第64回 社楽の会報告    第63回へ   第65回へ
                                  報告者 布袋中 土 井

12月25日(水)6:30〜9:30、岩倉中学校にて第64回の社楽の会を開催しました。参加者は、土井尾関大島、岩田、高橋、熊木、川井(敬称略)そして大藪先生、終了間際に栗林先生にも駆けつけていただきました。
 
☆ 土井より、高田先生からいただいた資料を紹介しました。1年地理・中国での、題して「中国を読む」と名付けられた新聞記事をもとにした学習資料です。
 中日新聞11/7の「国際ウオッチ 中国のファストフード」、中日11/9の「核心 古代都市文明支えた稲作」、朝日新聞11/14「目覚める大市場上 中国の自動車産業」中日新聞11/10「情報ウィークリー 中国・三峡ダム 建設急ピッチ」の記事をもとに、生徒に「日本はどうする?あなたの考えをまとめなさい」と問いかけています。
2点目の長江の龍馬古城遺跡は、メソポタミア文明と同時期であり、唯一の稲作による都市文明ということで注目を浴びています。
・ 『社会科教育'97年1月別冊「生き方に根づく環境教育」』より、福岡県宇美町立井野小学校の実践を紹介しました。
 井野小学校では、「感性」「認識」「実践力」の三つを環境倫理を支えている資質・能力ととらえ、その三つを「授業づくり・環境づくり・活動づくり」の三つの活動により育てようとする実践しています。
特に、社会科の授業では、次のように価値を吟味しています。
  感 性:自分とのかかわりから、身近な環境の問題を感じ取れるか。
  認 識:身近な環境の保全のために、必要な環境認識が得られるか。
  実践力:子どもと環境とのかかわりを深められ、実践的働きかけに結びつけられるか。
これに基づき、めざす子ども像を定め、環境教育の視点を9点に分類しています。理論の筋が通っており、環境教育の研究のモデルとしてとても参考になります。

☆ 尾関先生より、日本新聞協会の「はじめましてNIEです」を紹介していただきました。NIEとは、新聞を教材に使って、児童・生徒の学習意欲を刺激する運動のことで、アメリカで誕生したものです。実践校を希望し、認められると、7社50数部の新聞を一定期間送られてくるようです。ガイドブック『私は「新聞」です』1〜3集、実践事例集が小・中学校それぞれ出版されています。
 詳細は、日本新聞協会教育文化部 〒100 東京都千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル7F  03-3591-3466 にお問い合わせください。
・ 関連で、NIE活動の一つとして朝日新聞社が作った、三内丸山遺跡に関する補助教材「三内丸山遺跡への招待」を紹介していただきました。布袋中学校でもすでに取り寄せたのですが、6回にわたって連載されたものを新聞4ページに再編集したものです。希望すれば何百部でももらえます。申し込みは、はがきに学校の名称、住所、責任者、電話番号、必要部数を明記して、〒460-88 名古屋市中区栄1-3-3 朝日新聞  名古屋本社宣伝課NIE係まで。

☆ 大藪先生より、新聞記事(朝日)を2点紹介していただきました。ソニーが電気製品の梱包材として、発泡スチロールに代わり古新聞を活用したものを使う方針にしたこと。増大するごみにどう対処するか朝日新聞社が世論調査を行ったことです。
世論調査の結果では、男女の考え方の違いに興味を持ちました。女性は男性に比べて、@ 自分の近くにごみ処分場を作ることは反対、A 都市のごみを地方で処分するのは反対、B ごみ処理の有料化は反対…という具合です。都市に住む人にとっては、@とAは矛盾するもので、このあたりは授業でも使えそうです。
・ 次に、アルミ缶リサイクルのホームページに質問をメールで送った結果についての報告がありました。赤池勝彦さんという方が質問に答えています。
 アメリカではアルミ缶が99%なのに日本ではスチール缶が多い点について、@アメリカではアルミの一次精錬メーカーがありアルミの値段が安いが日本にはない、Aアメリカには缶コーヒーがないため(当然お茶もない)スチール缶は必要ない、などの回答をいただきました。Aには驚きました。コーヒースタンドがいたる所にあるからだそうです。赤塚さんのメールアドレスは akasan@mb.infoweb.or.jp
 リスパックでは、分解可能なブラスチックの開発をしているそうです。また、取材に行きたいと思います。
・ 学習ソフトを紹介していただきました。新学社『ハイパーワイド版 歴史資料集』\9,800
です。まだ荒削りながら、音声・画像が豊富で楽しく学習できそうです。
・ ももたろうネットでは、各学校1名までインターネットの使用料が無料になるそうです。
・ オランダの Milさんとのやりとりをまとめていただきました。ヨーロッパでは中世からごみ問題に対して関心が高いために、参考になるアイデアが豊富にあります。また、この会の後にもメールが届きました。70円のビンの保証金、有料の包装紙など、ゴミを減らすシステムが紹介されています。
・ 同じく、アメリカのStewartさんよりメールが届いています。アメリカでのゴミを減らすための工夫が書かれているようです。

☆ 高橋先生より、資料集の原稿案・発表原稿案を提案していただきました。本番の発表を期待します。

☆ 大島先生、大藪先生より他校との交流の様子を報告していただきました。大北中の生徒がまとめた「私たちが調べたこと・知りたいこと」「私たちが提案するごみ解決法」に対して、岩中の生徒が意見や感想を報告し、さらにそれに対して大北中の生徒が意見・感想を送っています。こうした、例は古知野中や布袋中の生徒とも行われています。こうした他者との継続した対話は、今後増えてくる学習活動だと考えられます。詳細は、社楽のホームページ、後に配布される資料集をご覧ください。

☆ 大口北中の3年1組のみなさんの「私たちが提案するごみ問題解決法」を紹介します。
 T 私たち一人一人が、消費者として心がけること、
 U 地域の中での協力、
 V 生産者(主に企業)が行うこと、
 W 国や自治体が考え、行うこと、
 X ゴミ問題についての意識を高めるために 
 の5点に分けてまとめられています。特にWの内容に感心させられました。企業の責任を明確にした法律整備、ゴミになる製品への課税、企業内に環境調査の部局の設置など、現実的で一定の効果が期待できます。これまでの一連の取り組みの成果が表れていると考えます。
 

      問い合わせは 土井謙次  syaraku@tcp-ip.or.jp