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、長谷川先生(東洋英和女学院大学大学院)、船渡先生(古知野東小)、奥村先生、吉田先生(岩倉東小)、早川先生(布袋小)、早川先生(西尾市立吉田小)、尾関先生(岩倉市教委)、岩月さん(KKアルバ)の9人でした。

土井の資料を紹介します

1 「関ヶ原」の決算書 (新潮新書)を読む (1)

2 社会科教育法の窓(1)

3 90分を10分で!「社会演習6 6年生は何を学ぶか」

4 『社会科教育7月号』をすべて読む!

5 新学習指導要領 社会科授業デザイン&評価のポイント
 
次回は、第530回 7月16日に行います。

     
 

1 『「関ヶ原」の決算書 (新潮新書)を読む (1)

この3月29日に急逝された、山本博文先生の業績を偲んで、数回にわたって紹介します。 


戦を経済視点で描いた本。今回は序章の中から一部紹介します。
 

 ・秀吉以前:兵糧米は自前、不足分は略奪による現地調達

・秀吉  :軍役負担者・従者、非戦闘員 全員の兵糧米を支給

      大軍の急な移動は、沿道の農家に炊き出させ対価を支払     う。

・秀吉が支給した兵糧米:一人あたり1日5合(今で400円)

(例)関ヶ原の合戦:10万人規模 → 1日4000万円   

・金1枚(天正大判;金165g)

   → 天正12年 米26石(約200万円)

     天正13年 米30石(約240万円)

           米36石(約288万円)

     天正17年 米44石(約350万円)

・永楽銭(天正18年)金1枚=18貫文

   352万円 ÷ 18000 = 195.5円

 

(例)秀吉の小田原攻め 総勢20万人

  5合 × 20万人 = 1000石(1日)→ 3ヶ月で9万石(72億円)

  (実際には50万石の兵糧米を準備)

 

天正17年10月10日「兵糧に付き条々 写」

一、兵糧奉行に長束正家、その配下に小奉行17人を任命する

一、年内に二十万石の米を受け取り、来春早々、船で駿河の江尻・清水へ運送し、蔵を建てて収  納し、全軍に渡せ。

一、黄金一万枚を受け取り、伊勢・尾張・三河・駿河で米を買いそろえ、小田原近辺の船着き場  に届けておけ 

補足 馬二万騎分の飼料を調達しておき、滞りなく与えよ

 20万石の米:160億円

  黄金一万枚:350億円 値上がりしても30万石にはなる

「小田原陣立書」

一番家康三万騎、二番織田信康一万五千騎、以下十二番の備えで、合計124,010騎。

これは「人」であり、非戦闘員をも含めている。+海上 20,630人、秀吉隊5万人

秀吉以後の文書は、非戦闘員をも含めて、必要な兵糧を表している。 

農民出身の秀吉が、非戦闘員を大切にしたことにより、戦を変え、経済力を持った武将が有利になったことがわかりました。 

2 社会科教育法の窓(1) 

 関西学院大学「社会・公民科教育法」授業者:倉橋忠 先生のオンデマンド授業がYouTubeにアップされています。これがすばらしい!

 01社会科の教員を目指すために             02社会科・公民科の現状と課題

 03中学校社会科の学習指導における留意事項   04社会科公民的分野の指導内容・指導計画

 

 

 

 

 

 

 

05目標に準拠した評価による指導の改善     04で使われた資料    

 

 

 

 

 


3 90分を10分で!「社会演習6 6年生は何を学ぶか」

 人権学習 → 歴史学習 → 国際理解 にちなんだ模擬授業を2本入れてみました。

 人権 → 歴史    「国際会議で初めて人種差別撤廃を訴えた人は?」
 歴史 → 国際理解  「新渡戸稲造の思い」



4 
『社会科教育7月号』をすべて読む!
 

特集 この1冊で必ずうまくいく!「研究授業」まるごとガイド

1 2つの立場から見る!「研究授業」の目的と意義

協働・対話による社会科授業力の育成/梅津 正美

授業者を育てる研究授業のあり方・およびその評価を考える。フレームワークがウリ。視点が広がる

2 授業者も楽しくなる「研究授業」で使ってほしいおもしろ教材・教具

小学校/とにかく自分自身が「面白い」と感じる教材・教具を持ち込もう!/古川 光弘

 研究授業のネタ;縄文シチュー、片側だけの商店街から何がわかるか。

中学校/「コンビニ」と「南北戦争」の授業/河原 和之

 かつての河原先生の実践「コンビニのPOS」など。南北戦争のネタはとても面白い。

3 子どもたちの緊張を和らげる「研究授業」で使ってほしい指導技術

[教室環境]安心して学べる人的・物的教室環境づくり/柳沼 孝一

  研究授業でリラックスするためのミニネタ集。働きかけや環境づくり、背面掲示など。

[指示・指名・説明]普段の授業を研究授業に近づける/小笠原 優貴

普段の授業を研究授業に近づける方法、緊張を和ませる指示・発問・説明

[発問・学習問題]教室内の空気を温めるちょっとしたワザ/宗實 直樹

ちょっとした小ネタ集。間口の狭い発問(4w)から広い発問(Ho.Why)へ確かに!

[板書]参加意識を高め,授業に没頭させる効果的な五つの板書/黒田 拓志

オープン板書、討論板書、関係図板書、ベン図板書、カード操作板書 つかえる! 

  4 チャレンジで一歩先へ「研究授業」で使ってほしい重要テーマ

防災/山口 仁久

 防災の研究授業は内容面、学力面、学習法方面で、社会科学習の総決算になる

ESD/北 俊夫

 水産資源の有限性を、秋田のハタハタ漁、宍道湖のシジミ漁から考える おすすめ

 領土問題/大島 悟

 戦後の日韓交渉の流れと竹島問題の現在。知っておくべき!

   平和学習/麻生 多聞

   憲法9条についての政府解釈変更と国民意識の変化 知っていたい!

   主権者教育/藤井 剛

   主権者教育の狭義と広義の定義と、それぞれの対応 

   消費者教育/阿部 信太郎

   身近な教材を使って消費者市民の育成を。こうした社会科ワード解説特集もあっていい

5 成功への道!「研究授業」授業プラン 虎の巻 小学校

3年/消防士と消防団どちらが我々の生活を守るのか/梅澤 真一

 これをテーマにするには注意が必要。肺と心臓のどちらが大切かを議論しているのと同じで、授業は盛り上がるが、結論は決まっている。自分ならどちらも大切なのはなぜから入る。

4年/社会との関わりを実感させる授業づくりの実践/菊池 健一

 防災の学習で、ゲストティーチャーにインタビューするもの。研究授業でGTは難しい 

5年/問題解決に向けて知恵を寄せ合うライブ授業/平川 公明 ここでのライブ授業とは、発表授業のような練習できないもの。リンゴの農家の工夫を児童が考えていく。おもしろい

6年/【我が国の政治】『日本国憲法を写真で撮ろう!』身近な生活から日本国憲法を見つける/村瀬 正 憲法を写真で撮るという発想は面白い。他でも応用可能である。 

6年/【我が国の歴史】逆時系列で歴史を楽しむ~武士の世の中へ~/牧 紀彦

武士の誕生、清盛の台頭、兵士の貴族化を、源平の合戦を切り口に教材化。まあおもしろい 

6 成功への道!「研究授業」授業プラン 虎の巻 中学校

地理的分野/【世界の様々な地域】単元のデザインを大切にした研究授業/川端 裕介

EUについて普段の授業の延長を見せようとした実践。10年後のEUを予想する発想はいい! 

地理的分野/【日本の様々な地域】環境保全を中核に据えた近畿地方の学習/大津 圭介

大阪市が水道水をペットボトルで販売したことから環境に目を向けさせた実践

歴史的分野/【古代までの日本】単元構成,問いの構造から提案内容を考える/内藤 圭太

単元のとらえがしっかりしていて、複雑だが面白そうな実践。かなり鍛えていないとできない

歴史的分野/【近世の日本】ストーリー作成とポイント発見で時代把握を/岡野 英輝

江戸時代のいつ何がきっかけで幕府の権威が揺らぎ始めるかを問う。何かな?

公民的分野/【私たちと現代社会】「見せる」授業かつ「中身」の充実を目指した授業づくり/堂崎 翔太 少子高齢化問題をトゥールミンモデルで考える。

公民的分野/【私たちと経済】「防災」を通して財政を考えよう/三枝 利多

無人島漂着シミュレーションで場面設定課題について考えるもの おもしろい!主権者意識

公民的分野/【私たちと政治】研究授業で子ども主体の学校をつくる~「令和の大合併は必要か?」を例に~/宮本 一輝 ネタは面白いが根拠が弱い。軽々しくは発言できることか?

7 研究授業の成功の是非は,事前検討会&事後検討会の質で決まる!

授業者も参観者も「WinーWin」になる検討会を/米田 豊 模擬授業の有効性、授業は最大の生徒指導であることは共感できる。見ておきたい!

最新情報で徹底解説! どうなる・どうする社会科教育 (16)/小倉 勝登

  単元を通しての評価のポイント。1時間1観点でよい。態「解決の見通しをもっているか」重要

スペシャリスト直伝!授業がもっとうまくなる社会科授業スキル (4)/佐藤 正寿

  資料読み取りのポイント。グラフは題から、気づきに意見を、歴史絵は作者の意図を

100万人が受けたい!見方・考え方を鍛える中学社会 大人もハマる最新授業ネタ/河原 和之 

 プラスチックの害、歴史、進化、数字、アジアでの処理。すぐに使えるネタ。

新学習指導要領 社会科授業デザイン&評価のポイント (4)/澤井 陽介

 別紙で紹介 先月の小倉さんと半分かぶっている

ICTも有効活用!板書&資料でよくわかる授業づくりの教科書 (16)/朝倉 一民

 吉野ヶ里遺跡を時間的、空間的、相互間液滴視点で見る。首なし死体の理由を考える 面白い!

見方・考え方を働かせる!単元を貫く学習課題でつくる中学社会ワーク (4)/川端 裕介

 近畿の学習。天下の台所を今なんと言えばよいか?今回は琵琶湖の水質改善の様子を探る

地理大好きな子どもを育てる!見方・考え方を鍛える地理授業デザイン (4)/吉水 裕也

 感染症の拡大を防ぐために、地理教育で何が出来るか。台湾、シンガポールの例。重い

最新情報でしっかり解説!歴史教育はどう変わるか (10)/藤野 敦

 次号で歴史的分野の単元の評価規準の作り方を紹介。先月の小倉、今月の沢井とかぶる?

学びと社会がリアルにつながる!SDGsの視点でつくる公民授業 (4)/唐木 清志

 目標5ジェンダー平等を実現するために。目標の下に作られたターゲットが役立つ。読みたい

社会科における深い学びの実現とは (4)/佐藤 孔美

 介護の外国人の増加について論争。具体的判断基準から概念的判断基準へ。みんなの合意点へ

銅像からわかる!つれづれ歴史散歩ガイド目からウロコの教材づくり― (4)/寺本 潔

 勝海舟像から海舟の器の大きさを考える。授業化へのアイデア。

わが県の情報 ここに「この授業あり」 (268)山口県の巻/吉川 幸男

 

5 新学習指導要領 社会科授業デザイン&評価のポイント