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報告者  土 井

 2022年5月19日(木)社楽の会を布袋北学習等供用施設で開催しました 。

参加者(勤務校)は、土井(名古屋芸術大)、高橋先生(岩北小)、高木先生(犬北小、)、日比先生(岩南中)、吉田先生、奥村先生(岩東小)、水野先生(犬東中)、谷田先生(大西小)、近藤先生、安形先生,,勝村先生(犬山中)、勝村先生(大口中)、髙木先生(池野小)、杉田先生(布袋小)、田中先生(布袋中)、の15名でした。

土井の資料を紹介します。

1 全国高校入試 説明問題数調査
2 荘園への招待 中世日本史の確認に迫る 名城大学教授 伊藤俊和
3 加藤高明について考える (1)加藤高明って、だれ?『あるかさ 令和4年7号』
4 文部科学省関係資料
5 鎌倉幕府と北条氏、そして承久の乱へ至る分岐点/中日文化センター 
6 絶好の教材!「時短命令に違法判決」
次回は、6月2日(木)19:00 から行います。
 
     


1 全国高校入試 説明問題数調査
 
 中学校社会科における思考力はどう付けるか。
 意外と簡単である。

高校入試の問題を、説明問題の量を増やす。
 
            

授業もinputされたことから考えてoutputする学習活動を繰り返す
 
 
  そこで、今回は2022年(入試は2021年)の実態を見てみたい。
 資料は、旺文社『2022年受験用 全国高校入試問題正解 社会』。
 ここで言う説明文とは、回答に(例)とあり、単語でないもの。ほとんどは文章であるが、一部、複数の単語を組み合わせたものも採用した。 多い順に示す
20:宮崎、茨城  19:なし  18:なし  17:なし
16:福井  15:なし  14:なし
13:群馬、石川
12:静岡、
11:秋田、長野、福岡
10:奈良、
9:香川、鹿児島
8:山梨、広島、徳島、熊本
7:山形、栃木、埼玉、和歌山、島根、大分
6:岩手、三重、岡山、山口、愛媛、高知、佐賀、長崎
5:青森、宮城、福島、新潟、富山
4:滋賀、大坂、鳥取、沖縄
3:北海道、千葉、東京、岐阜  2:なし
1:神奈川、愛知A、愛知B、京都、
0:兵庫、
問題を解いてみよう
 茨城県 ReseMomより  https://resemom.jp/article/img/2021/12/02/64594/294977.html 
解答は別紙で紹介  100点中 64点が記述問題
《参考》宮崎県 2020入試問題・解答:1年前のものです。説明問題は19問あります。
 説明問題 19問
 
2 荘園への招待 中世日本史の確認に迫る 名城大学教授 伊藤俊和 /中日文化センター
 奈良時代から室町時代まで、750年の歴史をたどった荘園。かつては貴族や寺社が土地を囲い込んで国の秩序を乱したかのように捉えられた荘園ですが、近年では武家も含めた日本中世の基礎的な社会単位と考えられています。荘園は幾度もの気候変動に翻弄されましたが、その独立性や自由さによって農業生産力の向上や貨幣流通の促進に寄与し、日本の豊かさの原点になった面も見逃せません。『荘園』(中公新書)の著者が最新の荘園研究について解説します。5月から始まる3カ月講座です。
 
第1回(5月7日) 荘園史の流れ
従来の荘園史は、奈良時代から平安時代に拡大した貴族や寺社の荘園が鎌倉時代から武家によって侵略されると説明されてきましたが、近年は平安末期の院政期に独立性の強い中世荘園が成立し、その支配と権益をめぐる争奪戦が繰り広げられたと理解されています。荘園史研究の歴史を振り返るとともに、新しい見方によって中世史の見通しが良くなることを示します。
 
第2回(6月4日) 荘園と気候変動 近年の古気候学研究の進展によって過去の気候変動がかなり正確にわかるようになり、史料からわかる実態と突き合せることで、荘園が気候変動に翻弄された様子が明らかになってきました。古気候学の研究成果について解説するとともに、平安時代の大旱魃、鎌倉時代の冷害、室町時代の集中豪雨などの実態に迫ります。
 
第3回(7月2日) 荘園の世界
 中世荘園は独立した小世界となり、土地の実情に応じた開発と生産活動が行われました。その遺産は現代の農村にも受け継がれています。荘園史料や荘園絵図から復元した中世荘園の景観や生活の様子を実例を挙げて解説するとともに、今に残る荘園の痕跡を紹介し、受講生の皆さまを荘園の世界に誘います。
 
 当日の資料を紹介します。
 
3 加藤高明について考える (1)加藤高明って、だれ?『あるかさ 令和4年7号』 
  4回にわたっての連載です。後日まとめて紹介します。
 
4 文部科学省関係資料
(1)「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律」が成立
    https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2022/20220511.html 
  5月11日、参議院本会議において、今国会に提出していた「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」が可決、成立しました。
 本法律は、公立の小学校等の校長及び教員の任命権者等による研修等に関する記録の作成並びに資質の向上に関する指導及び助言等に関する規定を整備し、普通免許状及び特別免許状の更新制を発展的に解消するものです。
 グローバル化や情報化の進展により、教育を巡る状況の変化も速度を増しています。このような中で、教師自身も高度な専門職として新たな知識技能の修得に継続的に取り組んでいく必要が高まっています。また、オンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など、教師の研修を取り巻く環境も大きく変化してきました。
 このような社会的変化、学びの環境の変化を受け、令和の日本型学校教育を実現するこれからの「新たな教師の学びの姿」として、主体的な学び、個別最適な学び、協働的な学びが必要であると考えております。
 
 今後、本改正を踏まえ、個々の学校現場や教師のニーズに即した新たな研修システムを整備するとともに、文部科学大臣が定める教師の資質向上に関する指針の改正や、それに基づくガイドラインを新たに策定することを予定しています。
 
(2)養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議(第1回)配布資料 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/178/giji_list/mext_01126.html
議事次第(第1回) (PDF:75KB) PDF
資料1 養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議開催要項
資料2 養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に向けた論点例 (PDF:40KB) PDF
資料3 中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会における議論の動向について (PDF:1.8MB) PDF
参考資料1 基礎資料(非公表)
参考資料2 「子どもの心身の健康を守り、安全・安心を確保するために学校全体としての取組を進めるための方策について」(平成20年中央教育審議会答申) (PDF:1.1MB) PDF
参考資料3 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(令和3年中央教育審議会答申) (PDF:1.5MB)
参考資料4 教職課程コアカリキュラム (PDF:263KB) PDF (以下略)
 
5 鎌倉幕府と北条氏、そして承久の乱へ至る分岐点/中日文化センター  5/14(土)
 平家全盛から源頼朝の挙兵、鎌倉幕府成立後も熾烈な権力闘争が繰り返され、日本中で稀にみるほど戦いと陰謀がめぐらされた時代。北条氏はどのようにして武士主導の政治体制を生んだのか。時代の転機になった承久の乱とは何だったのか。「逆説の日本史」でおなじみの井沢元彦が、最新の知見を元に、独創的かつ圧倒的な「井沢史観」で徹底解説。
 
使用した資料の一部
北条義時(ほうじょうよしとき)[1163-1224]
 鎌倉幕府第2代執権。時政の子、小四郎 (こしろう)などと称した。 
 源頼朝の挙兵以来、父に従って活躍。頼家のときも、元老重臣による合議制の一員として重要な政務にあずかった。1203 年(建仁 3) 比企氏が滅び1、父時政が幕府の実権を握ると、翌 04年(元久 1) 義時は相模守に任ぜられた。05年、実朝を廃そうと謀った父を、姉政子とともに幕府から追放した。
 幕府内における北条氏勢力の確立をねらう義時は、あなどりがたい勢力をもつ待所別当和田義盛一族を 13 年(建保1)に滅ぼし2、政所 (まんどころ) と侍所の別当を兼ねて政務を独占した。ここに北条氏の幕府指導者としての地位がほぼ確立した。 19年(承久 1)には将軍実朝を暗殺うして源家の血統を断ち、京都から九条道家の子 頼経 を迎え、政子を表面にたて幕政を掌握した。後鳥羽上皇の討幕計画を察知した義時は、21年 子泰時を大将として軍を上洛させ京都を占領、上皇を隠岐に流し、泰時らを六波羅に留め置 いた(承久の乱)。敵方からの没収所領 3000 余か所に、東国の御家人武士を地頭として送 り、幕府の勢力範囲は一段と拡大した。事変後3年にして病を得、貞応3年6月13日出家、 同日急死した。日本大百科全書(小学館刊より抜粋)  これを読みながら補足解説することで90分があっという間に終わりました。
 
6 絶好の教材!「時短命令に違法判決」
毎日新聞社説の一部です。
 新型コロナウイルス対策で、東京都が飲食店に出した営業時間の短縮命令について、東京地裁が違法と判断した。
 時短命令は、国民の権利を制限するものであり、違反には罰則も設けられている。行政に慎重な適用を求めた判決だ。
 2回目の緊急事態宣言が出されていた昨年3月、都は夜間の営業時間短縮要請に応じない27店に、全国初の命令を出した。うち26店を営む飲食チェーン「グローバルダイニング」が提訴していた。
 夜間営業の継続をホームページで発信したことへの「見せしめ」だと主張した。都内では当時、時短要請に応じない飲食店が2000余に上っていた。
 判決は、時短の要請や命令そのものは重要な感染対策であると認めた。不合理な規制とはいえず、「営業の自由」を保障した憲法にも違反しないと判断した。
 ただ、新型コロナの特別措置法では、命令を出せるのは「まん延を防止するため、特に必要がある時」に限られている。今回のケースは、これに当たらず違法だと結論づけた。
 この件については、全国の中、高等学校で、憲法の授業に付随して多くの授業が行われました。「違憲か、合憲か?」「基本的人権」などがテーマです。
「時短の要請や命令そのものは重要な感染対策であると認めた」のは公共の福祉のために制限はやむを得ない。「今回のケースは、これに当たらず違法」は経済活動の自由を制限しているということでしょう。
 この先、どうなるかは不透明ですが、社会科教師としては、注目の判決です。