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報告者  土 井

 2022年3月10日(木)社楽の会を布袋小学校で開催しました 。

参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、坪内先生(江南市教委)、奥村先生、吉田先生(岩東小)、迫先生(藤里小)、阿部先生、長江先生、鈴木先生、土屋先生、磯村先生(門弟山小)、安形先生,近藤先生、土井先生、堀田先生、大森先生、後藤先生、江口先生、長尾先生(犬山中)、早川先生、舟橋先生、工藤先生(布袋小)、高木先生(池野小)、伊藤先生(文教大学)、中村さん(愛教大生)、池邑さんの25名でした。 

土井の資料を紹介します。

  「ここまで来たGIGAスクール元年 そしてこれからは・・・」
2 授業で使える便利アプリを紹介
3 「古を念う」8つめの仮説
4 火12 初等社会科教育法 振り返り
5 火12 最後の授業振り返り
6 文部科学省関係資料

  「ここまで来たGIGAスクール元年 そしてこれからは・・・」
 
坪内先生は社楽の会で6回目の講師です。実際に一人一台のCrombookを使用して、体験をしました。
 
 
       
       
2 授業で使える便利アプリを紹介  別紙(Webでも)で紹介しました。

社楽の会HPからリンクに飛ぶことが出来ます。。
 ここから https://sites.google.com/view/syarakujin/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0




3 「古を念う」8つめの仮説
 前回は、高橋先生により圧巻の授業をしていただきました。その課題は

柿本人麻呂は「東の野に 炎の立つ見えて かへり見すれば月傾きぬ」(万葉集巻1 48番歌)の句をなぜ阿騎野で詠んだのか?
 
 それに対して7つの仮説を出していただきました。
 そこで、御礼の気持ちを込めて、自分でも新説を考えてみました。
 
 柿本人麻呂は、7世紀後半~8世紀初めの歌人。ごく低い官吏であったにもかかわらず、藤原京時代に宮廷歌人として持統天皇・文武天皇の行幸や諸皇子の旅に従って、近畿はもちろん、中国・九州にも旅行していました。各地で数多くの歌をよみ、万葉集にも長歌18、短歌60余が載せられています。この阿騎野は狩り場として、よく来ていたようです。

 今回もその一つ。この歌が詠まれたのは、軽皇子が生まれ(683年)、さらに草壁皇子が亡くなって(689年)以後に、そして文武天皇として即位する697年までの間に読まれた句です。
 一説には、朱鳥(あかみとり)7年(692年)11月の出来事だそうです。
 
 この歌が使われたで有名?なシーンは次のものです。梶原一騎原作の『巨人の星』。星飛雄馬の初恋の女性、日高美奈を病気で失う場面です。
https://blog.goo.ne.jp/stake43/19 

 この出会いは衝撃でした。飛雄馬は叫びます。 「東に日がのぼりつつあるっ 西に月がしずみつつあるっ は・・はじめて見た、のぼりくる日、しずみゆく月・・・ 日と月が同じ天にあるのを。(がーん がーん がーん がーん がーん)」
「ああ、こうして このように・・・日は昇り 月はしずみ 限りない果てしない繰り返しで 地球誕生以来、地上のいとなみ、人類の前進があったっ」
「しずみゆく月を悲しみ いつまでも それを 追おうとしても・・・ 日はまたのぼる!」
「そこに進歩が 前進があった! 美奈さんを月にしよう!おれは日になろう!大自然の夜明けがおれに教えた!」
 
 梶原一騎のモチーフは、柿ノ本人麻呂の句そのものだと思います。美奈さんが草壁皇子、飛雄馬が軽皇子であることは明らかでしょう。
 それでは、これをふまえて新しい説を出してみます。
 
 「繰り返し(輪廻転生)-式年遷宮説」
 
 私は、高橋先生の話を聞きながら、伊勢神宮が閃きました。
 特に、伊勢神宮の式年遷宮は、篤く仏教を信仰していた天武天皇が定め、持統天皇の治世の690年(持統天皇4年)に第1回が行われました。草壁皇子が亡くなった翌年です。
 遷宮の準備はその前から行われていたに違いありませんが、タイミングが合いすぎです。
 今と違い、当時の伊勢神宮は天皇家の直轄です。人麻呂は、持統天皇と共に、遷宮の準備のため、伊勢神宮へ訪れたことと思います。鳥羽に、持統天皇の行幸を人麻呂が読んだ句碑があります。
阿騎野は、伊勢へ向かうときの通過点なのです。
 
 天武天皇は、なぜ式年遷宮を始めたのでしょうか? 伊勢神宮を取材したときに「記録は残っていない」といわれたので、勝手に推理してみましょう。
 
 天武天皇は、天皇権力の強化(権威付け)のために、天照大神(伊勢神宮)を祖とする天皇家との関係に各地の神を位置づけ、国家神道を体系化しました。

 その一方で、国家鎮護の法として、仏教も厚く保護していました。即位前には出家して吉野に退いた経歴があるので当然です。Wikipediaにも、天武天皇の仏教政策はいろいろ書かれているので、お読みください。
 注目すべきは、天武天皇四年(675年)に出された有名な肉食禁止令です。仏教の説く輪廻転生は、自分がいま、食べようとしている、たとえば牛が自分の親族の生まれ変わりである可能性があり、そう思うと、口に入れられなくなるというとこから始まっています。
 天武天皇は、輪廻転生を、天皇支配が永遠に続くようにと伊勢神宮にも当てはめた、それが式年遷宮の発想だと思うのです。
 
 出雲大社は60年なのに、伊勢神宮はなぜ20年周期?
 
 繰り返しの技術・精神を伝えるためだと思います。
 当時の平均寿命は短いとはいえ、20年なら、一生のうちで2回は経験できます。その技術・精神を次の世代に伝えることができます。
 次の遷宮、さらには国家の運営は、軽皇子が担うことになります。この阿騎野で詠んだ4つの連句は、その決意を人麻呂が代弁したものなのと解釈できます。
 東から出る月、沈みゆく月、そしてそれを永遠に繰り返す天の営み。草壁皇子が亡くなり、軽皇子が表に出る。これも輪廻転生。その運命を人麻呂は歌に詠んだのです。
 いかがですか?
 ※ 星飛雄馬の引用元はブログ「人生に必要なことは、すべて梶原一騎から学んだ」です。
  すごい人生を歩んだ梶原一騎は、哲学者でもあるのです。




4 火12 初等社会科教育法 振り返り
  https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/16732454a0bfcaf41c1608725ea552d5 
  https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/7db40ef4c6b6d422b0f4c43ecdbead04 
 愛知教育大学で、毎週火曜日に、「初等社会科教育法」を2クラス担当しました。その最後に、全体の振り返りを書いてもらいました。一人紹介します。
 
☆ 全15回の講義を通して学んだこと・感想を、4つの視点に分けてみました。
 1つ目は、全員参加型の授業の視点です。授業の最初に声を出させること、意見の発表の方法など様々なことを学びましたが、やはり全員参加は大きなポイントとなってくると思います。ちょっと大袈裟かもしれませんが、全員参加ではない授業によって生み出された「別にどうでも良いや」「自分には関係ない」「自分の意見は反映されない」という意識の積み重なりにより、人は社会課題などに対して無関心になったり、自分の生き方に対しても無関心になったり、何かを自分の力で変えることはできないと思うようになったりしてしまうのではないかと思いました。物事を自分事として考えられるような姿勢を養うためにも、全員参加型の手法を講じることは重要なことなのではないかと思います。
 2つ目は、ユニバーサルデザインの授業の視点です。「見える化」や、できる子とできない子への配慮の大切さ、平等と公平について、パワーポイントのユニバーサルデザインなど、多くのことを学びました。
 私は、授業の「わかりやすさ」は受ける人によって違うと考えます。なので正直、「全員にとってわかりやすい授業」なんて無理だと思います。しかし、少しの工夫で、ある子の「わかりやすい」と思う気持ちは変わらずとも、ある子の「わかりやすい」と思う気持ちが高まるなら(「わかりやすい」と思う気持ちが下がった子はいないものとする)、それは素敵なことですし、その工夫こそユニバーサルデザインと言えるものだと思います。配慮が必要な事項を知っていて、できることをした方が、より良い授業に近づけるはずです。配慮すればするほどキリがないのですが、どこまでいってもキリがないからこそ、こうしてみたらどうだろう?と試行錯誤していくことが楽しいと思いました。もっとできることを探してみたいです。
 3つ目は、ICTの視点です。この講義を通して、様々なアプリやツールを知ることができました。今がこんなに便利になっていたことに気づき、驚きです。特にマイニングは、簡単に使えてとても便利だと思いました。前、自己分析でたくさんの友達にLINEで自分のことを聞いてみたのですが、その結果を集計するときにマイニングが使えるのではないかと思い、使ってみたら、とても結果がわかりやすくなりました。また、「Classroomscreen」は、普段の授業からかなり役に立ちそうだと思いました。他にも、音楽の授業でも使えそうだな、というものもあったので、どんどん試していきたいと思います。アプリやツールを使うことで、視覚的にわかりやすくなったり、子どもたちが学習に取り組みやすくなったりするのならば、ぜひ活用していくべきだと思いますし、活用できるようになりたいと思います。ただ、前も書いたのですが、何でもデジタルデジタルでいくのではなく、アナログとデジタルのメリットやデメリットを考慮して、そのときに合った方法を選択できる力を身につけていきたいです。
 Zoomのチャット機能を使ったり、毎回の学び(課題)が共有できる状態だったりと、みんなの考えていることを知れるというのは、その分自分の学びが増えるということなので、とても良いことだと思いました。また、教員という立場からも、時間や労力をそこまでかけずみんなの考えを確認することができるので、良いことだと思いました。しかし、このような仕組みを成立させるためには、子どもの意識にも目を向ける必要があると思います。「人の考えを知ることができておもしろい」と思う子。「一人だと何を書けば良いかわからないから、みんなのを見ることができて助かる」と思う子。「人の考えを写せるから楽できる」と思う子。「人に見られるなんて嫌だな」と思う子。本当にたくさん考えられます。大切なことは、学ぶとはどういうことかを子どもたち自身が考えることができるように、普段の指導や学級の雰囲気づくりから力を入れていくことなのではないかと考えます。こんな偉そうなこと言っていますが、正直生徒指導や学級経営は不安しかないので、失敗しながら頑張りたいと思います。
 4つ目は、教材研究の視点です。最近は教材研究をしっかりしないで、いきなり指導案を作ろうとしてしまうことが多く、反省しています。教材研究なしではおもしろい授業はできないと思いました。先生の最後の授業は本当におもしろかったです。「社会科は足で稼げ」という言葉のように、自分の教科でも労力を惜しまず、楽しみながら研究していきたいと思います。しかし、同時に、今の教員の労働環境でおもしろい授業を作ることはなかなか難しいと感じました。教材研究も不十分な授業を受けなければならない子どもも、教材研究を十分にできない教員も、大変だなと思います。私ができることはあまりないのかもしれませんが、少しでも他の業務を削減できるように提案したり効率化を図ったり、短い授業準備時間でもおもしろい授業ができるように工夫していきたいと思います。
 4つの視点に分けては見たものの、記入していて、これらは相互に関連していることに気づきました。これらの学びを生かし、残りの大学生活における学びを、より充実したものにしていきたいと思います。そして、子どもたちの可能性を広げられる教員、子どもたちと一緒に学び考え続ける教員になりたいと思います。非常に学びの多い講義でした。半年間ありがとうございました。
 
 全員の振り返りをマイニングしてみました。








5 火12 最後の授業振り返り 
 (1) 火1 初等社会科教育法 最後の授業 振り返り
 15時間目の最後の授業は、「プロの授業」というタイトルで、学生の希望を取り行いました。
 https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/88a1a35f483da279e98667b98878a2a8 
 その振り返りの一つを紹介します。
☆ アンネの日記が破られた真相を解き明かす内容の授業を受けた。自分が想像していたよりも多くの分野の出来事を取り上げ、一つ一つの情報を丁寧に扱っていた。単にたくさんの情報を取り扱うのではなく、その一つ一つがつながるような問いかけや資料の提示の仕方などの細かい部分で工夫が見られ、とても参考になった。これまで小・中学校で受けてきた社会科の授業とは違い、課題に対する答えを明確にするために様々なことを関連させて考える大切さを学ぶことができた。また、先生の授業を受けて印象的だったのは、全員が主体的に学ぶことができる授業であるということだ。児童の立場になって授業を受けたが、社会科で学習したことはほとんど覚えておらず、社会情勢についても詳しく知らない自分でも考え続けることができた。小・中学生の中には勉強が得意で、自ら学習する子もいればそうでない子もいる。そのため扱う内容(資料や情報)によっては学習に向かう姿勢に差が生じてしまう。しかし、今回のようにニュースや新聞で取り上げられたことがある、聞いたことがあるようなものを用いることで意欲的に学習に取り組めるため、教材研究の際に意識していきたい。
 
 




(2) 火2 初等社会科教育法 最後の授業 振り返り
 https://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/88dad2133df0ecd18e391b4c99d3fd75 
 
☆ プロの模擬授業を見せていただきました。いろいろな方面から資料や情報を集めてありすごいと思いました。やはり「社会科は足で稼げ」というだけあって、先生自身が現地に赴いたり資料を集めたりして、授業を組み立てているのを感じました。多様な情報が集められて提示されている分、一授業で得られるものが多いし、結論付けるというか授業を締めくくるための論拠が強くなっていると思いました。
 歴史と関わりのある授業内容を面白いと思えた貴重な経験でした。私は歴史の授業を面白いと感じられず、内容確認などで苦労した記憶があります。というのはこれまで受けてきたのは歴史の事実の部分だけを切り取る授業で、暗記教科という意識が強くありました。ですが先生の授業は結論までのエピソードがしっかりあって、一連の流れや因果関係を意識しながら最後まで聞くことができました。個人的にはすごいことで、授業の工夫一つでこれだけ変わるのかと驚いています。目標までのプロセス作りが巧みだなと思いました。
 またプロセス作りの巧さのみならず、各ポイントで確認したい内容を抑える工夫も感じました。手のサインで確認する場面なのか、ペア同士で説明しあうのか、席は立たせるのかなど、抑えたい事項の重要度に応じて確認の仕方を変えるというように、いろんな手法をフルに活用した授業ですごかったです。また話し合いをしている生徒の声に耳を傾け、「あぁいいね」などリアクションしていて、生徒から出た声を拾う力も見ることができました。
 







6 文部科学省関係資料
  今回は、ICT関係に絞りました。 
(1)GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議(第5回)会議資料   https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00339.html  令和4年2月25日(金曜日)
(資料5-1)ICTの教育活用についてのWeb調査(国立教育政策研究所) (PDF:541KB) PDF
(資料5-2)GIGAスクール構想の下で整備された学校における1人1台端末等のICT環境の活用に関する方針について(案) (PDF:4.2MB) PDF


(2)学校教育情報化推進専門家会議(書面開催)資料
   令和4年2月28日(月曜日)
  https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00348.html 
   概要は別紙で紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 


(3)教育データの利活用に関する有識者会議(第7回)会議資料
  令和4年2月21日(月曜日)
【資料0】教育データ会議議事次第(第7回) (PDF:66KB) PDF
【資料1-1】教育データの利活用に関する有識者会議(第6回)における主な意見 (PDF:147KB)
【資料1-2】教育データの利活用に係る論点整理(中間まとめ)抜粋 (PDF:264KB) PDF
【資料2-1】教育データ利活用ロードマップ(令和4年1月7日デジタル庁、総務省、文部科学省、経済産業省) (PDF:6.8MB) PDF
【資料2-2】教育データ利活用ロードマップに関するQ&A (PDF:2.7MB) PDF
【資料2-3】国民からの意見募集結果・有識者との意見交換について (PDF:1.4MB) PDF
【資料2-4】こどもに関する各種データの連携について (PDF:4.7MB) PDF
【資料3】教育データの分析・利活用に向けた取組状況について (PDF:800KB) PDF
【資料4】中村委員提出資料 (PDF:478KB) PDF
【資料5】緒方委員提出資料 (PDF:9.2MB) PDF
【資料6】戸ヶ﨑委員提出資料 (PDF:86KB) PDF
   https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00345.html