第61回 社楽の会報告    第60回へ   第62回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

11月14日(木)7:00〜9:30、布袋北学供にて第61回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井尾関高橋大島岩田川井、高木、奥村(敬称略)そして大藪先生、和田先生の10名です。
 
☆ 尾関先生より、県教研(11/3,4)での魚住先生(愛知教育大学教授)の助言を環流していただきました。その中からいくつか紹介します。
 ・ 教育の目的・方法・内容は三位一体である。
 ・ 中学校の社会科は、きっちと内容を教えるべき。学習内容が次の学習に生き、知的な道具として働くと学ぶ力となる。
 ・ 社会認識を深める=見えなかったところが見えてくること
 ・ 社会認識を深める能力は、情報を収集・選択・整理し、判断する裏付けとなるよう統合して使っていく力
 ・ 楽しく学ぶときは、@既成概念が揺らぐとき、A発見があるとき、B次の課題が見えてくるとき
 ・ 社会科においては、意志決定は×、意思決定が正しい。
 ・ 環境学習する人は、リオ宣言、アジェンダ21を必ず読むこと。
  その他、詳しくは尾関先生のレポートをお読みください。

・ さらに、助言の中でぜひ読んでほしいと言われた、魚住先生の論文「パラダイムの再考と現実直視の精神性」(「社会科教育 395」明治図書)を紹介していただきました。内容は、@「パラダイム(一時代の支配的な物の見方)」について再考すべき。A 社会を見る物差しとして「グローバル社会の認識に必要な物差し」「日本社会の課題の解明に役立つ物差し」をもて、B 現実の奥にある見えにくい真実を直視し、行動に結びつく認識を形成せよ、というものです。
・ 中日新聞(1996/11/4〜)に毎週連載されているデンマークの環境リポートを紹介していただきました。@では、デンマークでは、環境保護のために缶飲料の販売が禁止されるなど、危険回避へ機敏な行動がとられていること、Aでは、住民が当事者意識を持ってゴミの分別回収を行っていることが紹介されていました。

☆ 土井より、文化祭の提案文書の紹介です。布袋中では、午前ステージ発表、午後体験講座を行っています。今年は、午前には、地域の伝統芸能(安良地区の棒の手)、広島派遣生徒の報告、横田作文発表会、有志学級のクイズ・劇、視覚障害者の講演、3年選択音楽(合唱)の発表、ブラスバンドと障害を持つバイオリニストとの競演を行います。午後は、校区在住の講師を中心としたによる22の体験講座、展示、映画とディスカッションという内容です。その全体を統括する立場での提案です。70名近くになる外部からみえる人の接待に最も気を使いました。
・ 59回の社楽の会で尾関先生から教えていただいた中部電力発行「地球環境年報」を紹介しました。地球環境のための企業努力が簡潔にまとめられています。
 
☆ 大藪先生より、今年度の資料集部会の資料集・理論編(3ページ)の提案です。 
テーマ「情報化社会を主体的に生きる子どもの育成−環境問題を通して−」
 T はじめに
 U 研究の方向 
  1 情報化社会で育てたい子ども像
  2 情報化社会の中で主体的に「生きる力」を育成するための学習場面
      4つの学習場面、基本的な単元の流れ
  この後、留意事項、環境問題のとらえが続きます。今後、練られていく予定です。
・ 11月9,10日に行われた岩倉市民ふれ愛まつりについて紹介していただきました。そこでは、商工会コーナー、福祉フェスティバルコーナーなどの他に、川井先生から紹介があった環境フェアも開かれていました。
 環境フェアでは、ふれ愛フリーマーケット、訪問看護ステーションコーナー、リサイクル品展示、ごみの行方、
紙のコーナーなどがありました。環境問題に対する市民への啓蒙活動の好例といえます。
・ 次に、石塚硝子がガラス片入り舗装用ブロックを開発し販売を始めたという新聞記事を紹介していただきました。(中日7/12)
カレットの角をとり5o以下の粒に加工して、コンクリートブッロクの表面に樹脂で固めたもので1uあたり\11,000(工事費込)、景観に優れ、リサイクルの意識向上の効果も期待できそうです。

☆ 岩田先生より、犬山市の清掃事業についての調査結果報告をしていただきました。
内容は、1 市の概況、2 ごみ収集量の推移、3 ごみ処理の現況、4 ごみ減量 推進店登録制度 です。
分別収集はまだこれからという段階ですが、フロンガス回収は近隣の市町では最も早かったと言うことです。詳しくは、社楽のホームページをご覧ください。

☆ 川井先生から、岩倉市の清掃事業についての調査結果報告をしていただきました。
 3までは岩田先生と同様の構成ですが、4は「イベント、PR活動を通じた市民へのリサイクル・減量化意識の啓発」として次の7点が紹介されています。
@環境フェア、Aクリーンチェック岩倉、Bリサイクル・減量化推進計画、Cポスターコンクール、D施設見学会、E家庭用生ゴミ処理機の購入助成、Fボカシの普及、利用促進
 なお、資料として「一般廃棄物処理計画の全体像」が紹介されています。詳しくはホームページをご覧ください。

☆ 大島先生から、資料集の原稿案を提案していただきました。
今後、大藪先生の理論編との摺り合わせが必要ですが、豊富な実践を、いかにわかりやすく効率的に紹介できるか、工夫していただきたいと思います。資料集のよりよいまとめ方について、ぜひアイデアをいただきたいと思います。
  
☆ 高橋先生より、授業の進行状況の報告と、資料集の原稿案を提案していただきました。授業は、第8時「話し合い:高鷲村に東海北陸自動車道を建設することに賛成か」
まで終了しています。そこでは、集めた情報をもとに、自作資料を駆使して話し合いが行われました。
高橋先生は、高鷲村に住む人たちの姿があまり見えてこなかったと分析されています。その原因として、情報収集が手紙によるもので、しかも手書きの文字よりも活字に目を奪われたことをあげてみえます。
 住む人たちの姿を浮き立たせるための情報収集は、大切な今後の課題の一つになりうると考えます。

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp