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報告者  土 井

 2020年9月10日(木)前回に続いてZOOMによりオンライン社楽の会を開催しました 。

 参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、奥村先生、吉田先生(岩倉東小学校)、尾関先生(岩倉市教委)、船渡先生(古東小)、坪内先生(江南市教委)、近藤先生、土屋先生(愛知教育大学)の8人でした。

土井の資料を紹介します

1 教員免許状更新講習会を行いました
2 東大寺500立像  船渡さんへのメールより
3 社会科教育法の窓(3)
4 中教審答申案の作成に向けた骨子(案)
5 『社会科教育9月号』をすべて読む!
6 90分の授業を5分で 教育課程論 第10回「生徒指導」
7 九州・柳川で取材

 
次回は、第533回 9月24日に行います。

     

1 教員免許状更新講習会を行いました

 テーマは「全員参加型授業の指導技術」
 
これまで、このテーマで3時間の講習は経験がありますが、今回は何と6時間。
 
内容が持つか心配でしたが、最後は時間が足らないので、かなりはしょったほどでした。
 
ブログにはいただいた感想を載せておきました。その一つを紹介します。
「今回、自分が生徒の立場で授業を体験でき、新鮮で『あっ!こういう方法もあったんだ!』と目からウロコのような手法にびっくりしました。あっという間の時間だったように感じました。私は授業で、わかっている子に目が行きがちで、今回の授業を受けて、分からない子をいかに授業で拾い上げより深くつながった展開にもっていくのか考えさせられ、日々の授業を反省させられました。先生のお言葉や、この授業で学んだことをムダにしないように、来週から始まる学校での授業に向けて改めて準備をし直し、臨んでいきたいと思いました。『分からない子に目を向ける集団づくり』を実践していきたいと思います。本日は、本当にありがとうございました。」
 
 来年もこのタイトルで行います。来年は、「楽しい社会科授業の作り方」も6時間行うつもりです。
 





2 東大寺500立像
  船渡さんへのメールより
この巨大な仏像を作ったのは、渡来してきた百済人である。延べ423,000人の技術者と人夫218万人が作業に従事し、全ての完成までには実に26年の歳月を要した。
大仏のメッキには、水銀と金5対1のアマルガム(水銀合金)が使用された。当時の百済人は優れた知識と技術を持っていて、すでに金メッキの方法を開発していた。
鋳造した仏体を砂や砥石で磨いた後の仕上げを、ザクロ酢で行ったと言う。その後、金アマルガムを均等に塗り、白く乾燥したところで炭火を使用して水銀を蒸発させながら磨くと金だけが蒸着する。この作業にも多くの年月を要した。
水銀を使ったメッキが可能であった原因の一つとして、作業現場から至近の三重県に水銀鉱山があって、原料としての水銀が近場で大量に手に入ったことが挙げられる。
( 中 略 )
大仏建立では、閉鎖空間の建屋内で、大仏に塗布したアマルガムの水銀を飛ばす作業が5年以上も続けられた結果、作業に従事し水銀蒸気を吸った多くの人が、水銀中毒によって死亡することとなった。
東大寺中門を入った庭に並ぶ500立像は、犠牲者を供養した像とされている。水俣病を遡ること1200年前、すでにわが国では大規模水銀中毒が発生していたのである。
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【五百立神社】大仏殿の建設に関わった工匠ゆかりの小さな神社
五百立神社(いおたちじんじゃ)は,東大寺の境内,鏡池の西に鎮座する。「五百餘所社」とも称す。
『延喜式』(神名帳)所載の「五百立神社」(添上郡三十七座の一)に比定される古社であるが創立時期は不明。
 
大仏殿創建に従事した大工さん達が祀られる神社として知られます。
大仏殿の完成後に500人の工匠が五百羅漢となって天空に飛び去ったとする説話が当社と関連付けられ,古くから建築関係者の崇敬を集めたといいます。
 
背後(西側)は五百立山と称する低い雑木に覆われた丘で、頂上に十三重塔(鉄道職員殉職者供養塔)が立つことから、ここで言う500人の工匠も、大仏造営寺の殉職者であったであろうことが想像できます。
 
3 社会科教育法の窓(3) 
 関西学院大学「社会・公民科教育法」授業者:倉橋忠 先生のオンデマンド授業がYouTubeにアップされていました。(今はありません)前期の残り4回分を紹介します。
11 現代社会と文化を指導する
テーマ「授業研究1 「現代社会と文化」の授業をどうするか」の授業です。中学校社会科公民的分野で、「現代社会と文化」の授業を行う際に留意すべきことを解説します。教科書を主な教材として授業設計を行う「普段着」の授業を提案します。ただし、教科書以外からの投げ込み教材を使い、多面的・多角的な見方・考え方を具体的に実現します。特に、今回は、「対立と合意」、「効率と公正」の視点を大単元を貫く社会科学的な概念として据え、グローバル化、情報化、少子高齢社会、持続可能に社会等の問題を解決することを「教材」にして、「思考力・判断力・表現力」を育てる授業の一端を紹介します。
 










12 民主政治を指導する
テーマ「授業研究2「民主政治」の授業をどうするか」の授業です。「当たり前」のことを疑い、「暗黙知」になっていることを明らかにして、「共有知」にすることを提案します。また、教育の中立性について、憲法擁護の責務を教員が負っていることを前提に理解することも合わせて解説します。指導上の留意点として、主として、基本的人権と公共の福祉の関係について解説します。
 
 
 










13 暮らしと経済を指導する
  テーマ「授業研究3「暮らしと経済」の授業をどう実践するか」の授業です。授業者が行った最近の実践授業を5つ紹介します。「消費生活を支える流通」「資本主義経済と企業」「働きやすい職場を築くために」「税金の公平性」「財政の課題」の授業で扱った教材と、主な発問を中心にして授業展開を解説します。統計資料の読み方を指導する方法を具体的に紹介します。特に、非正規雇用の増加の背景については厚生労働省の統計を読み取る授業を提案しています。また、労働者の生涯賃金の比較から所得格差を明らかにしておいてから、所得税の累進課税を扱っています。所得税の累進課税の指導では所得税の計算もさせました。
 












14 国際社会の諸課題を指導する
 テーマ「授業研究4『国際社会の諸課題』の授業をどう実践するか」の授業です。この動画は前回にアップロードしたものを少しだけ修正したバージョンです。講座内容は、授業者が行った最近の実践授業2時間で使用した主な教材と発問を紹介します。小単元「さまざまな国際社会」(全5時間構成)のうちの「貧困問題」(第1次・第2次)の授業です。学習内容の主な小項目をあげると次のようになります。飢餓、食料不足、食品を捨てる日本の暮らし、バイオエタノールは人に優しいか、貧困、平均寿命、安全な水の確保、活躍する日本のNGO、水運びは女性と子どもの仕事、負の連鎖、人口爆発と食料不足、ストリートチルドレン、児童労働、少年兵、フェアトレード認証、フェアトレード財団、公正貿易、マイクロクレジット、識字率と女性、教育と生きる力、安い服は低賃金で作られている、オープンエンドの授業。その他、自作のノートプリントも紹介します。
 
  次回には、後期の授業を紹介します。








 
4 中教審答申案の作成に向けた骨子(案)
 これは、次の指導要領を考えるベースになるものです。
 テーマ 誰一人取り残すことのない「令和の日本型学校教育」の構築を目指して
~多様な子供たちの資質・能力を育成するための,個別最適な学びと,社会とつながる
  協働的な学びの実現~
  総論の見出しのみを紹介します。
<Ⅰ.総論>
1.急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力
2.日本型学校教育の成り立ちと成果,直面する課題と新たな動きについて
(1)日本型学校教育の成り立ちと成果
(2)新型コロナウイルス感染症の感染拡大を通じて再認識された学校の役割
(3)変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題
  ①社会構造の変化と日本型学校教育
  ②今日の学校教育が直面している課題
(4)新たな動き
  ①新学習指導要領の全面実施
  ②学校における働き方改革の推進
  ③GIGA スクール構想
3.2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿
(1)子供の学び
  ①幼児教育
  ②義務教育
  ③高等学校教育
(2)教職員の姿
(3)子供の学びや教職員を支える環境
4.「令和の日本型学校教育」の構築に向けた今後の方向性
(1)学校教育の質と多様性,包摂性を高め,教育の機会均等を実現する
(2)連携・分担による学校マネジメントを実現する
(3)これまでの実践と ICT との最適な組合せを実現する
(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる
(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する
(6)社会構造の変化の中で,持続的で魅力ある学校教育を実現する
 
5『社会科教育9月号』をすべて読む!
 今回の実践は、有田先生を追悼しているように見えますが、それと共に、新学習指導要領の本質を考えるものになっています。企画がすばらしい!
特集 追究の鬼を育てる!子どもの問いを深める授業づくり
1 「はてな?」から追究の鬼を育てる! 子どもの問いを深める授業づくり
教材開発と「はてな?発見力」が土台になっての授業づくり/佐藤 正寿
はてな発見力は、教えたいことをあえて教えないこと。児童に問題意識を持たせることが大切
2 有田先生直伝!追究し続ける子どもの育て方 鍵は学習技能の育成にあった/鎌田和宏
学習技能も児童が見つけたことを協働的に広げていく。結局教師が自ら鍛えなくてはならない。
3 有田先生直伝! 「子どもの側に立つ」教材研究の条件 教材発掘の技術と「ネタ」を生かす授業づくり/古川光弘 既知を未知に変えることで子どもは追究を始める。
4 6つのステップでうまくいく!子どもの問いからはじまる社会科授業 子どもの「問い」を大切にしよう!/樋口万太郎 問いから授業を作る実践。おもしろい!
5 子どもの問いを深める授業 つまずくポイントはここだ!―成功と失敗の分岐点
単元の目標設定から一単位時間の手だてまでをつなげて/大村龍太郎 つまずくポイントは子どもの実態把握と目標設定、教材開発、単元構成と問いの連続、一単位時間の扱い 深い
6 教師が変われば子どもも変わる!問いを深める社会科授業 教師ナビゲートのポイント
「何が」変わればよいのか?/坂井 清隆  新学習指導要領で変わったものを解説。重要
7 【授業最前線】追究の鬼を育てる!子どもの問いを深める授業づくり 小学校
3年/地域の生産や販売 時間や空間による比較で,新たな関係を捉える/石田 誠
地元の素材を生かしたスケールの大きな実践。これぐらいの授業をやってみたい!
4年/住みよいくらしをつくる・地域社会の災害や事故防止
「何これっ?」と思う仕掛け(教材)と「ゆさぶり発問」で問いを深める/大谷 雅昭
個人的に、自分のやってきたこととすごく近い。わかりやすい!
5年/我が国の農業や水産業 子どもの様態のみとりに基づく教材開発を/松村 淳
魚の釣り針を選ぶ学習。面白いが、社会科の目標とはやや距離を感じるが・・・
5年/我が国の工業生産 一貫性を揺さぶることで始まる追究/河野 晋也
自動車工場の授業としては面白い。教材研究が深い。ただ「一貫性」という言葉が…
6年/我が国の政治のはたらき・世界の中の日本の役割 個性豊かなミニコメンテーターを育てる/糟谷友子 発想がユニークでおもしろい!公民はこの方向で! おもしろい
6年/平安時代~鎌倉時代 子どもが自ら問い続け主体的に追究する授業デザイン/三栗谷渉
失礼ながら、字が細かく読みにくい理論の部分と実践部のつながりがわかりにくい。
8 【授業最前線】追究の鬼を育てる!生徒の問いを深める授業づくり 中学校
地理的分野/「なぜ」と「不思議」が絡み合う授業展開で「追究の鬼」を育てる地理的分野の学習指導/中野英水 「なぜ」を出すまでの論文。その後はどうするのか。
地理的分野/日本の諸地域 語り合うために,私は知りたい/岡田 昭彦 友人と語り合うために知りたいことを調べるという構え。都市近郊の空洞化を具体的に掘り下げている。
歴史的分野/古代までの日本 現在の状況への対応を大仏建立から学ぶ生徒を育てる/大谷 誠一 東大寺大仏を天然痘と金を軸に考えるもの。さすが中学生のレベルは違う。 注目
 同 /近世の日本・近代の日本と世界生徒の問いを引き出す地域史教材の授業/小林朗
地域素材で近世・近大の学習を行うもの。新潟版。深い教材研究がなされている。
公民的分野/私たちと経済 経済に関する「見方・考え方」(概念的な枠組み)を働かせる授業/坂田 元丈 公民のいろいろな概念的な枠組みが詰まった実践。面白い
 同 /私たちと政治 ピンチをチャンスに。主権者たる子どもの「ガチ(切実)」を引き出せ!/柴田 康弘 課題に切実感を持たせる主権者教育の実例。コロナがらみの課題。
9 【授業最前線】追究の鬼を育てる!生徒の問いを深める授業づくり 高等学校
地理 追究意欲を醸成する地理授業~ブラジルのアマゾンを題材にして~/池田 靖章
問いを作るトレーニングの実践。アマゾンを題材にワールドカフェ方式で追究。
歴史 「モノ」の生産・流通・消費の追究が「歴史」を可視化する/磯谷 正行
モノで社会を可視化する。中華料理の具材をどう交易したか、水戸黄門はなぜ長寿番組か
公民 「出生前診断の是非」から一歩深める授業実践/前嶋 匠
出生前診断の是非を考えるもの。重いテーマである。
 
最新情報で徹底解説! どうなる・どうする社会科教育 (第18回)
単元の指導と評価の計画の作成について③/小倉 勝登
単元の指導計画に評価規準と評価方法を位置づける。いつもやっていた?
スペシャリスト直伝!授業がもっとうまくなる社会科授業スキル (第6回)
ノートに授業スタイルを組み込むスキル/佐藤 正寿 ノートをまとめる際の5つのアイデア。矢印、比較、記号、吹き出し、指定された言葉でのまとめ  使える!
100万人が受けたい!見方・考え方を鍛える中学社会 大人もハマる最新授業ネタ (第6回)
「コロナ危機!」こんな世界事情/河原 和之 世界各国のコロナ対応。そこから各国の事情が見えてくる。格差、出稼ぎ、内戦、衛生状態、水道普及率など。日本は母の月。面白い
新学習指導要領 社会科授業デザイン&評価のポイント (第6回) 新学習指導要領における学習評価(6)/澤井 陽介 学習のための評価、評定のための評価を単元構成に位置づける
ICTも有効活用!板書&資料でよくわかる授業づくりの教科書 (第18回) 4年生/新単元「自然災害から人々を守る」/朝倉 一民 地震をどう教材化するかの実例。
見方・考え方を働かせる!単元を貫く学習課題でつくる中学社会ワーク (第6回) 権利と義務の視点を働かせる学習/川端裕介 教育を受ける権利の教材化とワーク紹介。
地理大好きな子どもを育てる!見方・考え方を鍛える地理授業デザイン (第6回) 繰り返し犯罪が起こる「場所」,起こりにくい「場所」(場所)/吉水裕也 発想がユニーク 面白い
最新情報でしっかり解説!歴史教育はどう変わるか (第12回)
中学校社会科の評価の構造(3)/藤野 敦 ~「学習改善につなげる評価」と「評定に用いる評価」について~  澤井先生と同じような内容。評価は難しい
学びと社会がリアルにつながる!SDGsの視点でつくる公民授業 (第6回)
「目標8 働きがいも経済成長も」をどう教材化するか/唐木 清志
労働と経済をめぐる問題を構造化したもの。途上国と先進国、男性と女性、都市と地方
社会科における深い学びの実現とは (第6回)地域社会と連携して目指す「深い学び」/井上昌善 消防署との連携した防災学習、行政機関と連携した政策学習、深い学びのポイント
銅像からわかる!つれづれ歴史散歩ガイド―目からウロコの教材づくり― (第6回)
大輪田の泊まりと平氏の栄華・商店街振興に一役かった清盛像/寺本 潔
神戸にある清盛像から、地域の歴史をさぐるもの
わが県の情報 ここに「この授業あり」 (第270回)佐賀県の巻/佐長 健司
 
 
6 90分の授業を5分で 教育課程論 第10回「生徒指導」

7 九州・柳川で取材
  福岡でコロナ感染が増加している中、柳川で取材をしてきました。
  その内容は、1月14日の社楽の会で報告します。