第63回 社楽の会報告    第62回へ   第64回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

 
12月5日(木)6:30〜9:30、岩倉中学校にて第63回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井尾関大島、勝村、高橋、岩田(敬称略)そして大藪先生の7名です。
 
☆ 土井より、外務省地球規模問題課の考える地球環境問題を紹介しました。資料は、外務省FAX情報サービスで取り寄せました。外務省FAXサービスとは、社楽の会第13回でも紹介しましたが、電話一本で、外務省よりFAXで必要な資料が送られてくるものです。
地球規模環境課では、次のように考えています。
 ・ 地球環境問題は、日本が国際貢献を果たしていく最重要分野
 ・ 現在は、リオ国連環境開発会議(UNCED)の成果をフォローアップする時期。国連環境特別総会に向けて、企画・立案・執行の推進が重要
 ・ UNCEDのフォローとしての5本柱、@国際的法的枠組みの強化、A環境ODAの強化、B地球環境基金、C環境関連技術の途上国への移転、D国民レベルのライフスタイル
  詳細は、 052-453-6000、以下音声ガイドに従って、782406# を押せば指定のFAXに送られてきます。
・ その関連で、『現代用語の基礎知識』'97年版より、地球環境用語の解説を紹介しました。地球規模環境課の資料の用語がほとんど解説されています。一例を紹介します。
地球サミット …1992年6月、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議
アジェンダ21…地球サミットの成果の一つ。21世紀に向けて、世界の様々な立場の人が取るべき40の分野、1000以上の行動計画。
地球環境ファシリティ(GEF)…途上国で行われる事業で地球環境保全に役立つものに対して、資金の贈与、低利の融資をおこなうもの。
  この他、持続可能な開発委員会(CSD)、気候変動枠組み条約、生物多様性条約、バーゼル条約など、地球環境を考える上では落とせない重要語句が理解できます。
・ 昨年の「平和教育資料リスト」に続き、「環境教育資料リスト」ができました。まず115件のリストが紹介されています。今後も改訂版を出しますので、リストを土井までお願いします。なお、社楽のホームページに掲載されています。

☆ 前回紹介された、木曽川東小のT田君の「すべてが幸福になるための私の解決法」に対しての感想が寄せられました。その一部を 紹介します。 
・ 勝村先生から、犬山西小学校の6年生の5人の感想を紹介していただきました。
 I君 …高鷲村に病院や消防署、公共交通機関を充実させるべきで、自動車道は必要ない。
 G君 …地下道、電気自動車のいずれも問題がある。環境問題の解決のためには、今の人間の考え方、社会の在り方を変えなければいけない。
 Aさん…住民の環境に対する意識を高めることが大切。
 M君 …リサイクルはドイツの方法が参考になる。リサイクルだけでなくリユースやリデュースの3Rも大切。
・ 尾関先生からは、中学3年生の選択社会科の生徒の感想を紹介していただきました。
 Hさん…環境を守る会社は意見としてはいいと思うが、利益がないので、企業として成り立たたない。観光業に力を入れる方がよい。自然さえあれば豊かなのではなく、町・村を発展させることも大切。
 H君 …化石燃料以外は広い場所が必要である。また、環境をきれいにすることと、みんなが平等になることは別のことで、平等であっても幸せとは限らない。
 社楽のホームページでは、これ以後のやりとりも見ることができます。そこでは次のように意見・反論が載せられています。一部を紹介します。
 T君「Iさんの意見に答えて」…山地では鉄道は不便。すべての人が幸福になるには自動車道は必要。
 K君「Hさんの意見に答えて」…利益がないからやらないという考えがおかしい。利益がなくてもいろいろなことをしてくれる国が「豊か」である。
  年齢を超えて、議論し合うことはすばらしいことだと思います。インターネットは、それを 可能にするメディアです。

☆ 大島先生より、生徒の「私たちの町のゴミ問題を解決するために、私たちは何を知り、何をすればよいのか」の発表と、それに対する評価カードを紹介していただきました。
 発表では、調査テーマ・わかったこと・「私たちが提案する町のゴミ解決法」の3点が示されていました。その内容は、次回の報告でふれる予定です。
グループ別評価カードは、次のように観点が示されていました。
   ア ごみ問題に対するものになっているか
   イ 効果が期待できるか
   ウ 実現可能で継続性があるか
   エ 条件として付け足すこと、アドバイスなど
これらのそれぞれにコメントがつけられ、最後に感想が書かれていました。適切な指導がされていると感じました

☆ 尾関先生より、恒例の新聞記事「デンマークの環境リポート」Dの紹介です。
デンマークでは、現在、国内の総電力消費量の3.6%を風力発電で補っており、2005年には10%にまで高めることを目標にしているそうです。このほか、家畜の糞尿から出るメタンガスを活用するバイオガス工場も稼働しており、大地の恵みを有効に活用しているそうです。
・ 同じく新聞記事「PETへの動き加速 卵パック」を紹介していただきました。従来の塩ビにかわり、リサイクル可能なPETで卵パックを作るというものです。しかし、現実には塩ビとの識別が難しく、高い混入率と低い回収率が採算をとれなくしているそうです。

☆ この会の後、オランダの Michiel van Mil さんより、大口北中の生徒のメールに対する返事がきました。内容の要旨は(たぶん)次の通りです。

インターネットをこのように活用している例は稀です。私は環境テクノロジーの講師なので、みなさんの研究の内容・方法ともに興味を抱きました。
 オランダの廃棄物は5つの方法で分別収集しています。(内容 省略)
回収率は高く、人々は協力的です。スポーツクラブや学校が行う廃品回収にも、社会的な理由で協力しています。リサイクルはとても大切なことです。(実例 省略)
みなさんの研究の成功を祈ります。さらに知りたい事があればメールをください。

☆ さらに、同じく会の後、大口北中の3年1組のみなさんより「私たちが提案するごみ問題解決法」を送っていただきました。中学生とは思えないすばらしい内容に驚きました。詳細は、次回に紹介します。

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp